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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム定義(Windows(R)用)


9.2.21 RDエリアに関するオペランド

◆ pd_max_rdarea_no = RDエリアの最大数

〜<符号なし整数>((5〜8388592))《1000》

  • 0904互換モードの場合:《200》

RDエリアの最大数を指定します。RDエリアの合計数がこのオペランドの値を超えている場合,HiRDBを正常開始できません。なお,ここでいうRDエリアには,マスタディレクトリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,及びデータディクショナリ用RDエリアも含まれます。

《指定値の目安》
  • RDエリアの合計数以上の値を指定してください(ある程度余裕をもたせてください)。RDエリアの合計数はpddblsコマンドで確認できます。なお,RDエリアを追加する予定がある場合は,その数を加算した値を指定してください。

  • HiRDB/パラレルサーバの場合,このオペランドの値はバックエンドサーバごとに適用されます。例えば,このオペランドに100を指定した場合,各バックエンドサーバに最大100個のRDエリアを作成できます。したがって,RDエリア数が最も多いバックエンドサーバを目安にしてこのオペランドを指定してください。

  • 共用RDエリアを使用している場合,参照専用バックエンドサーバで使用する共用RDエリアの数も加算してください。

《注意事項》

このオペランドには,必要以上に大きな値を指定しないでください。このオペランドの指定値を大きくすると,HiRDBが使用する共用メモリが増加します。これによって,共用メモリが不足しHiRDBを開始できないことがあります。

《各見積もり式への影響》

pd_max_rdarea_noオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」:

  • 「HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「メモリ所要量の計算式」

  • 「HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式」

  • 「HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「メモリ所要量の計算式」

  • 「HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式」

  • 「ステータスファイルの容量の見積もり」の「Sの求め方」

  • 「シングルサーバが使用する共用メモリの計算式」の「計算式1」,「計算式2」,「計算式3」

  • 「ディクショナリサーバが使用する共用メモリの計算式」の「計算式1」,「計算式2」

  • 「データベース構成変更ユティリティ(pdmod)実行時のメモリ所要量」

  • 「バックエンドサーバが使用する共用メモリの計算式」の「計算式1」,「計算式2」,「計算式3」

  • 「フロントエンドサーバが使用する共用メモリの計算式」

◆ pd_max_file_no = RDエリアを構成するHiRDBファイルの最大数

〜<符号なし整数>((5〜134217728))《2000》

  • 0904互換モードの場合:《400》

RDエリアを構成するHiRDBファイルの最大数を指定します。HiRDBファイルの合計数がこのオペランドの値を超えている場合,HiRDBを正常開始できません。なお,ここでいうRDエリアを構成するHiRDBファイルには,マスタディレクトリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,及びデータディクショナリ用RDエリアのHiRDBファイルも含まれます。

《指定値の目安》
  • RDエリアを構成するHiRDBファイルの合計数以上の値を指定してください(ある程度余裕をもたせてください)。各HiRDBファイルシステム領域内のHiRDBファイルの数はpdfstatfsコマンドで確認できます。なお,HiRDBファイルを追加する予定がある場合は,その数を加算した値を指定してください。RDエリアの追加,RDエリアの再初期化,及びRDエリアの拡張時にHiRDBファイルを追加します。

  • HiRDB/パラレルサーバの場合,このオペランドの値はバックエンドサーバごとに適用されます。例えば,このオペランドに100を指定した場合,各バックエンドサーバに最大100個のHiRDBファイルを作成できます。したがって,HiRDBファイル数が最も多いバックエンドサーバを目安にしてこのオペランドを指定してください。

  • 共用RDエリアを使用している場合,参照専用バックエンドサーバで使用する共用RDエリアを構成するHiRDBファイルの数も加算してください。

《注意事項》

このオペランドには,必要以上に大きな値を指定しないでください。このオペランドの指定値を大きくすると,HiRDBが使用する共用メモリが増加します。これによって,共用メモリが不足しHiRDBを開始できないことがあります。

《各見積もり式への影響》

pd_max_file_noオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」:

  • 「HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式」

  • 「HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式」

  • 「シングルサーバが使用する共用メモリの計算式」の「計算式2」

  • 「ディクショナリサーバが使用する共用メモリの計算式」の「計算式2」

  • 「バックエンドサーバが使用する共用メモリの計算式」の「計算式2」

◆ pd_rdarea_warning_point = セグメント使用比率1〔,セグメント使用比率2〔,セグメント使用比率3〕〕

〜<符号なし整数>((0〜100))(単位:%)

