JP1 Version 8 JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)
ジョブを作成,実行するdcminstコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM ManagerおよびJP1/NETM/DM Client(中継システム)の配布管理システムで実行できます。
このコマンドで実行したジョブは,配布管理システムの[ジョブ実行状況]ウィンドウで実行結果を確認できます。
次に示す,リモートインストール関連のジョブを作成,実行します。
JP1/NETM/DM Client(中継システム)では,「パッケージのインストール」ジョブと「クライアントユーザによるインストール」ジョブだけが作成,実行できます。
なお,JP1/NETM/DM Client(中継システム)では,一つ下の階層までしかジョブを実行できません。
dcminst.exe [処理キー] [/f] [/s]
/i パラメタファイル1 [パラメタファイル2]
/o 結果出力ファイル名
このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は,コマンドの引数で指定することもできます。パラメタファイルの指定内容と,コマンドの引数との対応を次の表に示します。
表4-11 パラメタファイルとコマンドの引数の対応(dcminstコマンド)
| パラメタファイルの指定内容 | 内容 | 指定の有無 | コマンドの引数 | |
|---|---|---|---|---|
| タグ | パラメタ | |||
| JOB_DESTINATION | directory_com | ディレクトリ情報(コンピュータの階層) | ◎※1※2 | /dc 値 |
| directory_ou | ディレクトリ情報(組織単位(OU)の階層) | ○※1※2 | /do 値 | |
| group | あて先グループ名 | ◎※1 | /g 値 | |
| host_name | ホスト名 | ◎※1 | /h 値 | |
| lower_clients | すべてのあて先指定の有無 | ○※1※3 | − | |
| JOB_DESTINATION_ID | destination_id | ID名 | ◎※1 | /X 値 |
| PACKAGING_INFORMATION※4 | package_name | パッケージ名 | ◎ | /p 値 |
| package_id | パッケージ識別ID | ◎ | /I 値 | |
| version_revision | バージョン/リビジョン | ◎ | /v 値 | |
| generation | 世代番号 | ◎ | /G 値 | |
| cabinet_name | キャビネット名 | ◎ | /c 値 | |
| cabinet_id | キャビネット識別ID | ◎ | /C 値 | |
| package_code | コード種別 | ○ | /KWまたは/KP | |
| JOB_ATTRIBUTE | job_generator | ジョブ名称 | ○ | /j 値 |
| jobno | ジョブ番号 | × | − | |
| job_folder | ジョブ格納フォルダパス | ○ | /l 値 | |
| unsuspended | 中断中の配布の有無 | ○ | /uns 値 | |
| JOB_SCHEDULE | job_entry_date | ジョブの登録日時 | ○ | /jst 値 |
| job_execution_date | ジョブの実行日時 | ○ | /jsx 値 | |
| job_expiration_date | ジョブの実行期限 | ○ | /jsp 値 | |
| JOB_SPLIT_DELIVERY | split_size | 分割サイズ | ○ | /sds 値 |
| wait_time | 転送休止時間 | ○ | /sdt 値 | |
| JOB_CLIENT_CONTROL | client_wake_up | クライアントの起動の有無 | ○ | /WWU |
| client_shutdown | クライアントのシャットダウンの有無 | ○ | /WUS | |
パラメタファイルを使用しないで引数だけで指定する場合の,コマンドの形式を次に示します。
dcminst.exe [処理キー] [/f] [/s]
{[/g あて先グループ名] [/h ホスト名]|
[/dc コンピュータの階層] [/do 組織単位(OU)の階層]|
/X ID名}
/p パッケージ名 /I パッケージ識別ID
/v バージョン・リビジョン /G 世代番号
/c キャビネット名 /C キャビネット識別ID
[{/KW|/KP}]
[/j ジョブ名称] [/l ジョブ格納フォルダパス]
[/uns 中断中の配布の有無]
[/jst ジョブの登録日時] [/jsx ジョブの実行日時]
[/jsp ジョブの実行期限]
[/sds 分割サイズ] [/sdt 転送休止時間]
[/WWU クライアントの起動の有無]
[/WUS クライアントのシャットダウンの有無]
/o 結果出力ファイル名
dcminstコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
| コード | 意味 | 対処 |
|---|---|---|
| 0 | 配布管理システムがジョブを開始した。 | なし。 |
| 1 | パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式に誤りがある。 | パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。 |
| 2 | コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。 | コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。 |
| 3 | 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 | 配布管理システムのバージョンを確認してください。 |
| 4 | 結果出力ファイルをオープンできない。 | 結果出力ファイルの指定を確認してください。 |
| 5 | クライアント,配布管理システム間の通信に失敗した。 | 配布管理システムのセットアップで,通信環境の設定を確認してください。 |
| 12 | そのほかのエラーが発生した。 | イベントログを参照してください。 |
JP1/NETM/DM Client(クライアント)が稼働するホストdmp491およびdmp492に,Finance Data 2003 5という名称でパッケージングしたソフトウェアを配布する例を次に示します。
ホストとパッケージの属性をパラメタファイルに次のように記述し,パラメタファイルを任意の名称で保存します。
** dcminst Parameter File Sample
JOB_DESTINATION{
host_name=dmp491;dmp492
}
PACKAGING_INFORMATION
{
package_name=Finance Data 2003 5
package_id=FD200305
version_revision=000001
generation=0000
cabinet_name=FCAB01
cabinet_id=F1
package_code=P
}
作成したパラメタファイルをC:\Dmbat\dcminst.txtに保存し,結果出力ファイルをC:\Dmbat\out.txtに取得する場合は,次のように指定します。
dcminst.exe /i C:\Dmbat\dcminst.txt /o C:\Dmbat\out.txt /j 上書きインストール /f
コマンドが正常終了すると,ジョブのジョブ名称,ジョブ番号,ジョブ格納フォルダパスが,C:\Dmbat\out.txtに次のように出力されます。
JOB_ATTRIBUTE{
job_generator= NETM_INSTALL_2003_12_11_13_34_36
jobno= JB03121113315383
job_folder= \
}
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