スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド

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9.7.4 配布ウィザードの使用例

<この項の構成>
(1) 配布ウィザードの起動
(2) 外部Javaストアドルーチンの登録,及びJARファイルの登録
(3) 外部Javaストアドルーチンの削除,及びJARファイルの削除
(4) ソースファイルの取得
(5) 配布ウィザードプロファイルの実行

(1) 配布ウィザードの起動

配布ウィザードを起動する場合,JBuilderのメニューの[ウィザード(Z)]−[HiRDB Javaストアドプロシジャ/ファンクション配布(H)]を選択します。

[図データ]

(2) 外部Javaストアドルーチンの登録,及びJARファイルの登録

外部Javaストアドルーチンの登録,及びJARファイルの登録の実行例を次に示します。

  1. 配布ウィザードを起動すると,「作業の選択」画面が表示されます。
    「Javaストアドプロシジャ/ファンクションの登録」をチェックして,[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  2. 「登録するメソッドの指定」画面が表示されます。
    画面の左側のツリーには,現在JBuilderで編集中のプロジェクトで,Javaストアドプロシジャ/ファンクションとして登録できるメソッドが表示されます。右側のツリーは,実際に登録対象となるメソッドが表示されます。
    左側のツリーで登録したいメソッドを選択して,[追加>>]ボタンをクリックすると,右側のツリーにメソッドが追加されます。
    クラス内のすべてのメソッドを登録したい場合は,クラス名を選択した状態で[追加>>]ボタンをクリックすると,選択したクラス内のすべてのメソッドが右側のツリーに表示されます。また,プロジェクト内のメソッドをすべて選択したい場合は,プロジェクト名称をクリックしてから,[追加>>]ボタンをクリックしてください。
    登録したいメソッドがすべて右側のツリーに追加されていることを確認したら,[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

    「登録するメソッドの指定」画面で,左側のツリーでメソッド名称を選択した状態で[定義情報表示...]ボタンをクリックすると,そのメソッドに関する定義情報が表示されます。

    [図データ]

  3. 「ストアドプロシジャ/ファンクションの定義情報の設定」画面が表示されます。
    この画面では,CREATE PROCEDURE又はCREATE FUNCTIONの実行に必要な情報を設定します。ルーチン名称やパラメタ名称などは,配布ウィザードがメソッドの情報を基に自動的に設定します。ただし,設定された情報が不完全な場合があるため,そのときには定義情報を修正します。
    この例では,次の問題点があるものとします。このため,定義情報を変更する必要があります。
    • JROUTINES_CALENDARルーチンのパラメタ名称が,予約語のYEAR及びMONTHとなっています。
    • JROUTINES_CALENDARルーチン第3パラメタの長さが未設定です。
    • JROUTINES_GUNZIPのパラメタ及び戻り値のBLOB型の長さが未設定です。
    定義情報を変更する場合は,[定義情報変更...]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  4. 「定義情報変更」画面が表示されます。
    この画面で,3にある問題点を修正します。
    まず,パラメタ名称を変更します。外部Javaストアドルーチンの場合,パラメタ名称は定義のときだけ必要であり,ルーチン中で使用することはないため,HiRDBの予約語や他パラメタと名称が重複しなければ問題はありません。
    ここでは,先頭に"P"という文字を付けて,予約語と重複しないようにします。

    [図データ]

  5. 次に,第3パラメタの長さを設定します。
    calendarメソッドは,1か月分の日付の文字データと,各種見出し用の文字を返却するため,120バイト程度の領域が必要となります。ここでは,余裕を持たせて255バイトを指定します。

    [図データ]

