JP1/ServerConductor/Deployment Manager
本製品では,日立ディスクアレイサブシステムおよびBR20環境の冗長化構成(複数パス,複数LU)でのバックアップ/リストア,およびディスク複製インストール機能の実行をサポートします。
(1)において「日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成での使用方法」,(2)において「日立ディスクアレイサブシステム環境の1パス・1LU構成での使用方法」(本製品の08-06より前の使用方法)について説明します。(3)において「BR20構成での使用方法」について説明します。
- <この節の構成>
- (1) 日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成での使用方法
- (2) 日立ディスクアレイサブシステム環境の1パス・1LU構成での使用方法(08-06より前の使用方法)
- (3) BR20構成での使用方法
(1) 日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成での使用方法
(a) 機能
本製品の機能ごとに,日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成への対応を以下の表に示します。なお,表に記載のない機能は,日立ディスクアレイサブシステム環境固有の使用方法はありません。
機能 管理対象コンピュータのサポートOS Windows Linux バックアップ ○ ○ リストア ○ ○ ディスク複製インストール ○ △※1※2
- 【記号の意味】
- ○:サポート,△:制限環境あり
- ※1 以下に示すシステム環境でRHELのディスク複製インストールはできません。
- Hitachi Dynamic Link Manager Softwareが動作しているシステム
- 複数のディスクにてシステムディスクを構成したシステム(例えば,/boot,swapはLU#0,/はLU#1で構築したように複数のディスクを利用している場合)
- ※2 以下の製品の使用によりパーシステント・バインディング機能が動作している場合は,パーシステント・バインディング機能を無効にすることにより実行できます。
- HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタのドライバ
- Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linux
- Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager Premium Edition for Linux
ただし,上記機能のシナリオ実行時に本製品が管理対象コンピュータで認識する対象ディスクへのパスは固定となります。もし,認識した対象ディスクへのパスに障害が発生した場合は,別のパスへの切替えは行われず,シナリオ実行がエラーとなります。本製品で認識する対象ディスクへのパスの詳細については,「(b) ハードウェア設定」で説明します。
なお,各機能を使用する上での注意事項については,「(e) 使用上の注意事項」に示します。
(b) ハードウェア設定
本製品を日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成で使用する場合は,管理対象コンピュータを以下のように設定します(本指定を「ブートパスが指定されている」と定義します)。
Basic環境の場合:HBA BIOSを「HBA BIOSセットアップメニュー(Basic環境)」の表のように設定
LPAR環境の場合:EFIドライバを「EFIドライバオプションパラメータ(LPAR環境)」の表のように設定
表C-1 HBA BIOSセットアップメニュー(Basic環境)
HBA BIOSセットアップメニュー 値 SET HBA BIOS ENABLE/DISABLE ENABLE SET BOOT PRIORITY BOOT PRIORITY ENABLE SELECT BOOT DEVICE ストレージ側のポートWWN SELECT LUN ブートLUのLU番号(LUN) 表C-2 EFIドライバオプションパラメータ(LPAR環境)
EFIオプションパラメータ 値 Boot Function Enabled Select Boot Device Enable/Select Boot Device Enabled Boot Device List WWPN ストレージ側のポートWWN Lun ブートLUのLU番号(LUN) ブートパスが指定されている場合,Basic環境では[SELECT BOOT DEVICE]および[SELECT LUN],LPAR環境では[Boot Device List]にて指定されたLU(これを「ブートLU」と定義します)のみが,本製品にて対象ディスクと認識されます。
ブートパスの指定がされていない場合,本製品にて対象ディスクと認識されません。
管理対象コンピュータ上に複数のHBAポートが存在し,複数のブートパスが指定されている場合は,下記の優先順位でブートパスおよびブートLUを検索します。
- PCI BUS#の小さい順
- PCI DEVICE#の小さい順
- PCI FUNCTION#の小さい順
- SELECT BOOT DEVICEまたはBoot Device Listに登録された順
上記優先順位でブートLUを検索し,最初にブートLUを認識したパスのみ有効となります。他のパスは論理的に切断された状態となります。
