1.3.3 DABroker for Javaで開発するアプリケーション
DABroker for Javaでは,JDBCインタフェースに対応するJDBCドライバを提供します。ここで開発するアプリケーションは,JDBCインタフェースの仕様に従って開発します。JDBCとは,Javaの標準的なデータベースアクセス用のインタフェースで,JDK1.2以降(java.sqlパッケージ)で提供されます。DABroker for Javaで開発するアプリケーションは,JDBCで実現できる検索,更新などの処理を要求できます。
DABroker for Javaでは,OSに依存しない実行環境を提供するなどのJavaの特長を活かしたアプリケーションを開発できます。また,Appletを開発した場合,AppletがダウンロードされるクライアントごとにAppletをメンテナンスする必要がないため,Applet開発者の負担を軽減できます。
Extension※は,JDBC2.0の拡張機能を提供します。JNDI(Java Naming and Directory Interface),JTS(Java Transaction Service)やJTA(Java Transaction API)との連携機能を提供します。
注※ DABroker for Java Version 2の機能です。
(1) DABroker for Javaを使って開発するときの特長
次にDABroker for Javaの特長を示します。
(a) クライアントアプリケーション及びサーバアプリケーションの開発
DABroker for Javaで開発できるアプリケーションには,次の三種類があります。それぞれのアプリケーションは,JDBCインタフェースの仕様に従って開発します。
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WWWサーバからダウンロードして使用するプログラムです。マスタデータとなるプログラムがサーバにあれば,サーバからのダウンロードで常に最新のAppletを利用できます。ダウンロードするクライアントごとにプログラムをメンテナンスする必要がありません。
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クライアントマシンに常駐するプログラムです。WWWブラウザを使用しないで動作させます。
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サーバマシンに常駐するプログラムです。サーバアプリケーション,DABroker,JDBCドライバを同一マシンに組み込んで使用するため,通信処理のオーバヘッドがなく,クライアントアプリケーションでの動作に比べて処理性能が向上します。
(b) JDBCドライバの提供
DABroker for Javaでは,JDBCドライバを提供します。JDBCドライバは,JDBCインタフェースに従って開発したアプリケーションからの要求を処理し,データベースへのアクセスを実現します。
(c) すぐに使用できるAppletを提供
データの検索をGUIから実行するAppletを提供します。提供Appletは,「DBアクセスアプレット」と呼びます。DBアクセスアプレットは,SQL文を直接入力するGUIを持っているため,SQL文を入力するとデータの更新なども実行できます。DBアクセスアプレットを使用すると,アプリケーションを開発することなく,Javaからデータベースにアクセスできます。
(d) データベースアクセスを同期処理で実行
DABroker for Javaで開発するアプリケーションは,データベースアクセスを同期処理で実行します。同期アクセス処理でデータベースアクセスを実行すると,データベースでの処理結果がアプリケーションに通知されるまで,アプリケーションでは,次の処理を実行できません。同期アクセス処理については,「2.2 データベースアクセス」を参照してください。
(2) DABroker for Javaの使用形態
DABroker for Javaは,次の環境で動作するアプリケーションを開発できます。
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WWW環境
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クライアント/サーバ環境
次に,DABroker for Javaのそれぞれの環境でのシステム構築例を示します。
(a) WWW環境で使用する−Appletを使用する
Java Appletを作成し,WWWサーバからJava Appletをダウンロードして使用します。図1-10に,システム構成例を示します。
(b) クライアント環境で使用する−クライアントアプリケーションを使用する
クライアント/サーバ環境で使用するアプリケーションです。クライアントマシンに,開発したアプリケーション,及びDABroker for Javaで提供するJDBCドライバを組み込んで使用します。
図1-11に,システム構成例を示します。
(c) サーバ環境で使用する−サーバアプリケーションを使用する
クライアント/サーバ環境で使用するアプリケーションです。サーバマシンに,開発したアプリケーション及びDABroker for Javaで提供するJDBCドライバを組み込んで使用します。図1-12に,システム構成例を示します。
(d) 分散トランザクション環境で使用する−サーバアプリケーションを使用する
分散トランザクション環境で使用するアプリケーションです。分散トランザクション機能は,Java TM,Extension及びトランザクション連携機能に関連するクラスのインタフェース定義を組み込んで使用します。また,使用する前提として,データベースとの接続情報をJNDIに登録しておきます。
Java Applicationの動作時には,JNDIに登録してあるデータベースとの接続情報を取り込みます。その情報を元にトランザクションマネージャと連携し,Java ApplicationとDABrokerを接続します。図1-13に,システム構成例を示します。