RDエリアのセグメント使用率通知メッセージ(KFPH00211-I,又はKFPA12300-I),又は増分するHiRDBファイルの領域使用率通知メッセージ(KFPH22037-W)の出力契機を指定します。

RDエリアの自動増分を適用しない場合

セグメント使用率通知メッセージ(KFPH00211-I,又はKFPA12300-I)が出力されます。

このオペランドの指定の有無,及び対象となるRDエリア種別ごとのセグメント使用率通知メッセージの内容を次に示します。

対象となるRDエリア

pd_rdarea_warning_point省略時

pd_rdarea_warning_point指定時

  • マスタディレクトリ用RDエリア

  • データディレクトリ用RDエリア

メッセージを出力しません。

対象となるRDエリアの全体のセグメントのうち,指定された使用率のセグメントの使用を開始しました。

  • データディクショナリ用RDエリア

  • ユーザ用RDエリア

対象となるRDエリアの最終ファイルのセグメントのうち,相対位置で80,90,100%のどれかのセグメントの使用を開始しました。

対象となるRDエリアの全体のセグメントのうち,指定された使用率のセグメントの使用を開始しました。

  • LOB用RDエリア

対象となるRDエリアの最終ファイルのセグメントのうち,相対位置で80,90,100%のどれかのセグメントの使用を開始しました。

指定された相対位置に当たるセグメントの使用を開始しました。

RDエリアの自動増分を適用する場合

自動増分するHiRDBファイルの領域使用率通知メッセージ(KFPH22037-W)が出力されます。

自動増分するHiRDBファイルの領域使用率通知メッセージは,自動増分を実行した場合に,このオペランドのセグメント使用比率以上に領域を割り当てたときに出力するメッセージです。

RDエリアの自動増分を適用する場合,このオペランドの指定の有無と出力するメッセージの内容を次に示します。

オペランドの指定値

pd_rdarea_warning_point省略時

pd_rdarea_warning_point指定時

メッセージの出力条件

増分したHiRDBファイルの領域は,使用率80,90,100%のどれかの比率以上に領域を割り当てました。

増分したHiRDBファイルの領域は,指定された使用率以上に領域を割り当てました。

例えば,このオペランドの省略時で使用率80%のメッセージが出力された場合,増分前の領域使用率は80%未満で,増分後の領域使用率が80%以上90%未満になったことを表します。

自動増分するHiRDBファイルの領域使用率は,増分できる最大容量に対する使用率です。次の計算式で求めます。

自動増分するHiRDBファイルの領域使用率(単位:%)=A÷B×100
  1. pdfmkfs -aコマンド指定のOSのファイルシステム上のHiRDBファイルシステム領域の場合

    A:自動増分するHiRDBファイルの容量

    B:自動増分できる最大容量=min{(A+C),64GB}

    C:自動増分するHiRDBファイルがあるHiRDBファイルシステム領域の空き容量+自動増分するHiRDBファイルがあるHiRDBファイルシステム領域が存在するディスクの空き容量

  2. pdfmkfs -eコマンド指定のHiRDBファイルシステム領域,又はpdfmkfs -a指定のダイレクトディスクアクセスをするHiRDBファイルシステム領域の場合

    A:自動増分するHiRDBファイルの容量

    B:自動増分できる最大容量=min{(A+C),64GB}

    C:自動増分するHiRDBファイルがあるHiRDBファイルシステム領域の空き容量

上記の1と2で,自動増分できる範囲が異なります。自動増分できる範囲を次の図に示します。

[図データ]

《自動増分するHiRDBファイルの領域使用率通知メッセージに関する注意事項》
  • 一回の自動増分で複数のセグメント使用比率を超えた場合は,超えたセグメント使用比率の中で最も大きいセグメント使用比率に対するメッセージを出力します。

