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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.97.1 pdstjsyncの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

統計ログバッファに保存されている統計情報(統計ログレコード)を統計ログファイルに出力します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 pdstjsync 〔-m〕

(4) オプション

(a) なし

統計ログバッファに保存されている統計情報を統計ログファイルに出力します。

また,現在取得中のシステムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報を統計ログバッファに出力し,その延長で統計ログファイルに出力します。

(b) -m

統計ログバッファに保存されている統計情報を統計ログファイルに出力します。

なお,現在取得中のシステムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報は,統計ログバッファに出力されません。統計ログファイルにも出力されません。

オプション指定なしの場合と,-mオプションを指定した場合の処理の違いを次に示します。

統計情報の条件

HiRDBの処理

オプション指定なしの場合

-mオプションを指定した場合

統計ログバッファに保存されている統計情報の扱い

統計ログバッファに保存されている統計情報を統計ログファイルに出力します。

現在取得中のシステムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報の扱い

現在取得中のシステムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報を統計ログバッファに出力し,その延長で統計ログファイルに出力します。

現在取得中のシステムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報は,統計ログバッファに出力されません。統計ログファイルにも出力されません。

通常,システムの稼働に関する統計情報は,pdstbeginコマンドの-mオプションに指定した間隔で統計ログバッファに出力されます。例えば,pdstbeginコマンドの-mオプションに60分を指定した場合,60分ごとにシステムの稼働に関する統計情報が統計ログバッファに出力されます。

オプション指定なしのpdstjsyncコマンドを実行すると,この間隔とは別にシステムの稼働に関する統計情報を統計ログバッファに出力し,その延長で統計ログファイルに出力します。

-mオプションを指定してpdstjsyncコマンドを実行すると,システムの稼働に関する統計情報は統計ログバッファに出力されないため,統計ログファイルにも出力されません。この場合,pdstbeginコマンドの-mオプションに指定した間隔で統計ログバッファに出力されます。

システムの稼働に関する統計情報の統計ログファイルへの出力の仕組みを次の図に示します。なお,この図では,pdstbeginコマンドの-mオプションに60分を指定したとしています。

図2‒13 システムの稼働に関する統計情報の統計ログファイルへの出力の仕組み

[図データ]

(5) 規則

  1. pdstjsyncコマンドは,HiRDBが稼働中で,かつ統計情報取得中のときだけ実行できます。

  2. pdstjsyncコマンドは,任意のサーバマシン(統計ログバッファの情報を統計ログファイルに出力したいユニットのサーバマシン)で実行してください。

  3. システムの稼働に関する統計情報,又はデータベースの入出力に関する統計情報を取得中の場合,pdstjsyncコマンド実行時点のこれらの統計情報についても統計ログファイルに出力します。統計レコード出力タイミング,及び統計ログファイルへの出力タイミングを次の図に示します。

    図2‒14 統計レコード出力タイミング,及び統計ログファイルへの出力タイミング

    [図データ]

    (凡例)

    sys:システムの稼働に関する統計情報

    dio:データベースの入出力に関する統計情報

    uap:UAPに関する統計情報

    obj:SQLオブジェクト転送に関する統計情報

    [説明]

    1.pdstbegin -mコマンドで指定した時間間隔ごとに,統計ログバッファに統計ログレコードを出力します。

    2.pdstjsyncコマンド実行時に,統計ログバッファに統計ログレコードを出力します。ただし,-mオプションを指定した場合はこの処理を行いません。

    3.pdstbegin -Iコマンドで指定した時間間隔ごとに,統計ログバッファに統計ログレコードを出力します。

    4.pdstjsyncコマンド実行時に,統計ログバッファに統計ログレコードを出力します。ただし,-mオプションを指定した場合はこの処理を行いません。

    5.HiRDBへの接続時,及びHiRDBからの切り離し時に,統計ログバッファに統計ログレコードを出力します。

    6.SQLオブジェクトの実行要求時に,統計ログバッファに統計ログレコードを出力します。

    7.統計ログバッファ満杯時に,統計ログバッファの情報を統計ログファイルに出力します。

    8.統計情報取得の停止時(pdstendコマンド実行時)に,統計ログバッファの情報を統計ログファイルに出力します。

    9.pdstopコマンド実行時(正常停止,及び計画停止)に,統計ログバッファの情報を統計ログファイルに出力します。

    10.pdstjsyncコマンド実行時に,統計ログバッファの情報を統計ログファイルに出力します。

(6) 注意事項

  1. システムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報の取得中にpdstjsyncコマンド(オプション指定なし)を実行すると,統計ログファイルに出力する統計ログの量が増えます。そのため,システム定義のpd_stj_file_sizeオペランドの指定値を見積もる場合には,pdstjsyncコマンドの実行回数も考慮する必要があります。なお,システムの稼働に関する統計情報,及びデータベースの入出力に関する統計情報以外の統計情報については,統計ログの量が増えることはありません。

  2. pdstjsyncコマンドを実行しても,pdsteditの統計情報の編集には影響ありません。

  3. pdstjsyncコマンドのリターンコードは,0の場合は正常終了,8の場合は異常終了(オプション指定不正,又は統計情報未取得)となります。