スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド

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11.1.1 SQLトレース機能

実行したUAPのSQLトレース情報をSQLトレースファイルに取得します。

UAP実行時にSQLエラーが発生した場合,SQLトレース情報を参照すると,エラーの原因となるSQL文を特定できます。

SQLトレースファイルは,取得した情報で満杯になると,最も古い情報から順次新しい情報に書き替えられます。

<この項の構成>
(1) SQLトレース情報の取得方法
(2) SQLトレースの解析
(3) SQLトレース情報の見方
(4) SQLトレースファイルのバックアップの取得
(5) パラメタトレースの出力例

(1) SQLトレース情報の取得方法

SQLトレース情報は,クライアント環境定義のPDCLTPATH及びPDSQLTRACEに値を設定することで取得できます。各クライアント環境定義については,「6.6 クライアント環境定義(環境変数の設定)」を参照してください。

SQLトレースファイルの出力先及びファイル名について説明します。

ライブラリ種別ごとのSQLトレースファイル名を次の表に示します。

表11-2 ライブラリ種別ごとのSQLトレースファイル名

ライブラリ種別 TX_関数の使用 環境変数PDXATRCFILEMODE クライアントライブラリ
バージョン08-05より前 バージョン08-05以降
通常ライブラリ pdsql1.trc又はpdsql2.trc pdsql1.trc又はpdsql2.trc
シングルスレッド版XAライブラリ なし LUMP pdsql1.trc又はpdsql2.trc pdsql1.trc又はpdsql2.trc
SEPARATE pdsqlxxxxx-1.trc又はpdsqlxxxxx-2.trc pdsql1.trc又はpdsql2.trc
あり LUMP pdsql1.trc又はpdsql2.trc pdsql1.trc又はpdsql2.trc
SEPARATE pdsqlxxxxx-1.trc又はpdsqlxxxxx-2.trc pdsqlxxxxx-1.trc又はpdsqlxxxxx-2.trc
マルチスレッド版XAライブラリ なし pdsql1.trc又はpdsql2.trc pdsql1.trc又はpdsql2.trc
あり LUMP pdsql1.trc又はpdsql2.trc pdsql1.trc又はpdsql2.trc
SEPARATE pdsqlxxxxx-1.trc又はpdsqlxxxxx-2.trc pdsqlxxxxx-1.trc又はpdsqlxxxxx-2.trc

(凡例)
−:該当しません。

注※
ライブラリ種別について次の表に示します。

ライブラリ種別 UNIX環境のライブラリ名 Windows環境のライブラリ名
通常ライブラリ libzclt.sl,ibzclt64.sl,libzclts.sl,libzclts64.sl,libzcltk.sl,libzcltk64.sl,libzcltm.sl,libclt.a,libclt64.a,libclts.a,libclts64.a,libcltk.a,libcltk64.a,libcltm.a,libzclt6k.a,libzclt6k64.a cltdll.dll,pdcltm32.dll,pdcltp32.dll,pdcltm50.dll,pdcltm71.dll,pdcltm80s.dll,pdcltm64.dll
シングルスレッド版XAライブラリ libzcltx.sl,libzclty.sl,libzcltx64.sl,libzclty64.sl,libzcltxs.sl,libzcltys.sl,libcltxa.a,libcltya.a,libcltxas.a,libcltyas.a,libzclt6ys.a,libzclt6ys64.a pdcltx32.dll,pdcltxs.dll,pdcltx64.dll,pdcltxs64.dll
マルチスレッド版XAライブラリ libzcltxk.sl,libzcltyk.sl,libzcltxk64.sl,libzcltyk64.sl,libcltxak.a,libclttyak.a,libzclt6yk.a pdcltxm5.dll,pdcltxm64.dll

注※
共用ライブラリのサフィックスは,プラットフォームによって異なります。Solaris及びLinuxの場合は「.so」,AIXの場合は「.a」となります。

(2) SQLトレースの解析

HiRDB SQL Tuning AdvisorのSQLトレース解析機能では,次のような解析処理ができるため性能上の問題点を特定するのに便利です。

SQLトレースを解析する手順を次に示します。

[手順]
  1. [スタート]−[プログラム]−[HiRDB SQL Tuning Advisor]−[HiRDB SQL Tuning Advisor]を選択し,HiRDB SQL Tuning Advisorを起動します。
  2. [オプション]メニューから[対象ファイル指定]を選択します。
    [対象ファイルの指定]画面が表示されます。
  3. [SQLトレース]タブでSQLトレースのファイルを指定します。クライアント環境変数PDCLTPATHで指定したディレクトリ下のすべてのSQLトレースを解析する場合は,[PDCLTPATH上のpdsql*.trcファイル]を選択します。それ以外の場合は,[指定ファイル]を選択し,SQLトレースファイル名を入力します。設定後,[OK]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  4. [SQLトレース]ボタンから[SQL一覧]をクリックします。
    各SQLの情報が時系列順に表示されます。

