2.58.1 pdlogunldの形式と規則
(1) 機能
指定したファイルグループを出力先のファイルへアンロードし,ファイルグループをアンロード済み状態にします。
(2) 実行者
HiRDB管理者が実行できます。
(3) 形式
(a) HiRDB/シングルサーバの場合
pdlogunld -d sys 〔-s サーバ名〕 -g ファイルグループ名 〔-o 出力先ファイル名〕 〔-n〕 〔-f〕 〔-k 出力先ファイル種別〕 〔-i 出力先ファイルの初期容量〔,増分容量〕〕
(b) HiRDB/パラレルサーバの場合
pdlogunld -d sys -s サーバ名 〔-u ユニット識別子〕 -g ファイルグループ名 〔-o 出力先ファイル名〕 〔-n〕 〔-f〕 〔-k 出力先ファイル種別〕 〔-i 出力先ファイルの初期容量〔,増分容量〕〕
(4) オプション
(a) -d sys
システムログファイルをアンロードします。
(b) -s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))
ファイルグループに対応するサーバの名称を指定します。
(c) -g ファイルグループ名 〜<識別子>((1〜8))
アンロードするファイルのファイルグループ名を指定します。
(d) -o 出力先ファイル名 〜<パス名>((-k hirdb指定時は167文字以内))
出力先のアンロードログファイルの名称を指定します。
出力先ファイルは,-sオプションに指定したサーバがあるホストに作成されます。省略した場合,標準出力へ出力します。
-k hirdbを指定した場合,出力先ファイル名は「HiRDBファイルシステム領域名\HiRDBファイル名」の形式で指定してください。
(e) -n
ファイルグループの状態を変更しないで,アンロード待ちの状態を継続する場合に指定します。このオプションを指定することで,同一世代のファイルを繰り返してアンロードでき,複数のアンロードファイルを作成できます。
(f) -f
ファイルグループの状態をチェックしないで,アンロードする場合に指定します。このオプションを指定した場合,現用ファイルグループ又はアンロード済みのファイルグループでもアンロードできます。ただし,ファイルグループの状態は変更されません。
(g) -k 出力先ファイル種別
-oオプション指定時に,出力先のアンロードログファイルの種別を指定します。省略した場合,regularが仮定されます。
- regular:
-
ファイルに出力する場合に指定します。
- hirdb:
-
HiRDBファイルに出力する場合に指定します。系切り替え機能を使用する場合に指定してください。
-k regularを指定する場合は,アンロードログファイルを格納するディレクトリを作成しておく必要があります。また,作成するディレクトリには,HiRDB管理者に対して読み込み権限,書き込み権限,及び実行権限を与えてください。
-k hirdbを指定する場合は,pdfmkfsコマンド(-k UTL)でHiRDBファイルシステム領域を作成しておく必要があります。
(h) -i 出力先ファイルの初期容量〔,増分容量〕
〜<符号なし整数>((1〜1048574))
-k hirdbを指定した場合に,出力先ファイルの初期容量と増分容量(初期容量を超えた場合に確保する容量)をメガバイト単位で指定します。
省略した場合は,次の値が仮定されます。
-iの指定値 |
システムログファイルサイズ |
|
---|---|---|
2400MB未満 |
2400MB以上 |
|
出力先ファイルの初期容量 |
100MB |
システムログファイルサイズ÷24 |
増分容量 |
100MB |
(システムログファイルサイズ−出力ファイルの初期容量)÷23 |
<規則>
-
アンロードログファイルの最大サイズはシステムログファイルの最大サイズと同じ(100ギガバイト)であるため,通常は-iオプションを指定する必要はありません。ただし,システムログファイルが100メガバイトより小さい場合は,そのシステムログファイルのサイズを-iオプションに指定してください。
-
2ギガバイト以上のHiRDBファイルシステム領域使用時は,-iオプションを指定しないでください。
-
初期容量は,pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成したときの-nオプションの指定値より小さくしてください。
-
次の場合には,出力先ファイルの増分はできません。
-
HiRDBファイルシステム領域の増分回数指定を超えて拡張しようとした場合
HiRDBファイルシステム領域の増分回数指定はpdfmkfsコマンドの-eオプションで指定します。-k hirdbを指定する場合は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「最大増分回数の見積もり」を参照して-eオプションに指定する値を見積もってください。
-
HiRDBファイルが,個々のHiRDBファイルの増分回数の上限(23回)を超えて増分しようとした場合
-
(i) -u ユニット識別子 〜<識別子>((4文字))
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,アンロードするシステムログファイルを作成したディスクがあるホストの,ユニット識別子を指定します。
