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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.49.1 pdloginitの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

HiRDBファイルシステムにログ関係の物理ファイルを作成し,稼働中のHiRDBで使用できるように初期設定をします。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

 pdloginit {-d sys 〔-s サーバ名〕
 
        -f 物理ファイル名 -n HiRDBレコード数 〔-l レコード長〕
 
       |-d spd 〔-s サーバ名〕
 
        -f 物理ファイル名 -n HiRDBレコード数}

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

 pdloginit {-d sys -s サーバ名 〔-u ユニット識別子〕
 
        -f 物理ファイル名 -n HiRDBレコード数 〔-l レコード長〕 〔-D〕
 
       |-d spd  -s サーバ名 〔-u ユニット識別子〕
 
        -f 物理ファイル名 -n HiRDBレコード数 〔-D〕}

(4) オプション

(a) -d sys|spd

初期設定をするログ関係のファイルを指定します。

sys

システムログファイル

spd

シンクポイントダンプファイル

(b) -s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))

ファイルグループに対応するサーバの名称を指定します。

(c) -f 物理ファイル名 〜<パス名>((167文字以内))

初期設定をする物理ファイルの名称を絶対パス名で指定します。物理ファイル名は,HiRDBファイルシステム領域名¥HiRDBファイル名で指定してください。HiRDBファイル名は,HiRDBファイルシステム領域内で重複しないようにしてください。既に初期設定されているHiRDBファイル名を指定すると,エラーとなります。また,HiRDBファイル名にplで始まる名称は指定できません。

(d) -n HiRDBレコード数 〜<符号なし整数>((12〜104857600))

初期設定をするHiRDBファイルのレコード数を指定します。なお,ここでいうレコードとは,HiRDBファイルシステム上の次に示すサイズの領域のことです。

  • -d sysの場合は,-lオプションで指定したレコード長

  • -d spdの場合は,4,096バイト

<指定範囲>

HiRDBレコード数には,次に示す範囲の値を指定してください。

-d sysの場合
  • 上限

    107374182400÷-lオプションの指定値

  • 下限

    ↑(32000+368+3×4096)÷-lオプションの指定値↑+1

-d spdの場合

12〜262144

<指定値の目安>

HiRDBレコード数の見積もりについては,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

  • -d sysの場合

    見積もったレコード数は総容量なので,作成するシステムログファイルの個数で割った値×1.2を目安にしてください。

  • -d spdの場合

    見積もったレコード数×1.2を目安にしてください。

(e) -l レコード長 〜<符号なし整数>((1024〜4096))

システムログファイルとして初期設定するHiRDBファイルのレコード長を指定します。

通常はこのオプションを指定しないでください。

このオプションは,システム定義変更前にシステムログファイルを作っておきたい場合にだけ指定します。

<規則>

  1. レコード長は,HiRDBシステム定義のpd_log_rec_lengオペランドと同じ値にしてください。設定される値は次のようになります。

    • 指定値が1,024のときは1,024に設定されます。

    • 指定値が1,025〜2,048のときは2,048に設定されます。

    • 指定値が2,049〜4,096のときは4,096に設定されます。

    上記以外の値を指定するとエラーになります。

  2. このオプションを省略すると,HiRDBシステム定義のpd_log_rec_lengオペランドに指定した値で初期設定します。pd_log_rec_lengオペランドと異なるレコード長で初期設定したファイルは,システムログファイルとしてオープンできません。

  3. シンクポイントダンプファイルとして初期設定する場合,このオプションを指定するとエラーになります。また,HiRDBファイルシステムのセクタ長未満のレコード長を指定した場合もエラーになります。

(f) -u ユニット識別子 〜<識別子>((4文字))

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,ファイル作成先のディスクがあるホストの,ユニット識別子を指定します。

該当するサーバが稼働中の場合,-uオプションの指定は無視されます。

次のどれかに該当する場合に-uオプションを指定すると,エラーとなります。

  • 指定するユニットが,-sオプションで指定したサーバの移動先となるHAグループに属していない。

  • -sオプションで指定したサーバが,HAグループ内のサーバではない。

  • 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない。

-uオプションの指定要否を次に示します。

サーバの状態

ファイル作成先のディスクがあるホスト

-uオプションの指定

稼働中

実行系バックエンドサーバがあるホスト

省略できます。

停止中

現用系バックエンドサーバがあるホスト

上記以外のホスト

必ず指定します。

(g) -D

pdchgconfコマンドでユニットの追加,又はサーバの追加をする場合に指定します。

ユニットの追加,又はサーバの追加をする場合に必要となる,システムログファイル又はシンクポイントダンプファイルの初期化をします。このオプションを指定した場合,サーバ名のチェックはしません。