  • 次の要因により空き容量が減少し,増分前の領域使用率がセグメント使用比率を超えた場合は,そのセグメント使用比率に対するメッセージを出力しません。

    ・別のRDエリアで自動増分が発生したとき

    ・データベース構成変更ユティリティ(pdmodコマンド)でデータベースの物理構成を変更したとき

    ・HiRDB以外の製品によるファイル追加

《指定例》

メッセージの出力条件

オペランドの指定値

対象となるRDエリアのRDエリア全体のセグメントのうち,80,90,100%分の使用を開始した,それぞれの時点でメッセージを出力する場合

pd_rdarea_warning_point = 80,90,100

対象となるRDエリアのRDエリア全体のセグメントのうち,50,90%分の使用を開始した,それぞれの時点でメッセージを出力する場合

pd_rdarea_warning_point = 50,90

セグメント使用率通知メッセージを出力しない場合

pd_rdarea_warning_point = 0

《オペランドの規則》
  • この指定値は,三つまで指定できます。

  • 同じ値を複数指定した場合には,その値に対して1回だけメッセージが出力されます。

  • セグメント使用比率1〜3に0だけを指定した場合には,セグメント使用率通知メッセージが出力されません。

  • 0と0以外の数値が混在している場合には,指定された0以外の数値をメッセージの出力契機とします。

  • セグメント使用率通知メッセージ(KFPA12300-I)は,クライアント環境定義PDEXWARNにYESを指定した場合にだけ出力されます。

《注意事項》

次のユティリティでは,このオペランドの指定を無視し,オペランド指定省略時の動作となります。

  • データベース初期設定ユティリティ(pdinitコマンド)

  • データベース回復ユティリティ(pdrstrコマンド)

    なお,データベース回復ユティリティでは,次の場合はコマンド実行中に再度のメッセージ出力はしません。

    1.バックアップだけを使用した回復で,バックアップ取得時点で既にメッセージを出力済み

    2.ログを使用した回復で,指定したログの最終時点までで既にメッセージを出力済み

◆ pd_rdarea_warning_point_msgout = Y|N

RDエリアのセグメント使用率通知メッセージ(KFPH00211-I,又はKFPA12300-I)を出力するかどうかを指定します。

Y:pd_rdarea_warning_pointの指定値に従って,RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力します。

N:RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力しません。

《指定値の目安》

RDエリアのセグメント使用率通知メッセージの指定値の目安については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「空き領域の再利用機能」の「環境設定」を参照してください。

《注意事項》

次の場合には,このオペランドにNを指定してもセグメント使用率通知メッセージを出力します。

  • データベース作成ユティリティ(pdload),又はデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)でデータを格納する場合

  • 空き領域の再利用機能を適用していない表にデータを格納する場合

  • インデクスにデータを格納する場合

  • 空き領域の再利用機能を適用している表の構成列に可変長の列を含み,データ長を長くする更新を頻繁に行う場合

  • 表の定義数がpd_assurance_table_noオペランドの指定値を超えたため,空き領域の再利用機能が使用できなくなっている場合

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは,次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_rdarea_warning_point

  • pd_assurance_table_no

◆ pd_stored_lob_data_wrn_pnt = セグメント使用比率1〔,セグメント使用比率2〔,セグメント使用比率3〕〕

〜<符号なし整数>((0〜100))《80,90,100》(単位:%)

LOB用RDエリアのセグメント使用率通知メッセージ(KFPH22040-W)の出力契機を指定します。

このオペランドの指定例を次に示します。

表9‒6 pd_stored_lob_data_wrn_pntの指定例

メッセージの出力条件

オペランドの指定値

LOB用RDエリアが50,80,95%のセグメントを使用した,それぞれの時点でメッセージを出力する場合

pd_stored_lob_data_wrn_pnt = 50,80,95

LOB用RDエリアが50,90%のセグメントを使用した,それぞれの時点でメッセージを出力する場合

pd_stored_lob_data_wrn_pnt = 50,90

LOB用RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力しない場合

pd_stored_lob_data_wrn_pnt = 0

《オペランドの規則》
  • この指定値は,三つまで指定できます。

  • 0を除く同じ値を複数指定した場合には,その値に対して1回だけメッセージが出力されます。

  • セグメント使用率1〜3に0だけを指定した場合には,セグメント使用率通知メッセージが出力されません。

  • 0と0以外の数値が混在している場合には,指定された0以外の数値をメッセージの出力契機とします。

《注意事項》
  • このオペランドの指定は,pdinitコマンド,pdrstrコマンドに対してはLOB用RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力しません。

  • プラグインインデクスを使用している場合,プラグインインデクスの作成・再初期化時にLOB用RDエリアのセグメント使用率通知メッセージが出力されることがあります。

