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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.35.1 pdfmkfsの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

指定したファイルをHiRDBファイルシステム領域用に初期設定します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 pdfmkfs -n HiRDBファイルシステム領域サイズ 〔-l 最大ファイル数〕
 
     〔-k 使用目的〕 〔-e 最大増分回数〕 〔-s セクタ長〕 〔-i〕 〔-r〕 〔-a〕
 
      ファイル名

(4) オプション

(a) -n HiRDBファイルシステム領域サイズ 〜<符号なし整数>

HiRDBファイルシステム領域として割り当てる容量をメガバイト単位で指定します。このオプションは,必ず指定してください。指定範囲を次に示します。

ファイルの種類

指定範囲

ファイル(NTFS)

1〜1,048,575

ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)

1〜1,048,575

このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,-k SYS -a,又は-k WORK -aを指定すると,このオプションで指定したHiRDBファイルシステム領域の容量を使い切ったときに自動的に領域を拡張します。

なお,HiRDBファイルシステム領域の管理で使用する管理領域も,-nオプションの指定値に含まれます。したがって,実際にHiRDBファイルに割り当てられる容量は,(-nオプションの指定値)−(管理領域の容量)となります。管理領域の容量の求め方については,注意事項を参照してください。実際にHiRDBファイルに割り当てられる容量は,pdfstatfsコマンドで確認できます。

(b) -l 最大ファイル数 〜<符号なし整数>((1〜4096))

HiRDBファイルシステム領域内に作成するHiRDBファイル数の上限を指定します。

領域内のHiRDBファイル数は,少ない方が性能が向上します。

-aオプションを指定しない場合は,このオプションを必ず指定してください。

なお,ここで指定した値は,pdfmkfsコマンド実行後には変更できません。したがって,使用するHiRDBファイル数と,今後の拡張予定などを考慮して値を決める必要があります。最大ファイル数の計算式については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の最大ファイル数の見積もり(pdfmkfs -lコマンド)を参照してください。

このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k SYS -aは指定できません。

(c) -k 使用目的 〜《SVR》

HiRDBファイルシステム領域の使用目的を指定します。

DB

RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

SDB:

共用RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。SDBは,HiRDB/パラレルサーバの場合で,かつHiRDBファイルシステム領域としてダイレクトディスクアクセスを使用する場合に指定できます。通常のRDエリアは,使用目的DBのHiRDBファイルシステム領域を使用してください。

使用目的SDBで初期化する場合,更新可能バックエンドサーバがあるサーバマシンで実行してください。参照可能バックエンドサーバからは実行しないでください。

SYS

システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,ステータスファイル,又は監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

SYSを指定した場合,-eオプションは指定しないでください。

WORK

リスト用RDエリア,又は作業表用ファイルのHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

UTL

ユティリティ用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

ユティリティ用のHiRDBファイルシステム領域には,次のファイルを作成できます。

  • アンロードデータファイル

  • LOBデータのアンロードファイル

  • インデクス情報ファイル(プラグインの遅延一括作成の場合)

  • バックアップファイル

  • 差分バックアップファイル

  • 差分バックアップ管理ファイル

  • アンロードログファイル

Windowsのキャッシュを使用しないでアクセスをします。

バージョン09-50より前のHiRDBで作成したHiRDBファイルシステム領域について
  • NUTLで作成したHiRDBファイルシステム領域は,バージョン09-50以降も動作に変更はありません。

  • UTLで作成したHiRDBファイルシステム領域は,バージョン09-50以降はWindowsのキャッシュを使用しないでアクセスするようになります。

NUTL

バージョン09-50より前のHiRDBとの互換のための指定です。NUTLを指定するとUTLを指定したものとみなします。

SVR

ユティリティ用を除くすべての目的に使用できるHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

テスト用のシステムなどで,一つのHiRDBファイルシステム領域に,異なる使用目的のHiRDBファイルを混在させても問題ない場合に指定します。

通常は信頼性の面から,使用目的によってHiRDBファイルシステム領域を分けるようにしてください。

系切り替え機能で使用するHiRDBファイルシステム領域を作成する場合,SVRを指定しないでください。SVRを指定して作成したHiRDBファイルシステム領域に対して,HiRDBはWindowsのファイルキャッシュに書き込んだ時点で処理を続行します。このため,ディスク上にデータが書き込まれる前に異常が発生するとファイルの整合性がとれなくなります。