    [図データ]

    • [合計実行時間]の列をクリックすると,各SQLの情報が実行時間の値順に表示されます。

      [図データ]

    • 行をダブルクリックすると,[SQLトレース詳細]画面が表示されます。ここでは,各SQLのオペレーションの情報が表示されます。

      [図データ]

(3) SQLトレース情報の見方

SQLトレース情報は,SQL文の実行終了時に出力されます。

出力されるSQLトレース情報の例とその説明を次に示します。

[出力例]
 
                             [20]                   [19] [22]
  ** UAP TRACE (CLT:VV-RR(Mmm dd yyyy) SVR:VV-RR US) WIN32(WIN32) **
 
    USER APPLICATION PROGRAM FILE NAME : XXXXXXXX [1]
    USERID : YYYYYYYY [2]
    UAP START TIME : YYYY/MM/DD HH:MM:SS [3]
    UAP ENVIRONMENT : [4]
      LANG(ja_JP.SJIS)
      USER("hirdb")
      HOST(h9000vr5)
      NAMEPORT(20281)
      FESHOST()
      SVCGRP()  SVCPORT()  SRVTYPE()
      SWAIT(600)  CWAIT(0)  SWATCH(0)
      BLKF(1)  RDABLKF(-1)  LOCKLMT(0)  ISLLVL(2)  DBLOG(ALL)  DFLNVAL(NOUSE)
      AGGR(1024)  DLKPRIO(64)  EXWARN(NO)  VWOPTMODE(0)
      LOCKSKIP(NO) CLTGRP(A)  DSQLOBJCACHE(YES)  PLGIXMK(NO)
      CLTRCVPORT(5000)  CLTRCVADDR(192.134.35.4)  PLGPFSZ(8192)
      PLGPFSZEXP(8192)  SPACELVL(-1)  STJTRNOUT()
      OPTLVL("SELECT_APSL","RAPID_GROPING")
      ADDITIONALOPTLVL("COST_BASE_2","APPLY_HASH_JOIN")
      UAPREPLVL()  REPPATH()
      TRCPATH()
      IPC(MEMORY)  SENDMEMSIZE(16)  RECVMEMSIZE(32)
      HASHTBLSIZE(128)  CMMTBFDDL(NO)  PRPCRCLS( )
      SQLTRCOPENMODE(SQL)  AUTOCONNECT(ON)  CWAITTIMEWRNPNT(-1)  TCPCONOPT(0)
      WRTLNFILSZ(-1) WRTLNCOMSZ(1024)
      WRTLNPATH( ) UAPENVFILE( )
      TP1SERVICE(NO) AUTORECONNECT(NO) RCCOUNT(0) RCINTERVAL(0)
      KALVL(0) KATIME(0) CLTCNVMODE(NOUSE)
      PRMTRC(YES) PRMTRCSIZE(256) BESCONHOLD() BESCONHTI(-1)
      BLKBUFFSIZE(0) BINARYBLKF(NO) FORUPDATEEXLOCK(NO)
      CNSTRNTNAME() SQLTEXTSIZE(4096) RCTRACE(-1)
      FESGRP()
      NBLOCKWAITTIME(0) CONNECTWAITTIME(300) DBBUFLRU(YES)
      UAPEXERLOGUSE() UAPEXERLOGPRMSZ() HJHASHINGMODE(TYPE1)
      DDLDEAPRP(NO) DELRSVWDFILE() HATRNQUEUING()
      ODBSPLITSIZE(100) NODELAYACK(NO) CURSORLVL(0)
      TAAPINFPATH() TAAPINFMODE(0) TAAPINFSIZE(409600)
      JETCOMPATIBLE(NO) SUBSTRLEN() BLKFUPD() ARYERRPOS()
      CALCMDWAITTIME(0) BLKFERRBREAK(NO) XAAUTORECONNECT(NO)
      CLTBINDLOOPBACKADDR(NO)
      STANDARDSQLSTATE() LCKWAITTIME(-1) DDLDEAPRPEXE(NO)
    CONNECTION STATUS : [5]
      CURHOST(dcm3500)  CURPORT(4439)  SRVNAME(fes1)
      CNCTNO(1)  SVRPID(8945)  CLTPID(9155)  CLTTID( ) CLTCNCTHDL(0x0)
 
