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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.72.1 pdls【-d trn】の形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

サーバのトランザクションの状態を表示します。

(2) 形式

 pdls -d trn 〔-t トランザクション識別子〕 〔-{a|c}〕 〔-s サーバ名〕 〔-C 〔-H〕〕
 
             〔{-x ホスト名〔,ホスト名〕…|-u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…}〕

(3) オプション

(a) -t トランザクション識別子 〜<英数字>((16文字))

指定したトランザクション識別子のトランザクションに関する情報を表示します。省略した場合,すべてのトランザクションに関する情報を表示します。

(b) -{a|c}

-a

トランザクションに関するすべての情報を表示します。

-c

トランザクションブランチ数を表示します。

省略した場合,トランザクションに関するすべての情報(一部表示されない情報があります)が表示されます。

(c) -s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))

フロントエンドサーバ名又はバックエンドサーバ名を指定します。

省略した場合,該当するユニットで管理しているすべてのトランザクションに関する情報が表示されます。

フロントエンドサーバのサーバ名を指定した場合,指定したフロントエンドサーバが管理しているすべてのグローバルトランザクションに関する情報が表示されます。バックエンドサーバのサーバ名を指定した場合,指定したバックエンドサーバが管理している,グローバルトランザクションから分岐したすべてのトランザクションに関する情報が表示されます。

(d) -C

サーバのトランザクションの状態を,DAT形式で出力する場合に指定します。

(e) -H

-Cオプションを指定した場合に,タイトル行を付けて出力するときに指定します。

(f) -x ホスト名〔,ホスト名〕…

特定のホストについて情報を表示したい場合,そのホスト名を指定します。

-sオプションと同時に指定した場合は,-sオプションの指定が有効となり,-xオプションの指定は無視されます。また,複数のホスト名を指定する場合は,コンマの前後に空白を含めないでください。

(g) -u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…

特定のユニットについて情報を表示したい場合,そのユニット識別子を指定します。

-sオプションと同時に指定した場合は,-sオプションの指定が有効となり,-uオプションの指定は無視されます。また,複数のユニット識別子を指定する場合は,コンマの前後に空白を含めないでください。

(4) 注意事項

  1. pdls -d trnコマンドのリターンコードは,0の場合は正常終了,8の場合は異常終了となります。

(5) 出力形式

(a) -aオプションを指定した場合

 HOSTNAME : aa...a(bbccdd)
 TRNGID          TRNBID          STATUS                PID  SVID    B-SVID
 eeeeffffgg...g  eeeeffffhh...h  jj...j(k,l)       mm...mm  ii...i  nn...n
                 PROGRAM                      TIME   SYSINF
                 oo...o                       ppqqrr ss...s
                 S-PID=tt...t C-PID=uu...u(vv...v)
                 TMID=wwww XID=xx...x,yy...y ENVGRP=zzzz
                 XDS=BB...B NODE-ID=CCCC
                 READING-BLOCK-NO=DD...D
[説明]

トランザクションが複数ある場合,トランザクションの数だけ繰り返し表示されます。-a省略時は,PROGRAM,TIME,SYSINF,及びS-PID〜ENVGRPの情報が表示されません。

TRNGID「トランザクション識別子」からB-SVID「分岐元サーバ名」まで,及びPROGRAM「UAPの識別子情報」からSYSINF「システムが使用する内部情報」までの各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。

aa...a

ホスト名(32文字以内)

bbccdd

pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)

eeeeffffgg...g及びeeeeffffhh...h

トランザクション識別子(16文字)

eeee

HiRDB識別子(4文字)

ffff

ユニット識別子(4文字)

gg...g

グローバルトランザクション番号(10進数8けた)

hh...h

トランザクションブランチ番号(10進数8けた)

ii...i

サーバ名(8文字以内)

jj...j

トランザクション第1状態(16文字以内)

