JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent

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2.2.3 バージョンアップインストール

ここでは,SNMPエージェントをバージョンアップでインストールする場合の操作について説明します。

<この項の構成>
(1) カスタマイズした定義ファイルのバックアップ
(2) SNMPトラップ送信先ポート番号の設定(07-50以前のバージョンから上書きインストールする場合)
(3) ログ出力オプションの設定(08-00以前のバージョンから上書きインストールする場合)

(1) カスタマイズした定義ファイルのバックアップ

SNMPエージェントが提供しているファイルを直接カスタマイズしている場合は,カスタマイズしたファイルをバックアップしてから,バージョンアップを実施してください。バックアップについては,「3.4 バックアップとリストア」を参照してください。なお,SNMPエージェントのバージョンアップ時のインストールでは,次のファイルがすでに存在する場合には上書きされません。そのため,バックアップは不要です。

表2-2 バージョンアップインストールで上書きされないファイル一覧

種類 パス名 ファイル名 適用OS
Solaris AIX Linux,Linux (IPF) HP-UX (IPF)
構成定義ファイル /etc/SnmpAgent.d snmpd.conf
/etc/opt/OV/share/conf snmpmib
/etc/opt/OV/share/conf snmpmib.bin
/etc/srconf/agt naa.cnf
/opt/CM2/ESA/ext ディレクトリ配下のファイル
/usr/CM2/ESA/ext ディレクトリ配下のファイル
環境変数定義ファイル /etc/rc.config.d Snmpで始まるファイル
/opt/CM2/ESA/opt ディレクトリ配下のファイル
/usr/CM2/ESA/opt ディレクトリ配下のファイル
拡張MIB定義ファイル /etc/SnmpAgent.d snmpd.extend
コマンド /opt/OV/bin snmptrap
ファイルシステム定義ファイル /etc/SnmpAgent.d esafilesys.conf
動作ロケール定義ファイル /etc/SnmpAgent.d esalocale.conf

(凡例) ○:上書きされない。 −:該当なし。


(2) SNMPトラップ送信先ポート番号の設定(07-50以前のバージョンから上書きインストールする場合)

SNMPエージェントを07-50以前のバージョンから上書きインストールする場合でSNMP受信ポートに161/udp以外を指定しているときは,SNMPエージェントのインストール後に,SNMPトラップ送信先ポート番号(SR_TRAP_TEST_PORT環境変数)に162を指定する必要があります。

SNMPトラップ送信先ポート番号は次の手順で設定してください。

  1. snmpdmプロセスで使用されるSnmpMasterファイルに次の2行を追加する。
     
    SR_TRAP_TEST_PORT=162
    export SR_TRAP_TEST_PORT
     
  2. snmpstartコマンドでSNMPエージェントを起動する。

(3) ログ出力オプションの設定(08-00以前のバージョンから上書きインストールする場合)

SNMPエージェントを08-00以前のバージョンから上書きインストールする場合,必要なログを取得するために,上書きインストール後に次のどちらかの方法で環境変数定義ファイルを編集してください。

(a) 環境変数定義ファイルを直接編集する方法

環境変数定義ファイルを次の手順で編集してください。なお,コメント行として記載されている場合,行頭の#を削除して設定を有効にしてください。

●HP-UX(IPF)の場合

  1. snmpdmプロセスで使用されるSnmpMasterファイルのSNMP_MASTER_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_MASTER_OPTIONS="-tcplocal -aperror -apwarn -apverbose -hexdump -vbdump"
    export SNMP_MASTER_OPTIONS
     
  2. extsubagtプロセスで使用されるSnmpExtAgtファイルのSNMP_EXTAGT_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_EXTAGT_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_EXTAGT_OPTIONS
     
  3. htc_unixagt1プロセスで使用されるSnmpHtcunix1ファイルのSNMP_HTCUNIX1_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_HTCUNIX1_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_HTCUNIX1_OPTIONS
     
  4. htc_unixagt2プロセスで使用されるSnmpHtcunix2ファイルのSNMP_HTCUNIX2_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_HTCUNIX2_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_HTCUNIX2_OPTIONS
     
  5. trapdestagtプロセスで使用されるSnmpTrpDstファイルのSNMP_TRAPDEST_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_TRAPDEST_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_TRAPDEST_OPTIONS
     
  6. snmpstartコマンドでSNMPエージェントを起動する。

●HP-UX(IPF)以外の場合

  1. snmpdmプロセスで使用されるSnmpMasterファイルのSNMP_MASTER_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_MASTER_OPTIONS="-tcplocal -aperror -apwarn -apverbose -hexdump -vbdump"
    export SNMP_MASTER_OPTIONS
     
  2. extsubagtプロセスで使用されるSnmpExtAgtファイルのSNMP_EXTAGT_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_EXTAGT_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_EXTAGT_OPTIONS
     
  3. htc_unixagt1プロセスで使用されるSnmpHtcunix1ファイルのSNMP_HTCUNIX1_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_HTCUNIX1_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_HTCUNIX1_OPTIONS
     
  4. htc_unixagt3プロセスで使用されるSnmpHtcunix3ファイルのSNMP_HTCUNIX3_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_HTCUNIX3_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_HTCUNIX3_OPTIONS
     
  5. hp_unixagtプロセスで使用されるSnmpHpunixファイルのSNMP_HPUNIX_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_HPUNIX_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_HPUNIX_OPTIONS
     
  6. naaagtプロセスで使用されるSnmpNaaファイルのSNMP_NAA_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_NAA_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose -hexdump -vbdump"
    export SNMP_NAA_OPTIONS
     
  7. trapdestagtプロセスで使用されるSnmpTrpDstファイルのSNMP_TRAPDEST_OPTIONSを次のように編集する。
     
    SNMP_TRAPDEST_OPTIONS="-aperror -apwarn -apverbose"
    export SNMP_TRAPDEST_OPTIONS
     
  8. snmpstartコマンドでSNMPエージェントを起動する。

(b) インストール用バックアップファイルの環境変数定義ファイルをコピーして編集する方法

環境変数定義ファイルを次の手順で編集してください。

  1. 旧バージョンの環境変数定義ファイルを任意の場所へ退避する。
    環境変数定義ファイルの格納ディレクトリ以外の別の場所へ退避してください。
    設定ファイルのバックアップについては「3.4 バックアップとリストア」を参照してください。
  2. インストール用バックアップファイルの環境変数定義ファイルを環境変数定義ファイルのパスへコピーする。
  3. 手順1.で退避した環境変数定義ファイルと手順2.でコピーした環境変数定義ファイルを比較して差異がある場合,退避した環境変数定義ファイルの設定内容をコピーした環境変数定義ファイルに設定する。
  4. snmpstartコマンドでSNMP エージェントを起動する。

なお,環境変数定義ファイルへのパス,インストール用バックアップファイルの環境変数定義ファイルへのパスについては,「付録A SNMPエージェントのファイルの一覧」を参照してください。

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