スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(Windows(R)用)

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17.5.14 ORDER BY処理方式の種類

<この項の構成>
(1) HiRDB/シングルサーバの場合
(2) HiRDB/パラレルサーバの場合

(1) HiRDB/シングルサーバの場合

HiRDB/シングルサーバの場合,次の処理方式があります。

SORT CANCEL BY INDEX[(LIMIT SCAN)]
ORDER BYのためのソート処理をしなくても,インデクスを検索することでORDER BYに含まれる列をソートできる場合に,ORDER BYのソート処理を省略します。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,インデクスの検索は先頭n行だけになり,検索結果のうち先頭n行を求めます。

SORT CANCEL BY JOIN
ORDER BYに含まれる列をすべて結合条件に指定している場合,ORDER BYのためのソート処理をしなくてもマージジョインによるソート処理がされるため,ORDER BYのソート処理を省略します。

SORT CANCEL BY DISTINCT[(LIMIT SCAN)]
ORDER BYの対象の値式がすべてDISTINCT処理によってソートされる場合,ORDER BYのソート処理を省略します。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,DISTINCT処理結果のうち先頭n行を求めます。

SORT CANCEL BY GROUPING[(LIMIT SCAN)]
ORDER BYに含まれる列がすべてグループ化処理によってソートされる場合,ORDER BYのソート処理を省略します。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,グループ化処理結果のうち先頭n行を求めます。

LIST SORT
作業表を作成してソートすることで,ORDER BYの結果を求めます。

LIMIT SCAN
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合に表示することがあります。探索条件を満たしたすべての行を対象とするソート処理はしないで,限られた行だけをソートすることでORDER BYの結果のうち先頭n行を求めます。

PRE-SORT JOIN
ORDER BYに含まれるすべての列又は値式が,結合する前の外表又は外側の結合表に含まれる場合,結合する前にソートをして,そのソート順のまま結合しORDER BYの結果を求めます。

PRE-SORT SET OPERATION[(LIMIT SCAN)]
集合演算の処理の前に,問合せごとにソートをして,そのソート順のまま演算します。そして,ORDER BY及び集合演算の結果を求める処理方式です。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,先頭n行を取得するまで集合演算をして,ORDER BY及び集合演算のうち先頭n行を求めます。

SORT CANCEL FOR SAME VALUES
ORDER BYの対象の値式がすべてウィンドウ関数の結果であり,かつすべての行で同じ値であることが保証される場合,ORDER BYのソート処理を省略する処理方式です。

(2) HiRDB/パラレルサーバの場合

HiRDB/パラレルサーバの場合,次の処理方式があります。

SORT CANCEL BY INDEX[(LIMIT SCAN)]
ORDER BYのためのソート処理をしなくても,インデクスを検索することでORDER BYに含まれる列をソートできる場合に,ORDER BYのソート処理を省略します。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,インデクスの検索は先頭n行だけになり,検索結果のうち先頭n行を求めます。

SORT CANCEL BY DISTINCT[(LIMIT SCAN)]
ORDER BYの対象の値式がすべてDISTINCT処理によってソートされる場合,ORDER BYのソート処理を省略します。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,DISTINCT処理結果のうち先頭n行を求めます。

SORT CANCEL BY GROUPING[(LIMIT SCAN)]
ORDER BYに含まれる列がすべてグループ化処理によってソートされる場合,ORDER BYのソート処理を省略します。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,グループ化処理結果のうち先頭n行を求めます。

LIST SORT
各バックエンドサーバで作業表を作成してソートすることで,ORDER BYの結果を求めます。

LIMIT SCAN
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合に表示することがあります。探索条件を満たしたすべての行を対象とするソート処理はしないで,限られた行だけをソートすることでORDER BYの結果のうち先頭n行を求めます。

PRE-SORT JOIN
ORDER BYに含まれるすべての列又は値式が,結合する前の外表又は外側の結合表に含まれる場合,結合する前にソートをして,そのソート順のまま結合しORDER BYの結果を求めます。

FLOATABLE SORT
複数のフロータブルサーバに転送し,作業表を作成してソートすることでORDER BYの結果を求めます。

LIST SORT WITH SET OPERATION[(LIMIT SCAN)]
問合せごとのORDER BYのためのソートはしないで,集合演算の処理のときにORDER BYのソートをします。その後,そのソート順のまま演算して,ORDER BY及び集合演算の結果を求める処理方式です。
先頭からn行の検索結果を取得する機能を使用した場合,(LIMIT SCAN)を表示することがあります。この場合,先頭n行を取得するまで集合演算をして,ORDER BY及び集合演算の結果のうち先頭n行を求めます。

SORT CANCEL FOR SAME VALUES
ORDER BYの対象の値式がすべてウィンドウ関数の結果であり,かつすべての行で同じ値であることが保証される場合,ORDER BYのソート処理を省略する処理方式です。