JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent

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3.1.1 SNMPエージェントの起動

SNMPエージェントのマスターエージェントやサブエージェントは,通常,システムの起動とともに自動的に起動されます。システムの起動時に実行されるファイルについては,「(5) システムの起動時に実行されるファイル」を参照してください。

手動で起動する場合は,スーパーユーザーでsnmpstartコマンドを実行します。snmpstartコマンドの詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「snmpstart」を参照してください。

注意事項
システムのOSがLinux,Linux (IPF)の場合は,ネイティブエージェントを起動してからsnmpstartコマンドを実行してください。

SNMPエージェントの各プロセスはインストール時のデフォルトの状態で動作できますが,SNMPエージェントが提供するプロセスの起動オプションおよび環境変数の定義をご使用の環境に合わせて設定することもできます。

次に,SNMPエージェントが提供するプロセスの起動オプションおよび環境変数の定義を常に有効にするための設定(カスタマイズ)について説明します。

<この項の構成>
(1) プロセスの起動オプションのカスタマイズおよび環境変数の定義
(2) SNMPエージェントが提供する環境変数定義ファイル
(3) 環境変数定義ファイルで指定できる起動オプション
(4) プロセスで指定できる環境変数
(5) システムの起動時に実行されるファイル

(1) プロセスの起動オプションのカスタマイズおよび環境変数の定義

SNMPエージェントを構成するエージェントは,そのエージェントのプロセスの起動オプションおよび環境変数を定義するファイル(環境変数定義ファイル)を持っています。プロセスの起動オプションおよび環境変数の定義は環境変数定義ファイルに設定します。なお,プロセスの起動オプションは環境変数で指定します。そのため,特に断りがない場合,環境変数にプロセスの起動オプションを含みます。

環境変数定義ファイルに設定した環境変数の値は,SNMPエージェント起動時に有効になります。

次に,環境変数定義ファイルの設定手順を示します。

  1. SNMPエージェントを停止する。
    SNMPエージェントの停止については,「3.1.2 SNMPエージェントの停止」を参照してください。
  2. 環境変数を定義する。
    環境変数を定義します。
    SNMPエージェントが提供する環境変数定義ファイルについては,「(2) SNMPエージェントが提供する環境変数定義ファイル」を参照してください。
    プロセスの起動オプションを指定する環境変数については,「(3) 環境変数定義ファイルで指定できる起動オプション」を,プロセスの起動オプション以外の環境変数については,「(4) プロセスで指定できる環境変数」を参照してください。
  3. SNMPエージェントを起動する。
    システムの起動またはsnmpstartコマンドを実行すると,SNMPエージェントが起動されます。

SNMPエージェントの各プロセスの環境変数の詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「プロセス」を参照してください。

参考
引数を指定してSNMPエージェントのプロセスを起動した場合,そのプロセスが停止するまで指定が有効です。プロセスのオプションを起動時に常に有効にするためには,環境変数で起動オプションを指定してください。

(2) SNMPエージェントが提供する環境変数定義ファイル

SNMPエージェントはプロセスの環境変数定義ファイルを提供しています。プロセスの環境変数定義ファイル,およびそのファイルのディレクトリ名を次の表に示します。

表3-1 SNMPエージェントが提供するプロセスの環境変数定義ファイル

SNMPエージェントが提供するプロセス ファイル名 ディレクトリ名
snmpdm SnmpMaster

Solarisの場合
/etc/rc.config.d

AIXの場合
/usr/CM2/ESA/opt

HP-UX (IPF),Linux,Linux (IPF)の場合
/opt/CM2/ESA/opt
extsubagt SnmpExtAgt
hp_unixagt SnmpHpunix
htc_unixagt1 SnmpHtcunix1
htc_unixagt2 SnmpHtcunix2
htc_unixagt3 SnmpHtcunix3
htc_monagt1 SnmpHtcMonagt1
naaagt SnmpNaa
trapdestagt SnmpTrpDst