(d) -e 最大増分回数 〜<符号なし整数>((0〜60000))≪0≫

このオプションを指定すると,HiRDBファイルの容量が不足した場合,自動的にHiRDBファイルの容量が増分されます。このオプションには容量を増分する回数の上限値を指定します。

HiRDBファイルシステム領域内の全HiRDBファイルの容量増分回数がカウント対象になります。例えば,HiRDBファイルシステム領域内に二つのHiRDBファイルがあり,それぞれ増分した回数が5回,3回の場合,増分回数は8回とカウントされます。

使用目的がSYSの場合,指定した値は無効となり0が仮定されます。増分回数に応じてHiRDBファイルシステム領域を使用するプロセスのメモリ所要量が増加するため,指定値の求め方に記載した値より大きい値を指定しないでください。指定値の求め方に記載した値より大きい値を指定した場合,メモリ不足の原因になります。例えば,最大値60000と最小値0では,メモリ所要量が約1.8メガバイト異なります。メモリ所要量の計算式については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「メモリ所要量の計算式」を参照してください。

なお,1HiRDBファイルの容量増分回数の上限が23回のため,このオプションに最大ファイル数(-lオプションの指定値)×23以上の値を指定しても無効になります。この場合,最大増分回数には最大ファイル数×23が仮定されます。1領域1ファイルにする場合(-lの指定値に1を指定する場合)は,上限が23回という条件は適用されません。領域内で,増分によってファイル構成データが分断されることがないため,1を指定すればHiRDBファイルシステム領域サイズ(-n指定値)まで増分ができます。ただし,HiRDBファイルの上限サイズを超えることはできません。

このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k SYS -aは指定できません。

<適用基準>
  1. 作業表用ファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域の場合,作業表用ファイルの容量見積もりの結果が次の値を超えるときは,必ず増分回数を指定してください。作業表用ファイルの容量見積もりについては,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

    ・HiRDB/シングルサーバの場合

     128キロバイト

    ・HiRDB/パラレルサーバの場合

     512キロバイト

  2. 容量見積もりの結果が上記の値を超えない場合,及び作業表用ファイル以外のHiRDBファイルシステム領域の場合でも,増分回数を指定することをお勧めします。

  3. -eオプションでRDエリアを自動増分する場合は,必ず増分回数を指定してください。

  4. RDエリアの削除,再初期化(割り当てサイズの縮小,又はwith reconstruction指定),及び統合では,割り当て済みHiRDBファイルの削除やサイズ縮小が発生するため,HiRDBファイルシステム領域内に断片化した空きが発生します。このような運用をする場合には,増分回数を指定することをお勧めします。RDエリアの追加,拡張,及び再初期化で新しく作成するHiRDBファイルは,連続した空きを確保できない場合,断片化した空きを複数個使用します。この場合,使用する「断片化した空き数−1」の増分回数が必要になります。

<指定値の求め方>

指定する増分回数は,次の式から求めてください。

-kオプション

増分回数の指定値

DB※1

Min(60000,23×増分対象ファイル数の累計※2

なお,RDエリアの削除,再初期化(割り当てサイズの縮小,又はwith reconstruction指定),及び統合を頻繁に行う場合は,次の値を指定することをお勧めします。

Min(60000,23×RDエリアの構成ファイル数の累計)

SDB※1

SYS※1

0

WORK

Min(60000,23×-lオプションの指定値)

UTL

SVR

Min(60000,23×増分を適用するファイル数の累計)

