JP1/Automatic Job Management System 3 - SOA Option Webシステム呼び出し機能編

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5.8.4 Webサービス接続環境の定義

Webサービスの接続環境として,HTTPプロキシサーバを使用する場合の設定,タイムアウトの設定,およびリトライ回数を必要に応じて設定してください。

設定する方法は,標準WSジョブとユーザーWSジョブで異なります。方法を次に示します。

標準WSジョブを使用する場合
JP1/AJS3 - SOA Optionが提供するWS接続環境設定ファイルに設定します。設定方法については,「(1)WS接続環境設定ファイルの定義」を参照してください。

ユーザーWSジョブを使用する場合
使用するWebアプリケーションごとに,設定方法を説明します。

Cosminexus Application Serverを使用する場合
JP1/AJS3 - SOA Optionが提供するクライアント定義ファイルに設定します。設定方法については,「(2)クライアント定義ファイルの定義」を参照してください。

WebSphere Application ServerまたはWebLogic Serverを使用する場合
ユーザーWSプログラムに実装してください。

ここでは,WS接続環境設定ファイル,およびクライアント定義ファイルに定義できる項目と設定例について説明します。

なお,Cosminexus Application Serverを使用する場合で,標準WSジョブとユーザーWSジョブを併用するときは,「(3)標準WSジョブとユーザーWSジョブを併用する場合の注意事項」も参照してください。

<この項の構成>
(1) WS接続環境設定ファイルの定義
(2) クライアント定義ファイルの定義
(3) 標準WSジョブとユーザーWSジョブを併用する場合の注意事項

(1) WS接続環境設定ファイルの定義

WS接続環境設定ファイルajsws_ws.confに定義できる環境設定パラメーター,WS接続環境設定ファイルの定義例,および定義時の注意事項について説明します。

(a) WS接続環境設定ファイルajsws_ws.confに定義できる環境設定パラメーター

WS接続環境設定ファイルajsws_ws.confに定義できる環境設定パラメーターを次の表に示します。

表5-4 ajsws_ws.confに定義できる環境設定パラメーター一覧

環境設定パラメーター名 定義内容
proxy_host HTTPプロキシサーバのホスト名
non_proxy_hosts HTTPプロキシサーバを使用しないホスト名群
proxy_port HTTPプロキシサーバのポート番号
proxy_user HTTPプロキシサーバの認証ユーザーID
proxy_password HTTPプロキシサーバの認証ユーザーIDに対応するパスワード
socket_write_timeout クライアントのソケットの書き込みタイムアウト時間
socket_read_timeout クライアントのソケットの読み込みタイムアウト時間
socket_connect_timeout クライアントのソケットの接続タイムアウト時間
retry_count Webサービスの接続に失敗した場合のリトライ回数
retry_interval Webサービスの接続に失敗した場合のリトライ間隔

注※
WebSphere Application ServerまたはWebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターに値を設定しても無効になります。

次に,各環境設定パラメーターの定義内容について説明します。

proxy_host
WebサービスとのHTTP通信でHTTPプロキシサーバを経由する場合,HTTPプロキシサーバのホスト名を設定します。
255バイト以内で設定します。

non_proxy_hosts
WebサービスとのHTTP通信でHTTPプロキシサーバを経由しないホストがある場合,そのホスト名を設定します。
65,535バイト以内で設定します。
複数のホスト名を設定する場合は,「|」で区切って設定します。
HTTPプロキシサーバのホスト名(proxy_host)およびHTTPプロキシサーバのポート番号(proxy_port)が設定されていない場合,ここに設定した値は無視されます。

proxy_port
WebサービスとのHTTP通信でHTTPプロキシサーバを経由する場合,HTTPプロキシサーバのポート番号を設定します。
1024〜65535の範囲で設定します。

proxy_user
WebサービスとのHTTP通信でHTTPプロキシサーバを経由する場合,HTTPプロキシサーバの認証ユーザーIDを設定します。
255バイト以内で設定します。
HTTPプロキシサーバのホスト名(proxy_host)およびHTTPプロキシサーバのポート番号(proxy_port)が設定されていない場合,ここに設定した値は無視されます。

