JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド
ネットワークスイッチ連携機能を適用するための設定について説明します。
ネットワークスイッチ連携機能の設定手順を次に示します。
ネットワークスイッチ連携機能を利用するには,JP1/Cm2/NCをBSM Plus(マネージャサービス追加機能)がインストールされているホストと同じホストにインストールし,次に示す設定をする必要があります。
JP1/Cm2/NCでの設定については,マニュアル「JP1 Version 8 JP1/Cm2/Network Element Configuration 運用・操作ガイド」またはマニュアル「JP1 Version 9 JP1/Cm2/Network Element Configuration 運用・操作ガイド」を参照してください。
ここでは,ポート情報GUI設定方式でのネットワークスイッチ情報の定義内容,定義例,および注意事項について説明します。
ポート情報GUI設定方式でスイッチ情報を設定する設定内容について説明します。
| 設定項目 | 設定内容の説明 |
|---|---|
| 外付スイッチタイプ | 追加する外付スイッチのタイプを選択します。 BS2000のLANスイッチモジュールを追加する場合は,「BS2000SWITCH」を選択してください。 BS500のLANスイッチモジュールを追加する場合は,「BS500SWITCH」を選択してください。 |
| スイッチ名称 | 追加する外付スイッチのスイッチ名を入力します。スイッチ名は,JP1/Cm2/NCで登録した名称を入力してください。 |
| >> | [スイッチ名称]に入力したスイッチ名称を[外付スイッチ名称一覧]のリストボックスへ追加します。[スイッチ名称]にスイッチ名が入力されていない場合は,非活性となって選択できません。 |
| << | [外付スイッチ名称一覧]のリストボックスで選択したスイッチ名称を削除します。[外付スイッチ名称一覧]のリストボックスにある外付スイッチタイプが選択されていないと,非活性となって選択できません。 |
| 外付スイッチ名称一覧 | [>>]ボタンで追加された外付スイッチタイプ,外付スイッチ名称を外付スイッチタイプの昇順に並べて表示します。 |
[スイッチ情報登録]ダイアログボックスの項目について説明します。
| 設定項目 | 設定内容の説明 | |
|---|---|---|
| 内蔵スイッチ情報 | シャーシID | 昇順に並んでいるシャーシIDから,スイッチ情報を設定するシャーシIDを選択します。 |
| スイッチ名称1 スイッチ名称2 |
JP1/Cm2/NCで登録された内蔵スイッチ(BS1000,BS320)のスイッチ名称を2つまで入力できます。 | |
| 外付スイッチ情報 | シャーシID | 昇順に並んでいるシャーシIDから,スイッチ情報を設定するシャーシIDを選択します。 |
| スロットID | 外付スイッチ情報を設定するスロットIDを選択します。 | |
| スイッチ名称 | [外付スイッチ名称登録]ダイアログボックスで登録された,外付スイッチ名称一覧を表示して,外付スイッチを選択します。 | |
| ポート識別子 | [外付スイッチ情報]の[スイッチ名称]で選択したネットワークスイッチのポート識別子を「NIF番号/ポート番号/IFタイプ」の形式で3〜30バイトで指定します。 NIF番号およびポート番号は整数値で指定します。IFタイプには次のどちらかを指定します。
|
|
| >> | [スロットID],[スイッチ名称],[ポート識別子]で入力された情報を[ポート情報一覧]へ追加します。[スイッチ名称],または[ポート識別子]が未入力の場合は,非活性となって選択できません。 | |
| << | [ポート情報一覧]のリストボックスで選択したスイッチ名称を削除します。[ポート情報一覧]のリストボックスにある外付スイッチタイプが選択されていないと,非活性となって選択できません。 | |
| ポート情報一覧 | [>>]ボタンで追加されたポート情報を表示します。表示はスロットIDの昇順で表示され,スロットIDが同じ場合は,スイッチ名称とポート識別子の登録された順番で表示されます。 | |
| 確認 | N+M構成との関係の整合性をチェックします。 | |
| 確認メッセージ | 不整合の場合は,チェックを中止することなく,すべてのパターンのメッセージを[確認メッセージ]ボックスに表示します。メッセージの詳細については,「9.6.4(5) ネットワークスイッチ連携機能で出力されるメッセージ」を参照してください。 | |
次の図に示す構成を例に,ポート情報GUI設定方式を使った,スイッチ情報定義例を示します。
この構成で登録する場合の手順は次のようになります。
スイッチ情報を登録している場合に,次の情報を変更したときは,必ず[スイッチ情報設定]ウィンドウで[確認]ボタンをクリックし,登録してあるスイッチ情報に間違いが無いことを確認してください。
ネットワークスイッチ連携機能を利用するには,あらかじめスイッチ情報定義ファイルを作成し,切り替え対象の情報を定義しておく必要があります。
ここでは,スイッチ情報定義ファイルの定義内容,定義例,および注意事項を示します。
スイッチ情報定義ファイルの定義内容の一覧を,次の表に示します。
表9-9 スイッチ情報定義ファイルの内容
| 定義項目名 | 説明 |
|---|---|