  6. JROUTINES_GUNZIPのBLOB型のパラメタ及び戻り値の長さを,4及び5と同様に変更します。
    変更内容を確認して,問題がなければ[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  7. 「登録するメソッドが格納されているJARファイルの指定」画面が表示されます。
    この画面では,JARファイル(JRoutines.jar)を指定します。「JARファイルパス」テキストフィールドに直接入力するか,又は[参照]ボタンをクリックしてファイルチューズを表示させてください。ファイルチューズを表示させた場合,Windowsのエクスプローラに似たインタフェースでファイルを指定できます。
    この例では,ルーチン登録と同時にJARファイルも登録するため,「指定したJARファイルをインストールする」をチェックします。
    指定内容を確認したら,[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  8. 「接続対象HiRDBの指定」画面が表示されます。
    この画面では,ルーチンとJARファイルを登録するHiRDBを指定します。ホスト名称とポート番号は省略できます。省略した場合,クライアントライブラリの設定内容(hirdb.iniで設定したPDHOST及びPDNAMEPORT)が適用されます。

    [図データ]

  9. 「作業内容の確認」画面が表示されます。
    この画面には,ここまで指定した内容が表示されます。指定内容を修正したい場合は,[<<前へ]ボタンをクリックしてください。ここまでの各種指定画面を順に戻れます。
    指定内容をすべて確認したら,[実行]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  10. 「作業の進捗」画面が表示され,HiRDBへの登録作業が始まります。
    画面中に「すべての作業が完了しました」と表示されたら,[終了]ボタンをクリックします。

    [図データ]

    作業中に何らかのエラーが発生した場合,次のメッセージボックスが表示されます。
    残りの作業を継続して実行する場合は[はい]ボタンを,この時点で中止する場合は[いいえ]ボタンをクリックしてください。
    どちらを選択するかは,表示されるエラーメッセージの内容から判断してください。この例の場合は,「スキーマが作成されていない」というエラーです。この場合は,処理を継続しても同じエラーが発生するため,処理を中止して,スキーマを再作成した後に再実行した方がよいです。

    [図データ]

  11. 「配布ウィザードプロファイルの保存」画面が表示されます。
    配布ウィザードプロファイルとは,配布ウィザードで指定した内容を保存したファイルです。作業選択画面で「配布ウィザードプロファイルの実行」を選択すると,保存した配布ウィザードプロファイルの内容を再実行できます。
    作業中にエラーになった場合など,同じ内容で再実行するときに便利です。
    「配布ウィザードプロファイルを保存する」をチェックして,「配布ウィザードプロファイル名称」を指定すると,配布ウィザードプロファイルを保存して配布ウィザードを終了します。

    [図データ]

(3) 外部Javaストアドルーチンの削除,及びJARファイルの削除

外部Javaストアドルーチンの削除,及びJARファイルの削除の実行例を次に示します。

  1. 配布ウィザードを起動すると,「作業の選択」画面が表示されます。
    「Javaストアドプロシジャ/ファンクションの削除」をチェックして,「次へ>>」ボタンをクリックします。

    [図データ]

  2. 「接続対象HiRDBの指定」画面が表示されます。
    この画面では,ルーチン及びJARファイルを削除するHiRDBを指定します。ホスト名称とポート番号は省略できます。省略した場合,クライアントライブラリの設定内容(hirdb.iniで設定したPDHOST及びPDNAMEPORT)が適用されます。

    [図データ]

  3. 「削除するストアドプロシジャ/ファンクションの指定」画面が表示されます。
    左側のツリーには2で指定した,ユーザが所有するJavaストアドプロシジャ/ファンクションが表示されます。ルーチン本体がSQLのストアドプロシジャ及びストアドファンクションは表示されません。
    右側のツリーには削除対象となるルーチンが表示されます。左側のツリーで削除したいルーチンを選択して,[削除>>]ボタンをクリックすると,選択したルーチンが右側のツリーに追加されます。
    この例では,JARファイルも同時に削除するため,「JARファイルをアンインストールする」をチェックします。
    指定内容を確認して[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