(例)以下に示したSAN構成,下表に示したHBA BIOS設定の場合,本製品にて選択されるブートパスは(BUS#/DEV#/FUNC#)=(5,1,0)⇔ポートWWNC⇔LU0(太線部分)となります。
- SAN構成例
- HBA BIOS設定例
HBA BIOSおよびEFIドライバの設定方法については,マニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」を参照してください。
PCI BUS#/ PCI DEVICE#/PCI FUNCTION#の値については以下のとおり確認してください。
- Basic環境:HBA BIOS設定画面
- LPAR環境:EFI ShellのPciコマンド
ブートLUが接続されていることについては以下のとおり確認してください。
- Basic環境:HBA BIOS設定画面
- LPAR環境:EFI Shellのmapコマンド
●具体例
- BS320の例
上記の例では,ブートLUのLUN0が対象ディスクとして認識されます。
- BS1000(2ポート/1HBA製品)の例
上記の例では,ブートLUのLUN0が対象ディスクとして認識されます。
(c) 本製品の設定
日立ディスクアレイサブシステム環境を冗長化構成で使用する場合は,管理サーバ for DPMインストール時の以下の画面にて選択をします。
- 「JP1/ServerConductor/Deployment Managerでパスを制御する」
管理対象コンピュータに日立ディスクアレイサブシステムを接続しており,バックアップ/リストア/ディスク複製インストール/ディスク構成チェック時のパス制御をDPMで実施する場合は,こちらをチェックします。
DPMでパス制御を実施する場合は,ファイバチャネルボードBIOSまたはEFIドライバ(Virtage LPARの場合)の設定が必要です。設定方法については,「(b) ハードウェア設定」を参照してください。
- 「JP1/ServerConductor/Deployment Manager以外でパスを制御する」
上記に該当しない場合,例えばJP1/ServerConductor/Control Managerなどのソフトでパスを制御する場合や,日立ディスクアレイサブシステムを使用していないためパスを制御する必要がない場合は,こちらをチェックします。
インストール後制御方法を変更する場合は,管理サーバ for DPMの上書きインストールを行ってください。上書きインストール時に上記ダイアログが表示されますので,使用する制御方法を選択してください。
(d) シナリオ実行の流れ
シナリオ実行の手順を以下に示します。
- 「(b) ハードウェア設定」による設定(その後ハードウェアの変更なければ最初の1回だけです)
- 「(c) 本製品の設定」において「JP1/ServerConductor/Deployment Managerでパスを制御する」を選択(最初の1回だけです)
- シナリオ実行
(e) 使用上の注意事項
日立ディスクアレイサブシステム環境固有の注意事項を示します。
●Linuxパーシステント・バインディング機能使用時のディスク複製インストール(BS1000/BS320/BS2000の場合)
パーシステント・バインディング機能が動作しているコンピュータをマスタコンピュータとして作成したディスク複製用のイメージを配布する場合,以下の手順に従って,複製するコンピュータに対してディスク複製インストールを行ってください。
- 複製先コンピュータ用のディスク複製情報を作成する。
- 複製先コンピュータの電源をONにし,FCアダプタのHBA-BIOS設定またはEFI
ドライバ設定にてパーシステント・バインディングを無効にする。
※ 変更方法は,マニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」に記載されている「Linux パーシステント・バインディング機能使用時の注意事項」,または,マニュアル「Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linuxユーザーズ・ガイド」に記載されている「パーシステント・バインディング使用時の注意事項」を参照してください。
- 複製先コンピュータの電源をOFFにする。
- リストアシナリオを実行開始する。
- リストアシナリオが完了しOSが起動する。
- 複製先コンピュータの電源をOFFにする。
- 複製先コンピュータのOSを起動し,パーシステント・バインディングの情報を複製先コンピュータに応じて変更する。
※ 変更方法は,マニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」またはマニュアル「Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linuxユーザーズ・ガイド」を参照してください。
- 複製先コンピュータの電源をONにし,FCアダプタのHBA-BIOS設定またはEFIドライバ設定にてパーシステント・バインディングを有効にする。
※ 変更方法は,マニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」に記載されている「Linux パーシステント・バインディング機能使用時の注意事項」,または,マニュアル「Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linuxユーザーズ・ガイド」に記載されている「パーシステント・バインディング使用時の注意事項」を参照してください。