    ・LOB用RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力したくない場合は,このオペランドに0を指定してください。

    ・LOB用RDエリアのセグメント使用率通知メッセージの監視レベルを下げたい場合は,イベントログに出力するメッセージの重要度を変更してください。イベントログに出力するメッセージの重要度の変更についての詳細は,「メッセージの出力抑止機能に関するオペランド」の説明,及び,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「イベントログに出力するメッセージの重要度の変更」を参照してください。

◆ pd_rdarea_extension_timing = use|nouse
  • 0904互換モードの場合:《nouse》

RDエリアの自動増分機能を適用している場合,どのタイミング(契機)でRDエリアを自動増分するかを指定します。

use:RDエリア内の空きセグメント数が1回の自動増分で増分するセグメント数以下になったときに自動増分します。例えば,1回の自動増分セグメント数を50セグメントとしている場合,空きセグメント数が50セグメント以下になったときに自動増分します。

nouse:RDエリア内に空きセグメントがなく,新しいセグメントを確保できないときに自動増分します。

《指定値の目安》

それぞれの指定値のメリットとデメリットを次の表に示します。

項目

オペランドの指定値

use

nouse

メリット

自動増分ができない場合でも,データ追加によるページ不足エラーになるまで,空きセグメント(増分セグメント数分)を利用できます。この間に,RDエリアの状態を解析し,使用状況に応じて再編成やRDエリアの拡張などの対処ができるため,業務への影響を最小限にできます。

空きセグメントがなくなってから,自動増分を行うため,HiRDBファイルシステム領域内に複数HiRDBファイルを作成する場合,格納効率が良くなります。

デメリット

HiRDBファイルシステム領域内に複数HiRDBファイルを作成する場合,格納効率が悪くなることがあります。

自動増分ができない場合,空きセグメントがない状態のため,データ追加によるページ不足エラーで業務が停止するおそれがあります。

注※ 次のような場合,自動増分できません。

  • HiRDBファイルシステム領域内でHiRDBファイルを拡張する方式(pdfmkfs -eコマンド)の場合,HiRDBファイルシステム領域に空きがないとき。

  • HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する方式(pdfmkfs -aコマンド)の場合,ディスクに空きがない,又はHiRDBファイルの最大サイズ(64GB)に達しているとき。

  • RDエリアがバックアップ閉塞状態のため,自動増分が抑止されるとき。

このオペランドの指定値は,業務への影響を最小限にできるuseをお勧めします。

◆ pd_rdarea_expand_format = Y|N

RDエリアの自動増分が発生した場合に増分領域を初期化するかどうかを指定します。OSのファイルシステム上のHiRDBファイルシステム領域を,pdfmkfsコマンドに-aオプションを指定して増分した場合に指定できます。

Y:増分領域を初期化します。

N:増分領域を初期化しません。

《指定値の目安》

このオペランドにYを指定すると,増分領域を初期化するためディスクへの入出力が発生します。ディスクへの入出力処理に時間が掛かるため,次のトランザクションが遅延します。

  • 初期化しているセグメントを更新するトランザクション

  • 自動増分で新規セグメントを割り当てるトランザクション

そのため,通常はこのオペランドの指定値をNにすることをお勧めします。

ただし,RDエリアなどの容量を監視できる運用を行えるかどうかによってお勧めする指定値が変わります。詳細については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「RDエリアの自動増分を適用する場合の運用」を参照してください。

《注意事項》

このオペランドの指定値をYにした場合,自動増分が発生しているRDエリアをアクセスする更新トランザクションの実行時間が延びるため,次のどちらかの要因でトランザクションがキャンセルされることがあります。

  • 排他待ち限界経過時間を超過した

  • HiRDBクライアントの最大待ち時間やユティリティの最大実行時間を超過した

トランザクションがキャンセルされることを避けるため,《ほかのオペランドとの関連》に示すオペランドについて,次に示すRDエリアの構成情報,及びHiRDBファイルシステム領域を配置しているディスクの入出力性能を考慮して,増分領域の初期化に掛かる処理時間の目安を秒単位で見積もってください。

  • ページサイズ

  • セグメントサイズ

  • 増分セグメント数

    増分領域の初期化に掛かる処理時間の目安(単位:秒)=
    ページサイズ(バイト)×(セグメントサイズ×増分セグメント数+α)÷HiRDBファイルシステム領域を配置しているディスクのI/O性能(バイト/秒)

