2.88.1 pdrelsの形式と規則
(1) 機能
指定したRDエリアの閉塞状態を解除します。
(2) 実行者
HiRDB管理者が実行できます。
(3) 形式
pdrels -r {RDエリア名〔,RDエリア名〕…|ALL} 〔-o〕〔-W 実行監視時間〕
(4) オプション
(a) -r {RDエリア名〔,RDエリア名〕…|ALL}
- RDエリア名 〜<識別子>((1〜30))
-
閉塞状態を解除するRDエリア名を指定します。
- ALL
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マスタディレクトリ用RDエリアを除くすべてのRDエリアの閉塞解除をします。
<規則>
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バックアップ閉塞中でないマスタディレクトリ用RDエリアは指定できません。
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ユーザ用RDエリア又はユーザLOB用RDエリアを指定する場合は,データディクショナリ用RDエリアが次のどちらかの状態でなければなりません。
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オープン状態,かつ閉塞解除状態
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オープン状態,かつpdholdコマンドによる閉塞状態
-
(b) -o
閉塞状態を解除した後,RDエリアをオープンします。省略した場合,RDエリアの閉塞解除だけをします。
(c) -W実行監視時間 〜<符号なし整数>((0〜3600))
pdrelsコマンドの実行時間を監視する場合に,その監視時間を分単位で指定します。このオプションに指定する値の目安や動作については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」のシステム共通定義pd_cmd_exec_timeオペランドの説明を参照してください。
なお,このオプションに0を指定した場合は,監視を行いません。
また,このオプションを省略した場合は,システム共通定義のpd_cmd_exec_timeオペランドの指定値に従います。
(5) 規則
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pdrelsコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。
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pdrelsコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
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pdrelsコマンドは,RDエリアに対してモードPRで排他制御をします(更新可能バックアップ閉塞の解除時を除く)。そのため,指定したRDエリアにほかの更新系トランザクションがアクセスしている場合は,そのトランザクションの終了までpdrelsコマンドは待ち状態となります。
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共用RDエリアに対してpdrelsコマンドを実行した場合,全バックエンドサーバに排他を掛けます。このため,該当するRDエリアへのアクセスを複数同時に実行している場合,グローバルデッドロックが発生し,タイムアウトする可能性があります。グローバルデッドロックが発生した場合,再度pdrelsコマンドを実行してください。
(6) 注意事項
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pdrelsコマンドの結果は,pddblsコマンドで確認できます。
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更新可能バックアップ閉塞(WAITモード)中に,更新バッファの内容がRDエリアに反映された場合,閉塞解除するときに警告メッセージ(KFPH00157-W)が出力されます。
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pdrelsコマンドのリターンコードを次に示します。
- 0:
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正常終了
- 1:
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警告終了
更新可能バックアップ閉塞(WAITモード)時に,更新バッファの内容がRDエリアに反映されました。閉塞解除処理は正常終了しています。
- 4:
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警告終了
複数指定したRDエリアのうち,一つ以上にエラーがありました。
- 8:
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異常終了
- 12:
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異常終了
シングルサーバ又はディクショナリサーバがあるホストのイベントログ中のエラーメッセージを参照して,エラーの要因を取り除いた後,再度コマンドを実行してください。イベントログ中にエラーメッセージが出力されていない場合は保守員に連絡してください。
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障害閉塞したRDエリアを回復していない場合,閉塞解除はできません。ただし,書き込み時の入出力エラー,ログレスモードのUAP,及びログレスモードのユティリティによる障害閉塞は解除できます。
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データ未完状態の改竄防止表が格納されているRDエリアがコマンド閉塞している場合,そのRDエリアの閉塞解除はできません。この場合,データ未完状態の改竄防止表に対してpdrorgの表へのリロードを実行すると,データ未完状態は解除されます。解除された後に,閉塞解除をしてください。