スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)

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2.2.2 HiRDB Adapter for XMLとの連携

HiRDB Adapter for XMLと連携すると,データベースマッピング機能が使用できるようになります。

<この項の構成>
(1) データベースマッピング機能とは
(2) データベースマッピング機能の利点
(3) そのほかの特長

(1) データベースマッピング機能とは

XML文書はツリー構造を持ったタグ,及びタグに囲まれた文字列の集合で構成されています。一方,データベースは関連づけられたレコードデータの集合で構成されています。HiRDB Adapter for XMLでは,XML文書のタグをデータベースの表や列に対応づけて,XML文書に含まれる文字列を適切なデータ型に変換し,データベースに格納したり,データベースに格納したデータからXML文書を復元したりするデータベースマッピング機能を提供しています。データベースマッピング機能によって次に示す処理が実現できます。

データベースにマッピングするにはAPIを使用する方法と,簡易コマンドを使用する方法があります。さらに,APIを使用する方法には内部でSQLを生成してデータベースにアクセスする方法と,データベース作成ユティリティ(pdload)のpdloadを使用する方法があります。

データベースマッピング機能については,マニュアル「HiRDB Adapter for XML ユーザーズガイド」を参照してください。

(2) データベースマッピング機能の利点

データベースマッピング機能には次に示す利点があります。

XML文書やデータベースの変化に柔軟に対応
XML文書の構造,表の形式などの情報をアプリケーションとは独立した定義ファイルに記述します。したがって,扱うデータの内容と構造の変化にも柔軟に対応するアプリケーションを開発できます。

扱えるデータ種が豊富
数値や文字列などに加えて,XML文書そのもの及びXML文書内から参照している画像データなどをデータベースに格納できます。格納したデータを削除したり,更新したり,又はXML文書に復元したりできます。

一つの定義ファイルで様々な処理ができる
XML文書をデータベースに格納するときに作成した定義ファイルを,データの更新,及びXML文書の復元で使用する定義ファイルとしても使用できます。

データ要素の加工が容易
マッピング実行時にHiRDB Adapter for XMLが呼び出すコールバックをユーザが作成できます。コールバックによってXML文書から抽出したデータに対して次に示す加工ができます。
  • 文字列を特定の型のデータに変換する
  • 複数のデータをパラメタとして渡し,任意に加工する
  • 抽象データ型の列にデータを格納する

(3) そのほかの特長

データベースマッピング機能には既に述べた特長のほかに次に示す特長があります。

XMLパーサ連携
HiRDB Adapter for XMLはuCosminexus Interschema - Parsing Kitを使用してDOMパーサやSAXパーサとオブジェクトレベルで連携できます。

データベースアクセス
HiRDB Adapter for XMLで開発するC++アプリケーションはDABroker for C++を使用してデータベースにアクセスします。また,JavaアプリケーションはDABroker for Java(JDBC)を使用してデータベースにアクセスします。データベースへの接続,切断,トランザクション処理はアプリケーション開発者がDABroker for C++及びDABroker for Java(JDBC)のAPIを直接発行して管理できます。