JP1 Version 9 JP1/IT Desktop Management 運用ガイド

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1.1.2 エージェントを手動でインストールする

エージェントを手動でインストールするためには、まずエージェントのインストールセットを作成します。その後、インストールセットを利用してコンピュータにエージェントをインストールします。

インストールセットの作成方法については、「(1) インストールセットを作成する手順」を参照してください。

インストールセットを利用したエージェントのインストール方法は複数あります。インストール方法は、インストールする際に重視するポイントによって異なります。各方法を確認して、ご使用の環境に合ったインストール方法を決定してください。

利用者にインストールの作業だけをさせる場合
インストールセットを利用者が起動するように環境を準備しておくことで、利用者にセットアップの作業をさせることなく、エージェントをインストールします。利用者にインストールの作業だけをさせる方法を次に示します。

利用者にインストールの作業自体をさせたくない場合
インストールセットをファイルサーバに格納します。その後、ドメインコントローラにログオンスクリプトを登録しておくことで、利用者がWindowsにログオンしたときに、自動的にエージェントがインストールされます。利用者にインストールの作業自体をさせない方法を次に示します。

利用者にコンピュータを配布する前にインストールしたい場合
利用者にコンピュータを配布する前に、配布するコンピュータのモデルとなるコンピュータに、インストールセットを使ってエージェントをインストールします。次に、モデルとなるコンピュータのディスク全体を、専用のツールやソフトウェアを使用して配布前のコンピュータにディスクコピーします。利用者にコンピュータを配布する前にインストールする方法を次に示します。

これらのほかに、提供媒体を使用してエージェントを手動でインストールする方法もあります。この場合、セットアップの作業も必要です。

この項の構成
(1) インストールセットを作成する手順
(2) エージェントをコンピュータに導入する方法
(3) Webサーバでエージェントを公開する
(4) ファイルサーバでエージェントを公開する
(5) エージェントインストール用の媒体(CD-RやUSBメモリ)を配布する
(6) メールの添付ファイルでエージェントを配布する
(7) ログオンスクリプトを利用してエージェントをインストールする
(8) ディスクコピーでエージェントをインストールする

(1) インストールセットを作成する手順

組織内のコンピュータにエージェントをインストールして管理する場合、インストールセットを作成します。インストールセットはWebポータルに公開して利用者にダウンロードしてもらったり、CD/DVDに記録して配布したりします。利用者はインストールセットを自分のコンピュータで実行することで、簡単にエージェントをインストールできます。

インストールセットを作成する流れを次に示します。

インストールセットを作成するには:

  1. 画面上部の[実行]メニュー-[機器の管理を始めましょう]を選択します。
  2. 表示されたダイアログで[次へ]ボタンをクリックします。
  3. [機器にエージェントをインストールする方法]を選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
  4. コンピュータに適用したいエージェント設定を選択して、[作成]ボタンをクリックします。
    エージェント設定とは、各エージェントの動作を設定したものです。エージェント設定は、設定画面の[エージェント]-[エージェント設定]画面で追加できます。
    インストールフォルダを変更したり、一般権限のアカウントでもエージェントをインストールできるように設定したい場合は、それぞれの項目をチェックして、情報を入力してください。

    インストールフォルダを変更する
    エージェントのインストール先を変更できます。
    インストール先を変更したい場合はこの項目を有効にして、[インストールフォルダ]にエージェントのインストール先を入力してください。

    エージェントをインストールする際の、管理者権限を持つアカウントを設定する
    エージェントをインストールするために、Administrator権限を持つアカウント情報を設定するかどうかを選択できます。
    エージェントをインストールするためには、対象コンピュータのAdministrator権限が必要です。
    この項目を有効にすると、Administrator権限を持たない利用者がエージェントをインストールするとき、設定したアカウントでインストールが実行されます。Administrator権限は、エージェントをインストールするときだけ使用されるため、権限を制限したい利用者のコンピュータにエージェントをインストールする場合に便利です。