| シャーシID | BSM Plusが管理するシャーシIDです。 16バイト以下の文字列で定義します。シャーシIDが「#」で始まる場合は,項目全体を「"」で囲んで定義してください。 |
| スロット番号 | BSM Plusが管理するサーバモジュールのスロット番号です。 0〜7の数値で定義します。 |
| ポート識別子 | ネットワークスイッチのポート識別子です。 1〜63バイトの文字列で定義します。BS1000では,「NIF番号/ポート番号」の形式で定義します。 NIF番号は「0」で固定です。 |
| VLANドメイン | JP1/Cm2/NCが複数のVLANをまとめて管理する単位です。 1〜63バイトの文字列で定義します。 |
| スイッチ名称 | JP1/Cm2/NCが管理するネットワークスイッチのホスト名(エイリアス)です。 1〜255バイトの文字列で定義します。 |
| VLAN ID | VLAN IDです。 1〜4063の数値で定義します。 |
| VLAN情報 | VLAN情報として,ポートカテゴリを定義します。 「tagged」または「untagged」を定義します。 |
次の図に示す構成を例に,スイッチ情報定義ファイルの定義例を示します。
図9-16 スイッチ情報定義の構成例
この構成で,現用系1,現用系2,予備系を登録する場合の定義例は次のようになります。
EBS#1 ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged EBS#2 ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#2-GS0,20,untagged EBS#2 ,7,0/7,デフォルトドメイン,EBS#2-GS0,1,untagged |
この例ではSVPは1つですが,SVPを二重化している場合は,両方のSVP内蔵スイッチの設定をします。
スイッチ情報定義を変更する場合は,すでに設定されているスイッチ情報定義ファイルを出力し,新たに定義する設定に編集して再設定します。
スイッチ情報定義ファイルの出力方法については,「9.6.3(2)(b) ネットワークスイッチ連携機能を有効にする」を参照してください。
スイッチ情報定義を変更して,スイッチ情報定義ファイルの再設定とスイッチポートの設定を同時に行うと,変更前に設定されていたスイッチ情報定義ファイルとの差分が設定されます。
EBS#1 ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged EBS#1 ,7,0/7,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,1,untagged |
EBS#1 ,1,0/1,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged EBS#1 ,7,0/7,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,1,untagged |
EBS#1 ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged |
EBS#1 ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,20,untagged |
スイッチ情報定義ファイルの注意事項を示します。
ポート情報GUI設定方式でネットワークスイッチ情報を定義した場合は,N+M構成との関係の整合性をチェックするために[確認]ボタンをクリックしてチェックします。[確認メッセージ]ボックスに出力されるメッセージを次に示します。
表9-10 ネットワークスイッチ連携機能で出力されるメッセージ
| エラーレベル | メッセージ文字列 | 対処 |
|---|---|---|
| I | スイッチ登録情報を確認しています。 | − |
| I | N+1グループ(N+1グループ名)のスイッチ情報の妥当性を確認しています。 | − |
| I | 登録されたスイッチ情報は全て正常です。 | − |
| I | 登録されたスイッチ情報の確認は完了しました。 | − |
| I | 登録されたスイッチ情報にエラーが存在します。全てのエラーを解決してください。 | 登録されたスイッチ情報にエラーが存在しますので,エラーメッセージに従って,対処してください。 |
| E | スイッチ情報が登録されていません。 | スイッチ情報を登録してください。 |
| E | 内蔵スイッチ(スイッチ名称)が重複して登録されています。 | 正しいスイッチ名称を入力してください。 |
| E | 外付スイッチ(スイッチ名称)のポート(ポート識別子)が重複して登録されています。 | 正しいスイッチ名称,ポート識別子を入力してください。 |
| E | 現用系(現用系のシャーシID)と予備系(予備系のシャーシID)の内蔵スイッチの登録数が一致していません。 | 現用系と予備系の内蔵スイッチ数を同じにしてください。 |
| E | 現用系(現用系のシャーシID)と予備系(予備系のシャーシID)の内蔵スイッチの登録位置が一致していません。 | 現用系と予備系のスイッチ名の登録位置を同じにしてください。 |
| E | 現用系(現用系のシャーシID, 現用系のスロットID)と予備系(予備系のシャーシID, 予備系のスロットID)の外付スイッチの登録ポート数が一致していません。 | 現用系と予備系の外付スイッチの登録ポート数を同じにしてください。 |
