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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.8.1 pdbkuplsの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

pdcopyで取得したバックアップの情報(RDエリアの一覧,バックアップ取得日時など)を表示します。

pdbkuplsコマンドは,次のような場合に使用します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 pdbkupls -b {バックアップファイル名〔,バックアップファイル名〕…
 
       |ポリシー名}
 
    〔-k {u|i|n}〕
 
    〔-o バックアップ情報出力ファイル名〕 〔-c〕
 
    〔-a〕 〔-s 経過メッセージ出力間隔〕
 
    〔-U {バックアップ検索条件開始時刻,バックアップ検索条件終了時刻
 
        |,バックアップ検索条件終了時刻}〕

(4) オプション

(a) -b {バックアップファイル名〔,バックアップファイル名〕…|ポリシー名}

バックアップファイルの名称を指定します。

バックアップファイル名〔,バックアップファイル名〕…の場合:

   〜<パス名>((1023バイト以内))

ファイル名,又はHiRDBファイル名を指定します。

ファイル名の場合は同時に-k uを,HiRDBファイル名の場合は同時に-k iを指定してください。

ポリシー名の場合:

   〜<識別子>((128バイト以内))

NetBackupのポリシー名を指定します。このとき,同時に-k nを指定してください。

<規則>
  1. ホスト名を指定した場合,エラーとなります。

  2. 複数個にわたっているバックアップだけ複数同時に指定できます。複数個にわたっていないバックアップを複数同時に指定した場合は無視されます。また,複数個にわたっているバックアップを一つだけ指定した場合,-aオプションを指定しているときはエラー終了します。

  3. バックアップは,pdcopyコマンドを実行してコマンドの戻り値が0又は4で取得したバックアップを指定してください。

(b) -k {u|i|n}

バックアップファイルの種別を指定します。

u:

バックアップファイルが通常のファイルの場合に指定します。

i:

バックアップファイルがHiRDBファイルの場合に指定します。

n:

バックアップファイルがNetBackupを使用して取得している場合に指定します。

(c) -o バックアップ情報出力ファイル名 〜<パス名>((1023バイト以内))

バックアップファイルの情報をファイルに出力する場合に指定します。省略した場合,標準出力に出力します。

(d) -c

CSV形式で出力する場合に指定します。省略した場合,標準形式で出力します。

(e) -a

すべての情報を出力する場合に指定します。

省略した場合,HiRDB識別子,バックアップ取得モード,バックアップ取得時刻,及びログポイント情報ファイルの指定有無を出力します。

(f) -s 経過メッセージ出力間隔 〜<符号なし整数>((1〜1024))

pdbkuplsコマンドの実行中に経過メッセージを出力する場合に指定します。経過メッセージ出力間隔には,バックアップファイルのデータ処理量をギガバイト単位で指定します。例えば,「-s 100」と指定した場合,100ギガバイト処理するごとに経過メッセージを出力します。

なお,このオプションは,-aオプションを指定しているときだけ有効となります。

(g) -U {バックアップ検索条件開始時刻,バックアップ検索条件終了時刻|,バックアップ検索条件終了時刻}

同一ポリシー名で取得したバックアップ中の,任意の時点で取得したバックアップを対象とする場合に指定します。このオプションは,NetBackup連携機能使用時(-k n指定時)に指定します。それ以外の場合に指定しても無効となります。

バックアップ検索条件開始時刻,及びバックアップ検索条件終了時刻の両方を指定した場合,指定した期間内での最新のバックアップが対象となります。バックアップ検索条件終了時刻だけを指定した場合,終了時刻時点でのバックアップが対象となります。

<規則>
  • このオプションを省略した場合,同一ポリシー名で取得したバックアップ中の最新のバックアップを使用します。

  • バックアップの取得日時は,bpimagelistコマンド(-policyオプション指定)で参照できます。

  • バックアップ検索条件開始時刻及びバックアップ検索条件終了時刻は,日付と時刻を_(アンダースコア)で結んで指定します。形式を次に示します。時刻を省略した場合,開始時刻は000000が,終了時刻は235959が仮定されます。

