スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(Windows(R)用)
再編成時期予測機能では,あらかじめ決まっている各項目の基準値を基に予測していますが,この基準値はユーザの環境に合わせて変更できます。基準値定義ファイルには,変更後の各項目の基準値を指定します。
<threshold> 項目名=基準値 : [rdarea=RDエリア名] 項目名=基準値 : [table=認可識別子.表識別子] 項目名=基準値 : [index=認可識別子.インデクス識別子] 項目名=基準値 : |
基準値を変更できる項目を次の表に示します。また,基準値を変更する目安を表15-11に示します。
表15-10 基準値を変更できる項目
項番 | 項目名 | 指定範囲 | 基準値 | 内容 | 変更可否 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
R | T | I | |||||
1 | EMPTY_PAGE_RATIO | *, 10〜100 |
30 | 総割り当てページ数に対して,pdreclaimで解放できるページ数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | ○ | ○ |
2 | UNDER_PAGE_RATIO | 10〜100 | 10, 又は80- PCTFREE |
項番3の判定に使用するページ使用率(単位:%)を指定します。 | ○ | ○ | ○ |
3 | UNUSED_PAGE_RATIO | *, 10〜100 |
50 | ページ使用率が項番2の指定値以下のページ数と総割り当てページ数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | ○ | ○ |
4 | BRANCH_ROW | *, 10〜100 |
50 | 複数ページにわたって格納された行数と総行数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | ○ | × |
5 | USED_SEGMENT_LOB | *, 10〜100 |
80 | LOB用RDエリアの最終セグメント番号と総セグメント数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | × | × |
6 | USED_SEGMENT_RATIO_CLUS | *, 10〜100 |
50 | クラスタリングデータページに割り当てられた全セグメント数に対する,使用率100%のセグメント数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | ○ | × |
7 | DIFF_PCTFREE_M | *, 10〜100 |
10 | ページ使用率の下限値を決める値(単位:%)を指定します。 指定する値は,PCTFREEに指定した未使用領域比率を基に算出したページ使用率から,ページ使用率の下限値を引いた値となります。 指定値が(100−PCTFREEに指定した未使用領域比率)より大きい場合,(100−PCTFREEに指定した未使用領域比率)が指定値として仮定されます。 *を指定した場合は,項番8の指定値だけ有効になります。 |
○ | ○ | ○ |
8 | DIFF_PCTFREE_P | *, 10〜100 |
10 | ページ使用率の上限値を決める値(単位:%)を指定します。 指定する値は,ページ使用率の上限値から,PCTFREEに指定した未使用領域比率を基に算出したページ使用率を引いた値となります。 指定値がPCTFREEに指定した未使用領域比率より大きい場合,PCTFREEに指定した未使用領域比率が指定値として仮定されます。 *を指定した場合は,項番7の指定値だけ有効になります。 |
○ | ○ | ○ |
9 | DIFF_PCTFREE_RATIO | *, 10〜100 |
* | ページ使用率が項番7の下限値以下のページと,項番8の上限値以上のページの数と総割り当てページ数の比率(単位:%)を指定します。省略した場合は,この項目についての解析はしません。 | ○ | ○ | ○ |
10 | DELETE_ROWID_RATIO | *, 1〜100 |
30 | インデクスが管理する行の総数の中で,残存エントリが管理する削除行数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | × | ○ |
11 | USED_SEGMENT | *, 10〜100 |
80 | RDエリア全体の使用セグメント数と総セグメント数の比率(単位:%)を指定します。 | ○ | × | × |
12 | EXTEND_COUNT_MIN | 0〜24 | 0 | RDエリアの自動増分で増分できる最低限の増加回数を指定します。EXTEND_COUNT_MIN≦EXTEND_COUNTになるようにしてください。 | ○ | × | × |
13 | EXTEND_COUNT | 0〜24 | 0 | RDエリアの自動増分で増分できる増分回数を指定します。EXTEND_COUNT_MIN≦EXTEND_COUNTになるようにしてください。自動増分した結果,HiRDBファイルシステム領域が満杯になるかどうかは,pddbstではチェックできません。そのため,EXTEND_COUNTの指定値は,HiRDBファイルシステム領域中のRDエリア数と最大増分回数を考慮し,決める必要があります。 | ○ | × | × |
