スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド

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11.1.6 SQLトレース動的取得機能

UAP実行時に,コマンドで動的にSQLトレースを取得できます。SQLトレースは,次回のCONNECTから取得されます。

<この項の構成>
(1) SQLトレースファイルの出力先及びファイル名
(2) トレース取得コマンド(pdtrcmgr)

(1) SQLトレースファイルの出力先及びファイル名

SQLトレースファイルの出力先及びファイル名について説明します。

また,pdclttrcコマンドを使用してSQLトレースを取得する場合の,SQLトレースファイルの出力先及びファイル名を次に示します。

pdclttrcコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。

(2) トレース取得コマンドpdtrcmgr

pdtrcmgrは,-dオプションで指定したディレクトリと,UAP実行時に設定されていたクライアント環境定義PDTRCPATHの指定ディレクトリが同じ場合,そのUAPに対してトレース取得の開始又は停止を要求します。

(a) 形式
 
  pdtrcmgr  -d PDTRCPATHで指定したディレクトリ名
             [ { -b | -e } ]
             [ -k { [s] [u] [p] [r] | a } ]
             [ -n PDCLTAPNAME]
             [ -s SQLトレースファイルのサイズ ]
             [-o]
 
(b) オプション

   〜<パス名>

トレース取得の開始又は停止をしたいUAPの,実行時に設定されているクライアント環境定義PDTRCPATHの指定値(ディレクトリ名)を,絶対パス名で指定します。

指定したディレクトリとPDTRCPATHのディレクトリが同じすべてのUAPに対して,トレース取得の開始又は停止の指示をします。

SQLトレースの取得を開始するか,又は停止するかを指定します。

-b:SQLトレースの取得を開始します。

-e:SQLトレースの取得を停止します。

出力する情報を指定します。省略した場合,SQLトレース情報だけ出力されます。

s:SQL単位の情報を出力する場合に指定します。

u:UAP単位の情報を出力する場合に指定します。

p:アクセスパス情報を出力する場合に指定します。

r:SQL実行時の中間結果情報を出力する場合に指定します。

a:すべての情報を出力する場合に指定します。

s,u,p,及びrを組み合わせて指定できます(su,sp,sprなど)。suprと指定した場合は,aと同じ意味になります。なお,u,p,r,ur,pr,及びuprを指定した場合,SQLトレースは出力されません。

-eオプションを指定している場合,-kオプションの指定は無効となります。

UAP統計レポートについては,「11.1.4 UAP統計レポート機能」を参照してください。

クライアント環境定義PDCLTAPNAMEで指定しているUAPだけ対象にする場合に指定します。-eオプションを指定している場合は,このオプションを指定しても無視されます。

   〜<符号なし整数>((0,又は32768〜2000000000))《32768》

SQLトレースファイルのサイズをバイト単位で指定します。

0を指定した場合は,ファイルの最大サイズとなります。32,768〜2,000,000,000を指定した場合は,指定値のファイルサイズとなります。

-eオプションを指定している場合は,このオプションを指定しても無視されます。

CONNECT,DISCONNECT単位でSQLトレースファイルをオープン,クローズする場合に指定します。なお,このオプションは,-eオプションを指定している場合には無視されます。

CONNECT,DISCONNECT単位でSQLトレースファイルをオープン,クローズすると,オペレーション単位(SQL単位)でするよりオーバヘッドが削減されるため,SQLトレースを出力するときの時間が短縮できます。

このオプションを省略した場合,オペレーション単位でSQLトレースファイルをオープン,クローズします。

なお,このオプションを指定した場合,SQLトレースファイルをオープンしたままで情報を書き込むため,正常にDISCONNECTできなかったときには,SQLトレース情報が欠落することがあります。