2.62.1 pdls【-d ha】の形式と規則
(1) 機能
IPアドレスを引き継がない系切り替え機能,又はスタンバイレス型系切り替え機能を使用しているときの,HiRDBの系の状態を表示します。
(2) 形式
pdls -d ha 〔{-u ユニット識別子|-s サーバ名}〕 〔-a〕
(3) オプション
(a) -u ユニット識別子 〜<識別子>((4文字))
系の状態を表示するユニットのユニット識別子を指定します。省略した場合,すべてのユニットについて系の状態を表示します。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているユニットのユニット識別子を指定した場合,そのユニット内のホストBESとゲストBESだけ状態表示の対象となります。
(b) -s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,状態表示をするサーバのサーバ名を指定します。影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していないユニットのサーバ名を指定するとエラーになります(KFPS05041-Eメッセージ)。
(c) -a
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,実行状態だけではなく,詳細情報(待機状態,受け入れ可能状態,及び実行系起動待ち状態)も表示するときに指定します。
- <規則>
-
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない場合に-aオプションを指定しても無視されます。
-
-aオプションと-uオプションを指定した場合,指定したユニット内のホストBESとゲストBESの詳細情報が表示されます。
-
-aオプションと-sオプションを指定した場合,指定したサーバのHAグループ内の各ユニットでの詳細情報が表示されます。
-
-aオプションを省略した場合,実行中のサーバの情報が表示されます。
-
受け入れ可能状態のサーバを確認したい場合は,-aオプションを指定してください。
-
-a,-u,及び-sオプションの組み合わせによって,表示される情報は次のようになります。
オプション
稼働しているサーバ
停止しているサーバ
-a
-u
-s
実行状態
待機状態及び受け入れ可能状態
実行系起動待ち状態
あり
あり
あり
×
×
×
×
なし
○
○
○
○
なし
あり
○
○
○
○
なし
○
○
○
○
なし
あり
あり
×
×
×
×
なし
○
−
−
−
なし
あり
○
−
−
○※
なし
○
−
−
○※
- (凡例)
-
○:表示されます。
−:表示対象外です。
×:エラーとなります。
- 注※
-
HAグループ内の全ユニットの,実行系でないサーバの状態が表示されます。
-
(4) 注意事項
-
pdls -d haコマンドのリターンコードは,0の場合は正常終了,8の場合は異常終了となります。
-
系切り替え機能を使用していない場合,又はIPアドレスを引き継ぐ系切り替え機能を使用している場合に,このコマンドを実行したときはメッセージを表示してコマンドの処理を終了します。
(5) 出力形式
(a) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない場合
UNITID INITIAL-HOST [STATUS] RESERVED-HOST [STATUS] aaaa bb...bb [ccc] dd...dd [eee] : : : : :
[説明]
- aaaa:
-
ユニット識別子(4文字)
- bb...b:
-
現用系のホスト名(32文字以内)
- ccc:
-
現用系のホストの状態(3文字)
- モニタモードの場合:
-
ONL:実行中(オンライン)
SBY:待機中(停止も含みます)
STP:両系とも停止
- サーバモードの場合:
-
ONL:実行中(オンライン)
SBY:待機中※
STP:停止
- 系切り替え対象外のホストの場合:
-
ONL:実行中(オンライン)
STP:停止
- dd...d:
-
予備系のホスト名(32文字以内)
該当するユニットが系切り替えの対象でない場合,又はIPアドレスを引き継ぐ系切り替え機能を使用している場合,************************を表示します。
- eee:
-
予備系のホストの状態(3文字)
- モニタモードの場合:
-
ONL:実行中(オンライン)
SBY:待機中(停止も含みます)
STP:両系とも停止
***:系切り替え対象外,又はIPアドレスを引き継ぐ系切り替え機能使用時
- サーバモードの場合:
-
ONL:実行中(オンライン)
SBY:待機中※
STP:停止
***:系切り替え対象外,又はIPアドレスを引き継ぐ系切り替え機能使用時
- 注※
-
1:1スタンバイレス型系切り替え機能を使用している場合に代替BESがSBYとなるのは,代替BESが代替準備を完了した状態であり,代替BESユニットが開始した状態ではありません。
出力形式についての補足説明:
-
系の状態と表示結果を次に示します。
系の状態
表示結果
モニタモード
サーバモード
系切り替え対象外
現用系
予備系
現用系
予備系
現用系
予備系
現用系
予備系
停止
停止
STP
STP
STP
STP
STP
***
停止
待機中※
−
−
STP
SBY
STP
−
稼働中
停止
ONL
SBY
ONL
STP
ONL
***
稼働中
待機中
ONL
SBY
ONL
SBY
ONL
−
停止
稼働中
SBY
ONL
STP
ONL
−
−
待機中
稼働中
SBY
ONL
SBY
ONL
−
−
待機中※
停止
−
−
SBY
STP
−
−
(凡例)−:該当しません。
- 注※
-
待機系だけの起動はできませんが,Hitachi HA Toolkit Extension使用時は両系起動中に実行系を正常終了した場合,待機系は自動停止しないため,待機系だけが起動している状態になります。
-
現用系ホスト名,及び予備系ホスト名の長さが1行に収まらない場合,予備系ホストに関する情報を次の行に表示します。例を次に示します。
UNITID INITIAL-HOST [STATUS] RESERVED-HOST [STATUS] aaaa bb................................................bb [ccc] dd................................................dd [eee]
