JP1/Performance Management 設計・構築ガイド
- <この項の構成>
- (1) PFM - AgentおよびPFM - RMの接続数の上限を増やす方法
- (2) レコード収集間隔により再接続処理が多発する場合
(1) PFM - AgentおよびPFM - RMの接続数の上限を増やす方法
PFM - Managerに接続するPFM - AgentまたはPFM - RMの数が多くなり,接続数の上限を超えると,PFM - AgentまたはPFM - RMとの間で接続待ちや再接続が頻発します。その結果,PFM - Managerの負荷が急激に高くなり,次の現象が発生してPFM - Managerへ長時間接続できなくなる場合があります。
- PFM - Web Consoleの操作がタイムアウトする
- PFM - AgentまたはPFM - RMの起動時に,スタンドアロンモードから通常の起動モードへ長時間移行しない
この現象が発生する場合は,PFM - Managerで次の手順を実施してください。
- PFM - Managerとの通信が発生しない時間の最大値を次の手順で見積もる。
(1) PFM - Managerに接続するPFM - AgentおよびPFM - RMごとに,レコードの収集間隔(単位:秒)の最小値を求めます。
(2) (1)で求めた収集間隔のうち,最大の収集間隔(単位:秒)を求めます。
(3) 「(2)で求めた収集間隔+60」と360を比較し,大きいほうの値がPFM - Managerとの通信が発生しない時間(単位:秒)の最大値となります。
- jpccomm.iniファイルの[Name Server Section],[Master Manager Section],[Correlator Section]セクションの,「NS Connection Timeout」および「NS Maximum Connections」ラベルを編集する。
jpccomm.iniファイルの格納先は次のとおりです。環境ディレクトリは,jpcconf ha setupコマンド実行時に指定したディレクトリを指します。
jpccomm.iniファイルの編集個所は次のとおりです。
OS jpccomm.iniファイルの格納先 Windowsの場合
- PFM - Managerが物理ホスト環境の場合
インストール先フォルダ\jpccomm.ini
- PFM - Managerが論理ホスト環境の場合
環境ディレクトリ\jp1pc\jpccomm.ini
UNIXの場合
- PFM - Managerが物理ホスト環境の場合
/opt/jp1pc/jpccomm.ini
- PFM - Managerが論理ホスト環境の場合
環境ディレクトリ/jp1pc/jpccomm.ini
- [変更前]
NS Connection Timeout=70 : NS Maximum Connections=100
- [変更後]
NS Connection Timeout=手順1で算出したPFM - Managerとの通信が発生しない時間の最大値 : NS Maximum Connections=1500- PFM - Managerを再起動する。
設定後も同じ現象が発生する場合は,「(2) レコード収集間隔により再接続処理が多発する場合」を参照して,レコード収集期間を変更してください。
- 参考
- PFM - Manager 09-00以降を新規にインストールした環境では,「NS Maximum Connections」の初期値は1500に設定されています。
(a) PFM - Managerとの通信が発生しない時間の見積もり例
この例では,次の条件を基に説明します。
- PFM - Agent for OracleのインスタンスAの収集するレコード
レコードaの収集間隔:180秒
レコードbの収集間隔:300秒
- PFM - Agent for SQL ServerのインスタンスBの収集するレコード
レコードaの収集間隔:360秒
レコードbの収集間隔:3,600秒
この場合の,PFM - Managerとの通信が発生しない時間の最大値の算出方法を次に示します。
- PFM - Agentのインスタンスごとに,収集間隔の最小値を求める。
インスタンスAの収集間隔の最小値:180秒
インスタンスBの収集間隔の最小値:360秒
- 手順1で求めたインスタンスごとの収集間隔の最小値のうちの,最大値を求める。
180秒(インスタンスA) < 360秒(インスタンスB)
この結果,インスタンスBの360秒が最大値と判断できます。
- 「手順2で求めた最大値+60」と360とを比較する。
360+60(=420) > 360
大きいほうの値がPFM - Managerとの通信が発生しない時間の最大値となるため,この場合のPFM - Managerとの通信が発生しない時間の最大値は420秒となります。
(2) レコード収集間隔により再接続処理が多発する場合