proxy_password
WebサービスとのHTTP通信でHTTPプロキシサーバを経由する場合,HTTPプロキシサーバの認証ユーザーIDに対応するパスワードを設定します。
255バイト以内で設定します。
HTTPプロキシサーバのホスト名(proxy_host)およびHTTPプロキシサーバのポート番号(proxy_port)が設定されていない場合,ここに設定した値は無視されます。

socket_write_timeout
Webサービスとの接続時の,クライアントのソケットの書き込みタイムアウト時間を設定します。
0〜86,400秒の範囲で設定します。
デフォルトでは,「60」秒が設定されます。
このパラメーターに「0」を設定した場合は,タイムアウトの監視はしません。
なお,WebSphere Application ServerまたはWebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターに値を設定しても無効になります。

socket_read_timeout
Webサービスとの接続時の,クライアントのソケットの読み込みタイムアウト時間を設定します。
0〜86,400秒の範囲で設定します。
デフォルトでは,「300」秒が設定されます。
このパラメーターに「0」を設定した場合は,タイムアウトの監視はしません。
なお,WebSphere Application ServerまたはWebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターに値を設定しても無効になります。

socket_connect_timeout
Webサービスとの接続時の,クライアントのソケットの接続タイムアウト時間を設定します。
0〜86,400秒の範囲で設定します。
デフォルトでは,「60」秒が設定されます。
このパラメーターに「0」を設定した場合は,接続タイムアウトの監視はしません。
なお,WebSphere Application ServerまたはWebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターに値を設定しても無効になります。

retry_count
Webサービスとの接続時の,リトライの回数を設定します。
0〜9の数値を設定します。
デフォルトでは,「3」が設定されます。
このパラメーターに「0」を設定した場合はリトライしません。

retry_interval
Webサービスとの接続時の,リトライの間隔を設定します。
0〜60秒の範囲で設定します。
デフォルトでは,「10」秒が設定されます。
リトライ回数(retry_count)が「0」の場合,このパラメーターに設定した値は無視されます。
このパラメーターに「0」を設定した場合,間隔を空けないでリトライします。

注※
ジョブ定義時にジョブ打ち切り時間を設定する場合,リトライが終わらないうちにジョブの打ち切りが発生しないように考慮してタイムアウト時間,リトライ回数,およびリトライ間隔を設定してください。

(b) WS接続環境設定ファイルの定義例

WS接続環境設定ファイルajsws_ws.confの定義例を次に示します。

WebアプリケーションサーバがCosminexus Application Serverの場合
 
proxy_host=ProxyHostName
non_proxy_hosts=HostName1|HostName2
proxy_port=8080
proxy_user=user1
proxy_password=password
socket_write_timeout=12
socket_read_timeout=60
socket_connect_timeout=180
retry_count=1
retry_interval=5
 

WebアプリケーションサーバがWebSphere Application ServerまたはWebLogic Serverの場合
 
proxy_host=ProxyHostName
non_proxy_hosts=HostName1|HostName2
proxy_port=8080
proxy_user=user1
proxy_password=password
retry_count=1
retry_interval=5
 

(c) 定義時の注意事項

(2) クライアント定義ファイルの定義

クライアント定義ファイルc4webcl.propertiesに定義できる項目,クライアント定義ファイルの定義例,および定義時の注意事項について説明します。

(a) クライアント定義ファイルc4webcl.propertiesに定義できる項目

Cosminexusのクライアント定義ファイルのうち,JP1/AJS3 - SOA Optionで使用する定義項目を次の表に示します。

表5-5 クライアント定義ファイルの定義項目

環境設定パラメーター名 定義内容
c4web.logger.log_file_prefix
トレースファイル,アプリケーションログのプレフィクス(「ajsws」固定)
c4web.application.proxy_host
HTTPプロキシサーバのホスト名
c4web.application.non_proxy_hosts
HTTPプロキシサーバを使用しないホスト名群
c4web.application.proxy_port
HTTPプロキシサーバのポート番号
c4web.application.proxy_user
HTTPプロキシサーバの認証ユーザーID
c4web.application.proxy_password
HTTPプロキシサーバの認証ユーザーIDに対応するパスワード
c4web.application.socket_write_timeout
クライアントのソケットの書き込みタイムアウト値
c4web.application.socket_read_timeout
クライアントのソケットの読み込みタイムアウト値
c4web.application.socket_connect_timeout
クライアントのソケットの接続タイムアウト値