- リブートしてOSを起動する。
●シナリオ実行時のパス障害
日立ディスクアレイサブシステム環境でパスの冗長化がされており,日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成に対応した機能のシナリオを実行する場合,DPMで決定した固定パスに障害が発生すると,シナリオ実行がエラーとなります。別のパスに切替えてシナリオを実行することはしません。この場合は,障害が発生しているパスを修復後に再度シナリオを実行してください。
(2) 日立ディスクアレイサブシステム環境の1パス・1LU構成での使用方法(08-06より前の使用方法)
(a) 目的
日立ディスクアレイサブシステム環境の1パス・1LU構成での使用は,本製品の08-06より前の運用を適用できるようにすることが目的です。ただし,「(1) 日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成での使用方法」による運用への移行を推奨します。
(b) 機能
日立ディスクアレイサブシステム環境において,本製品の次の機能を実行する場合は,日立ディスクアレイサブシステム環境を1パス・1LU構成にします。
- バックアップ/リストア
- ディスク複製インストール(※1,※2)
- ※1 以下に示すシステム環境でRHELのディスク複製インストールはできません。
- Hitachi Dynamic Link Manager Softwareが動作しているシステム
- 複数のディスクにてシステムディスクを構成したシステム(例えば,/boot,swapはLU#0,/はLU#1で構築したように複数のディスクを利用している場合)
- ※2 以下の製品の使用によりパーシステント・バインディング機能が動作している場合は,パーシステント・バインディング機能を無効にすることにより実行できます。
- HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタのドライバ
- Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linux
- Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager Premium Edition for Linux
なお,日立ディスクアレイサブシステム環境の1パス・1LU構成とは,次の設定をすることを示します。
管理対象コンピュータからLUまでの接続パスは1本のみとしてください。
管理対象コンピュータに接続するLUは一つだけとしてください。
(c) 本製品の設定
管理サーバ for DPMインストール時の「日立ディスクアレイシステムパス制御の選択」画面では「JP1/ServerConductor/Deployment Manager以外でパスを制御する」を選択してください。
(d) シナリオ実行の流れ
シナリオ作成時の注意事項とシナリオ実行の手順を以下に示します。
●シナリオ作成時の注意事項
[オプション]タブの[シナリオ実行条件]枠内の[実行後に電源を切断する]を選択します。
●シナリオ実行
- シナリオ実行対象サーバをシャットダウンし,電源OFFします。
管理対象サーバのOSによってはシャットダウン後,電源OFFしない場合があります。その場合は,JP1/ServerConductor/Blade Server Managerにて強制電源OFFを実行するか,手動で電源をOFFにしてください。
- Hitachi Device Manager Software,日立ディスクアレイサブシステム付属のストレージ操作製品を使用してパスの構成変更を行ないます。
構成は再度元に戻すため,変更前の構成を記録しておく必要があります。
またはJP1/ServerConductor/Control Managerのjscmdetachdiskコマンドにより1パス化を行ないます。
- シナリオを実行します。
- シナリオが完了すると自動的に電源OFFされます。電源OFF後に2.で変更した構成を元に戻します。
2.でJP1/ServerConductor/Control Managerを使用した場合は,JP1/ServerConductor/Control Managerのjscmattachdiskコマンドにより構成を元に戻します。
- 管理対象サーバを電源ONします。
4.により電源OFFした場合,JP1/ServerConductor/Deployment Manager,JP1/ServerConductor/Blade Server Manager によるWake On LAN機能での電源ONができない場合があります。この場合は手動にて電源ONしてください。
なお,「(1) 日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成での使用方法」で使用していた場合は,最初に管理サーバ for DPMの上書きインストールを行い,「(1)(c) 本製品の設定」において「JP1/ServerConductor/Deployment Manager以外でパスを制御する」を選択します。
(e) 使用上の注意事項
日立ディスクアレイサブシステム環境固有の注意事項を示します。
●Linuxパーシステント・バインディング機能使用時のディスク複製インストール(BS1000/BS320/BS2000の場合)