増分を適用するファイルは,作業表用ファイル,及び増分対象ファイルです。※2

注1

pdfmkfs実行後は,増分回数の増加はできないため,将来の拡張を見込んで値を決めてください。なお,pdfchfsコマンドで,増分回数の削減はできます。

注2

計算値より少ない値を指定した場合,HiRDBファイルの増分の限界に達する前に,HiRDBファイルシステム領域の限界になります。

注※1

-aオプションを指定する場合,指定できません。

注※2

増分対象ファイルについては,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「RDエリアの自動増分」を参照してください。

(e) -s セクタ長 〜<符号なし整数>((1024,2048,4096))≪1024≫

DVD-RAM装置などの,物理セクタ長が2,048バイト及び4,096バイトの媒体を扱う装置でHiRDBファイルシステム領域を使用する場合,最小入出力単位をセクタ長で指定します。媒体の物理セクタ長については,媒体のマニュアルを参照してください。

<規則>
  1. セクタ長に2,048又は4,096を指定した場合,-kオプションにはDB又はUTLのどちらかを指定できます。-kオプション省略時はSVRが仮定されるため,セクタ長を指定する場合は必ず-k DB又は-k UTLを指定してください。

  2. セクタ長を指定したHiRDBファイルシステム領域は,次の目的で使用できます。

    ・リスト用RDエリア以外の,RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域

    ・pdlogunldコマンドの出力先(アンロードログファイル)

    ・pdcopy及びpdrstrのバックアップファイル

    ・pdrorgのアンロードデータファイル

    RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域として使用する場合,RDエリアを作成するときのpdinit又はpdmodの制御文のページ長には,-sオプションで指定したセクタ長の整数倍の値を指定してください。

  3. セクタ長指定は,ダイレクトディスクアクセスを使用する場合にだけ指定できます。

(f) -i

-nオプションで指定したHiRDBファイルシステム領域サイズ分の領域を最初から初期化する場合に指定します。ただし,-aオプションを指定して,HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する場合は,ファイル種別や-kオプションの指定値などによって増分領域の初期化可否が異なります。詳細は,-aオプションの説明を参照してください。

-iオプションを省略した場合,HiRDBファイルシステム領域の管理情報だけを作成します(最大約3.5メガバイトの領域が確保されます)。実際にHiRDBファイルシステム領域を使用したときに,-nオプションで指定したサイズまで拡張していきます。また,ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)で,HDP機能を使用していない場合,-nオプションに指定した容量の領域が保証されるため,ディスクが容量不足になりません。

系切り替え機能で使用するHiRDBファイルシステム領域を作成する場合,-iオプションを指定してください。-iオプションを指定しないと,HiRDBファイルシステム領域の拡張とサーバマシンの電源異常が同時に発生した場合にファイルが破壊されることがあります。

<注意事項>
  • -nオプションで指定したHiRDBファイルシステム領域サイズが大きいと,初期化するのに時間が掛かります。

  • ファイル(NTFS)で-iオプションを省略した場合,-nオプションで指定したサイズまでデータを書き込む前に,ディスク(OSのファイルシステム)が容量不足になることがあります。HDP機能を使用していない,及びディスクの容量不足を回避したいときは,-iオプションを指定することをお勧めします。なお,ディスクの容量不足が発生すると,HiRDBは次の状態になります。

    ・-kオプションにDB又はSDBを指定した領域のとき:

     RDエリアが障害閉塞するおそれがあります。

    ・-kオプションにSYSを指定した領域のとき:

     スワップ先があればスワップしますが,スワップ先がないとHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。

  • HDP機能を使用してHiRDBファイルシステム領域を作成する場合は,-iオプションを指定しないでください。-iオプションを指定すると,-nオプションに指定した容量を初期化して実ディスクを割り当てるため,ボリューム容量を仮想化していない状態になります。

(g) -r

ファイルを初期設定する場合,確認メッセージを表示しないときに指定します。省略した場合,指定したファイルが既にあるときは,初期設定するかどうかの確認メッセージが表示されます。確認メッセージに対してg以外の文字を入力した場合は,初期設定されません。

ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)を使用する場合,-rオプションは指定できません(確認メッセージも表示されません)。

(h) -a

RDエリアの自動増分や作業表を使用するSQLの実行などでHiRDBファイルシステム領域内の空き領域がなくなった場合,HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張したいときに指定します。このオプションを指定すると,HiRDBファイルシステム領域サイズが-nオプションで指定した値に達したとき,自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張します。また,システムログファイルの自動拡張機能を適用するシステムログファイルのHiRDBファイルシステム領域を作成する場合もこのオプションを指定します。RDエリアの自動増分及びシステムログファイルの自動拡張機能については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

なお,自動的に拡張したHiRDBファイルシステム領域の初期化可否を,次の表に示します。

表2‒2 自動的に拡張したHiRDBファイルシステム領域の初期化可否

項番

ファイル種別

-kオプションの指定値

pd_rdarea_expand_formatオペランドの指定値

増分領域の初期化可否

1

ファイル(NTFS)

DB又はSDB

Y

2

N

×

3

WORK

×

4

SYS

5

ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)

DB又はSDB

×

6

WORK

7

SYS

(凡例)

○:増分領域を初期化します。

×:増分領域を初期化しません。

−:該当しません。

注※

RDエリアの自動増分が発生した場合に増分領域を初期化するかどうかをシステム共通定義のpd_rdarea_expand_formatオペランドで指定します。

Y:増分領域を初期化する

N:増分領域を初期化しない

pd_rdarea_expand_formatオペランドについては,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」を参照してください。

<規則>
  1. このオプションは,-k DB,-k SDB,-k SYS,又は-k WORKのときだけ指定できます。

  2. -k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合,HiRDBファイルシステム領域内に作成できるHiRDBファイル数は1ファイルです。そのため,-lオプションと-eオプションは指定できません。

  3. -k DB,-k SDB,又は-k WORKの場合,-iオプションの指定有無に関係なく,拡張した領域の初期化は行いません。ただし,-k SYSの場合,ファイルの種類がファイル(NTFS)であれば,拡張した領域を初期化し,ファイルの種類がダイレクトディスクアクセス(raw I/O)であれば初期化しません。

  4. -aオプションを指定する場合のHiRDBファイルシステム領域の上限は次のとおりです。

    表2‒3 HiRDBファイルシステム領域の上限

    -kオプションの指定値

    HiRDBファイルシステム領域の上限(単位:メガバイト)

    DB

    65536

    SDB

    SYS

    102400

    WORK

    -n HiRDBファイルシステム領域サイズ」で示した値を参照してください。

(5) コマンド引数

(a) ファイル名 〜<パス名>((165文字以内))

初期化するファイルの名称を指定します。ここで指定した名称が,HiRDBファイルシステム領域名となります。

HiRDBファイルシステム領域内に作成するHiRDBファイルは,ファイル名として30文字まで指定できます。HiRDBファイルシステム領域名\HiRDBファイル名の上限は167文字のため,HiRDBファイルシステム領域名が136文字を超える場合は,HiRDBファイル名の最大長が小さくなるので注意してください。

HiRDBが自動的に生成するHiRDBファイルについては,次のHiRDBファイルシステム領域の最大長を超えないようにしてください。

HiRDBが自動的に生成するHiRDBファイル

HiRDBファイルシステム領域の最大長(単位:文字)

作業表用ファイル(システム定義のpdworkオペランドで指定)

141

監査証跡ファイル(システム定義のpd_aud_file_nameオペランドで指定)

150

プラグインインデクスの遅延一括作成でのインデクス情報ファイル(システム定義のpd_plugin_ixmk_dirオペランドで指定)

136

システムログの自動ログアンロード機能でのアンロードログファイル(システム定義のpd_log_auto_unload_pathオペランドで指定)

