スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(Windows(R)用)
機能
HiRDBシステムで障害が発生した場合,障害の原因を調査するために障害情報の取得,及び取得する情報の容量見積もりをします。
実行者
HiRDB管理者が実行できます。なお,HiRDBが出力する情報ファイルやOSの情報ファイルへの参照権限が必要です。
形式
pdinfoget -e 初期情報ファイル出力先ディレクトリ名 -d 詳細情報ファイル出力先ディレクトリ名 〔-w ワークディレクトリ名〕 〔-s イベントログファイル名〕 〔-l ワトソン博士のログファイル名〕 〔-c クラッシュダンプファイル名〕 |
pdinfoget -m 〔-s イベントログファイル名〕 〔-l ワトソン博士のログファイル名〕 〔-c クラッシュダンプファイル名〕 |
オプション
初期情報ファイル(障害原因の切り分けに必要な情報をまとめたファイル)を出力する既存のディレクトリ名を絶対パスで指定します。指定したディレクトリが存在しない,又は書き込み権限がない場合は,エラーメッセージを出力して処理を打ち切ります。
初期情報ファイル出力先ディレクトリには,初期情報ファイルと実行ログが出力されます。初期情報ファイルはアーカイブファイルであり,複数のファイルが格納されています。それぞれのファイル名を次に示します。
初期情報ファイルに取得される障害情報については,表2-7を参照してください。
詳細情報ファイル(障害原因の切り分け後,さらに詳細な調査に必要な情報をまとめたファイル)を出力する既存のディレクトリ名を絶対パスで指定します。指定したディレクトリが存在しない,又は書き込み権限がない場合は,エラーメッセージを出力して処理を打ち切ります。
詳細情報ファイルはアーカイブファイルであり,複数のファイルが格納されています。詳細情報ファイル名を次に示します。
詳細情報ファイルに取得される障害情報については,表2-7を参照してください。
作業用の一時ファイルを格納する領域として,既存のディレクトリ名を絶対パスで指定します。指定したディレクトリが存在しない,又は書き込み権限がない場合は,エラーメッセージを出力して処理を打ち切ります。
このオプションを省略した場合,次に示すディレクトリが仮定されます。
| -wオプションの指定 | システム定義のpd_tmp_directoryオペランドの指定 | ||
|---|---|---|---|
| あり | なし | ||
| 環境変数TMP※の指定 | |||
| あり | なし | ||
| あり | -wオプションに指定したディレクトリ | ||
| なし | pd_tmp_directoryに指定したディレクトリ | TMPに指定したディレクトリ | %PDDIR%\tmpディレクトリ |
指定したディレクトリ下に,作業用ディレクトリ「pdinfoget_work_日時」を作成し,そこにpdinfogetコマンドが使用する作業用の一時ファイルを格納します。ただし,既に「pdinfoget_work_日時」ディレクトリが存在する場合は,エラー終了します。
pdinfogetがデフォルトで取得すると設定しているイベントログファイルと異なるイベントログファイルを取得する必要がある場合,ファイル名を絶対パスで指定します。イベントログファイルを指定するときは,イベントビューアなどでファイルに保存したイベントログを指定します。
pdinfogetがデフォルトで取得するイベントログファイルは,pdinfogetを実行した時点のイベントログからバックアップした次のファイルです。
-sオプションで取得するファイルを指定する必要があると考えられるのは,次のような場合です。
初期情報として,ワトソン博士のログを取得する場合,そのファイル名を絶対パスで指定します。
このオプションが指定されていないと,ワトソン博士のログは取得しません。
詳細情報として,クラッシュダンプファイルを取得する場合,そのファイル名を絶対パスで指定します。
このオプションが指定されていないと,クラッシュダンプファイルは取得しません。
取得する障害情報に必要な容量の見積もり値を出力する場合に指定します。見積もり値は標準出力に次の形式で出力されます。
| ファイルの種類 | 表示形式(単位:メガバイト) |
|---|---|
| 初期情報ファイル | init_directory = xxx Mbyte |
| 詳細情報ファイル | detail_directory = yyyy Mbyte |
(凡例)xxx,yyyy:数値
-s,-l,又は-cオプションを指定して障害情報を取得する場合,それらの容量も見積もり値に含めるため,-s,-l,又は-cオプションを同時に指定する必要があります。なお,-s,-l,及び-c以外のオプションが同時に指定されている場合は,エラー終了します。
表2-7 pdinfogetコマンドで取得する障害情報一覧
| 取得する情報項目 | 取得の有無 | 初期情報 | 詳細情報 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| HiRDBコマンド | HiRDBの状態を知るため,HiRDBコマンドを実行して取得した情報 | ユニット,及び内部コンポーネントの状態 | ○ | ○ | × | |
| サーバプロセスの状態 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBサーバのスケジュール状態 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBサーバの設定情報 | ○ | ○ | × | |||
| ユニット内のHiRDBサーバの状態 | ○ | ○ | × | |||
| 実行中トランザクション情報 | ○ | ○ | × | |||
| ユーザ識別子情報 | ○ | ○ | × | |||
| 排他情報 | ○ | ○ | × | |||
| 排他制御用プール使用状況 | ○ | ○ | × | |||
| 内部ロック情報 | ○ | ○ | × | |||
| セマフォ情報 | ○ | ○ | × | |||