該当するサーバ,及びシステムマネジャが稼働中の場合,-uオプションの指定は無視されます。
次のどれかに該当する場合に-uオプションを指定すると,エラーとなります。
-
指定するユニットが,-sオプションで指定したサーバの移動先となるHAグループに属していない。
-
-sオプションで指定したサーバが,HAグループ内のサーバではない。
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない。
-uオプションの指定要否を次に示します。
サーバの状態 |
ファイル作成先のディスクがあるホスト |
-uオプションの指定 |
---|---|---|
稼働中 |
実行系バックエンドサーバがあるホスト |
省略できます。 |
停止中 |
現用系バックエンドサーバがあるホスト |
|
上記以外のホスト |
必ず指定します。 |
(5) 規則
-
pdlogunldコマンドの実行条件を次に示します。
-
システム定義でpd_log_unload_check=Nを指定してHiRDBが稼働中の場合で,かつ操作対象のファイルグループがオープン状態のときは,-fオプションの指定がないと実行できません。
-
上記以外の場合,HiRDBの稼働に関係なく実行できます(ただし,HiRDB開始処理中及びHiRDB終了処理中は除きます)。
-
-
pdlogunldコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
-
現用ファイルグループ,及びアンロード済みのファイルグループは-fオプションを指定しないとアンロードできません。
(6) 注意事項
-
pdlogunldコマンドのリターンコードを次に示します。
0:正常終了
4:異常終了
8:異常終了(オプション指定不正,rsh失敗など)
12:異常終了(IPアドレス引き継ぎなし構成の待機系でリトライしたとき)
-
スワップ先にできる状態のファイルグループを,-fオプションを指定してアンロードすると,アンロード中に現用ファイルグループとなることがあります。アンロード中に現用ファイルグループとなった場合には,コマンドエラーとなります。そのため,スワップ先にできる状態のファイルグループは,-fオプションを指定してアンロードする場合,アンロード前にpdlogclsコマンドでクローズする必要があります。
-
pdlogunldコマンドは,HiRDB開始処理中に実行しないでください。HiRDB開始処理中とは,KFPS01800-Iメッセージの出力からKFPS05210-Iメッセージの出力までの間のことをいいます。実行した場合,システムログファイルの状態がHiRDBに反映されないことがあります。このような場合には,HiRDB開始処理完了後にpdlogclsコマンドで該当するファイルグループをクローズし,その後pdlogopenコマンドでオープンすると,システムログファイルの状態が反映されます。
-
pdlogunldコマンドは,HiRDBシステム定義ファイルの内容を参照して,処理をします。そのため,ログを取得した稼働中のHiRDBのHiRDBシステム定義ファイルと,pdlogunldコマンド実行時のHiRDBシステム定義ファイルの内容が一致していない場合は,アンロードできないことがあります。
-
pdlogunldコマンドの結果は,次の方法で確認できます。
-
HiRDB稼働中の場合
pdloglsコマンド
-
HiRDB停止中の場合
完了メッセージ
-
-
HiRDBが稼働していないときにpdlogunldコマンドを実行し,コマンドが終了する前に次に示すどれかの状態になると,コマンド実行エラーとなります。
-
HiRDB開始中
-
HiRDBオンライン中
-
HiRDB停止処理中
このとき作成されたアンロードログファイルはデータベースの回復処理に使用できません。HiRDBの稼働状態を確認してから,再度pdlogunldコマンドを実行してください。
-
-
pdstop -sコマンドで個別に終了したサーバでは,そのサーバでpd_log_unload_check=Nを指定している場合,-fオプションの指定がないとpdlogunldコマンドは実行できません。
-
pdlogunldコマンドでHiRDBファイルシステム領域に作成したアンロードログファイルを,pdfbkupコマンド及びpdfrstrコマンドで別のHiRDBファイルシステム領域に移動する場合,移動するアンロードログファイルのレコード長は,pdfrstrコマンド実行時に使用するHiRDBファイルシステム領域のセクタ長の整数倍でなければなりません。アンロードログファイルのレコード長と,pdfrstrコマンド実行時に使用するHiRDBファイルシステム領域のセクタ長の関係を次に示します(単位:バイト)。
アンロードログファイルのレコード長
pdfrstrコマンド実行時に使用するHiRDBファイルシステム領域のセクタ長
1,024
2,048
4,096
1,024
○
×
×
2,048
○
○
×
4,096
○
○
○
- (凡例)
-
○:pdfrstrコマンドを実行できます。
×:pdfrstrコマンドは実行できません。
アンロードログファイルのレコード長は,pdflsコマンドで確認できます。また,現在のセクタ長はpdfstatfsコマンドで確認できます(HiRDBファイルシステム領域のセクタ長は,pdfmkfsコマンド実行時に-sオプションで指定した値となります)。