同一装置内のPFM - ManagerまたはPFM - Baseが09-00以前の場合,PFM - Agentでは収集されている全レコードの収集間隔の最小値が60秒以上,PFM - RMでは収集されている全レコードの収集間隔の最小値が300秒以上に設定されていると,収集するたびにPFM - Managerへの再接続処理が実行されます。
このように設定されているPFM - AgentまたはPFM - RMが多いと,PFM - Managerへの再接続処理が集中し,PFM - AgentまたはPFM - RMからPFM - Managerへのイベント送信に失敗するなど,通信処理が失敗することがあります。
このような現象が発生する場合は,収集間隔の最小値を60秒より大きい値に設定しているPFM - Agentのホスト,または収集間隔の最小値を300秒より大きい値に設定しているPFM - RMのホストで次の設定をすることで,PFM - Managerへの負荷を軽減できます。
- PFM - AgentホストまたはPFM - RMホストの収集間隔の最小値を求める。
(a) PFM - AgentまたはPFM - RMが収集しているレコードまたはアラーム評価に使用しているレコードに対して設定されている収集間隔の最小値(単位:秒)をPFM - AgentまたはPFM - RMのインスタンスごとに求める。
(b) 同じPFM - Agent製品またはPFM - RM製品のインスタンスが複数ある場合は,(a)で求めた最小値をインスタンス間で比較し,最大値を求める(同じPFM - Agent製品またはPFM - RM製品のインスタンス数が一つの場合は,(a)で求めた値を使用します)。
- jpccomm.iniファイルの[Agent Collector x Section]の「NS Cache Maintenance Time」ラベルを編集する。
[Agent Collector x Section]の「x」には,PFM - AgentまたはPFM - RMごとに固有のプロダクトIDが入ります。PFM - AgentまたはPFM - RMのプロダクトIDは,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの識別子一覧を参照してください。
jpccomm.iniファイルの格納先は次のとおりです。環境ディレクトリは,jpcconf ha setupコマンド実行時に指定したディレクトリを指します。
jpccomm.iniファイルの編集個所は次のとおりです。
OS jpccomm.iniファイルの格納先 Windowsの場合
- PFM - AgentまたはPFM - RMが物理ホスト環境の場合
インストール先フォルダ\jpccomm.ini
- PFM - Agentが論理ホスト環境の場合
環境ディレクトリ\jp1pc\jpccomm.ini
UNIXの場合
- PFM - AgentまたはPFM - RMが物理ホスト環境の場合
/opt/jp1pc/jpccomm.ini
- PFM - Agentが論理ホスト環境の場合
環境ディレクトリ/jp1pc/jpccomm.ini
- [変更前]
NS Cache Maintenance Time=70
- [変更後]
NS Cache Maintenance Time=手順1で算出した収集間隔の最小値 + 10- PFM - Agentを再起動する。
(a) 収集間隔の見積もり例
この例では,次の条件を基に説明します。
- ホスト1(PFM - Agent for Oracle)のインスタンスAのレコード収集間隔
レコードa:180秒
レコードb:300秒
- ホスト1(PFM - Agent for Oracle)のインスタンスBのレコード収集間隔
レコードa:300秒
レコードc:600秒
- ホスト2(PFM - Agent for SQL Server)のインスタンスCのレコード収集間隔
レコードa:60秒
レコードb:600秒
この場合の,ホスト1とホスト2での見積もりと修正方法を次に示します。
- ホスト1の場合
- ホスト1上のPFM - Agent for Oracleで,インスタンスごとに収集するレコードの収集間隔の最小値を求める。
インスタンスA:180秒
インスタンスB:300秒
- インスタンスが複数あるため,レコードの収集間隔を比較して最大値を求める。
180秒(インスタンスA) < 300秒(インスタンスB)
この結果,インスタンスBの300秒がPFM - Agent for Oracleの最大値と判断できます。
- 2で求めた最大値に10を加算する。
300 + 10 = 310秒
- jpccomm.iniファイルの[Agent Collector O Section]セクションの設定値を次のように変更する。
NS Cache Maintenance Time=310
- ホスト2の場合
- ホスト2上のPFM - Agent for SQL Serverでは,収集するレコードの収集間隔の最小値は60秒となります。そのため,jpccomm.iniファイルの[Agent Collector Q Section]セクションは,変更の必要はありません。
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