    α:増分時に作成するディレクトリページ数

    ・データディクショナリ用RDエリア,ユーザ用RDエリア,又はレジストリ用RDエリアの場合
     ↑d÷b↑+↑d÷f↑
    ・LOB用RDエリアの場合
     ↑S÷64000↑×96

    d:増分セグメント数

    b:↓(P−20)÷(↑S÷32↑×8+56)↓

    f:↓(125×P)÷(16×b)↓×b

    P:ページサイズ

    S:セグメントサイズ

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは,次に示すオペランドと関連があります。

  • PDCWAITTIME

  • pd_lck_wait_timeout

  • pd_cmd_exec_time

  • pd_utl_exec_time

◆ pd_rdarea_extension_file = all|last

RDエリアの自動増分機能を使用している場合に,自動増分対象HiRDBファイルを指定します。

all:RDエリアを構成するHiRDBファイルのすべてを自動増分の対象とします。

last:RDエリアを構成するHiRDBファイルの内,最終ファイルを自動増分の対象とします。

この機能を適用した場合,pddbstコマンド(-f指定)を実行すると,HiRDBファイル単位に「自動増分抑止状態」,「自動増分エラーコード」を追加で表示します。確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」の「pddbst」を参照してください。

《指定値の目安》

推奨値はallです。

allを指定すると,RDエリア作成時に最大構成ファイル数の16ファイルを最小ファイルサイズで設置することで,RDエリア拡張なしで最小サイズから最大サイズ(64GB×16ファイル≒1TB)まで増分できます。

詳細については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「RDエリアの自動増分」を参照してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは,次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_rdarea_extension_timing

《注意事項》

この機能は,ユーザ用RDエリアにだけ適用されます(一時表用RDエリアを除く)。

◆ pd_rdarea_open_attribute_use = Y|N

RDエリアのオープン契機にDEFER属性又はSCHEDULE属性を使用するかどうかを指定します。

Y:DEFER属性又はSCHEDULE属性を使用します。

N:DEFER属性又はSCHEDULE属性を使用しません。

このオペランドを省略するか,又はNを指定した場合,RDエリアのオープン契機は常にINITIAL属性になります。したがって,次に示すオペランド又はユティリティでRDエリアのオープン契機をDEFER属性又はSCHEDULE属性にしても無効になります。

  • pd_rdarea_open_attributeオペランド

  • データベース初期設定ユティリティ

  • データベース構成変更ユティリティ

《注意事項》
  • Yを指定すると,HiRDBが必要とする共用メモリ量が増加するため,共用メモリが不足してHiRDBを開始できないことがあります。

  • 高速系切り替え機能,1:1スタンバイレス型系切り替え機能,又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を使用する場合はこのオペランドにYが仮定されます。このため,サーバが使用する共用メモリが増加するので共用メモリを見積もり直してください。サーバが使用する共用メモリの見積もり式については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

《各見積もり式への影響》

pd_rdarea_open_attribute_useオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」:

  • 「HiRDB/シングルサーバで起動するプロセス」

  • 「HiRDB/パラレルサーバで起動するプロセス」

  • 「シングルサーバが使用する共用メモリの計算式」

  • 「バックエンドサーバが使用する共用メモリの計算式」

◆ pd_rdarea_open_attribute = INITIAL|DEFER|SCHEDULE

RDエリアのオープン契機の標準値を指定します。

データベース初期設定ユティリティ又はデータベース構成変更ユティリティでopen attributeの指定がないRDエリアは,このオペランドに指定した属性が仮定されます。ただし,システム用RDエリアは,常にINITIALが仮定されます。

《指定値の目安》
  • 同じHiRDBファイルシステム領域のRDエリアには,同じ属性を指定してください。異なる属性を指定すると,期待どおりの効果が得られない場合があります。