-
モニタモード,サーバモードと,pdls -d haコマンドの表示結果の対応を次の図に示します。
図2‒4 モニタモード,サーバモードと,pdls -d haコマンドの表示結果の対応 -
1:1スタンバイレス型系切り替え機能を使用している場合,現用系,予備系,実行中,及び待機中のユニットの意味は次のようになります。
現用系:正規BESユニット
予備系:代替BESユニット
実行中:処理を実行しているユニット(非代替中の正規BESユニット又は代替中の代替BESユニット)
待機中:待機しているユニット(非代替中の代替BESユニット又は代替中の正規BESユニット)
(b) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合
UNITID INITIAL-HOST [STATUS] RESERVED-HOST [STATUS] aaaa bb...bb [ccc] dd...dd [eee] : : : : : SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT ff...f gggg [hhh] iiii : : : :
- [説明]
-
aaaa〜eeeの内容は,影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない場合と同じです。
ff...f〜iiiiは,サーバごとに,サーバがあるユニットのユニット識別子でソートして表示されます。
- ff...f:
-
サーバ名(8文字以内)
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用したユニットのサーバです。
- gggg:
-
サーバがあるユニットのユニット識別子(4文字)
ff...fのサーバがあるユニットのユニット識別子です。
-uオプションを指定している場合は,指定したユニット識別子となります。
-aオプションを指定して,-uオプションを省略している場合,ff...fのサーバの,移動先HAグループの全ユニットのうち,表示対象となるユニットのユニット識別子となります。
-aオプションと-uオプションを省略している場合,ff...fのサーバが実行系となっているユニットのユニット識別子となります。
ff...fのサーバがHAグループの全ユニットで実行状態となっていない場合,****が表示されます。
- hhh:
-
サーバのステータス(3文字)
- ONL:
-
実行状態(オンライン)
- SBY:
-
ホストBESの場合は待機状態,ゲストBESの場合は受け入れ可能状態
-aオプションを省略している場合,表示されません。
- STP:
-
-a,-u,及び-sオプションを省略している場合,HAグループ内の全ユニットでの実行状態以外の状態であることを示します。
-aオプションを指定している場合,ggggのユニットで停止していることを示します。
- WIT:
-
実行系起動待ち状態
-aオプションを省略している場合は表示されません。
- iiii:
-
定義先ユニットのユニット識別子(4文字)
ff...fのサーバの,システム定義のpdstart -uで指定したユニット識別子です。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用した場合の表示例:
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用した場合の構成例を次に示します。
上記の構成の場合にpdls -d haコマンドを実行すると,次のように情報が表示されます。
-
pdls -d haの場合
SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT BES11 unt1 [ONL] unt1 BES12 unt1 [ONL] unt1 BES31 unt1 [ONL] unt3 BES21 unt2 [ONL] unt2 BES22 unt2 [ONL] unt2 BES32 **** [STP] unt3
-
pdls -d ha -aの場合
SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT BES11 unt1 [ONL] unt1 BES12 unt1 [ONL] unt1 BES21 unt1 [SBY] unt2 BES22 unt1 [SBY] unt2 BES31 unt1 [ONL] unt3 BES32 unt1 [STP] unt3 BES11 unt2 [SBY] unt1 BES12 unt2 [SBY] unt1 BES21 unt2 [ONL] unt2 BES22 unt2 [ONL] unt2 BES31 unt2 [SBY] unt3 BES32 unt2 [STP] unt3 BES11 unt3 [SBY] unt1 BES12 unt3 [STP] unt1 BES21 unt3 [SBY] unt2 BES22 unt3 [SBY] unt2 BES31 unt3 [SBY] unt3 BES32 unt3 [STP] unt3
-
pdls -d ha -u unt1の場合
SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT BES11 unt1 [ONL] unt1 BES12 unt1 [ONL] unt1 BES31 unt1 [ONL] unt3
-
pdls -d ha -u unt1 -aの場合
SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT BES11 unt1 [ONL] unt1 BES12 unt1 [ONL] unt1 BES21 unt1 [SBY] unt2 BES22 unt1 [SBY] unt2 BES31 unt1 [ONL] unt3 BES32 unt1 [STP] unt3
-
pdls -d ha -s BES12の場合
SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT BES12 unt1 [ONL] unt1
-
pdls -d ha -s BES12 -aの場合
SVID UNIT [STATUS] INITIAL-UNIT BES12 unt1 [ONL] unt1 BES12 unt2 [SBY] unt1 BES12 unt3 [STP] unt1
-