| E | N+1グループが登録されていません。 | N+1グループを登録してから,スイッチ情報を登録してください。 |
| W | 現用系または予備系が登録されていないため,N+1グループ(N+1グループ名)のスイッチ情報の妥当性が確認できません。 | 該当するN+1グループに現用系,または予備系を登録し直した場合は,確認ボタンで整合性を必ずチェックしてください。 |
| E | 引き継ぎ先スイッチは引き継ぎの前提条件を満たしていません。理由={失敗理由} | 失敗理由を取り除き,操作をやり直してください。 例:引き継ぎ先に,引き継ぎ元と同じVLANを設定する。 |
| E | 引き継ぎ先設定情報の初期化に失敗しました。 | 同時に表示される,ほかのメッセージが示す失敗理由を取り除き,再度設定処理をしてください。 |
| E | 設定情報の引き継ぎに失敗しました。 | 同時に表示される,ほかのメッセージが示す失敗理由を取り除き,再度設定処理をしてください。 |
| E | 引き継ぎ元設定情報の初期化に失敗しました。 | 同時に表示される,ほかのメッセージが示す失敗理由を取り除いてください。その後,Viewを使用して,引き継ぎ元設定情報を初期化してください。 |
| E | VLAN(ID=<VLAN ID>)がスイッチに設定されていません。 | 指定されたVLANIDを作成してください。 |
| E | 引き継ぎ元スイッチと引き継ぎ先スイッチの種別,または設定できるネットワーク構成情報が異なります。 | 引き継ぎ元スイッチと引き継ぎ先スイッチのモデルは同じにしてください。または,互換可能なソフトウェアバージョンにしてください。 |
| E | 同一のポートが指定されました。 | 入力したポート番号が正しいか確認してください。 |
プリフィックスがKDNVのメッセージが出力された場合は,マニュアル「JP1 Version 8 JP1/Cm2/Network Element Configuration トラブルシューティング」またはマニュアル「JP1 Version 9 JP1/Cm2/Network Element Configuration トラブルシューティング」を参照してください。
エラーレベルが「Error」のメッセージが表示されなくなった場合,[OK]ボタンと[適用]ボタンが活性になり,スイッチ情報を登録できます。
ここでは,ネットワークスイッチのポート設定を変更するときの注意事項を示します。
N+1コールドスタンバイ機能で切り替えをするために,ネットワークスイッチのポート設定を変更する場合は,切り替えの事前確認をするときに,切り替え後のネットワークアクセスが正常であることを確認してください。
また,予備系サーバモジュールのVLANの設定は変更しないでください。設定を変更した場合はデフォルト設定に戻してください。
SMP構成を組んだサーバモジュールに対して,N+1コールドスタンバイ機能で切り替えおよび復帰をする場合,パーティションを構成するすべてのサーバモジュールに対して,接続するポート情報を定義してください。
N+1コールドスタンバイ機能で切り替えをする場合は,切り替え元のパーティションを構成するすべてのサーバモジュールのポート情報が,切り替え先に移行されます。
BS320搭載のサーバモジュールは2種類のLANデバイスを搭載しており,各LANデバイスには2つのLANポートがあります。そのため,合計4ポートが内蔵スイッチに接続されます。また,BS320では標準LAN構成および拡張LAN構成が設定されており,標準LAN構成には2ポート,拡張LAN構成ではすべてのLANポートが使用できます。引き継ぎ対象ポートは,標準LAN構成,拡張LAN構成のどちらの場合でもすべての接続ポートが引き継がれます。
現用系サーバモジュールと予備系のサーバモジュールのSVP数は,同じにしてください。SVP数が異なる場合は,N+1コールドスタンバイ機能で切り替えができません。
また,SVPを二重化した場合は,現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールで,切り替え対象のネットワークスイッチ情報の定義順を一致させてください。ネットワークスイッチ情報を定義した順序で,現用系サーバモジュールおよび予備系サーバモジュールのスイッチ情報が切り替えられます。
N+1コールドスタンバイ機能で切り替えおよび復帰を行うサーバモジュールと同一シャーシ内にN+Mコールドスタンバイ切り替えおよび復帰中のサーバモジュールがあった場合,ネットワークスイッチの設定に失敗することがあります。
このような場合,障害アラート(0x3725)が通知され,N+Mコールドスタンバイの処理が継続されます。
ネットワークスイッチの切り替え処理で警告アラートが通知された場合は,ネットワークスイッチの切り替えに失敗している可能性があるので,必ずJP1/Cm2/NCのネットワークスイッチの設定状態を確認してください。
予備系サーバモジュールが接続するネットワークスイッチのポートに,引き継ぎ対象となるネットワークスイッチ情報が設定されている場合,N+1コールドスタンバイ機能で切り替えおよび復帰時のポート設定の移行が次のようになります。
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