  • 各属性のRDエリアのオープン/クローズ契機,及び長所/短所を次に示します。

    属性

    初期状態

    オープン契機

    クローズ契機

    長所

    短所

    INITIAL

    オープン状態

    • HiRDB開始時

    • pdopenコマンド実行時

    pdcloseコマンド実行時

    初回SQLから高速実行

    システムの開始に時間が掛かる

    DEFER

    クローズ状態

    • RDエリアの初回アクセス時

    • pdopenコマンド実行時

    pdcloseコマンド実行時

    • システムの開始が高速

    • 初回アクセス以後は通常SQLも高速

    各RDエリアの初回アクセスに時間が掛かる

    SCHEDULE

    クローズ状態

    • トランザクション内でのRDエリア初回アクセス時

    • pdopenコマンド実行時

    • トランザクション終了時

    • pdcloseコマンド実行時

    • システムの開始が高速

    • ファイルオープンの集中を回避

    トランザクションごとにRDエリアの初回アクセスが高負荷となる

  • 各属性に適する運用形態を次に示します。

    属性

    適する運用形態

    INITIAL

    システム開始時にHiRDBファイルシステム領域をオープンして,RDエリア情報をメモリ上に常駐します。RDエリアの初回アクセス時にも,そのプロセス上でオープンします。ただし,この場合にはRDエリア情報の再作成をしないため,初回SQLから高速な運用ができます。

    システム開始時のRDエリア初期状態はオープン状態であり,以降は障害閉塞への遷移を除いて,運用コマンドの入力がないかぎりRDエリアの状態は遷移しません。

    特殊な運用形態を用いない場合は,この属性を推奨します。

    この属性のとき,クローズ状態のRDエリアに対してはアクセスできません。

    DEFER

    システム開始時にHiRDBファイルシステム領域のオープンをしないで,RDエリアに対する初回アクセス時にオープンし,RDエリア情報をメモリ上に常駐します。2回目以降のアクセスでは,HiRDBファイルシステム領域のオープン以降の処理をしないため,高速な運用ができます。

    システム開始時のRDエリア初期状態はクローズ状態であり,各RDエリアに対する初回アクセス時に該当するRDエリアをオープン状態にします。以降は障害閉塞への遷移を除いて,運用コマンドの入力がないかぎりRDエリアの状態は遷移しません。

    多数のHiRDBファイルシステム領域に対するオープンが重なるケースを回避したい場合や,HiRDBの開始時間を短縮したい場合に,この属性を指定します。

    HiRDBを再開始する場合は,回復処理時に回復対象RDエリアをオープンします。

    この属性を指定した場合,クローズ状態のRDエリアに対してもアクセスできます。

    SCHEDULE

    システム開始時にHiRDBファイルシステム領域のオープンをしないで,システム開始後,各トランザクション内でのRDエリアに対する初回アクセス時にオープンし,RDエリア情報をメモリ上に常駐します。トランザクションの終了時に,そのトランザクション内でオープンしたHiRDBファイルシステム領域をクローズします。以降もトランザクションが変わるとRDエリアに対する初回アクセス時にオープン以降の処理をするため,トランザクションに掛かる負荷は増加します。

    システム開始時のRDエリアの初期状態はクローズ状態であり,アクセスのあったRDエリアのトランザクション処理中だけオープン状態とします。トランザクション終了時に,トランザクション内でオープン状態としたすべてのRDエリアをクローズ状態にします。

    pdopenコマンドを入力すると,次回閉塞クローズ状態になるまでの間オープン状態を継続できます。そのほかの運用コマンドを用いて,RDエリアのステータスを任意に遷移させることもできます。障害を検知したときは障害閉塞となります。

    多数のHiRDBファイルシステム領域のオープンが重なることを回避したい場合や,システムの開始時間を短縮したい場合に,この属性を指定します。

    HiRDBを再開始する場合は,回復処理時に回復対象RDエリアをオープンして,回復処理の終了後にクローズします。

    この属性を指定した場合,クローズ状態のRDエリアに対してもアクセスできます。

《注意事項》
  • 高速系切り替え機能,1:1スタンバイレス型系切り替え機能,又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を使用する場合の注意事項を次に示します。

    使用する機能

    注意事項

    高速系切り替え機能

    高速系切り替え機能の対象になる待機系ユニットは,待機状態のときにRDエリアをオープンしていません。また,系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,待機系のRDエリアのオープン契機はINITIAL属性になりません。INITIAL属性のRDエリアはDEFER属性になります。

    1:1スタンバイレス型系切り替え機能

    系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,正規BES又は代替部のRDエリアのオープン契機は次に示すようになります。

