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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.30.1 pdfbkupの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

HiRDBファイルシステムをファイルに退避(バックアップ)します。また,HiRDBファイル単位にも退避できます。

退避するとき,HiRDBファイルシステムの属性(pdfmkfsコマンドで指定した属性)も一緒に退避します。なお,属性は引き継がれますが,HiRDBファイルシステムを拡張した後,pdfrstrコマンドで拡張前のバックアップをリストアしても,拡張前の大きさに戻ることはありません。

HiRDBファイルシステム領域の状態を表示(pdfstatfsコマンドを入力)した時,増分回数,又は不連続な空き領域の総数が算出された場合,次の処置をすると,増分された領域,又は不連続な空き領域を統合し,HiRDBファイルシステム領域を有効に利用できます。

このコマンドは,通常,HiRDB停止中に実行してください。HiRDB稼働中に実行する場合は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「バックアップ閉塞を使用してバックアップを取得する場合(pdcopyコマンド以外でバックアップを取得する場合)」を参照してください。このとき,SCHEDULE属性でないRDエリアを含むHiRDBファイルシステム領域に対しては,HiRDBの常駐プロセスなどがHiRDBファイルをオープンしていることがあるため,強制的に退避する-fオプションを指定してください。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 pdfbkup 〔-y〕 〔-r〕 〔-i〕 〔-{c|l|f}〕
 
      HiRDBファイルシステム領域名〔\HiRDBファイル名〕
 
      バックアップファイル名

(4) オプション

(a) -y

HiRDBファイルシステムを退避するときに,ユーザの確認なしで実行する場合に指定します。省略した場合,確認してから実行します。

(b) -r

指定したバックアップファイルが既にある場合,削除して再作成するときに指定します。省略した場合,バックアップファイルが既にあるときにはエラーとなります。

(c) -i

HiRDBファイルシステムの退避中にエラーが発生した場合に,そのHiRDBファイルの退避をやめ,次のファイルから処理を続行するときに指定します。省略した場合は,エラー終了します。

(d) -{c|l|f}

他プロセス又は他ユーザが,対象となるHiRDBファイルシステム領域にアクセスしている場合の処理を指定します。

-c:

他プロセス又は他ユーザが,対象となるHiRDBファイルシステム領域にアクセスしている場合は,退避処理をしません。

-l:

他プロセス又は他ユーザが,対象となるHiRDBファイルシステム領域にアクセスしている場合,アクセス中のHiRDBファイルは退避しません。

-f:

他プロセス又は他ユーザが,対象となるHiRDBファイルシステム領域にアクセスしている場合でも,強制的に退避します。

(5) コマンド引数

(a) HiRDBファイルシステム領域名〔¥HiRDBファイル名〕

退避するHiRDBファイルシステム領域名とHiRDBファイル名を指定します。

HiRDBファイルシステム領域名 〜<パス名>((165文字以内))

HiRDBファイルシステム領域名を指定します。

HiRDBファイル名 〜<HiRDBファイル名>

HiRDBファイル名を指定します。

(b) バックアップファイル名

退避先のファイル名を指定します。

(6) 規則

  1. pdfbkupコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。なお,稼働中に実行する場合は-fオプションを指定してください。

  2. pdfbkupコマンドは,HiRDBファイルシステム領域があるサーバマシンごとに実行してください。

  3. 一つのファイルには,一つのHiRDBファイルシステムしか退避できません。そのため,複数のHiRDBファイルシステムを退避する場合は,その数分のファイルが必要になります。

  4. HiRDBファイルシステムの退避中にエラーが発生した場合,バックアップファイルは作成しません。

  5. -yオプションを省略した場合は,確認メッセージが表示されます。このとき,確認メッセージに対してG以外の文字を指定した場合は,HiRDBファイルシステムは退避されません。

  6. 退避するHiRDBファイルのレコード長は,pdflsコマンドで確認しておいてください。レコード長が,回復先HiRDBファイルシステム領域のセクタ長の整数倍でない場合,退避したファイルは回復できません。

  7. 共用RDエリアとして使用しているHiRDBファイルシステム領域に対して実行する場合,更新可能バックエンドサーバがあるサーバマシンから実行してください。

(7) 注意事項

  1. pdfbkupコマンドの実行結果は,コマンド実行時のリターンコード又はエラーメッセージの有無で確認できます。コマンド実行時のリターンコードが0の場合は正常終了,1の場合は警告終了,-1の場合は異常終了です。

  2. pdfbkupコマンドが異常終了した場合,バックアップファイルが作成されることがありますが,ファイルの内容は保証できません。