(3) 環境変数定義ファイルで指定できる起動オプション

プロセスの起動オプションは起動オプション環境変数で指定してください。プロセスの起動オプション環境変数とその環境変数で指定できるオプションを,次の表に示します。

表3-2 プロセスの起動オプションを指定する環境変数と指定できるオプション

SNMPエージェントが提供するプロセス 起動オプション環境変数 指定できるオプション
snmpdm SNMP_MASTER_OPTIONS -aperror,-apwarm,-apverbose,-authfail,-Contact,-hexdump,-Location,-mask,-sysDescr,-tcplocal,-vbdump
extsubagt SNMP_EXTAGT_OPTIONS -e,-E,-aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry,-fcmdguard,-pipeguard,-invokeid
hp_unixagt SNMP_HPUNIX_OPTIONS -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry
htc_unixagt1 SNMP_HTCUNIX1_OPTIONS -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry
htc_unixagt2 SNMP_HTCUNIX2_OPTIONS -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry
htc_unixagt3 SNMP_HTCUNIX3_OPTIONS -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry
htc_monagt1 SNMP_HTCMONAGT1_OPTIONS -i,-t,-s,-d
naaagt SNMP_NAA_OPTIONS -aperror,-apwarn,-port,-readcomm,-writecomm,-timeout
trapdestagt SNMP_TRAPDEST_OPTIONS -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry

注※ プロセスの起動オプションの詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「プロセス」を参照してください。なお,snmpdmプロセスの起動オプション環境変数SNMP_MASTER_OPTIONSで指定できる-aperrorオプションおよび-apwarmオプションは,それぞれsnmpdmプロセスの-maskオプションのログマスク値(FACTORY_WARN,FACTORY_ERROR)に対応します。


extsubagtプロセスの起動オプションを常に有効にするための設定例を次に示します。

(例)
システム起動時またはsnmpstartコマンド実行時に,extsubagtプロセスの起動オプション-fcmdguard,-pipeguard,-invokeidが有効になるように設定します。
適用OSがSolarisの場合,環境変数定義ファイル(/etc/rc.config.d/SnmpExtAgt)のSNMP_EXTAGT_OPTION環境変数に,次のオプションを設定します。
  • FILE_COMMANDで指定したコマンドの応答監視時間を15秒
  • PIPE_IN_NAME,PIPE_OUT_NAMEで指定したパイプの応答監視時間を25秒
  • パイプによるデータの送受信データの一致判定に識別番号を使用する
 
SNMP_EXTAGT_OPTIONS="-fcmdguard 15 -pipeguard 25 -invokeid"
export SNMP_EXTAGT_OPTIONS
 

これ以降,システムの起動時または/opt/CM2/ESA/bin/snmpstartを実行すると,このオプションが有効となります。

(4) プロセスで指定できる環境変数

SNMPエージェントが提供するプロセスの環境変数定義ファイルには,次の表に示す環境変数が指定できます。なお,プロセスの起動オプション環境変数については,表3-2を参照してください。

表3-3 環境変数定義ファイルに指定できる環境変数

SNMPエージェントが提供するプロセス 指定できる環境変数
snmpdm SR_SNMP_TEST_PORT
SNMP_HTC_AUTH_LOG
SR_TRAP_TEST_PORT
SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME
SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE
SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT
extsubagt SR_SNMP_TEST_PORT
hp_unixagt SR_SNMP_TEST_PORT
SNMP_HTC_SOLARIS_SWAP_RESERVED(Solarisの場合)
SNMP_HTC_AIX_EXCEPT_FILECACHE(AIXの場合)
htc_unixagt1 SR_SNMP_TEST_PORT
SNMP_HTC_FILE_EXTEND
htc_unixagt2 SR_SNMP_TEST_PORT
htc_unixagt3 SR_SNMP_TEST_PORT
htc_monagt1 SNMP_HTCMONAGT1_START
SNMP_HTC_AIX_CPU_SMT(AIXの場合)
naaagt SR_SNMP_TEST_PORT
trapdestagt SR_SNMP_TEST_PORT

注※ 環境変数の詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「プロセス」の「外部への影響」の説明を参照してください。


(5) システムの起動時に実行されるファイル

システムの起動時に実行されるファイルを,OS別に次に示します。

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