    「削除するストアドプロシジャ/ファンクションの指定」画面で,左側のツリーでルーチン名称を選択した状態で[ストアドプロシジャ/ファンクション定義情報表示...]ボタンをクリックすると,「ストアドプロシジャ/ファンクション定義情報」画面が表示されます。ここで,ルーチンに関する定義情報を参照できます。
    ファンクションは,パラメタの形式が異なっていれば同じルーチン名称で複数登録されていることがあります。「ストアドプロシジャ/ファンクション定義情報」画面でパラメタを確認できます。

    [図データ]

  4. 「アンインストールするJARファイルの指定」画面が表示されます。
    この画面では,削除するJARファイル名称を指定します。
    JARファイル名称を入力したら,[次へ>>]ボタンをクリックします。
    「削除するストアドプロシジャ/ファンクションの指定」画面で「JARファイルをアンインストールする」をチェックしなかった場合は,この画面は表示されないで,「作業内容の確認」画面が表示されます。

    [図データ]

    以降,「作業内容の確認」画面,「作業の進捗」画面,「配布ウィザードプロファイル保存」画面の順に遷移します。これらの画面については,「(2) 外部Javaストアドルーチンの登録,及びJARファイルの登録」を参照してください。

(4) ソースファイルの取得

配布ウィザードで,HiRDBに登録されているJavaストアドプロシジャ/ファンクションのソースコードを取得できます。ただし,登録したJARファイル中にソースファイル(.java)が含まれている必要があります。

ソースファイルの取得の実行例を次に示します。

  1. 配布ウィザードを起動すると,「作業の選択」画面が表示されます。
    「ソースファイルの取得」をチェックして,[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  2. 「作業対象HiRDBの指定」画面が表示されます。
    この画面では,ルーチン及びソースコードを取得するHiRDBを指定します。ホスト名称とポート番号は省略できます。省略した場合,クライアントライブラリの設定内容(hirdb.iniで設定したPDHOST及びPDNAMEPORT)が適用されます。

    [図データ]

  3. 「クラス名およびJARファイルの指定」画面が表示されます。
    この画面では,クラス名,JARファイル名,及びソースコードを格納するファイル名を指定します。
    Javaメソッド実装時にパッケージ名を指定している場合は,クラス名にパッケージ名称も指定する必要があります。この例では,"Taro"というパッケージ名を指定しているため,クラス名は"Taro.JRoutines"となります。
    指定内容を確認したら[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

    以降,「作業内容の確認」画面,「作業の進捗」画面,「配布ウィザードプロファイル保存」画面の順に遷移します。これらの画面については,「(2) 外部Javaストアドルーチンの登録,及びJARファイルの登録」を参照してください。

(5) 配布ウィザードプロファイルの実行

登録した配布ウィザードプロファイルの実行例を次に示します。

  1. 配布ウィザードを起動すると,「作業の選択」画面が表示されます。
    「配布ウィザードプロファイルの実行」をチェックして,[次へ>>]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  2. 「配布ウィザードプロファイルの読み込み」画面が表示されます。
    この画面では,保存してある配布ウィザードプロファイルを指定します。配布ウィザードプロファイルを指定したら,[次へ>>]ボタンをクリックします。
    この例では,登録時に保存した配布ウィザードプロファイルを指定します。

    [図データ]

  3. 「作業内容の確認」画面が表示されます。
    この画面には,実行する配布ウィザードプロファイルの内容が表示されます。指定内容を修正したい場合は[<<前へ]ボタンをクリックすると,各種指定画面を順に戻れます。
    指定内容をすべて確認したら,[実行]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  4. 「HiRDBへの接続情報」画面が表示されます。
    パスワードは配布ウィザードプロファイルに保存されていないため,実行前にパスワードの入力が必要となります。
    パスワードを入力したら[OK]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  5. 「作業の進捗」画面が表示され,HiRDBに対する作業が始まります。

    [図データ]

  6. 作業後に読み込んだ配布ウィザードプロファイルの指定内容を変更した場合,「配布ウィザードプロファイルの保存」画面が表示されます。新たに別の配布ウィザードプロファイルとして保存する場合は,この画面でファイル名を指定します。

    [図データ]