     -U YYYYMMDD〔_hhmmss〕,YYYYMMDD〔_hhmmss〕
YYYY:年 〜<符号なし整数>((1990〜2037))

西暦で指定します。

MM :月 〜<符号なし整数>((01〜12))

DD :日 〜<符号なし整数>((01〜31))

hh :時 〜<符号なし整数>((00〜23))

mm :分 〜<符号なし整数>((00〜59))

ss :秒 〜<符号なし整数>((00〜59))

終了時刻だけを指定する場合は,コンマ(,)に続けて終了時刻を指定します。

(5) 規則

  1. pdbkuplsコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。

  2. pdbkuplsコマンドは,バックアップファイルがあるホストのサーバマシンで実行してください。なお,NetBackupを使用する場合は,pdcopy実行時のバックアップファイル出力先のホストがあるサーバマシンで実行してください。

  3. pdbkuplsコマンドは,pdcopyで取得したバックアップファイルだけ処理できます。それ以外のバックアップファイルを指定した場合,エラーとなります。

  4. NetBackupを使用する場合,JP1/VERITAS NetBackup Agent for HiRDB Licenseが必要となります。JP1/VERITAS NetBackup Agent for HiRDB Licenseについては,マニュアル「JP1/VERITAS NetBackup v4.5 Agent for HiRDB License」を参照してください。

  5. 差分バックアップファイルは指定できません。指定した場合はエラーとなります。

(6) 注意事項

  1. pdbkuplsコマンドのリターンコードは,0の場合は正常終了,12の場合は異常終了となります。12の場合は,その前に出力されているメッセージを参照してエラー要因を取り除いてください。

  2. pdntenvコマンドで文字コードとしてutf-8,又はutf-8_ivsを選択した場合,pdbkuplsで出力されるファイルにはBOMは付きません。

(7) 出力形式

出力形式についての規則を次に示します。

  1. (改行)には改行コード(CR+LF)が入ります。

  2. 出力情報がない項目については,標準形式の場合は「*」を出力します。CSV形式の場合は,該当部分の情報は出力しません(コンマが2個続きます)。

  3. rr...r〜uu...uは,RDエリア数分繰り返します。繰り返す場合,出力順はRDエリアIDの昇順となり,(改行)と<<RDAREA information>>も繰り返し出力します。

  4. バックアップ情報出力ファイルにデータを出力した場合,最終データの次の行にEOFが入ります。

  5. 出力されるデータは,1,024バイト(改行コードを含まない)ごとに改行されます。

  6. CSV形式で出力する場合の出力規則については,「コマンド実行結果をDAT形式で出力する場合の規則」を参照してください。

出力形式を次に示します。

(a) -aオプションを省略した場合

標準形式:
<<System information>>(改行)
<HiRDB system id> : aaaa(改行)
(改行)
<<Backup file information>>(改行)
<Backup mode> : dd...d(改行)
<Backup start Time> : ee...e(改行)
<Logpoint information Y/N> : g(改行)
CSV形式:
aaaa,dd...d,ee...e,g(改行)
[説明]

aaaa〜gについては,「-aオプションを指定した場合」の説明を参照してください。

(b) -aオプションを指定した場合

標準形式:
<<System information>>(改行)
<HiRDB system id> : aaaa(改行)
(改行)
<<Backup file information>>(改行)
<Backup file count> : bbbb(改行)
<Backup file name> : cc...c(改行)
<Backup mode> : dd...d(改行)
<Backup start time> : ee...e(改行)
<Backup end time> : ff...f(改行)
<Logpoint information Y/N> : g(改行)
<Get RDAREA's count> : hhhh(改行)
<Get RDAREA's list> : ii...i(改行)
<Errskip Y/N> : j(改行)
<Replica RDAREA generation No> : kk(改行)
<Server name> : ll...l(改行)
<Server RUNID> : mm...m(改行)
<Server group name> : nn...n(改行)
<Server block No> : oo...o(改行)
<Server generation No> : pp(改行)
<Server Log start time> : qq...q(改行)
(改行)
<<RDAREA information>>(改行)
<RDAREA name> : rr...r(改行)
<RDAREA id> : ss...s(改行)
<RDAREA kind> : tt...t(改行)
<RDAREA last LSN> : uu...u(改行)
<RDAREA last in-memory db-sync time> : vv...v(改行)
        :
CSV形式:
aaaa,bbbb,cc...c,dd...d,ee...e,ff...f,g,hhhh,ii...i,j,kk,ll...l,mm...m,nn...n,
oo...o,pp,qq...q,rr...r,ss...s,tt...t,uu...u …