パーシステント・バインディング機能が動作しているコンピュータをマスタコンピュータとして作成したディスク複製用のイメージを配布する場合,以下の手順に従って,複製するコンピュータに対してディスク複製インストールを行ってください。
- 複製先コンピュータ用のディスク複製情報を作成する。
- 複製先コンピュータのLUまでの接続パスを一つかつ,接続するLUを一つにする。
- 複製先コンピュータの電源をONにし,FCアダプタのHBA-BIOS設定またはEFIドライバ設定にてパーシステント・バインディングを無効にする。
※ 変更方法はマニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」に記載されている「Linux パーシステント・バインディング機能使用時の注意事項」,または,マニュアル「Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linuxユーザーズ・ガイド」に記載されている「パーシステント・バインディング使用時の注意事項」を参照してください。
- 複製先コンピュータの電源をOFFにする。
- リストアシナリオを実行開始する。
- リストアシナリオが完了しOSが起動する。
- 複製先コンピュータの電源をOFFにする。
- 複製先コンピュータのLUまでの接続パスおよび接続するLUを元に戻す。
- 複製先コンピュータのOSを起動し,パーシステント・バインディングの情報を複製先コンピュータに応じて変更する。
※ 変更方法はマニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」またはマニュアル「Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linuxユーザーズ・ガイド」を参照してください。
- 複製先コンピュータの電源をONにし,FCアダプタのHBA-BIOS設定またはEFIドライバ設定にてパーシステント・バインディングを有効にする。
※ 変更方法はマニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズ・ガイド」に記載されている「Linux パーシステント・バインディング機能使用時の注意事項」,または,マニュアル「Hitachi Fibre Channel - Path Control Manager for Linuxユーザーズ・ガイド」に記載されている「パーシステント・バインディング使用時の注意事項」を参照してください。
- リブートしてOSを起動する。
(3) BR20構成での使用方法
(a) 機能
本製品の機能ごとに,BR20環境の冗長化構成への対応を下表に示します。なお,下表に記載のない機能は,BR20環境固有の使用方法はありません。
表C-3 BR20環境冗長化構成対応
機能 管理対象コンピュータのサポートOS Windows Linux バックアップ ○ ○ リストア ○ ○ ディスク複製インストール ○ △※1
- 【記号の意味】
- ○:サポート,△:制限環境あり
- ※1 BR20環境を1パス・1LU構成にすることにより実行できます。
- ※2 非冗長構成でのディスク複製インストールのみサポートします。
- ただし,上記機能のシナリオ実行時に本製品が管理対象コンピュータで認識する対象ディスクへのパスは固定となります。もし,認識した対象ディスクへのパスに障害が発生した場合は,別のパスへの切替えはせずシナリオ実行がエラーとなります。本製品で認識する対象ディスクはSAS拡張カードのターゲットID0のポートに接続されているLU0のディスクが対象となり,それ以外のBR20上のディスクは認識されません。ターゲットIDおよびLU番号は,BIOS設定画面にて確認できます。通常はターゲットID0のLU0のディスクがブートディスクとなりますが,バックアップやリストアに失敗する場合は,ブートディスクがターゲットID0のLU0に割りあたっていないことが考えられます。その場合はマニュアル「BS320 SAS拡張カード ユーザーズガイド」を参照し,ターゲットIDおよびLU番号をご確認ください。
(b) ハードウェアの構成と設定
●ハードウェア構成
管理対象コンピュータは,以下の機種をサポートしています。
- BladeSymphony BS320シリーズ
●ハードウェア設定
本製品をBR20環境の冗長化構成で使用する場合において,特別な設定は必要ありません。
(c) 本製品の設定内容
DPMとしてBR20固有の設定変更はありません。BR20環境の冗長化構成でDPMを使用する場合は,DPM内部にて自動的に1パス・1LU構成として認識されます。
(d) 使用上の注意事項
●シナリオ実行時のパス障害
BR20環境でパスの冗長化がされており,BR20環境の冗長化構成に対応した機能のシナリオを実行する場合,DPMで決定した固定パスに障害が発生すると,シナリオ実行がエラーとなります。別のパスに切替えてシナリオを実行することはしません。この場合は,障害が発生しているパスを修復後に再度シナリオを実行してください。
(e) トラブルシューティング
- Q1.
- 日立ディスクアレイサブシステム環境の冗長化構成でバックアップのシナリオを実行したが,シナリオがエラーとなった。原因を特定する情報はないか。
- A1.
- 管理サーバのイベントログ中のアプリケーションログにエラーとなった要因を出力するものもあります。最も考えられる要因として,管理対象コンピュータの対象となるLUが見つからなかった場合は,以下のメッセージが出力されます。
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