スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)
HiRDBはクライアント/サーバシステムのネットワーク環境で使用します。データベースを配置するサーバ側システムをHiRDBサーバ,UAPを開発及び実行するクライアント側システムをHiRDBクライアントといいます。また,HiRDBサーバとHiRDBクライアントをまとめてHiRDBシステムといいます。HiRDBシステムの構成を次の図に示します。
図1-1 HiRDBシステムの構成
HiRDBサーバには,HiRDB/シングルサーバとHiRDB/パラレルサーバがあります。システム形態又は業務内容に合わせてどちらかを選択してください。HiRDBサーバの稼働プラットフォームは次のどれかになります。
なお,このマニュアルではWindows(Windows 2000,Windows XP Professional,Windows Server,Windows Vista Business,Windows Vista Enterprise,及びWindows Vista Ultimate)版のHiRDBについて説明します。
HiRDB/シングルサーバは1台のサーバマシンでデータベースシステムを構築するときに使用します。処理性能が安定しており,運用もHiRDB/パラレルサーバに比べてシンプルであるため,小中規模のデータベースを構築するのに適したシステムです。
HiRDB/パラレルサーバを使用すると,複数のサーバマシンを一つのデータベースシステムとして構築でき,一つの表を複数のサーバマシンに分割して格納できます。検索処理を各サーバで並行して実行できるため,処理性能を向上できます。また,大量データの追加又は更新や,データベースのバックアップも並列に処理できるので,データベースが大規模化しても性能を維持できます。
マシン性能を十分に活用できるShared Nothing方式を採用しているので,データ量の増加に対してもサーバ台数を増やすことで安定した性能を維持できます。また,ソートやジョインなどの負荷の掛かる処理は空いている別のサーバへ処理を代行させて,特定のサーバへの負荷が集中しないようにバランスの取れた並列処理を実現しています。
HiRDBクライアントにはHiRDB/Developer's KitとHiRDB/Run Timeがあります。HiRDBクライアントの稼働プラットフォームは次のどれかになります。
HiRDB/Developer's Kitは,UAPの開発(プリプロセス,コンパイル及びリンケージ)及び実行に必要なプログラムです。UAPの開発言語には,C,C++,COBOL85,OOCOBOL,COBOL 2002,及びJavaTM(SQLJ)を使用できます。
なお,HiRDBサーバにはHiRDB/Developer's Kitの機能が含まれています。したがって,HiRDBサーバでUAPを開発及び実行する場合はHiRDB/Developer's Kitは不要ですが,クライアント上でUAPを開発及び実行する場合は必要になります。
HiRDB/Run Timeは,作成したUAPを実行するだけのランタイムプログラムです。HiRDB/Run Timeでは,UAPの開発(プリプロセス,コンパイル及びリンケージ)はできません。UAPの実行だけができます。
HiRDBクライアントでXDM/RD E2のデータベースにアクセスするUAPの開発及び実行ができます。そのUAPを使用してHiRDBクライアントからXDM/RD E2のデータベースにアクセスできます。これをXDM/RD E2接続機能といいます。XDM/RD E2接続機能の概要を次の図に示します。
図1-2 XDM/RD E2接続機能の概要
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2016, Hitachi, Ltd.