[説明]

aaaa:

バックアップを取得したHiRDBのHiRDB識別子です(4文字以内)。

bbbb:

-bオプションに指定したバックアップファイルの個数です(10進数の1〜4けた)。

cc...c:

-bオプションに指定したバックアップファイル名です(1,023文字以内)。pdcopyの-bオプションに指定した順番で出力します。複数ある場合は,コンマで区切って出力します。

dd...d:

バックアップ取得時の-Mオプションの指定値です(10文字以内)。

-M x又は-M rの場合はEXCLUSIVE,-M sの場合はSHAREDとなります。

ee...e:

バックアップ取得時に最初のレコードを書き込んだ時間です(YYYY-MM-DD hh:mm:ss)。

インメモリRDエリアがバックアップ対象に含まれている場合,インメモリデータバッファとインメモリRDエリアの同期を取った時刻(一度も同期を取っていない場合はインメモリ化した時刻)を出力します。インメモリRDエリアが複数ある場合は,その中で一番古い時刻が出力されます。

ff...f:

バックアップ取得時に最後のレコードを書き込んだ時間です(YYYY-MM-DD hh:mm:ss)。

g:

バックアップ取得時にログポイント情報ファイルを作成していたかどうかの情報です(1文字)。

ログポイント情報ファイルを作成していた場合はY,作成していない場合はNとなります。

hhhh:

バックアップファイル中に格納されいてるRDエリアの個数です(10進数1〜4けた)。

ii...i:

バックアップファイル中に格納されいてるRDエリアの名称です(30文字以内)。複数ある場合はコンマで区切ります。また,バックアップ取得時のRDエリアIDの昇順で出力します。

j:

バックアップ取得時に-Jオプションを指定していたかどうかの情報です(1文字)。

-Jオプションを指定していた場合はY,指定していない場合はNとなります。

kk:

常に0を表示します。

ll...l:

RDエリアがあるサーバの名称です(8文字以内)。

mm...m:

ログサーバランID(システムが使用する情報)です(16進数8けた)。

nn...n:

ロググループ名(システムが使用する情報)です(8文字以内)。

oo...o:

ブロック番号です(16進数8けた)。

pp:

世代番号です(10進数1〜2けた)。

qq...q:

システムログファイルの使用開始時刻です(YYYY-MM-DD hh:mm:ss)。

rr...r:

RDエリア名です(30文字以内)。

ss...s:

RDエリアIDです(10進数1〜8けた)。

tt...t:

RDエリアの種別です(15文字以内)。

MASTERDIRECTORY:マスタディレクトリ用RDエリア

DATADIRECTORY:データディレクトリ用RDエリア

DATADICTIONARY:データディクショナリ用RDエリア

SYSTEM_LOB:データディクショナリLOB用RDエリア

USER:ユーザ用RDエリア

USER_LOB:ユーザLOB用RDエリア

REG:レジストリ用RDエリア

REG_LOB:レジストリLOB用RDエリア

uu...u:

RDエリアの更新通番(システムが使用する情報)です(17文字)。

vv...v:

インメモリRDエリアがバックアップ対象に含まれている場合,インメモリデータバッファとインメモリRDエリアの同期を取った時刻(一度も同期を取っていない場合はインメモリ化した時刻)を,YYYY-MM-DD hh:mm:ssの形式で出力します。

インメモリRDエリアがバックアップ対象に含まれていない場合は,’*’が出力されます。

なお,この項目は標準形式のときだけ出力されます。