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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)


3.1.2 環境設定

簡易セットアップツールで環境設定をすると,次のことができます。

簡易セットアップツールによる環境設定手順を次の図に示します。

図3‒1 簡易セットアップツールによる環境設定手順

[図データ]

[図データ]

[図データ]

簡易セットアップツールを使用して環境設定をした場合に作成されるファイルを次に示します。

それぞれのファイルについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) システム定義ファイル

%PDCONFPATH%下に作成されます。作成されるシステム定義ファイル名を次に示します。

定義

ファイル名

システム共通定義

pdsys

ユニット定義

pdutsys

サーバ共通定義

pdsvrc

シングルサーバ定義※1

sds01※3

ディクショナリサーバ定義※2

dic1※3

フロントエンドサーバ定義※2

fes1※3

バックエンドサーバ定義※2

bes1,bes2※3

注※1 

HiRDB/シングルサーバの場合に作成されます。

注※2 

HiRDB/パラレルサーバの場合に作成されます。

注※3 

サーバ名を変更することでファイル名は変更できます。サーバ名の変更については,「サーバ名の設定」を参照してください。また,フロントエンドサーバ定義及びバックエンドサーバ定義はユーザが指定したサーバと同数のファイルを作成します。

注意事項

HiRDBシステム定義ファイルのパーミッションは,ファイルの所有者(HiRDB管理者)にだけ,読み込み権限及び書き込み権限を持たせるように設定,維持するようにしてください。

(2) バッチファイル及び制御文

%PDCONFPATH%下に作成されます。作成されるバッチファイル及び制御文のファイル名を次に示します。

ファイル名

種別

使用するコマンド,又はユティリティ

概要

fmkfile.bat

バッチファイル

pdfmkfsコマンド

HiRDBファイルシステム領域の初期設定

fmkfs.bat

バッチファイル

pdfmkfsコマンド

HiRDBファイルシステム領域の初期設定

mkinit

制御文

create rdarea文

RDエリアの初期設定

initdb.bat

バッチファイル

データベース初期設定ユティリティ(pdinit)

RDエリアの初期設定

sysfint.bat

バッチファイル

pdstsinitコマンド

pdloginitコマンド

ステータスファイル,ログ関係ファイルの初期設定

(3) サンプルデータベース関連ファイル

HiRDBのサンプルデータベースを作成するためのバッチファイル及びデータファイルは,環境設定の処理の中で自動的に%PDDIR%\pdistup\sample下に作成されます。作成されるファイルを次に示します。

ファイル名

種別

使用するユティリティ,又はSQL文

概要

PDI_SampleDef.bat

バッチファイル

データベース定義ユティリティ(pddef)

スキーマの定義

PDI_SampleLod.bat

バッチファイル

データベース作成ユティリティ(pdload)

データのロード

PDI_CreateUser

DDL

定義系SQLのGRANT文

ユーザの定義

PDI_CreateTable

DDL

定義系SQLのCREATE TABLE文

表の定義

PDI_Custom.csv

CSV

なし

表CUSTOM用のデータ

PDI_Goods.csv

CSV

なし

表GOODS用のデータ

PDI_Stock.csv

CSV

なし

表STOCK用のデータ

PDI_Vendor.csv

CSV

なし

表VENDOR用のデータ

簡易セットアップツールで作成するサンプルデータベースについては,「簡易セットアップツールで作成するサンプルデータベース」を参照してください。

(4) ログファイル

簡易セットアップツールは,HiRDB起動処理中のエラーを少なくするために起動処理(pdstartコマンドの実行)前に定義をチェック(pdconfchkコマンドの実行)します。チェック結果がエラーとなった場合は,セットアップエラー(HiRDBの開始エラー)となり,チェック結果をログファイルに出力します。また,ログファイルには簡易セットアップツールの実行履歴も出力します。

ログファイル名は,%PDDIR%\pdistup\pdi_log.txtです。

セットアップ処理実行でエラーが発生した場合にはエラー情報がログファイルに出力されますが,出力されるログは中断の原因となった最終的なエラーです。イベントビューアにもエラー情報が出力されている可能性があるため,ログ情報とともにイベントビューアの内容を参照することをお勧めします。

(5) バックアップファイル

バックアップファイルを作成するディレクトリに同じ名称のファイルがある場合,既存ファイルのバックアップを作成します。バックアップファイルは,ファイル名に「_001〜999」を付加します。ただし,_001〜999のすべてが既に使用されている場合はエラーになります。

(6) HiRDBクライアント環境定義ファイル

HiRDBクライアント環境定義ファイル(HiRDB.ini)は簡易セットアップツール実行環境のWindowsシステムディレクトリに作成されます。

作成されたHiRDBクライアント環境定義ファイルには,次の表に示す内容が設定されます。必要に応じて,ユーザ環境に合わせたクライアント環境定義を追加してください。また,簡易セットアップツールの実行環境以外のマシンに環境設定を行う場合は,このファイルを参考にしてクライアント環境定義をしてください。

クライアント環境定義については,マニュアル「HiRDB Version 9 UAP開発ガイド」を参照してください。

表3‒1 簡易セットアップツールが設定するクライアント環境定義

項番

クライアント環境定義

設定条件

設定値

1

PDHOST

必ず設定されます。

HiRDBの環境を設定する設定先のホスト名称

2

PDNAMEPORT

pd_name_portオペランドの指定値

3

PDUSER

"USER1"/"USER1"

4

PDSERVICEPORT

次のすべての条件を満たしている場合に設定されます。

  • HiRDB/シングルサーバの環境設定をしている場合

  • pdunitオペランドの-sオプションを指定している場合

pdunitオペランドの-sオプションの指定値

5

PDSERVICEGRP

pdstartオペランドの-sオプションの指定値

6

PDSRVTYPE

設定先のOSによって異なります。

  • Windows及びLinuxの場合:PC

  • Linux以外のUNIX環境の場合:WS

注意事項
  • クライアント環境定義ファイルがWindowsシステムディレクトリ下に既に存在する場合,簡易セットアップツールはこれらのクライアント環境変数の値を更新してファイルを上書きします。

  • 簡易セットアップツールはHiRDB/シングルサーバの場合にだけ高速接続の設定をします。HiRDB/パラレルサーバで高速接続をする場合は,そのためのクライアント環境定義を追加してください。高速接続機能を使用するための設定については,マニュアル「HiRDB Version 9 UAP開発ガイド」のクライアント環境変数PDSERVICEPORTの説明を参照してください。