BEGINNING

トランザクション開始処理中

ACTIVE

トランザクション実行中

SUSPEND

トランザクション中断中

IDLE

同期点処理へ移行中

PREPARE

コミット(1相目)処理中

READY

コミット(2相目)処理中

H_COMMIT

システムが独自に決定したコミットの処理中

H_ROLLBACK

システムが独自に決定したロールバックの処理中

COMMIT

コミット処理中

ROLLBACK_ACTIVE

ロールバック処理待ち状態

ROLLBACK

ロールバック処理中

H_FORGETTING

システムが独自に決定したトランザクションの終了処理中

FORGETTING

トランザクション終了処理中

注 H_COMMIT,H_ROLLBACK,及びH_FORGETTINGについては,障害時にユーザからの決着指示を待たないで,HiRDBが独自に決着方法を決定します。

k

トランザクション第2状態

u

データベースアクセス処理をするプロセスで,データアクセス実行中

r

トランザクション回復プロセスで,トランザクションの回復処理実行中

p

トランザクション回復プロセスで,トランザクションの回復処理待ち状態

l

トランザクション第3状態

s

通信中(サーバ間でのトランザクション決着指示の通信中)

r

通信待ち中(サーバ間でのトランザクション決着指示の通信待ち中)

w

同期合わせ中(トランザクションマネジャとサーバ間でのトランザクション同期合わせ中)

n

通信中でない(s,rの状態でない)

mm...m

プロセスID(99999以下の場合,10進数5けた以内で右詰め表示,100000以上の場合は,10進数10けた以内で左詰め表示)

100000以上の場合,SVID(サーバ名)とB-SVID(分岐元サーバ名)の表示位置は右にシフトします。

ただし,トランザクションの回復処理待ち状態のトランザクションなど,トランザクションを実行しているプロセスがない場合は,0を表示します。

nn...n

分岐元サーバ名(8文字以内)

ただし,自サーバが要求元の場合は********を表示

oo...o

UAPの識別情報(30文字以内)

クライアント環境定義のPDCLTAPNAMEに指定したUAPの識別名称を表示します。PDCLTAPNAMEが設定されていない場合はUnknownを表示します。

ユティリティの場合は,ユティリティのコマンド名を表示します。ただし,ユティリティサーバプロセス上で動作していた場合や,障害発生によってUAP識別情報が取得できなかった場合など,情報を表示しない(DAT形式出力時は空要素を表示する)ことがあります。また,DAT形式の場合,PDCLTAPNAMEの末尾に半角空白を指定していると,末尾の半角空白は削除された状態で表示されます。

ppqqrr

サービス要求受け付け時刻(時分秒)

ss...s

システムが使用する内部情報(32文字以内)

tt...t:

UAP又はユティリティの処理の延長で,トランザクション処理を受け付けたサーバのプロセスID(99999以下の場合,10進数5けた以内で右詰め表示,100000以上の場合は,10進数10けた以内で左詰め表示)

100000以上の場合,C-PID(サーバのプロセスと接続していたクライアント(UAP又はユティリティ)のプロセスIDとIPアドレス)の表示位置は右にシフトします。

ユティリティサーバプロセス上で動作していた場合や,障害発生によってプロセスIDが取得できなかった場合など,0を表示することがあります。

uu...u:

サーバのプロセスと接続していたクライアント(UAP又はユティリティ)のプロセスID(10進数10けた以内で左詰め表示)

なお,次に示す場合は0が表示されます。

  • クライアントと接続していないサーバプロセスの場合

  • UAPとリンケージしているクライアントライブラリのバージョンが04-00より前の場合

  • Type4 JDBCドライバから接続しているサーバプロセスの場合

vv...v:

サーバのプロセスと接続していたクライアント(UAP又はユティリティ)のIPアドレス(15文字以内)

クライアントと接続していたサーバプロセスだけ有効です。クライアントと接続していないサーバプロセスの場合は0.0.0.0と表示します。

wwww:

接続しているOLTPのOLTP識別子(4文字以内)

クライアント環境変数PDTMIDを省略した場合は,"****"を表示します。

接続元がXDSクライアントの場合は,"HRDB"と表示します。

xx...x,yy...y:

OLTP又はXDSから与えられたトランザクション識別子(33文字以内)

zzzz:

OLTPシステムから与えられた環境変数グループ識別子(4文字)

複数接続機能を使用している場合に表示されます。複数接続機能を使用していない場合は,"****"を表示します。

BB...B:

XDSサーバ名(8文字以内)

接続元がXDSの場合にかぎり表示します。

CCCC:

ノード識別子(4文字固定)

接続元がXDSの場合にかぎり表示します。

接続元XDSのXDSサーバ定義のpdq_node_idオペランドに指定したノード識別子を表示します。

DD...D:

入力中のシステムログのブロック番号(8文字以内)

