Cosminexus システム構築ガイド

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9.5.2 テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れ

テストモードは,J2EEアプリケーションをテスト用に動作させるための動作モードです。J2EEアプリケーションを新規作成した場合や,すでに動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替える場合,本番運用を開始する前に,まず本番環境で問題なく動作するのを確認したいことがあります。このような場合にテストモードを使用します。

<この項の構成>
(1) テストモードについて
(2) テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れ

(1) テストモードについて

J2EEアプリケーションのテストモードでの動作確認には,サーバ管理コマンドを使用します。

テストモードで動作中のJ2EEアプリケーションに対してできる操作を次に示します。テストモードでのJ2EEアプリケーションの運用については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。

Management Serverでは,J2EEアプリケーションをテストモードでインポートして動作確認することはできません。ただし,次の場合には,Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)で,テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションの稼働情報が参照できます。

(2) テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れ

ここでは,新規作成したJ2EEアプリケーションをテストモードで実行して問題なく動作することを確認してから,J2EEアプリケーションの動作モードを通常モードに切り替えて,本番運用を開始する場合の操作について説明します。すでに動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替える場合には,動作中のJ2EEアプリケーションの停止や退避などの操作が必要になります。J2EEアプリケーションの入れ替えと保守については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。

なお,Webアプリケーションを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,あらかじめ次の作業が必要です。

  1. リダイレクタの設定(URLのマッピング)
    通常モードのコンテキストルートを含むURLのマッピングに加えて,テストモードのコンテキストルートを含むURLのマッピングを設定してください。Webアプリケーションを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,Webアプリケーションのコンテキストルートにプリフィックス「_test_」を付けたものが,コンテキストルートとして使用されます。例えば,通常モードのコンテキストルートが「/jsptobean」の場合,テストモードのコンテキストルートは「/_test_/jsptobean」になります。
    URLのマッピングについては,「7.2.2 URLパターンでのリクエスト振り分けの設定」を参照してください。
  2. Webサーバの再起動
    Webサーバを再起動して,リダイレクタの設定を有効にしてください。

ここでは,上記の作業が済んでいることを前提に,テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定について説明します。

テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れを次の図に示します。

図9-14 テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れ

[図データ]

図中の1.〜6.について説明します。

  1. サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションをテストモードでインポートします。
    J2EEアプリケーションのインポートには,cjimportappコマンドで-testを指定します。
  2. 必要に応じて,サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションのプロパティを定義します。
    J2EEアプリケーションのプロパティの定義には,cjgetapppropコマンドおよびcjsetapppropコマンドで-testを指定します。cjgetappprop -testで各属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetappprop -testで編集内容を反映させます。
    J2EEアプリケーションのプロパティの定義で設定できる内容については,「9.6.3 J2EEアプリケーションのプロパティ定義で設定できること」を参照してください。
  3. サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションをテストモードで開始します。
    cjstartappコマンドで-testを指定して,J2EEアプリケーションをテストモードで運用します。
  4. テストを実施します。
    テストモード用に設定した特定のクライアントから適宜操作を実行し,テストを実施して問題ないことが確認できたら,手順5.に進みます。
    テスト結果に問題があった場合は,J2EEアプリケーションを修正して,手順1.からもう一度実行してください。なお,同じ名称のJ2EEアプリケーションは同じモードで登録できません。このため,テストが失敗したテストモードのJ2EEアプリケーションは,cjdeleteappコマンドで-testを指定して削除してください。
    ポイント
    • テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションは,テストモード用に設定した特定のクライアントからだけ利用できます。Webアプリケーションを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,Webアプリケーションのコンテキストルートにプリフィックス「_test_」を付けたものが,コンテキストルートとして使用されます。例えば,コンテキストルートが「/jsptobean」で,本番運用でのURLが「http://www.hitachi.co.jp/jsptobean/account.jsp」の場合,テストモードでのURLは,「http://www.hitachi.co.jp/_test_/jsptobean/account.jsp」になります。テスト用のクライアントからはこのURLを使用してJ2EEアプリケーションに対して操作を実行してください。
    • EJBを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,EJBはテスト用の名前空間に登録されます。EJBクライアントアプリケーションからEJBを呼び出す場合には,通常モード用の名前空間のルートコンテキスト名で始まる検索文字列「HITACHI_EJB/…」ではなく,テストモード用の名前空間のルートコンテキスト名で始まる検索文字列「$HITACHI_TEST/…」を指定してlookupを実行してください。
  5. サーバ管理コマンドを使用して,テストモードで運用しているJ2EEアプリケーションを停止します。
    cjstopappコマンドで-testを指定して,J2EEアプリケーションを停止します。
  6. サーバ管理コマンドを使用して,テストモードで運用していたJ2EEアプリケーションの動作モードを通常モードに変更します。
    cjchmodappコマンドで-test -mode normalを指定して,J2EEアプリケーションの動作モードを通常モードに変更します。

サーバ管理コマンドでの操作については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。また,コマンドや属性ファイルについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」,またはマニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。