スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)
表,インデクス,障害発生時にシステムの状態を回復させるのに必要な情報など,HiRDBの様々な情報を格納するためのHiRDB専用のファイルをHiRDBファイルといいます。また,HiRDBファイルを作成する領域のことをHiRDBファイルシステム領域といいます。HiRDBファイルシステム領域は,システムファイルやRDエリアなどを構成するHiRDB専用のファイルを作成する前に準備しておく必要があります。
OSが入出力処理をするディスクは連続領域ごとに分割され,それぞれの領域をパーティションといいます。それぞれのパーティションをOSが提供するファイルシステム領域又はHiRDBファイルシステム領域に使用できます。HiRDBファイルシステム領域とOSが提供するファイルシステム領域の関係を次の図に示します。
図6-1 HiRDBファイルシステム領域とOSが提供するファイルシステム領域の関係
Windowsのパーティション上に,HiRDBファイルシステム領域を作成します。
通常のWindowsのパーティション上にファイルを作成してHiRDBファイルシステム領域を作成します。pdfmkfsコマンドを実行して作成します。
通常のパーティション上だけでなく,Windowsのダイレクトディスクアクセス(raw I/O)を使用したHiRDBファイルシステム領域を作成できます。この機能をraw I/O機能といいます。raw I/Oを使用する場合でも,パーティション又は論理ドライブをファイルと同様にアクセスできます。raw I/O機能を使用すると,HiRDBはWindowsのファイルキャッシュの動作による影響を受けなくなります。そのため,グローバルバッファの制御などによって,安定した性能を維持できるようになります。ただし,一部のHiRDBファイルシステム領域はraw I/Oを使用できません。
raw I/O機能を使用するには,未フォーマット状態のパーティションを用意する必要があります。パーティションはWindowsの[コンピュータの管理]−[ディスクの管理]で作成します。
raw I/O機能を使用したHiRDBファイルシステム領域の作成については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
HiRDBファイルシステム領域は,次の表に示す種類ごとに作成することをお勧めします。各HiRDBファイルシステム領域の設計方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
表6-2 HiRDBファイルシステム領域の種類
HiRDBファイル システム領域 の種類 |
オプション※ | 説明 |
---|---|---|
RDエリア用 | DB | RDエリア(リスト用RDエリアを除く)を作成するHiRDBファイルシステム領域です。必須です。 |
共用RDエリア用 | SDB | 共用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域です。共用RDエリアを使用する場合に必要です。 |
システムファイル用 | SYS | システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,及びステータスファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。必須です。 |
監査証跡ファイル用 | 監査証跡ファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。セキュリティ監査機能を使用する場合に必要です。 | |
作業表用ファイル用 | WORK | 作業表用ファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。必須です。 |
ユティリティ用 | UTL | ユティリティで使用するファイル(バックアップファイル,アンロードデータファイル,アンロードログファイル,インデクス情報ファイル,又は差分バックアップ管理ファイル)を作成するHiRDBファイルシステム領域です。 |
NUTL | ユティリティで使用するファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域です。UTLとの違いは,pd_ntfs_cache_disableオペランドの指定値に関係なくWindowsのキャッシュを使用しません。 | |
リスト用RDエリア用 | WORK | リスト用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域です。絞込み検索をするときに必要です。 |
pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成します。
HiRDBファイルシステム領域の作成方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
HiRDBファイルシステム領域の最大長を次の表に示します。
表6-3 HiRDBファイルシステム領域の最大長
条件 | HiRDBファイルシステム領域の最大長 |
---|---|
pd_large_file_use=N指定時 | 2,047メガバイト |
pd_large_file_use=Y指定時(省略値) | 1,048,575メガバイト |
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