このオプションを指定してpdloginitコマンドを実行する場合,作成するシステムログファイル又はシンクポイントダンプファイルがあるユニットで実行してください。

(5) 規則

  1. pdloginitコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます(ただし,HiRDB開始処理中及びHiRDB終了処理中は除きます)。

  2. pdloginitコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。

  3. pdloginitコマンド実行時,環境変数のPDDIRにHiRDBディレクトリの環境変数と同じものが設定されていないと,コマンドエラーになったときにメッセージが出力されません。

  4. システムログファイルのレコード長は,各サーバのすべてのファイルで,HiRDBシステム定義のpd_log_rec_lengオペランドと同じ値を指定してください。

(6) 注意事項

  1. システムログファイルを二重化する場合,一つのログファイルグループを構成するA系とB系の物理ファイルは,レコード長とレコード数が同じになるように初期設定してください。

  2. システムログファイルを二重化する場合,A系とB系の物理ファイルは障害発生に備えて,なるべく別々のハードディスクに作成してください。

  3. pdloginitコマンドの結果は,コマンド実行時のリターンコード,又はエラーメッセージの有無で確認できます。コマンド実行時のリターンコードを次に示します。

    0:正常終了

    4:異常終了

    8:異常終了(オプション指定不正,rsh失敗など)

    12:異常終了(IPアドレス引き継ぎなし構成の待機系でリトライしたとき)

  4. セクタ長が4,096バイトを超えるHiRDBファイルシステムには,ファイルを初期設定できません。

(7) 使用例

例1:

システムログファイルを作成します。

【HiRDB/シングルサーバの場合】
 pdloginit -d sys   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys011\logf11   ...2
           -n 64   ...........................3
 pdloginit -d sys   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys012\logf12   ...2
           -n 64   ...........................3
[説明]
  1. 初期設定をするログ関係のファイル種別 sys(システムログファイル)

  2. 物理ファイル名 c:¥sysarea¥rdsys011¥logf11,c:¥sysarea¥rdsys012¥logf12

  3. 物理ファイルのレコード数 64

【HiRDB/パラレルサーバの場合】
 pdloginit -d sys   ..........................1
           -s bes1   .........................2
           -f c:\sysarea\rdsys011\logf11   ...3
           -n 64   ...........................4
 pdloginit -d sys   ..........................1
           -s bes1   .........................2
           -f c:\sysarea\rdsys012\logf12   ...3
           -n 64   ...........................4
[説明]
  1. 初期設定をするログ関係のファイル種別 sys(システムログファイル)

  2. ファイルグループに対応するサーバ名 bes1

  3. 物理ファイル名 c:¥sysarea¥rdsys011¥logf11,c:¥sysarea¥rdsys012¥logf12

  4. 物理ファイルのレコード数 64

例2:

シンクポイントダンプファイルを作成します。

【HiRDB/シングルサーバの場合】
 pdloginit -d spd   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys011\spdf11   ...2
           -n 64   ...........................3
 pdloginit -d spd   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys012\spdf12   ...2
           -n 64   ...........................3
[説明]
  1. 初期設定をするログ関係のファイル種別 spd(シンクポイントダンプファイル)

  2. 物理ファイル名 c:¥sysarea¥rdsys011¥spdf11,c:¥sysarea¥rdsys012¥spdf12

  3. 物理ファイルのレコード数 64

【HiRDB/パラレルサーバの場合】
 pdloginit -d spd   ..........................1
           -s bes1   .........................2
           -f c:\sysarea\rdsys011\spdf11   ...3
           -n 64   ...........................4
 pdloginit -d spd   ..........................1
           -s bes1   .........................2
           -f c:\sysarea\rdsys012\spdf12   ...3
           -n 64   ...........................4
[説明]
  1. 初期設定をするログ関係のファイル種別 spd(シンクポイントダンプファイル)

  2. ファイルグループに対応するサーバ名 bes1

  3. 物理ファイル名 c:¥sysarea¥rdsys011¥spdf11,c:¥sysarea¥rdsys012¥spdf12

  4. 物理ファイルのレコード数 64