ストリームデータ処理基盤 uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework アプリケーション開発ガイド

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2.4.2 ストリーム化演算の例

ここでは,それぞれのストリーム化演算を指定した場合に,結果として出力されるストリームデータの例について説明します。なお,ここで示すのは,ウィンドウ演算に「PARTITION BY 銘柄名 ROWS 1」を指定した場合の例です。

<この項の構成>
(1) 出力リレーションに追加されたタプルを出力する指定の例(ISTREAM)
(2) 出力リレーションから削除されたタプルを出力する指定の例(DSTREAM)
(3) 出力リレーション内のタプルの集合を一定間隔で出力する指定の例(RSTREAM)

(1) 出力リレーションに追加されたタプルを出力する指定の例(ISTREAM)

ISTREAMを指定した場合の出力リレーションと結果ストリームデータの例を次の図に示します。

図2-14 ISTREAMを指定した場合の出力リレーションと結果ストリームデータの例

[図データ]

出力リレーションにタプルが追加されたときに,結果ストリームデータとして対応するタプルが出力されます。この例の場合は,出力リレーションの時刻t1にタプル「(A社,1.0)」が追加された時点で,結果ストリームデータにも時刻t1にタプル「(A社,1.0)」が出力されます。以降,時刻t2,時刻t3にタプルが追加されるたびに,結果ストリームデータに対応するタプルが出力されます。

なお,時刻t4では,タプル「(A社,0.9)」が追加されるのと同時に時刻t2で追加されたタプル「(A社,0.9)」が削除されるため,リレーションとしては変化しません。このため,結果ストリームデータには何も出力されません。

(2) 出力リレーションから削除されたタプルを出力する指定の例(DSTREAM)

DSTREAMを指定した場合の出力リレーションと結果ストリームデータの例を次の図に示します。

図2-15 DSTREAMを指定した場合の出力リレーションと結果ストリームデータの例

[図データ]

出力リレーションからタプルが削除されたときに,結果ストリームデータとしてタプルが出力されます。この例の場合は,出力リレーションのタプル「(A社,1.0)」が時刻t2で削除された時点で,結果ストリームデータにタプル「(A社,1.0)」が出力されます。

なお,時刻t4では,タプル「(A社,0.9)」が削除されるのと同時にタプル「(A社,0.9)」が追加されるため,リレーションとしては変化しません。このため,ISTREAMを指定した場合と同様に,結果ストリームデータには何も出力されません。

(3) 出力リレーション内のタプルの集合を一定間隔で出力する指定の例(RSTREAM)

RSTREAMを指定した場合の出力リレーションと結果ストリームデータの例を次の図に示します。

図2-16 RSTREAMを指定した場合の出力リレーションと結果ストリームデータの例

[図データ]

出力リレーション内の集合が,結果ストリームデータのタプルとして1秒間隔で出力されます。時刻tAには,出力リレーション内には「(A社,1.0)」だけしかないため,結果ストリームデータには「(A社,1.0)」だけが出力されます。1秒経過後の時刻tBでは,出力ストリームの集合が「(A社,0.9)(B社,1.1)」になっているため,結果ストリームデータには「(A社,0.9)(B社,1.1)」が出力されます。

以降,1秒ごとの出力リレーションの内容が,結果ストリームデータに出力されます。