| メッセージキュー情報 | ○ | ○ | × | |||
| ユニット及びサーバの状態 | ○ | ○ | × | |||
| 共用メモリ情報 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBのバージョン情報 | ○ | ○ | × | |||
| サーバプロセスの通信制御情報 | ○ | ○ | × | |||
| グローバルバッファの使用情報 | ○ | ○ | × | |||
| RDエリアの状態表示 | ○ | ○ | × | |||
| SQLオブジェクト情報 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBセットアップ情報 | ○ | ○ | × | |||
| 系切り替え機能の情報 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDB情報ファイル | HiRDBが参照する定義や,結果として出力したファイル | %PDDIR%\spool下の全ディレクトリとファイル | ○ | × | ○ | |
| %PDDIR%\spool下のファイル | コマンドログファイル | ○ | ○ | × | ||
| メッセージログファイル | ○ | ○ | × | |||
| エラーログファイル | ○ | ○ | × | |||
| リモート系コマンド情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| 系切り替え機能情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| 障害時スナップ情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| アボート情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| cwaitover情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| システム定義情報(conf/*) | ○ | ○ | × | |||
| 簡易セットアップツール情報(pdistup/*) | bin | × | × | × | ||
| conf | × | × | × | |||
| ini | × | × | × | |||
| sample | ○ | ○ | × | |||
| tmp | ○ | ○ | × | |||
| spool | ○ | ○ | × | |||
| pdi_log.txt | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBデータベース環境情報(%PDDIR%\.dbenv\*) | ○ | ○ | × | |||
| HiRDB内部用ワークディレクトリ下(%PDDIR%\tmp\*) | ○ | × | ○ | |||
| クライアントトレース情報(%PDCLTPATH%下のファイル) | SQLトレース情報 | ○ | ※1 | ※1 | ||
| エラーログファイル | ○ | ○ | × | |||
| pdess*ファイル | ○ | ○ | × | |||
| UAP統計情報 | ○ | ○ | × | |||
| 仕様差吸収ライブラリの全情報(%PDDIR%\UXPLDIR\*) | ○ | × | ○ | |||
| 仕様差吸収ライブラリ情報ディレクトリ下のファイル | 仕様差吸収ライブラリエラー情報 | ○ | ○ | × | ||
| OSコマンド | OS下の状況を知るため,コマンドを実行して取得した情報 | プロセス情報 | ※2 | ○ | × | |
| ネットワークステータス情報 | ○ | ○ | × | |||
| ディスク情報 | ○ | ○ | × | |||
| プロセス間通信機能のステータス情報 | ○ | ○ | × | |||
| CPU利用率,及びディスク状況 | ※2 | ○ | × | |||
| ホスト名称 | ○ | ○ | × | |||
| IP configuration | ○ | ○ | × | |||
| OS情報ファイル | OSが参照する定義や,結果として出力したファイル | OSのバージョン情報 | ○ | ○ | × | |
| マシン情報 | ○ | ○ | × | |||
| プロセッサ情報 | ○ | ○ | × | |||
| メモリ実装情報 | ○ | ○ | × | |||
| レジストリ情報 | ○ | ○ | × | |||
| 環境変数情報 | ○ | ○ | × | |||
| ネットワーク情報 | ○ | ○ | × | |||
| イベントログファイル | ○ | ○ | × | |||
| ワトソン博士のログファイル | ○ | ○ | × | |||
| クラッシュダンプファイル | ○ | × | ○ | |||
規則
表2-8 出力先ディレクトリ下にあるとエラーになるディレクトリ
| 出力先ディレクトリ | 出力先ディレクトリ下にあるとエラーになるディレクトリ |
|---|---|
| 初期情報ファイル出力先ディレクトリ | CLTDIR PDDIR spool conf .dbenv pdistup uxpldir OSFILE SYSLOG COREINF |
| 詳細情報ファイル出力先ディレクトリ | PDDIR spool tmp uxpldir CLTDIR COREINF |
KFPN10403-I init information file output, file=初期情報ファイルパス名 |
注意事項
| %ERRORLEVEL% | 終了状態 | 意味と対処方法 |
|---|---|---|
| 0 | 正常終了 | 正常に終了しました。 |
| 4 | 警告終了 | 一部の情報を取得できませんでした。次の原因が考えられます。
|
| 8 | 異常終了 | エラーが発生したため,処理を打ち切りました。
|
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