    • 系切り替えが発生した場合,代替部のRDエリアのオープン契機はSCHEDULE属性になります。

    • 障害が回復して正規BESに系を切り戻した場合,正規BES下のINITIAL又はDEFER属性のRDエリアのオープン契機はDEFER属性になります。SCHEDULE属性のRDエリアはSCHEDULE属性のままです。

    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能

    系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えによる再開始時には全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,系切り替えが発生した場合,ゲストBES下のINITIAL属性のRDエリアのオープン契機はDEFER属性になります。

  • 高速系切り替え機能,1:1スタンバイレス型系切り替え機能,又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能とRDエリアのオープン契機の関係を次に示します。

    条件

    pd_rdarea_open_attribute_useの指定値

    N

    Y

    RDエリアのオープン契機

    INITIAL

    DEFER

    SCHEDULE

    系切り替え機能を使用しない※1

    INITIAL

    INITIAL

    DEFER

    SCHEDULE

    スタンバイ型系切り替え機能※1

    高速系切り替え機能を使用しない

    高速系切り替え機能

    実行系

    待機系

    DEFER※2

    DEFER

    DEFER

    SCHEDULE

    1:1スタンバイレス型系切り替え機能※1

    受け入れ部(代替BESユニットの代替部以外)

    実行系

    INITIAL

    ※2,※3

    INITIAL

    ※3

    DEFER

    SCHEDULE

    待機系

    DEFER※2

    DEFER

    DEFER

    SCHEDULE

    代替部

    実行系

    SCHEDULE

    ※2

    SCHEDULE

    SCHEDULE

    SCHEDULE

    待機系

    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能※1

    正常開始又は再開始

    INITIAL

    INITIAL

    DEFER

    SCHEDULE

    系切り替えによる再開始

    DEFER※2

    DEFER

    DEFER

    SCHEDULE

    注※1 システム用RDエリアのオープン契機はINITIALになります。

    注※2 pd_rdarea_open_attribute_useオペランドにYが指定されているとみなします。

    注※3 再開始時はDEFERになります。

◆ pd_shared_rdarea_use = Y|N

このオペランドはHiRDB/パラレルサーバ限定のオペランドです。

共用RDエリアを使用するかどうかを指定します。

Y:共用RDエリアを使用します。

N:共用RDエリアを使用しません。

《注意事項》
  • 共用RDエリアを定義しているのに,このオペランドを省略した場合(又はこのオペランドにNを指定した場合),HiRDBを正常開始できません。

  • このオペランドにYを指定すると,pd_dbsync_pointオペランドにcommitを指定したときと同じ共用メモリブロックを確保します。

《各見積もり式への影響》

pd_shared_rdarea_useオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」:

  • 「バックエンドサーバが使用する共用メモリの計算式」

◆ pd_db_access_error_action = dbhold|unitdown

RDエリアへのアクセス時にファイルアクセスエラーが発生した場合の動作を指定します。

RDエリアにアクセスする際,アクセス対象のRDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域にあるファイルをHiRDB以外のプロセスが占有排他でオープンしていると,ファイルアクセスエラーとなります※1(エラーコード-1540※2)。

注※1 WindowsのCOPYコマンドでHiRDBファイルシステム領域をコピーしているときにRDエリアにアクセスすると,ファイルアクセスエラーが発生することがあります。マスタディレクトリ用RDエリアの場合はファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用していなくても,障害閉塞しないでユニットダウンします。ただし,ユニットダウンする際にはKFPH23040-Iメッセージが出力されます。

注※2 HiRDBファイルシステム領域のアクセス権限の設定を誤った場合にも返却されます。

dbhold:

ファイルアクセスエラーが発生した場合,アクセス対象のRDエリアを閉塞します。

unitdown:

ファイルアクセスエラーが発生した場合,KFPH23040-Iメッセージを出力して,ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を適用します。ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

《適用基準》

通常,このオペランドを指定する必要はありません。

HiRDBの稼働中にHiRDB以外のプロセスがRDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域にアクセスする運用を行っていて,そのプロセスがHiRDBファイルシステム領域を占有排他する可能性がある場合に,このオペランドの指定を検討してください。

