スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)

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6.2 HiRDBファイルシステム領域

表,インデクス,障害発生時にシステムの状態を回復させるのに必要な情報など,HiRDBの様々な情報を格納するためのHiRDB専用のファイルをHiRDBファイルといいます。また,HiRDBファイルを作成する領域のことをHiRDBファイルシステム領域といいます。HiRDBファイルシステム領域は,システムファイルやRDエリアなどを構成するHiRDB専用のファイルを作成する前に準備しておく必要があります。

<この節の構成>
(1) HiRDBファイルシステム領域とOSが提供するファイルシステム領域の関係
(2) HiRDBファイルシステム領域に使用するファイル
(3) HiRDBファイルシステム領域の種類
(4) HiRDBファイルシステム領域の作成方法
(5) HiRDBファイルシステム領域の最大長

(1) HiRDBファイルシステム領域とOSが提供するファイルシステム領域の関係

OSが入出力処理をするディスクは連続領域ごとに分割され,それぞれの領域をパーティションといいます。それぞれのパーティションをOSが提供するファイルシステム領域又はHiRDBファイルシステム領域に使用できます。HiRDBファイルシステム領域とOSが提供するファイルシステム領域の関係を次の図に示します。

図6-1 HiRDBファイルシステム領域とOSが提供するファイルシステム領域の関係

[図データ]

(2) HiRDBファイルシステム領域に使用するファイル

Windowsのパーティション上に,HiRDBファイルシステム領域を作成します。

(a) 通常のWindowsのファイル

通常のWindowsのパーティション上にファイルを作成してHiRDBファイルシステム領域を作成します。pdfmkfsコマンドを実行して作成します。

(b) ダイレクトディスクアクセス(raw I/O)

通常のパーティション上だけでなく,Windowsのダイレクトディスクアクセス(raw I/O)を使用したHiRDBファイルシステム領域を作成できます。この機能をraw I/O機能といいます。raw I/Oを使用する場合でも,パーティション又は論理ドライブをファイルと同様にアクセスできます。raw I/O機能を使用すると,HiRDBはWindowsのファイルキャッシュの動作による影響を受けなくなります。そのため,グローバルバッファの制御などによって,安定した性能を維持できるようになります。ただし,一部のHiRDBファイルシステム領域はraw I/Oを使用できません。

raw I/O機能を使用するには,未フォーマット状態のパーティションを用意する必要があります。パーティションはWindowsの[コンピュータの管理]−[ディスクの管理]で作成します。

raw I/O機能を使用したHiRDBファイルシステム領域の作成については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

(3) HiRDBファイルシステム領域の種類

HiRDBファイルシステム領域は,次の表に示す種類ごとに作成することをお勧めします。各HiRDBファイルシステム領域の設計方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

表6-2 HiRDBファイルシステム領域の種類

HiRDBファイル
システム領域
の種類
オプション 説明
RDエリア用 DB RDエリア(リスト用RDエリアを除く)を作成するHiRDBファイルシステム領域です。必須です。
共用RDエリア用 SDB 共用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域です。共用RDエリアを使用する場合に必要です。
システムファイル用 SYS システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,及びステータスファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。必須です。
監査証跡ファイル用 監査証跡ファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。セキュリティ監査機能を使用する場合に必要です。
作業表用ファイル用 WORK 作業表用ファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。必須です。
ユティリティ用 UTL ユティリティで使用するファイル(バックアップファイル,アンロードデータファイル,アンロードログファイル,インデクス情報ファイル,又は差分バックアップ管理ファイル)を作成するHiRDBファイルシステム領域です。
NUTL ユティリティで使用するファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。UTLとの違いは,pd_ntfs_cache_disableオペランドの指定値に関係なくWindowsのキャッシュを使用しません。
リスト用RDエリア用 WORK リスト用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域です。絞込み検索をするときに必要です。

注※
pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成するときに指定する-kオプションの指定値です。

(4) HiRDBファイルシステム領域の作成方法

pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成します。

参考
HiRDBの初期導入時,次に示す環境設定支援ツールを使用すると,入力した情報を基にHiRDBファイルシステム領域が作成されます。
  • 簡易セットアップツール
  • バッチファイル(SPsetup.bat)

HiRDBファイルシステム領域の作成方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

(5) HiRDBファイルシステム領域の最大長

HiRDBファイルシステム領域の最大長を次の表に示します。

表6-3 HiRDBファイルシステム領域の最大長

条件 HiRDBファイルシステム領域の最大長
pd_large_file_use=N指定時 2,047メガバイト
pd_large_file_use=Y指定時(省略値) 1,048,575メガバイト