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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム定義(Windows(R)用)


9.2.28 シンクポイントダンプファイルに関するオペランド

◆ pd_spd_dual = Y|N

シンクポイントダンプファイルを二重化するかどうかを指定します。

Y:シンクポイントダンプファイルを二重化します。

N:シンクポイントダンプファイルを二重化しません。

《利点》

シンクポイントダンプファイルを二重化すると,HiRDBはA系及びB系の両方に同じシンクポイントダンプを取得します。取得したシンクポイントダンプを読み込むとき,片方のファイルに異常が発生しても,もう一方のファイルからシンクポイントダンプを読み込めるため,システムの信頼性を向上できます。

《ほかのオペランドとの関連》

シンクポイントダンプファイルを二重化する場合は,pdlogadpfオペランドでB系のシンクポイントダンプファイル名を指定してください。

◆ pd_spd_assurance_msg = Y|N

シンクポイントダンプが有効化されたとき,メッセージ KFPS02183-Iを出力するかどうかを指定します。

Y:出力します。

N:出力しません。

◆ pd_spd_assurance_count = 有効保証世代数

〜<符号なし整数>((1〜2))《1》

システム回復時のシンクポイントダンプファイルの入力障害などに備え,HiRDB稼働中に保存しておくシステムログファイルの範囲を,シンクポイントダンプファイルの世代数によって指定します。この世代数のことを有効保証世代数といいます。ここで指定した世代数分のシンクポイントダンプファイルは,上書きできない状態になります。

《利点》

有効保証世代数を2にすると,最新世代のシンクポイントダンプファイルに障害が発生しても,1世代前のシンクポイントからシステムを回復できるため,信頼性が向上します。

《指定値の目安》
  • 信頼性を向上させる場合は有効保証世代数を2にしてください。ただし,有効保証世代数を2にすると,上書きできない状態のシンクポイントダンプファイルが増えます(二つになります)。

  • シンクポイントダンプファイルを二重化して信頼性を向上している場合は,このオペランドを省略するか,又は1を指定することをお勧めします。

《注意事項》
  • シンクポイントダンプファイルの必要最低数は有効保証世代数+1となります。

  • 有効保証世代数を2にすると,上書きできない状態のシンクポイントダンプファイルが増えます。上書きできない状態のシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルは上書きできない状態になります。したがって,有効保証世代数を2にすると,上書きできない状態のシステムログファイルが増えるため,スワップ先にできる状態のシステムログファイル数が不足することがあります。これを防ぐためにはシステムログファイルの容量を考慮してください。

◆ pd_spd_reduced_mode = 縮退運転オプション

〜<符号なし整数>((0〜2))《0》

シンクポイントダンプファイルの縮退運転をするかどうかを指定します。

縮退運転とは,HiRDB稼働中又は再開始処理中のファイル障害などによって,シンクポイントダンプファイルの数が運用に必要なファイル数(有効保証世代数+1)以下になった場合でも,最低二つのファイルが使用できれば処理を続行する機能です。

注※ pd_spd_assurance_countオペランドの指定値です。

0:縮退運転を使用しません。

1:縮退運転を使用します。

2:縮退運転を使用し,縮退運転でシンクポイントダンプ取得の契機ごとに警告メッセージを出力します。

◆ pd_spd_reserved_file_auto_open = Y|N

シンクポイントダンプファイルの自動オープンをするかどうかを指定します。

シンクポイントダンプファイルに障害が発生して,運用に必要なファイル数(有効保証世代数+1)を下回った場合,予約のファイルがあればHiRDBが予約のファイルをオープンして上書きできる状態にし,処理を続行します。これをシンクポイントダンプファイルの自動オープンといいます。

注※ pd_spd_assurance_countオペランドの指定値です。

Y:

シンクポイントダンプファイルの自動オープンをします。運用に必要なファイル数(有効保証世代数+1)を下回った場合,予約ファイルを自動的にオープンします。

N:

シンクポイントダンプファイルの自動オープンをしません。運用に必要なファイル数(有効保証世代数+1)を下回っても,予約ファイルを自動的にオープンしません。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドの指定はpd_spd_reduced_modeオペランドより優先されます。

◆ pd_spd_max_data_size = シンクポイントダンプファイルのバッファ長

〜<符号なし整数>((32000〜4000000))《32768》(単位:バイト)

シンクポイントダンプをシンクポイントダンプファイルに入出力するときに使用するバッファ(共用メモリ)の大きさをバイト単位で指定します。

ここで指定した値によってシンクポイントダンプファイルの入出力回数を制御します。

《指定値の目安》
  • 通常はこのオペランドを指定する必要はありません。

  • 指定値を大きくするほど,シンクポイントダンプファイルに対する入出力回数が少なくなります。

◆ pd_log_sdinterval = システムログ出力量〔,経過時間〕

シンクポイントダンプの取得間隔を指定します。次に示す条件で指定できます。

  • システムログの出力量

  • 前回シンクポイントダンプを取得してからの経過時間

システムログ出力量:〜<符号なし整数>((100〜100000))《5000》(単位:ログブロック数)