ファイルのフォーマット,文字コード,および定義内容については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ V8 SOAPアプリケーション開発の手引」のクライアント定義ファイルの設定について記載している個所を参照してください。

(b) クライアント定義ファイルの定義例

クライアント定義ファイルc4webcl.propertiesの定義例を次に示します。

 
c4web.logger.log_file_prefix=ajsws
 

(c) 定義時の注意事項

(3) 標準WSジョブとユーザーWSジョブを併用する場合の注意事項

Cosminexus Application Serverを使用する場合で,標準WSジョブとユーザーWSジョブを併用するとき,WS接続環境設定ファイルとクライアント定義ファイルの両方を定義する必要があります。

両方のファイルを定義すると,WSジョブの実行時は,次のようにファイルが参照されます。

表5-6 WSジョブの実行時に参照されるファイル

  WS接続環境設定ファイル クライアント定義ファイル
標準WSジョブの実行時
ユーザーWSジョブの実行時

(凡例)
○:優先して参照される
△:優先するファイルがない場合に参照される
−:参照されない

WS接続環境設定ファイルに定義していない項目がクライアント定義ファイルに定義されていた場合,標準WSジョブの実行時に,クライアント定義ファイルの値が参照されます。

標準WSジョブの実行時に,クライアント定義ファイルの内容が参照されると問題がある場合は,WS接続環境設定ファイルに必要な項目が定義されているかを必ず確認してください。

WS接続環境設定ファイルとクライアント定義ファイルの環境設定パラメーター名の対応を次に示します。

表5-7 環境設定パラメーター名の対応

定義内容 WS接続環境設定ファイルの環境設定パラメーター名 クライアント定義ファイルの環境設定パラメーター名
HTTPプロキシサーバのホスト名
proxy_host
c4web.application.proxy_host
HTTPプロキシサーバを使用しないホスト名群
non_proxy_hosts
c4web.application.non_proxy_hosts
HTTPプロキシサーバのポート番号
proxy_port
c4web.application.proxy_port
HTTPプロキシサーバの認証ユーザーID
proxy_user
c4web.application.proxy_user
HTTPプロキシサーバの認証ユーザーIDに対応するパスワード
proxy_password
c4web.application.proxy_password
クライアントのソケットの書き込みタイムアウト値
socket_write_timeout
c4web.application.socket_write_timeout
クライアントのソケットの読み込みタイムアウト値
socket_read_timeout
c4web.application.socket_read_timeout
クライアントのソケットの接続タイムアウト値
socket_connect_timeout
c4web.application.socket_connect_timeout
リトライ回数
retry_count
リトライ間隔
retry_interval

(凡例)
−:WS接続環境設定ファイルに定義していない場合,参照されません。

注※
non_proxy_hosts,proxy_port,およびproxy_passwordは,WS接続環境設定ファイルに値を設定しても,WS接続環境設定ファイルのproxy_hostまたはproxy_portの設定が省略されていた場合,クライアント定義ファイルに設定した値が参照されます。例を次に示します。

(例)
1. WS接続環境設定ファイルに次の項目が設定されている場合
non_proxy_hosts,proxy_user,proxy_password(proxy_hostとproxy_portの設定が省略されている)
2. クライアント定義ファイルに次の項目が設定されている場合
c4web.application.proxy_host,c4web.application.proxy_port,c4web.application.non_proxy_hosts,c4web.application.proxy_user,c4web.application.proxy_password(WS接続環境設定ファイルのproxy_hostとproxy_portに対応する項目に値が設定されている)
 
1.と2.の両方が該当する場合,次の値が参照されます。
  • HTTPプロキシサーバのホスト名:クライアント定義ファイルのc4web.application.proxy_host
  • HTTPプロキシサーバのポート番号:クライアント定義ファイルのc4web.application.proxy_port
  • HTTPプロキシサーバを使用しないホスト名群:クライアント定義ファイルのc4web.application.non_proxy_hosts※1
  • HTTPプロキシサーバの認証ユーザーID:クライアント定義ファイルのc4web.application.proxy_user※1
  • HTTPプロキシサーバの認証ユーザーIDに対応するパスワード:クライアント定義ファイルのc4web.application.proxy_password※1
    注※1 WS接続環境設定ファイルの値は参照されません。

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