  [6]  [7]   [8]  [9] [10] [11] [12] [13]  [14]         [15]         [16] [23]
  CNCT CLPID CLTID NO OP   SEC  SQL  SQL   START-TIME   END-TIME     OP   EXEC-TIME
  NO                  CODE NO   CODE WARN                            TION
  ---- ----- ----- -- ---- ---  ---- ----- ------------ ------------ ---- -----------
    1  9155      0  1 CNCT   0     0 WC040 16:03:55.720 16:03:58.080 0001     2356125
    1  9155      0  2 AUI2   1     0 -0000 16:03:58.630 16:03:59.400 M000      769651
 
 *SQL* INSERT INTO ZAIKO(GNO,GNAME,KIKAKU,TANKA,SURYO,GENKA) VALUES(?,?,   .........17
 ?,?,?,?)   ........................................................................17
    1  9155      0  3 SET    2     0 -0000 16:04:00.820 16:04:01.540 M000      719825
 
 *SQL* SELECT GNO,GNAME,KIKAKU,TANKA,SURYO,GENKA FROM ZAIKO   ......................17
 
    1  9155      0  4 OPEN   2     0 -0000 16:04:02.090 16:04:02.800 M000      709123
    1  9155      0  5 FETC   2  -204 -0000 16:04:03.080 16:04:03.790 M000      708902
    1  9155      0  6 SET    2     0 W8800 16:04:04.060 16:04:04.830 M000      765147
 
 *SQL(AUTHID)* INSERT INTO TBL01 VALUES('12345',12345)   ...........................17
 
    1  9155      0  7 SAUT   0     0 -0000 16:04:04.834 16:04:04.835 M000         912
 
 *USER* hirdb01   ..................................................................18
 
    1  9155      0  8 AUI2   3     0 -0000 16:05:05.110 16:05:05.121 M000        9456
 
 *SQL* INSERT INTO TBL01 VALUES(?,100)   ...........................................21
 *PARAM* NO=       1 COD=c5 XDIM=   1 SYS=     0 LEN=      15 IND=       0   .......21
         DATA=30 35 2d 30 35 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00     *05-05.........*   ..21
 