シンクポイントダンプの取得間隔を指定します。ここで指定したログブロック数分のシステムログが出力されるたびに,シンクポイントダンプを取得します。

経過時間:〜<符号なし整数>((0,10〜1440))《60》(単位:分)

シンクポイントダンプの取得間隔を指定します。前回シンクポイントダンプを取得してから,ここで指定した経過時間が過ぎると,シンクポイントダンプを取得します。

  • 経過時間に0を指定すると,HiRDBは経過時間でのシンクポイントダンプを取得しません。

  • 前回シンクポイントダンプを取得してからトランザクションが一度も発生しない場合,ここで指定した経過時間が過ぎてもシンクポイントダンプを取得しません。

《指定値の目安》
  • HiRDBを再開始するときの所要時間に特に規定のない場合は,このオペランドを指定する必要はありません。

  • このオペランドの指定値によって,HiRDBを再開始するときの所要時間が決まります。

    このオペランドの指定値を小さくすれば,HiRDBを再開始するときのデータベース回復に掛かる所要時間が短くなります。ただし,シンクポイントダンプの取得回数が増えるため,オンライン中の性能が低下する場合があります。

    逆に,このオペランドの指定値を大きくすれば,HiRDBを再開始するときのデータベース回復に掛かる所要時間が長くなります。ただし,シンクポイントダンプの取得回数が減るため,オンライン中の性能が向上する場合があります。

《指定値のチューニング方法》

シンクポイントダンプがどの程度の間隔で取得されているかは,統計解析ユティリティのシステムの稼働に関する統計情報の「シンクポイントダンプ取得間隔時間(SYNC POINT GET INTERVAL)」で確認できます。SYNC POINT GET INTERVALの平均値を見て,シンクポイントダンプを取得する間隔が長いと判断したら,ここでの指定値を小さくしてください。また,反対に短いと判断したら,ここでの指定値を大きくしてください。

《注意事項》
  • シンクポイントダンプの取得間隔はシステムログの出力量で決まります。このため,更新系のトランザクションがほとんどない時間帯は,メモリからデータベースに反映するまでの時間が長くなります。このような状態で障害が発生すると,その間に発生したトランザクションの回復時間が長くなります。このようなケースが考えられる場合は,「経過時間」でもシンクポイントダンプの取得間隔を設定してください。

  • シンクポイントダンプを取得すると,グローバルバッファからの更新ページ出力に伴い,CPU,入出力処理,及び排他に掛かる負荷が増大します。そのため,シンクポイントダンプの取得間隔を短くすると,処理が遅延することがあります。

◆ pdlogadfg -d spd -g ファイルグループ名〔ONL〕

シンクポイントダンプファイルのファイルグループを指定します。このオペランドは省略できません。必ず指定してください。ここで指定したファイルグループに対して,pdlogadpfオペランドでシンクポイントダンプファイルを割り当てます。

必ずpdlogadfgオペランド,pdlogadpfオペランドの順で指定してください。この順で指定しないとエラーになります。

-g ファイルグループ名:〜<識別子>((1〜8文字))

ファイルグループ名を指定します。ファイルグループ名はサーバ内で一意になるようにしてください。

ONL:

このファイルグループをHiRDBの稼働時に使用できる状態(オープン状態)にする場合に指定します。ONLを指定したファイルグループは2〜30個指定できます。

《オペランドの規則》

このオペランドは2〜60個指定できます。

◆ pdlogadpf -d spd -g ファイルグループ名 -a "シンクポイントダンプファイル名" 〔-b "シンクポイントダンプファイル名"〕

ファイルグループを構成するシンクポイントダンプファイルを指定します。このオペランドは省略できません。必ず指定してください。一つのファイルグループに対してこのオペランドを一つ指定します。

必ずpdlogadfgオペランド,pdlogadpfオペランドの順で指定してください。この順で指定しないとエラーになります。

-g ファイルグループ名:〜<識別子>((1〜8文字))

pdlogadfgオペランドで指定したファイルグループ名を指定します。ファイルグループ名はユニット内で一意になるようにしてください。

-a "シンクポイントダンプファイル名":〜<パス名>((167文字以内))

ファイルグループを構成するシンクポイントダンプファイルの名称を絶対パス名で指定します。pdloginitコマンドで初期設定したシンクポイントダンプファイルの名称を指定してください。なお,シンクポイントダンプファイル名はユニット内で一意になるようにしてください。

-b "シンクポイントダンプファイル名":〜<パス名>((167文字以内))

シンクポイントダンプファイルを二重化(pd_spd_dual = Yを指定)する場合に,B系のシンクポイントダンプファイル名を絶対パス名で指定します。pd_spd_dual = Yの指定がない場合は,シンクポイントダンプファイル名を指定しても無効になります。

pdloginitコマンドで初期設定したシンクポイントダンプファイルの名称を指定してください。なお,シンクポイントダンプファイル名はユニット内で一意になるようにしてください。

《オペランドの規則》

HiRDBファイルシステム領域名は大文字と小文字の区別をしませんが,HiRDBファイル名は大文字と小文字の区別をします。C:\hirdb\sysfile\sync01の場合,C:\hirdb\sysfileについては大文字と小文字の区別をしません。sync01については大文字と小文字の区別をします。