スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(Windows(R)用)
pdreclaimには,次の二つの機能があります。
-j又は-aオプションなしでpdreclaimを実行すると,使用中空きページの解放をします。その結果,使用中空きセグメントが発生した場合に,-jオプションありのpdreclaimを実行すると,使用中空きセグメントの解放をします。また,-aオプションありのpdreclaimを実行した場合は,使用中空きページの解放,及び使用中空きセグメントの解放をします。
-j又は-aオプション有無によるpdreclaimの実行可否を次に示します。
pdreclaimのオプション指定 | 使用中空きページの解放 | 使用中空きセグメントの解放 |
---|---|---|
-j又は-aオプションなし | ○ | × |
-jオプションあり | × | ○ |
-aオプションあり | ○ | ○ |
したがって,使用中空きページの解放をしないで,使用中空きセグメントの解放だけをすることはできません。ただし,次の操作をした場合,-j又は-aオプションなしのpdreclaimで使用中空きページの解放をしなくても使用中空きセグメントが発生するため,-jオプションありのpdreclaimで使用中空きセグメントの解放ができます。
インデクスの使用中空きページ解放実行後の,未使用ページ割り当て処理は,使用中空き領域サーチ処理で解放した未使用ページを優先して割り当てます。使用中セグメント内の未使用ページを優先して割り当てるため,領域が有効活用できて,使用中空き領域サーチ処理時のオーバヘッドも削減できます。
表の使用中空きページ解放の概要を次の図に示します。
図11-1 表の使用中空きページ解放の概要
表の使用中空きページ解放では,使用中空きセグメントの解放,使用中空きページの解放,及びページコンパクションの実行有無を選択できます。なお,LOB列,及びLOB属性の抽象データ型列に対して,表の使用中空きページ解放は適用できません。
データを大量に削除した場合,格納データが1件もないのに割り当てられたままとなる使用中空きページが発生します。SEGMENT REUSE表(CREATE TABLE又はALTER TABLEでSEGMENT REUSEオプションを指定した表)でない場合,HiRDBは未使用ページ,及び未使用セグメントを使用する格納方式となっています。この新規領域が確保できなくなると使用中空きページを再利用しますが,再利用する場合は使用中ページ内の空き領域をサーチするオーバヘッドが発生し,新規領域確保に比べて性能が劣化します。また,SEGMENT REUSE表であっても,使用中空きページがある状態では全件検索などでむだなページを検索していることになります。さらに,再利用できるのは該当する使用中セグメントの表,又はインデクスに限ります。
pdreclaimを実行すると,すぐには再利用されない使用中空きページが解放されるため,次の効果があります。
1.の効果として,同一RDエリアに複数の表を格納している場合,表Aがデータを格納していない使用中空きセグメントを保持しているために,表Bが新たな未使用セグメントを確保できないでRDエリアの容量不足となることを回避できます。同一RDエリアに複数の表を格納している場合のpdreclaimの効果を次の図に示します。
図11-2 同一RDエリアに複数の表を格納している場合のpdreclaimの効果
表のページコンパクションの概要を次の図に示します。
図11-3 表のページコンパクションの概要
インデクスの使用中空きページ解放の概要を次の図に示します。
図11-4 インデクスの使用中空きページ解放の概要
インデクスの使用中空きページ解放では,使用中空きセグメントの解放,又は使用中空きページの解放のどちらを行うか選択できます。なお,プラグインインデクスに対して,インデクスの使用中空きページ解放は適用できません。
インデクスの場合も表と同様に,大量にデータを削除すると,再利用できない使用中空きページが発生します。特に,過去のキー値の小さいデータを削除して使用中空きページになった領域は,再度同じキー値が格納された場合に備えて確保状態(ポインタでつながったまま)が続くため,新規のキー値の大きいデータを追加するときに使用中空きページの再利用もされません。このため,単調に格納データのキー値が増加し,過去のデータを削除する運用形態では,再利用できない使用中空きページが大量に発生します。このインデクスに対してpdreclaimを実行すると,使用中空きページを解放して未使用ページとするため,大きいキー値のデータを格納できるようになります。また,下位ページポインタを持たない中間ページも未使用ページにできます。
インデクスのページコンパクションの概要を次の図に示します。
図11-5 インデクスのページコンパクションの概要
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