136

また,パス名はシンボリックリンクで指定できます。ただし,OSの制限によって,ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)を使用するHiRDBファイルシステム領域に対しては,シンボリックリンクを使用できません。なお,シンボリックリンクは,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「RDエリアを格納しているHiRDBファイルシステム領域を移動する方法」を行う場合だけ使用できます。シンボリックリンクを指定できるかどうかを次の表に示します。

表2‒4 シンボリックリンクの指定可否

ファイル種別

領域の使用目的

DB

SDB

SYS

WORK

UTL

SVR

ファイル(NTFS)

×

×

×

×

ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)

×

×

×

×

×

×

(凡例)

○:シンボリックリンクを指定できます。

×:シンボリックリンクを指定できません。

−:該当しません。

(6) 規則

  1. pdfmkfsコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。

  2. pdfmkfsコマンドは,HiRDBファイルシステム領域を初期設定するサーバマシンごとに実行してください。

(7) 注意事項

  1. pdfmkfsコマンド実行時のリターンコードは,0の場合は正常終了,-1の場合は異常終了となります。

  2. 初期化のとき,ディスクボリューム又はパーティションの容量より大きい値を指定すると,そのパーティションに物理的に続くパーティションを破壊することがあります。したがって,ディスクボリューム又はパーティションの容量より大きな値は指定しないでください。

  3. HiRDBファイルシステム領域名,HiRDBファイル名,及び物理ファイル名の関係を次に示します。

    [図データ]

  4. pdfmkfsコマンドの結果は,pdfstatfsコマンドで確認できます。

  5. -n,-l,及び-eオプションに指定する値は,使用目的によって次のマニュアルを参照してください。

    • 使用目的がSYSの場合

      マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「システムファイルの容量の見積もり」

    • 使用目的がDBの場合

      マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「RDエリアの容量の見積もり」

    • 使用目的がWORKの場合

      マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「作業表用ファイルの容量の見積もり」,及びマニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」の「pdworkオペランド」

    • 使用目的がUTLの場合

      データベース再編成ユティリティ(pdrorg)」,及び「データベース複写ユティリティ(pdcopy)

    • 使用目的がSVRの場合

      HiRDBファイルシステム領域に作成するHiRDBファイルの使用目的によって,上記マニュアルを参照してください。

  6. 使用目的がWORKの場合,システム定義のpd_watch_resourceとpdwork_wrn_pntの指定によって,初期化したHiRDBファイルシステム領域に対する使用率警告メッセージを出力できます。

  7. HiRDB管理者のシステム資源の制限値は,-nオプション指定値より大きな値,又は無制限に設定してください。

  8. HiRDBファイルシステム領域の所有者及びアクセス権の変更については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

(8) HiRDBファイルシステム領域の管理領域サイズ

HiRDBファイルシステム領域には,管理領域が割り当てられます。割り当てる管理領域の大きさは,OSの種別,-n,-l,-e,-sオプション,使用するファイル種別などによって変わります。管理領域の計算式を次に示します。なお,固定管理部と可変管理部は,該当するHiRDBファイルシステム領域を使用している間は,メモリに読み込まれるため,各プロセスのメモリ消費量が増えることがあります。

管理領域(バイト)
=固定管理部+可変管理部+HiRDBファイル管理部×a
可変記号の説明

a:-lオプションの指定値

b:-eオプションの指定値(省略時は0)

c:-sオプションの指定値(省略した場合は512)

なお,-k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合に-aオプションを指定すると,割り当てられる管理領域の大きさは固定となります。管理領域の値を次に示します。

表2‒5 割り当てられる管理領域の大きさ(-k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合)

ファイルの種類

セクタ長(-s指定値)

管理領域サイズ(単位:キロバイト)

通常のファイル

512

5.5

ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)

1024

7

2048

10

4096

16

(9) 使用例

次のHiRDBファイルシステム領域を初期設定します。

[説明]
  1. HiRDBファイルシステム領域サイズ 25メガバイト

  2. 最大ファイル数 10個

  3. 最大増分回数 5回

  4. ファイル名 c:¥sysarea¥rdsys011