20.1.5 バージョンアップ時の注意点
(1) リソース数に関連する環境変数を省略している場合
自動計算をサポートしていないバージョン09-50より前のバージョンでは,設定を省略した場合,各バージョンの省略値で動作しています。バージョンアップすることで自動計算するようになりますが,自動計算結果がバージョンアップ前の省略値と異なる場合があるため,バージョンアップ前後でメモリ使用量が変わることがあります。バージョンアップによる値の違いを確認し,必要なメモリを準備するなどの対処をしてください。各バージョンの省略値を次の表に示します。
なお,通常は自動計算された値での運用を強く推奨しますが,バージョンアップに際してメモリ使用量の変更が許容できない場合などは,次に示す値を参考にして,「設定方法」に示す方法で設定してください。ただし,設定にあたっては,次の「リソース数に関連する環境変数を設定している場合」の内容も必ず確認してください。
リソース種別 |
バージョン09-50以降の値 |
バージョン09-50より前のバージョンでの省略値 |
バージョン09-04-12より前のバージョンでの省略値 |
---|---|---|---|
メッセージキュー識別子数 |
自動計算値※ |
●32ビットモードの場合:50 ●64ビットモードの場合:100 |
50 |
メッセージキューテーブル数 |
自動計算値※ |
●32ビットモードの場合:80 ●64ビットモードの場合:2,048 |
80 |
セマフォ識別子数 |
自動計算値※ |
64 |
64 |
共用メモリ使用数 |
自動計算値※ |
●32ビットモードの場合:4,096 ●64ビットモードの場合:16,384 |
4,096 |
(2) リソース数に関連する環境変数を設定している場合
リソース数に関連する環境変数を設定している場合,基本的には設定値が有効となります。ただし,次のリソース種別の設定値が,自動計算した結果に対して不足する場合は,設定値を無効にしてHiRDBが自動計算した値で動作します。
-
メッセージキュー識別子数
-
共用メモリ使用数
設定値を無効にした場合,HiRDB起動時にKFPS05628-Wメッセージを出力します。
上記以外のリソース種別では,自動計算した結果に関係なく設定値が有効となるため,不足することがないか十分確認してください。
バージョンアップ前に問題なく動作していた設定値が,上記に該当して無効となる場合,自動計算で使用するpd_max_server_process,及びpd_max_add_dbbuff_noオペランドの指定値が,運用上必要な値に比べて大き過ぎるなど,適切ではないおそれがあります。この場合,各オペランドの指定値を適切な値に設定し直すことで,バージョンアップ前の設定値と同等の自動計算結果を得られることがあります。