インストールセットのダウンロードが開始されます。

参考
設定画面の[エージェント]-[エージェント設定]画面でも、インストールセットを作成できます。コンピュータに適用したいエージェント設定の[インストールセットを作成]ボタンをクリックしてください。表示されるダイアログで情報を入力して[OK]ボタンをクリックすると、インストールセットのダウンロードが開始されます。

関連リンク

(2) エージェントをコンピュータに導入する方法

インストールセットを作成したら、インストールセットを利用してエージェントをコンピュータに導入します。インストールセットの利用例を次に示します。

Webサーバでエージェントを公開する
Webサーバにインストールセットを格納して、組織内のサイトからダウンロードできるようにします。コンピュータの利用者は、組織内のサイトからインストールセットをダウンロードしてエージェントをインストールします。

ファイルサーバでエージェントを公開する
ファイルサーバにインストールセットを格納して、ファイルサーバにアクセスしてダウンロードできるようにします。コンピュータの利用者は、ファイルサーバからインストールセットをダウンロードしてエージェントをインストールします。

エージェントインストール用の媒体を配布する
インストールセットを格納した媒体(CD-RやUSBメモリ)を作成して、この媒体をコンピュータの利用者に配布します。コンピュータの利用者は、受け取った媒体からエージェントをインストールします。

メールの添付ファイルでエージェントを配布する
インストールセットをメールに添付して、コンピュータの利用者に送信します。メールを受け取ったコンピュータの利用者は、添付されたファイルを実行してエージェントをインストールします。

ログオンスクリプトを利用してエージェントをインストールする
インストールセットを作成して、ドメインコントローラにインストールセットを実行するログオンスクリプト用のバッチファイルを格納します。コンピュータの利用者がOSにログオンしたときに、自動的にエージェントがインストールされます。

ディスクコピーでエージェントをインストールする
モデルとなるコンピュータにエージェントをインストールします。このコンピュータのディスク全体をバックアップします。エージェントを導入するコンピュータにバックアップデータをリストアすることでエージェントがインストールされます。

関連リンク

(3) Webサーバでエージェントを公開する

管理者は、作成したインストールセットを組織内のWebサーバに格納したあと、組織内のサイトからダウンロードできるようにして、利用者に公開します。

利用者はそのページにアクセスしてエージェントをインストールします。

参考
Webサーバに格納したファイルを直接ダウンロードできるURLを公開する方法もあります。

メリット
利用者にサイトのURLを一斉展開することで、多くのコンピュータに素早くエージェントをインストールできます。また、Webシステムを利用するので、アクセス制御しなくてもサーバ側にセキュリティ上の問題が発生しません。

デメリット
組織内にWebサーバを構築できる環境、およびWebサーバにアクセスできる環境が必要です。

Webサーバからエージェントをインストールするイメージを、次の図に示します。

[図]

関連リンク

(4) ファイルサーバでエージェントを公開する

管理者は、ファイル共有できるファイルサーバにインストールセットを格納します。利用者は、ファイルサーバにアクセスしてエージェントをインストールします。

メリット
利用者にインストールセットの格納先を一斉展開することで、多くのコンピュータに素早くエージェントをインストールできます。

デメリット
ファイル共有できる環境が必要です。また、ファイル共有の参照先を公開するため、公開の範囲や権限などサーバ側で確実にアクセス制御をしておく必要があります。

ファイル共有でエージェントをインストールするイメージを、次の図に示します。

[図]

関連リンク

(5) エージェントインストール用の媒体(CD-RやUSBメモリ)を配布する

管理者は、インストールセットのデータを媒体(CD-RやUSBメモリ)に書き込みます。そして、その媒体を利用者に配布します。利用者は、配布された媒体を使用してエージェントをインストールします。