表15-11 基準値を変更する目安
項番 | 項目名 | 基準値 | メンテナンス要否の判定方法 | 基準値を変更する目安 |
---|---|---|---|---|
1 | EMPTY_PAGE_RATIO | (p)=30% | ページ使用率0%の使用中ページの割合が(p)%以上になると,空きページの解放が必要と判断します。 | RDエリアの空き容量が少ない場合で,無効なページを少しでも早く解放したいときは,(p)を小さくしてください。 |
2 | UNDER_PAGE_RATIO | (a)=X-20% | ページ使用率が(a)%以下の使用ページ数の割合が,全使用中ページの(p)%以上になると,再編成が必要と判断します。 |
|
3 | UNUSED_PAGE_RATIO | (p)=50% | ||
4 | BRANCH_ROW | (p)=50% | 総行数に対する,分岐行の行数の割合が(p)%以上になると,再編成が必要と判断します。 | データ長が長くなるUPDATE処理が多い場合で,検索性能の維持が必要なときは,(p)の値を小さくしてください。 |
5 | USED_SEGMENT_LOB | (p)=80% | LOB用RDエリアの最終セグメント番号が,総セグメント数の(p)%以上となった場合,再編成して(p)%以上になるときはRDエリアの拡張が必要と判断します。また,再編成して(p)%未満となる場合は,再編成が必要と判断します。 | 急激に格納データ量が増加する可能性がある場合で,早めに対処する必要があるときは,(p)を小さくしてください。 |
6 | USED_SEGMENT_RATIO_CLUS | (p)=50% | セグメント内の使用ページ率が100%のセグメント(空きページがないセグメント)数が,総使用セグメント数の割合(p)%以上になると,未使用領域比率による空きではなく,未使用ページ比率による空きの消費が始まっているので,再編成が必要と判断します。 | 同一ページ内にデータが格納できる間はクラスタリング効果が保たれているが,同一セグメントに格納する状態が既にクラスタリングの効果がなくなっていると判断できる場合,(p)を小さくしてください。 |
7 | DIFF_PCTFREE_M | (a)=X-10% | ページ使用率が(a)%〜(b)%の範囲外にある使用ページ数の割合が,総使用ページ数の(p)%以上になると,再編成が必要と判断します。 | ページ使用率が高い状態であっても再編成を必要と判断したい場合(行長が長くなるUPDATEが頻発する表や,クラスタキーを定義した表への中間キーを持つデータのINSERTが頻発する表)には,(p)を指定してください。なお,重複キーを多量に持つインデクスの場合,重複キーを格納するページはPCTFREEを無視して格納されるため,(p)を指定する場合は大きめの値にしてください。 |
8 | DIFF_PCTFREE_P | (b)=X+10% | ||
9 | DIFF_PCTFREE_RATIO | (p)=* | ||
10 | DELETE_ROWID_RATIO | (p)=30% | インデクスが管理する行の総数の中で,残存エントリが管理する削除行数の比率が(p)%以上となった場合,再編成が必要と判断します。 |
|
11 | USED_SEGMENT | (p)=80% | RDエリアの使用セグメント数が総セグメント数の(p)%以上となった場合,再編成が必要と判断します。 再編成後でも(p)%以上となる場合は,拡張が必要と判断しますが,自動増分指定があるRDエリアでは(a)回まで自動増分ができると判断し,拡張の指示はしません。 |
|
12 | EXTEND_COUNT_MIN | (a)=23回 | ||
13 | EXTEND_COUNT |
基準値定義ファイルの指定例を次に示します。
<threshold> ..................................共通指定 USED_SEGMENT=70 USED_SEGMENT_LOB=65 : [table=all] ..................................全表共通指定 EMPTY_PAGE_RATIO=30 USED_SEGMENT=20 : [index=all] ..................................全インデクス共通指定 EMPTY_PAGE_RATIO=20 USED_SEGMENT=20 : [table=認可識別子.表名称] ....................指定表共通指定 EMPTY_PAGE_RATIO=35 USED_SEGMENT=30 : [index=認可識別子.インデクス名称] ............指定インデクス共通指定 EMPTY_PAGE_RATIO=80 USED_PAGE_RATIO=60 : [rdarea=RDエリア名称] ......................RDエリア個別指定 EXTEND_COUNT=10 : [table=認可識別子.表名称] ....................RDエリア内の表個別指定 EMPTY_PAGE_RATIO=35 USED_SEGMENT=30 : [index=認可識別子.インデクス名称] ............RDエリア内のインデクス個別指定 EMPTY_PAGE_RATIO=80 USED_PAGE_RATIO=60 : |
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