    1  9155         9 DISC   0     0 -0000 16:05:55.110 16:05:56.660 M004     1547893
 

[説明]
  1. UAP名称
    環境変数PDCLTAPNAMEで指定した名称を表示します。
  2. 認可識別子
    UAPを実行したユーザの認可識別子を表示します。
  3. UAP開始時刻
    UAPの実行を開始した時刻を表示します。
  4. UAP実行環境
    UAPを実行したときの環境変数の値を表示します。
  5. UAP実行ステータス
    UAPを実行したときのサーバとの接続状態を表示します。
    • CURHOST:接続先ホスト名
    • CURPORT:接続ポート番号
    • SRVNAME:フロントエンドサーバ名,又はシングルサーバ名
    • CNCTNO:コネクト通番
    • SVRPID:接続サーバのプロセス番号
    • CLTPID:UAPのプロセス番号
      Type4 JDBCドライバから接続している場合は,0を表示します。
    • CLTTID:UAPのスレッド番号
      Type4 JDBCドライバから接続している場合は,0を表示します。
    • CLTCNCTHDL:コネクションハンドル
    なお,取得できない情報があるときは,不正な値となって表示されることがあります(Windows版の場合)。
  6. コネクト通番
    サーバがCONNECTを受け付けるごとに順次カウントするコネクト通番を表示します。
  7. UAPのプロセス番号
    UAPのプロセス番号を表示します。
    Type4 JDBCドライバから接続している場合は,0を表示します。なお,取得できないプロセス番号がある場合,不正な値となって表示されることがあります(Windows版の場合)。
  8. UAPのスレッド番号
    UAPがマルチスレッドで動作している場合に,UAPのスレッド番号を表示します。スレッドで動作していない場合,又はType4 JDBCドライバから接続している場合は,0が表示されます。取得できないスレッド番号が不正な値となって表示されることがあります。
  9. SQLカウンタ
    SQL文を受け付けるごとに順次カウントして表示します。
    1から999999までカウントできます。
    なお,999999を超えると1に戻ります。
  10. オペレーションコード
    SQLに対応するオペレーションコードを表示します。
    表示されるオペレーションコードに対応するSQL文を次に示します。
    オペレーションコード 対応するSQL文
    ALCR ALLOCATE CURSOR文
    AUI2 DELETE文(静的SQL),INSERT文(静的SQL),UPDATE文(静的SQL),LOCK文(静的SQL),PURGE TABLE文(静的SQL),1行SELECT文(静的SQL),FREE LOCATOR文(静的SQL)
    AUI3 代入文(静的SQL)
    AUX EXECUTE文
    AUXI EXECUTE IMMEDIATE文,すべての定義系SQL
    AUXO EXECUTE文(INTO指定)
    CALL CALL文
    CLIN INSTALL CLIB
    CLOS CLOSE文
    CLRM REMOVE CLIB
    CLRP REPLACE CLIB
    CMIT COMMIT文
    CNCT CONNECT文
    CPRP コミットプリペア
    DESC DESCRIBE文(OUTPUT指定)
    DEST DESCRIBE TYPE文
    DISC DISCONNECT文,COMMIT文(RELEASE指定)
    DISR ROLLBACK文(RELEASE指定)
    DIST Disconnect+Tran Check
    DSCM システムが使用
    DSET DEALLOCATE PREPARE文
    DSPR システムが使用
    DSRL システムが使用
    FETC FETCH文
    GETD GET DIAGNOSTICS
    HVAR DESCRIBE文(INPUT指定)
    JARI INSTALL JAR
    JARR REPLACE JAR
    JARU REMOVE JAR
    OPEN OPEN文(動的SQL)
    OPN2 OPEN文(静的SQL)
    OPNR OPEN文(動的SQL(複数カーソル))
    RENV システムが使用
    RNCN CONNECT文(TO指定)
    RNDS DISCONNECT文(TO指定)
    RNSC SET CONNECTION文
    ROLL ROLLBACK文
    RSDC DESCRIBE文(OUTPUT,RESULT SET指定)
    RSFT FETCH文(RESULT SET指定)
    RSCL CLOSE文(RESULT SET指定)
    SAUH SET SESSION AUTHORIZATION文
    SET PREPARE文
    SINF システムが使用
    SOPT システムが使用
    SVLS システムが使用
    THRE システムが使用
    THSU システムが使用
    TRCK システムが使用
    TRC2 システムが使用
    TRST システムが使用
    TSCM システムが使用
    TSRL Transfer Rollback
    TSPR Transfer Prepare