メリット
Webページにセキュリティ管理用のページを作成したり、共有フォルダの環境を作成したりする必要がありません。この方法は、エージェントをインストールするコンピュータの台数が少ない場合に有効です。また、ネットワークの通信速度が遅い場合に、ネットワークに負荷をかけないでエージェントをインストールできます。利用者のコンピュータを構築するユーザー専用に、エージェントのプログラムを保持できることにもなります。

デメリット
必要な枚数分だけデータを媒体に書き込んで利用者に配布する必要があるため、展開に時間が掛かります。

CD-Rの場合を例に、媒体を配布してエージェントをインストールするイメージを、次の図に示します。

[図]

関連リンク

(6) メールの添付ファイルでエージェントを配布する

管理者は、インストールセットをメールに添付して利用者に送信します。利用者は、添付ファイルをダブルクリックしてエージェントをインストールします。

メリット
利用者にメールを一斉送信することで、多くのコンピュータに素早くエージェントをインストールできます。

デメリット
インストールセットの容量は、約30メガバイトです。そのため、インストールセットを添付して一斉に多数のあて先にメールを送信すると、メールサーバに負担が掛かったり、添付ファイルの容量に制限があるとメールを送信できなかったりします。

メールの添付ファイルでエージェントをインストールするイメージを、次の図に示します。

[図]

関連リンク

(7) ログオンスクリプトを利用してエージェントをインストールする

管理者は、インストールセットをファイルサーバに格納します。そのあと、インストールセットを実行するログオンスクリプト用のバッチファイルを作成し、Active Directoryサーバに格納しておきます。利用者がWindowsにログオンしたときに、自動的にエージェントがインストールされます。なお、すでにエージェントがインストールされている場合はインストールされません。

ログオンスクリプト用のバッチファイルの作成例を次に示します。

if %PROCESSOR_ARCHITECTURE%==AMD64 (
if not exist "%ProgramFiles(x86)%\Hitachi\jp1itdma\bin\jdnglogon.exe" (
start /w \\サーバ名\共用ディレクトリ名\ITDMAgt.exe
)
) else (
if not exist "%ProgramFiles%\Hitachi\jp1itdma\bin\jdnglogon.exe" (
start /w \\サーバ名\共用ディレクトリ名\ITDMAgt.exe
)
)

メリット
ログオンスクリプトを利用することで、利用者に作業してもらうことなくエージェントを自動的にインストールできます。そのため、利用者の操作ミスによるトラブルを避けられます。

デメリット
ファイルサーバおよびファイルサーバにアクセスできる環境が必要です。また、利用者のコンピュータはドメインで管理されていて、ログオンスクリプトを実行できる環境が必要です。

ログオンスクリプトを利用してエージェントを自動インストールするイメージを、次の図に示します。

[図]

関連リンク

(8) ディスクコピーでエージェントをインストールする

利用者にコンピュータを配布する前に、配布するコンピュータのモデルとなるコンピュータに、インストールセットを使ってエージェントをインストールします。次に、モデルとなるコンピュータのディスク全体を、専用のツールやソフトウェアを使用して配布前のコンピュータにディスクコピーします。そのあと、利用者にコンピュータを配布します。

メリット
配布する時点でエージェントのインストールおよびセットアップがすでに完了しているため、利用者がエージェントをインストールする必要がありません。そのため、利用者の操作ミスによるトラブルを避けられます。

デメリット
配布前のコンピュータだけが対象です。すでに配布されているコンピュータには、この方法でエージェントをインストールできません。

ディスクコピーでエージェントをインストールするイメージを、次の図に示します。

[図]

注意
ディスクコピーでエージェントをインストールする場合、モデルとなるコンピュータ(ディスクコピー元のコンピュータ)で、resetnid.vbsコマンドを実行する必要があります。このコマンドを実行しない場合、ディスクコピー先のコンピュータが、ディスクコピー元のコンピュータと同一の機器と識別されてしまいます。

関連リンク

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