スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)
HiRDBは並列一括更新と並列リカバリ技術を実装しているリレーショナルデータベースです。HiRDBの特長を次に示します。
HiRDBには,サーバマシン1台で動作するHiRDB/シングルサーバと,複数台のサーバマシンで動作するHiRDB/パラレルサーバがあります。業務の特長によって,HiRDB/シングルサーバにするか,HiRDB/パラレルサーバにするかを選択できます。さらに,HiRDBでは,HiRDB/シングルサーバをHiRDB/パラレルサーバに変更したり,HiRDB/パラレルサーバのサーバマシンを増やしたりできます。これによって,業務の規模の拡大に合わせて段階的にシステムを拡張できます。
HiRDBでは,並列処理に適したShared Nothing方式を採用しているため,プロセサ数に比例して,処理性能を向上できます。つまり,増やしたサーバマシンの台数分だけ,処理性能を向上できます。サーバマシンを追加した場合にフレキシブルハッシュ分割機能を使用すると,HiRDBによってハッシュ関数が自動的に変更され,追加したサーバマシンにも自動的にデータが格納されます。
HiRDBでは,アクセス頻度が高いインデクスのデータなどを専用のバッファに割り当てられます。これによって,インデクス検索やデータの全件検索などの様々な処理が混在する環境でも,バッファ間の干渉をなくし,安定したレスポンスを確保できます。
HiRDBでは,ある時点までの更新情報をデータベースに反映し,その時点での回復情報をファイルに取得しています。この処理をシンクポイントダンプ処理といいます。従来のシステムでは,シンクポイントダンプ処理中はトランザクションの受け付けが中断されるため,処理性能が低下していました。HiRDBはシンクポイントダンプ処理中でもトランザクションの受け付けを制限しないため,シンクポイントダンプ処理が原因で処理性能が低下しないようにしています。
HiRDBでは定期的なシンクポイントダンプ処理によって,障害時の回復範囲を小さくし,短時間で回復処理を完了できます。
また,システム回復時には,ロールバックと新規トランザクションの受け付けを同時に開始するディレードリラン方式を採用しているので,速やかにシステムを再開始できます。
軽度の障害であれば,HiRDBではステータスファイルを使用して自動的にシステムを再開始します。このとき,オペレータの操作は不要です。
業務処理中のサーバマシンとは別に待機用のサーバマシンを準備すれば,業務処理中のサーバマシンに障害が発生した場合にも,スムーズに待機用のサーバマシンに業務処理を切り替えられます。これを系切り替え機能といいます。
HiRDB/パラレルサーバの場合,特定のサーバマシンからシステムを一元的に集中管理できます。例えば,あるサーバマシンでコマンド又はユティリティを実行して,すべてのサーバマシン又は特定のサーバマシン上のHiRDBを開始又は終了できます。
HiRDBの環境設定を支援するツールを提供しています。提供しているツールを次に示します。
通常は,簡易セットアップツールを使用してHiRDBの環境設定をしてください。
HiRDBでは,X/OpenのXAインタフェースを使用してOLTPと連携できます。HiRDBのトランザクション処理をトランザクションマネジャで制御するために,HiRDB XAライブラリを提供しています。
HiRDBは業界標準のODBC,JDBC,OLE DBに対応しているので,ODBC,JDBC,OLE DBに従ったアプリケーションを使用できます。また,ADO(ADO.NETにも対応),DAO,及びRDOも使用できます。
ネットビジネスが盛んになり,24時間365日ノンストップでオンライン業務を行いたいというニーズが増えています。HiRDBは24時間連続稼働を想定した機能を提供しています。24時間連続稼働を想定した機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
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