《注意事項》
  • unitdownを指定した場合にファイルアクセスエラーが発生すると,次のケースでは処理対象のRDエリアが障害閉塞することがあります。

    ・更新前ログ取得モード又はログレスモードでUAPやユティリティを実行している

    ・CREATE TABLEのRECOVERYオペランドでNOを指定してログレスモードにしたユーザLOB用RDエリアに対して,UAP又はユティリティを実行している

    物理エラー検知時ユニットダウン機能を使用する場合は,できるだけこれらの運用は避けてください。もし,これらの運用が必要な場合は,RDエリアが閉塞しても最新の状態に回復できるよう,UAP又はユティリティの実行前にバックアップを取得してください。バックアップの取得については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

  • データベース回復ユティリティ(pdrstr)での回復処理中は,unitdownを指定していてもユニットダウンしません。この場合は,データベース回復ユティリティ(pdrstr)を再度実行して回復してください。

《ほかのオペランドとの関連》
  • pd_mode_confオペランド

  • pd_db_io_error_actionオペランド

  • pd_db_hold_actionオペランド

なお,pd_db_io_error_actionオペランド,pd_db_access_error_actionオペランド,及びpd_db_hold_actionオペランドのうち,複数のオペランドでunitdownを指定した場合は,次の順序でオペランドの指定値が有効になります。

  1. pd_db_io_error_actionオペランド

  2. pd_db_access_error_actionオペランド

  3. pd_db_hold_actionオペランド

そのため,RDエリアの入出力エラー,ファイルアクセスエラー,及び物理エラーのうち複数のエラーが同時に起こった場合,どのエラー要因によってユニットダウンしたのかは,この優先順位を参考に判断してください。また,出力されたメッセージを参照してください。

◆ pd_db_hold_action = dbhold|unitdown

RDエリアへのアクセス時に物理エラーが発生した場合(KFPH00306-Eメッセージの閉塞理由にi/o error occurred,又はopen error occurredを出力して閉塞するエラーの場合)の動作を指定します。マスタディレクトリ用RDエリアの場合は物理エラー検知時ユニットダウン機能を使用していなくても,障害閉塞しないでユニットダウンします。物理エラー検知時ユニットダウン機能については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

dbhold:

物理エラーが発生した場合,アクセス対象のRDエリアを閉塞します。

unitdown:

物理エラーが発生した場合,KFPH23047-Iメッセージを出力して,物理エラー検知時ユニットダウン機能を適用します。

《適用基準》

通常,このオペランドを指定する必要はありません。

RDエリアの数が少なく,RDエリアが一つでも障害閉塞したら業務全体が停止するようなシステムの場合に,このオペランドの指定を検討してください。

unitdownを指定する場合は,pd_mode_confオペランドにMANUAL2を指定してください。

《注意事項》
  • RDエリアに対するアクセスで物理エラーが発生し,KFPH00307-Eメッセージを出力してRDエリアがコマンド閉塞した場合は,pd_db_hold_actionオペランドにunitdownを指定していてもユニットダウンしません。

  • unitdownを指定した場合に物理エラーが発生すると,次のケースでは処理対象のRDエリアが障害閉塞することがあります。

    ・更新前ログ取得モード又はログレスモードでUAPやユティリティを実行している

    ・CREATE TABLEのRECOVERYオペランドでNOを指定してログレスモードにしたユーザLOB用RDエリアに対して,UAP又はユティリティを実行している

    物理エラー検知時ユニットダウン機能を使用する場合は,できるだけこれらの運用は避けてください。もし,これらの運用が必要な場合は,RDエリアが閉塞しても最新の状態に回復できるよう,UAP又はユティリティの実行前にバックアップを取得してください。バックアップの取得については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

  • データベース回復ユティリティ(pdrstr)での回復処理中は,unitdownを指定していてもユニットダウンしません。この場合は,データベース回復ユティリティ(pdrstr)を再度実行して回復してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_mode_confオペランド

  • pd_db_io_error_actionオペランド

  • pd_db_access_error_actionオペランド

なお,pd_db_io_error_actionオペランド,pd_db_access_error_actionオペランド,及びpd_db_hold_actionオペランドのうち,複数のオペランドでunitdownを指定した場合は,次の順序でオペランドの指定値が有効になります。

  1. pd_db_io_error_actionオペランド

  2. pd_db_access_error_actionオペランド

  3. pd_db_hold_actionオペランド

そのため,RDエリアの入出力エラー,ファイルアクセスエラー,及び物理エラーのうち複数のエラーが同時に起こった場合,どのエラー要因によってユニットダウンしたのかは,この優先順位を参考に判断してください。また,出力されたメッセージを参照してください。