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25.1.1 concrete valuetype

concrete valuetypeには,状態データがあります。次のように通常のIDLの表現形式を拡張したものです。

<この項の構成>
(1) valuetypeの派生
(2) 共用セマンティクス
(3) ヌルセマンティクス
(4) ファクトリ

(1) valuetypeの派生

concrete valuetypeを別のconcrete valuetypeから派生させることができますが,valuetypeは,別の複数のabstract valuetypeから派生させることもできます。

(2) 共用セマンティクス

valuetypeインスタンスは,別のインスタンスのvaluetypeと共用できます。struct,union,またはsequenceのようなほかのIDLデータ型は共用できません。共用されるvaluetypeは,送信コンテキストおよび受信コンテキスト間で同じ型です。

さらに,同じvaluetypeが複数の引数のオペレーションに渡されると,受信コンテキストは両方の引数の同じvaluetypeリファレンスを受け取ります。

(3) ヌルセマンティクス

ヌルvaluetypeは,struct,union,sequenceのようなIDLデータ型と異なり,ネットワーク越しに渡せます。例えば,structをボックス型valuetypeとしてボックス化すると,ヌル値structを渡せます。詳細については,「25.4 ボックス型valuetype」を参照してください。

(4) ファクトリ

ファクトリは,移植性のあるvaluetypeを生成するために,valuetypeで宣言できるメソッドです。ファクトリの詳細については,「25.3 ファクトリのインプリメント」を参照してください。