Cosminexus システム構築ガイド

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11.3 システムの構成定義

この節では,バッチアプリケーションを実行するシステムの構成定義について説明します。

Webシステムは,一つの業務システムに対応し,運用ドメイン内に複数配置できます。運用管理ドメインは,Management Serverが同一の運用管理ポリシーを適用して,複数のサーバをまとめて管理する範囲のことです。

Webシステムの構成は,Management ServerのSmart Composer機能の簡易構築定義ファイルで定義します。システム構成に応じて,その機能を実現するために必要な論理サーバや,サーバマシンをWebシステム内に適切に配置して,システムの構成を定義してください。なお,システムの構成を検討する指針については,マニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」を参照してください。

●簡易構築定義ファイルの作成

簡易構築定義ファイルはテキストエディタを使用して作成しますが,テンプレートファイルが用意されているので,構成の基本情報を設定するだけで作成できます。

簡易構築定義ファイルの作成手順を次に示します。

  1. 簡易構築定義ファイルのテンプレートファイルを任意の場所にコピーします。
    テンプレートファイルは次の場所に格納されています。
    Windowsの場合
    <Cosminexusインストールディレクトリ>\manager\config\templates\
    UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/config/templates/
  2. 簡易構築定義ファイルのテンプレートファイルを任意の名称に変更します。
    テキストエディタなどを利用して,簡易構築定義ファイルに手順3.〜手順6.の情報を定義します。
  3. Management Serverで運用するWebシステム名,Webシステムの表示名などを定義します。
    1Webシステムは,<web-system>タグから</web-system>タグまでの範囲に定義します。
  4. システム構成に応じて,物理ティアを定義します。必要に応じて,論理サーバ全体で共通のコンフィグレーションを定義します。
    システム構成に応じて,その機能を実現するために必要な論理サーバが決定されます。Smart Composer機能では,同一のデプロイメント(論理サーバの配置,定義設定など)を適用するホスト(サーバマシン)の集合を物理ティアという単位で定義します。バッチサーバの場合,物理ティアにはj2ee-tierを使用します。
    物理ティアは,<tier>タグから</tier>タグまでの範囲に,物理ティアの種類や,論理サーバ全体で共通のコンフィグレーションなどを定義します。
  5. 論理サーバ(サービスユニット)を配置するホストを定義します。必要に応じて,論理サーバごとのコンフィグレーションを定義します。
    Smart Composer機能では,論理サーバの集合をサービスユニットという単位で定義します。サービスユニットは,<unit>タグから</unit>タグまででの範囲に,サービスユニットを配置するホストや,そのホストが属する物理ティア,論理サーバごとのコンフィグレーションなどを定義します。
  6. ホストを定義します。
    物理ティアに属するホストのホスト名や,運用管理エージェントのホスト名などを定義します。ホストは,Webシステムに依存しません。Management Serverで定義済みのホストを利用する場合は,ホストの定義を省略できます。ホストは,<host>タグから</host>タグまでの範囲に定義します。
  7. 手順3.〜手順6.で定義した情報を反映します。

Smart Composer機能の簡易構築定義ファイルの詳細や,Webシステム,物理ティアおよびサービスユニットの概要については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。

●論理サーバのコンフィグレーション定義

論理サーバの動作設定や,機能を使用するための設定などは,論理サーバのコンフィグレーションで定義します。論理サーバのコンフィグレーションは,論理サーバ全体,および論理サーバごとに定義できます。論理サーバ全体で共通の定義を設定する場合は物理ティアで,論理サーバごとの定義を設定する場合はサービスユニットで定義します。物理ティアで定義すると,その物理ティアに属するホストに配置する論理サーバ全体で共通のコンフィグレーションが設定されます。コンフィグレーション定義時に使用する簡易構築定義ファイルの主なタグを次の表に示します。

表11-1 論理サーバのコンフィグレーション定義時に使用する簡易構築定義ファイルの主なタグ

タグ名称 説明
<configuration> 論理サーバの動作環境を設定します。動作環境を設定する論理サーバの種類は,<logical-server-type>タグで指定します。バッチサーバの場合,j2ee-serverを指定します。
<configuration>タグは,物理ティアの定義(<tier>タグ内),およびサービスユニットの定義(<unit>タグ内)に設定できます。<tier>タグ内または<unit>タグ内のどちらの<configuration>タグに設定するかによって,設定内容を適用する論理サーバの範囲が異なります。論理サーバ全体で共通の設定を変更したい場合は,<tier>タグ内の<configuration>タグを編集し,特定の論理サーバの設定を変更したい場合は,<unit>タグ内の<configuration>タグを編集します。
<logical-server-type> <configuration>タグで動作環境を設定する論理サーバの種類を定義します。定義できる論理サーバの種類を次に示します。
  • 論理J2EEサーバ:j2ee-server
  • 論理パフォーマンストレーサ:performance-tracer
バッチサーバは論理J2EEサーバとして定義します。
<param> 論理サーバの動作環境を設定するパラメタ(パラメタ名と値の組み合わせ)を定義します。1種類のパラメタごとに<param>タグで囲んで定義します。
<param-name> 論理サーバの動作環境を設定するパラメタの名称を定義します。
<param-value> <param-name>タグで指定したパラメタの設定値を定義します。

注 各論理サーバの<configuration>タグ内で,パラメタ名(<param-name>タグ)と値(<param-value>タグ)の設定を省略すると,論理サーバの動作環境にはデフォルトの値が設定されます。デフォルトの設定のままで利用する場合は,定義不要です。


Smart Composer機能の簡易構築定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。なお,機能を使用するために設定する項目のうち,一部の設定項目は,簡易構築定義ファイルで定義できません。簡易構築定義ファイルで設定できない項目は,ほかのユーザ定義ファイルを使用して定義します。機能を使用するための設定の詳細については,「12.1 バッチサーバの動作設定の方法」を参照してください。また,機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を参照してください。