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DABroker


1.3.1 DABroker for C++で開発するアプリケーション

DABroker for C++では,データの検索,更新,任意のSQLの実行ができるC++クラスライブラリを提供します。DABroker for C++のクラスライブラリを使用して,データベースにアクセスするためのサーバアプリケーションを開発できます。

また,DABroker for C++は,DABroker for ORBで提供するCORBA対応インタフェースの動作時の前提製品にもなります。

〈この項の構成〉

(1) DABroker for C++を使って開発するときの特長

次に,DABroker for C++の特長を示します。

(a) コーディング量を少なくできる高性能なクラスライブラリ

DABroker for C++は,データベースへの接続,SQLの実行,ストアドプロシジャ,トランザクションなどの制御を設定するプロパティ,メソッドを提供します。DABroker for C++のクラスライブラリを使用すると,「埋め込みSQL」などの手続き方法より少ないコーディング量でデータベースアクセス用のサーバアプリケーションを開発できます。

(b) マルチスレッド対応のサーバアプリケーション開発

DABrokerでは,アプリケーションからのデータベースアクセス要求をマルチスレッドで実行します。DABroker for C++で開発するアプリケーションからの要求も,マルチスレッドで実行します。DABroker for C++で提供するクラスライブラリを使用すると,DABrokerでのスレッド制御方法などを意識することなくマルチスレッドで実行するアプリケーションを開発できます。

(c) データベースアクセス処理を同期又は非同期で実行

DABroker for C++で開発するサーバアプリケーションでは,データベースアクセスに同期,又は非同期処理を選択できます。

同期アクセス処理でデータベースアクセスを実行すると,データベースでの処理結果がアプリケーションに通知されるまで,アプリケーションでは,次の処理を実行できません。

非同期アクセス処理でデータベースアクセスを実行すると,アプリケーションでは,データベースからの処理結果の通知を待たずに次の処理を実行できます。

同期又は非同期アクセス処理については,「2.2 データベースアクセス」を参照してください。

(2) DABroker for C++の使用形態

DABroker for C++で開発するアプリケーションは,サーバマシンに組み込んで使用します。開発したサーバアプリケーションに対応するクライアントアプリケーションは,必要に応じて開発します。図1-8に,システム構成例を示します。

図1‒8 C++で開発した場合のシステム構成例

[図データ]