この節では,インプロセスHTTPサーバの設定手順について説明します。
J2EEサーバのプロセス内で提供されるWebサーバ機能を使用して,HTTPリクエストを受信するためには,インプロセスHTTPサーバ機能を使用する構成でシステムを構築する必要があります。インプロセスHTTPサーバ機能を使用するシステムの構成や構築手順については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
設定手順を次に示します。
- インプロセスHTTPサーバ機能の使用を有効にします。
簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,webserver.connector.inprocess_http.enabledパラメタで「true」を指定して,インプロセスHTTPサーバ機能を使用できるようにします。デフォルトでは「false」が指定されています。
- Webクライアントからの接続数の制御とリクエスト処理スレッド数の制御を設定します。
サーバを稼働するホストの性能やクライアントからのアクセス状況に合わせてリクエスト処理スレッド数を調節することで,インプロセスHTTPサーバのパフォーマンスを向上できます。設定については,「8.2 Webクライアントからの接続数とリクエスト処理スレッド数の制御の設定」を参照してください。
設定時の留意点を次に示します。
- サーバ起動直後から大量のリクエストを処理する必要がある場合は,サーバ起動時に作成するリクエスト処理スレッド数に大きな値を指定してください。
- 予備スレッドの最大数を大きくすると急なアクセス増加にも迅速に対応できますが,リソースを多く消費するため注意してください。
- Webクライアントからのアクセス制御の設定をします。
クライアントからの接続や送信されるリクエストに対するセキュリティを強化することで,外部からの不正アクセスやサーバへの攻撃を防ぐことができます。設定については,「8.3 Webクライアントからのアクセス制御の設定」を参照してください。
- 必要に応じて,次の機能についても設定してください。
- リクエストの流量制御の設定
Webクライアントからの同時接続数やWebコンテナでの同時実行スレッド数を制御することで,J2EEサーバの負荷を抑えることができます。設定については,「8.4 リクエストの流量制御の設定」を参照してください。
- Webクライアントとの通信制御の設定
Persistent Connectionの使用や通信タイムアウトの設定をすることで,WebクライアントとインプロセスHTTPサーバ間での処理時間の短縮,障害の発生の検知などができます。設定については,「8.5 Webクライアントとの通信制御の設定」を参照してください。
- Webクライアントへのレスポンスのカスタマイズ
HTTPレスポンスのServerヘッダやエラー発生時のエラーページをカスタマイズできます。設定については,「8.6 Webクライアントへのレスポンスのカスタマイズ」を参照してください。
- リダイレクトによるリクエストの振り分けの設定
HTTPリクエストに含まれるURLパターンによってリクエストを振り分けることができます。設定については,「8.7 リダイレクトによるリクエストの振り分けの設定」を参照してください。
- Webコンテナにゲートウェイ情報を通知するための設定
Webコンテナにゲートウェイ情報を通知して,WebアプリケーションのトップページやForm認証画面に正しくリダイレクトできます。設定については,「8.8 Webコンテナにゲートウェイ情報を通知するための設定」を参照してください。
- インプロセスHTTPサーバのアクセスログの設定
インプロセスHTTPサーバで出力するログやトレースのうち,アクセスログでは出力形式をカスタマイズできます。設定については,「8.9 インプロセスHTTPサーバのアクセスログのカスタマイズ」を参照してください。
以降の節では,インプロセスHTTPサーバで提供する機能を使用するための設定方法について説明します。システムで使用する機能に応じて適宜設定してください。
なお,インプロセスHTTPサーバ機能の概要,Webサーバ(Hitachi Web ServerおよびIIS)との機能差異については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」のインプロセスHTTPサーバによるリクエストの受け付けに関する説明を参照してください。また,簡易構築定義ファイルおよびパラメタの詳細については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
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