    注※ XAインタフェースを使用した場合だけ出力されます。


  11. セクション番号
    SQLの対応を確認するための番号を表示します。
    番号は,SQLプリプロセサが自動的に付けます。
  12. SQLCODE
    SQL文を実行した結果,発生したSQLCODEを表示します。
  13. SQLWARN
    警告情報を16進表記で表示します。SQLWARN0からSQLWARNFまでの警告情報にそれぞれ左から1ビットを割り当て,警告フラグが設定されているものは1,設定されていないものは0として16ビットの数値を求めます。これを4けたの16進数値として表示します。
    一つ以上警告フラグが設定されている場合,先頭に'W'が,警告フラグが設定されていない場合は,'-'(ハイフン)が表示されます。
    (例1)
    [図データ]
    (例2)
    [図データ]
  14. SQL実行要求受付時刻
    SQLの実行要求が受け付られた時刻をHH:MM:SS:mmmの形式で表示します。
  15. SQL実行要求終了時刻
    SQLの実行要求が終了した時刻をHH:MM:SS.mmmの形式で表示します。
  16. システムが使用する情報
    システムが使用する情報を表示します。
    1バイト目に'M'が表示されている場合,プロセス間通信でメモリが使用されています。
    ほかの部分は,HiRDB開発者が使用する保守用の情報です。
  17. SQL文
    オペレーションコードが,SET,AUXI,AUI2,又はOPN2のときだけ,SQL文を表示します。
    なお,出力するSQL文の長さは最大4096バイトで,最大値を超えると超過分は切り捨てられます。また,プリプロセス時に-Aオプション,又は/AオプションによってSQL文中の認可識別子が省略されたときに仮定する認可識別子を指定している場合は,*SQL*が*SQL(仮定した認可識別子)*と表示されます。
  18. ユーザ識別子を変更した場合の情報
    一つのコネクションの中でユーザ識別子を変更した場合,変更後のユーザ識別子を表示します。ユーザ識別子の変更に失敗した場合も表示されます。
  19. UAPが動作しているプラットフォーム
    プラットフォーム 表示される文字
    HP-UX 11.0 HP32
    HP-UX 11.0(64ビットモード) HP64
    Solaris SOL
    Solaris(64ビットモード) SOL64
    AIX AIX
    AIX(64ビットモード) AIX64
    Linux LINUX
    Windows WIN32
    HP-UX (IPF)32ビットモード HPI32
    HP-UX (IPF)64ビットモード HPI64
    Linux(IPF) LINI64
    Linux (EM64T) LINX64
    Windows(IPF)64ビットモード WINI64
    Windows(x64)64ビットモード WINX64
    Type4 JDBCドライバ Type4
  20. ライブラリの作成日付
    リンクしたライブラリの作成日付を表示します。日付の形式を次に示します。
    Mmm:月(英語の先頭3文字(1文字目は大文字)。例えば,Juneの場合はJun)
    dd:日
    yyyy:西暦
  21. パラメタトレース
    クライアント環境定義でPDPRMTRC=YES,IN,OUT,又はINOUTを指定した場合,入力用パラメタ情報,出力用パラメタ情報,及び検索データを出力します。
    なお,出力されるパラメタ情報のデータの長さは,PDPRMTRCSIZEの指定値(省略時は256バイト)を最大長として,最大長を超える部分は切り捨てられます。詳細については,「(5)パラメタトレースの出力例」を参照してください。
    パラメタ情報を次に示します。
    NO:
    パラメタ番号
    COD:
    データ型コード
    XDIM:
    配列要素数
    SYS:
    ギャップを含む1要素の領域長
    LEN:
    データの長さ
    IND:
    標識変数の値
    ARRAY NUM:
    繰返し列の要素数
    ROW NUM:
    配列の埋込み変数を使用したSQLの実行行数
    DATA:
    データ(ダンプ形式)
  22. リンクしたライブラリの名称
    ライブラリ名称 表示される文字
    libzclt.sl,libclt.a UNIX,UNIX_32
    libzclts.sl,libclts.a UNIX_S,UNIX_32S
    libzcltm.sl,libcltm.a UNIX_M,UNIX_32M
    libzcltk.sl,libcltk.a,libzclt6k.a UNIX_K,UNIX_32K
    libzcltx.sl,libcltxa.a UNIX_XA,UNIX_XA_32
    libzcltxs.sl,libcltxas.a,libzclt6ys.a UNIX_XA_S,UNIX_XA_32S
    libzcltxm.sl,libcltxam.a UNIX_XA_M,UNIX_XA_32M
    libzcltxk.sl,libcltxak.a,libzclt6yk.a UNIX_XA_K,UNIX_XA_32K
    libzclt64.sl,libclt64.a UNIX_64
    libzcltk64.sl,libcltk64.a,libzclt6k64.a UNIX_64K
    libzclts64.sl UNIX_64S
    libzcltx64.sl,libzclty64.sl UNIX_XA_64
    libzcltxk64.sl,libzcltyk64.sl UNIX_XA_64K
    libzcltxs64.sl,libzcltys64.sl,libzclt6ys64.a UNIX_XA_64S
    CLTDLL.DLL WIN_32
    PDCLTM32.DLL WIN_M32
    PDCLTM50.DLL WIN_M50
    PDCLTM71.DLL WIN_M71
    PDCLTM80S.DLL WIN_M80S
    PDCLTP32.DLL WIN_P32
    PDCLTX32.DLL WIN_XA_32
    PDCLTXM.DLL WIN_XA_32M
    PDCLTXS.DLL WIN_XA_32S
    PDCLTXM5.DLL WIN_XA_50M
    PDCLTM64.DLL WIN_M64
    PDCLTX64.DLL WIN_XA_64
    PDCLTXM64.DLL WIN_XA_64M
    PDCLTXS64.DLL WIN_XA_64S
    PDJDBC2.JAR Type4
  23. SQL実行時間
    クライアント環境定義にPDSQLEXECTIME=YESを指定した場合,SQL実行時間をマイクロ秒単位で表示します。