ロールバック処理でシステムログの入力処理を実行中の場合だけ表示(DAT形式出力時は空要素を表示)します。ロールバック処理が進行中であることを確認する方法は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

<出力例>

プロセスIDが100000以上の表示を含む場合

HOSTNAME : HOST0001(152813)
TRNGID           TRNBID           STATUS         PID  SVID     B-SVID
PRDBUNT001000005 PRDBUNT000010004 ACTIVE(u,n)   38095 SERVER01 ********
                 PROGRAM                 TIME   SYSINF
                 uap001                  152659 p_f_sqa_csetup
                 S-PID= 6888 C-PID=7063(10.1.0.1)
… プロセスIDが99999以下
PRDBUNT001000006 PRDBUNT000010005 ACTIVE(u,n)   108221 SERVER01 ********
                 PROGRAM                 TIME   SYSINF
                 uap002                  152755 p_f_sqa_csetup
                 S-PID= 7022 C-PID=7068(10.1.0.1)
… プロセスIDが100000以上
PRDBUNT001000007 PRDBUNT000010006 ACTIVE(u,n)    8101 SERVER01 ********
                 PROGRAM                 TIME   SYSINF
                 uap003                  152810 p_f_sqa_csetup
                 S-PID= 6887 C-PID=7069(10.1.0.1)
… プロセスIDが99999以下

(b) -a -C -Hオプションを指定した場合

"EDIT-TIME","HOSTNAME","TRNGID","TRNBID","STATUS1","STATUS2","STATUS3","PID","SVID","B
-SVID","PROGRAM","TIME","SYSINF","S-PID","C-PID","C-ADDR","TMID","XID","ENVGRP","XDS",
"NODE-ID","READING-BLOCK-NO"
"AA...A","aa...a","eeeeffffgg...g","eeeeffffhh...h","jj...j","k","l",mm...m,"ii...i","
nn...n","oo...o","ppqqrr","ss...s",tt...t,uu...u,"vv...v","wwww","xx...x,yy...y","zzzz",
"BB...B","CCCC","DD...D"
[説明]

aa...a〜DD...Dについては,-aオプションを指定した場合の説明を参照してください。

DAT形式で出力する場合の出力規則については,「コマンド実行結果をDAT形式で出力する場合の規則」を参照してください。

1行には,1トランザクションの情報を表示します。

AA...A:

pdlsコマンドを実行した時刻をYYYY/MM/DD hh:mm:ssの形式で表示します。

YYYY:年(西暦) MM:月 DD:日 hh:時 mm:分 ss:秒

(c) -cオプションを指定した場合

 HOSTNAME : aa...a(bbccdd)
 TRNGID          SVID   B-SVNUM
 eeeeffffgg...g  hh...h ii...i
[説明]

トランザクションが複数ある場合,トランザクションの数だけ繰り返し表示されます。

TRNGID「トランザクション識別子」からB-SVNUM「トランザクションブランチ数」までの各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。

aa...a

ホスト名(32文字以内)

bbccdd

pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)

eeeeffffgg...g

トランザクション識別子(16文字)

eeee

HiRDB識別子(4文字)

ffff

ユニット識別子(4文字)

gg...g

グローバルトランザクション番号(10進数8けた)

hh...h

サーバ名(8文字以内)

-sオプションを省略した場合は,"********"を表示します。

ii...i

トランザクションブランチ数(10進数5けた)

-sオプションを指定した場合は,該当するサーバが管理している,トランザクション識別子が同一のトランザクションブランチ数となります。-sオプションを省略した場合は,該当するユニットが管理している,トランザクション識別子が同一のトランザクションブランチ数となります。

(d) -c -C -Hオプションを指定した場合

 "EDIT-TIME","HOSTNAME","TRNGID","SVID","B-SVNUM"
 "jj...j","aa...a","eeeeffffgg...g","hh...h",ii...i
[説明]

aa...a〜ii...iについては,-cオプションを指定した場合の説明を参照してください。

DAT形式で出力する場合の出力規則については,「コマンド実行結果をDAT形式で出力する場合の規則」を参照してください。

1行には,1トランザクションの情報を表示します。

jj...j:

pdlsコマンドを実行した時刻をYYYY/MM/DD hh:mm:ssの形式で表示します。

YYYY:年(西暦) MM:月 DD:日 hh:時 mm:分 ss:秒