(4) SQLトレースファイルのバックアップの取得

SQLトレース情報を出力中にSQLトレースファイルの容量が一杯になると,HiRDBはそのファイルへ出力しないで,もう一方のSQLトレースファイルにSQLトレース情報を出力します。このとき,切り替え先のSQLトレースファイルに格納されている古いSQLトレース情報から順に消去され,新しいSQLトレース情報に書き換えられます。このため,必要な情報はUAP終了時にSQLトレースファイルの内容をコピーしてバックアップを取得しておいてください。

なお,現在使用しているSQLトレースファイルを知りたい場合は,ファイルの最終更新日時を調べてください。最終更新日時の新しい方が現在使用しているSQLトレースファイルになります。

HiRDBクライアントがWindows版の場合はdirコマンド又はエクスプローラで,ファイルの最終更新日時を調べてください。

HiRDBクライアントがUNIX版の場合はOSのls -lコマンドで,ファイルの最終更新日時を調べてください。

(5) パラメタトレースの出力例

代表的なパラメタトレースの出力例を次に示します。

(a) INSERT文の場合(ナル値あり,繰返し列あり)

[図データ]

[説明]
INSERT文で,INTEGER,及びVARCHAR(10)の繰返し列(要素数5)を挿入する場合のパラメタトレース出力例です。?パラメタの指定順に出力されます。
  1. 入力パラメタの場合,"*INPRM*"と表示されます。ただし,PDPRMTRC=YESの場合は,"*PARAM*"と表示されます。
  2. 繰返し列の場合,ARRAY NUMに繰返し要素数が表示されます。
  3. DATA句の前の数値は,繰返し列の要素ごとの標識変数です。
  4. DATA句の括弧内の数値は,繰返し列の要素番号です。
  5. VARCHAR型の場合,DATAの先頭2バイトはデータ長領域です(BINARY型は先頭4バイト,BLOB型は先頭8バイト)。PDPRMTRCがYESの場合は,定義長+データ領域長のサイズ分出力されます。PDPRMTRCがIN,OUT,又はINOUTの場合は,実データ長+データ領域長のサイズ分出力されます。
  6. 標識変数がマイナス値の場合,"DATA="まで表示されます。
  7. データが2行以上続く場合,"--- SAME x LINES ---"が出力されます(xは行数)。ただし,PDPRMTRC=YESの場合は,データがすべて出力されます。
(b) 1行SELECT文の場合

[図データ]

[説明]
PDPRMTRC=INOUT指定時のパラメタトレース出力例です。検索項目の順に検索データ情報が先に出力され,入力パラメタ情報が指定順で後に出力されます。
  1. 検索データ情報です。PDPRMTRC=INの場合は出力されません。また,PDPRMTRC=YESの場合は,"*OUTPM*"が"*PARAM*"になります。
  2. 入力パラメタ情報です。PDPRMTRC=OUTの場合は出力されません。また,PDPRMTRC=YESの場合は,"*INPRM*"が"*PARAM*"になります。
(c) ストアドプロシジャの実行(CALL文)の場合

[図データ]

[説明]
  1. INパラメタです。PDPRMTRC=OUTの場合は出力されません。
  2. INOUTパラメタの入力パラメタです。ただし,DATA句の内容は出力データとなります。
  3. OUTパラメタです。PDPRMTRC=IN,又はYESの場合は出力されません。
  4. INOUTパラメタの出力パラメタです。PDPRMTRC=IN,又はYESの場合は出力されません。
(d) 検索(FETCH文)の場合

[図データ]

[説明]
FETCH文のパラメタトレース出力例です。PDPRMTRC=IN,又はYESの場合,パラメタトレースは出力されません。
  1. FETCH文のSQLCODEが0以外の場合,パラメタトレースを出力されません。
(e) 検索(配列を使用したFETCH機能)の場合

[図データ]

[説明]
配列を使用したFETCH機能のパラメタトレース出力例です。PDPRMTRC=IN,又はYESの場合,パラメタトレースは出力されません。
  1. ROW NUMには配列要素数(検索行数)が表示されます。
  2. DATA句の前の数値は配列要素ごとの標識変数です。
  3. DATA句の括弧内の数値は配列要素番号です。
  4. FETCH文のSQLCODEが0以外の場合,サーバから返却された行数分のパラメタトレースが出力されます。