JP1/Performance Management リファレンス

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jpcctrl backup

形式

jpcctrl backup     サービスID
                   [host=ホスト名]
                   [lhost=論理ホスト名]
                   [-d <directory>]
                   [-partial <startday>,<endday>[,[<dbid>]
                       [,[<recname>][,[<drawer>]]]]]
                   [-direct]
                   [-alone]

機能

jpcctrl backupコマンドは,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスのデータベースに格納されているデータのバックアップファイルを作成するコマンドです。

このコマンドを実行すると,デフォルトでは,次のようにバックアップファイルが作成されます。

フルバックアップの場合

注※1
世代番号は,「01」から順に割り振られます。世代番号の最大値は,jpcsto.iniファイルのBackup Saveで指定した値です。世代番号のデフォルトの最大値は,「05」です。ただし,バックアップディレクトリを直接指定した場合は,世代番号のディレクトリは作成されません。指定したディレクトリ直下にバックアップデータが書き出されます。

注※2
データベースIDを次に示します。
  • PI:Agent StoreサービスのPIレコードタイプのデータベース
  • PD:Agent StoreサービスのPDレコードタイプのデータベース
  • PL:Agent StoreサービスのPLレコードタイプのデータベース
  • PA:Master Storeサービスのデータベース

注※3
xxxx」は,各PFM - Agentのサービスキーを示します。サービスキーについては,各PFM - Agentマニュアルの,付録に記載されている識別子一覧を参照してください。

注※4
一つのホスト上で複数のサービスのセットを起動できるアプリケーションプログラムを監視するPFM - Agentの場合,インスタンス名のディレクトリがあります。

部分バックアップの場合(Storeバージョン2.0だけ)

注※1
xxxx」は,各PFM - Agentのサービスキーを示します。サービスキーについては,各PFM - Agentマニュアルの,付録に記載されている識別子一覧を参照してください。

注※2
一つのホスト上で複数のサービスのセットを起動できるアプリケーションプログラムを監視するPFM - Agentの場合,インスタンス名のディレクトリがあります。

注※3
データベースIDを次に示します。
  • PI:Agent StoreサービスのPIレコードタイプのデータベース
  • PD:Agent StoreサービスのPDレコードタイプのデータベース
  • PL:Agent StoreサービスのPLレコードタイプのデータベース

コマンドを実行できるホスト

注※
-aloneオプションまたは-directオプションを指定した場合だけ実行できます。

実行権限

Windowsの場合
  • Administrators権限を持つユーザー
  • Backup Operators権限を持つユーザー

UNIXの場合
rootユーザー権限を持つユーザー

格納先ディレクトリ

Windowsの場合
インストール先フォルダ\tools\

UNIXの場合
/opt/jp1pc/tools/

引数

サービスID

Master StoreサービスまたはAgent StoreサービスのサービスID(2文字目が「S」)を指定します。1〜258バイトで指定します。

ワイルドカード文字を使用して,複数のサービスIDを指定することもできます。ただし,-dオプションを指定するときは,ワイルドカード文字は使用できません。複数のサービスIDを指定している場合は,あるサービスがエラーとなっても,残りのサービスに対して処理が続行されます。また,複数のサービスに対してエラーが発生した場合,最後に発生したエラーに対する戻り値が返されます。

host=ホスト名

特定のホストのデータをバックアップする場合にこの引数を使用します。1〜32バイトの半角英数字で指定します。空白文字は指定できません。このオプションの指定を省略した場合,ローカルホストが仮定されます。

ワイルドカード文字を使用して,複数のホスト名を指定することもできます。複数のホスト名を指定する場合,ワイルドカード文字「*」は,1文字以上の任意の文字列を,「?」は任意の1文字を示します。ただし,-dオプションを指定するときは,ワイルドカード文字は使用できません。

lhost=論理ホスト名

このコマンドを実行するホストを,物理ホスト環境ではなく論理ホスト環境とする場合にその論理ホスト名を指定します。1〜32バイトの半角英数字で指定します。空白文字は,指定できません。指定を省略した場合,物理ホストが仮定されます。ワイルドカード文字は使用できません。

-d <directory>

バックアップ先のディレクトリを指定します。存在するディレクトリを指定してください。ディレクトリは,Storeバージョンが1.0の場合は127バイト以内で,Storeバージョンが2.0の場合は214バイト以内の絶対パスまたは相対パスで指定します。ただし,Storeバージョンが2.0の場合は,相対パス,絶対パスのどちらのときも,214バイト以内で指定してください。相対パスで指定している場合は,絶対パスに変換しても214バイト以内である必要があります。相対パスで指定した場合の基点となるディレクトリは,指定したStoreサービスの環境ディレクトリとなります。

このオプションを使用する場合は,指定するサービスがローカルホストの単一のStoreサービスである必要があります。そのため,「サービスID」と「host=ホスト名」にワイルドカード文字は指定できません。jpcsto.iniファイルのBackupDirラベルでバックアップディレクトリを指定した場合と異なり,世代番号のディレクトリは作成されません。指定したディレクトリ直下にバックアップデータが書き出されます。

なお,指定したディレクトリにファイルが存在している場合は上書きされます。

-partial <startday>,<endday>[,[<dbid>][,[<recname>][,[<drawer>]]]]

部分バックアップを実行します。ただし,指定したStoreサービスのStoreバージョンが2.0のときだけ実行されます。

<startday>:バックアップデータの開始日を,GMTで現在の日付から何日前かで指定します。

<endday>:バックアップデータの終了日を,GMTで現在の日付から何日前かで指定します。

<dbid>:データベースIDを指定します。省略時は全データベースが対象になります。

<recname>:レコードタイプを指定します。省略時は全レコードタイプが対象になります。

<drawer>:要約区分を指定します。省略時は全要約区分が対象になります。要約区分に指定できる値を次に示します。

指定できる値 説明
Minute 分レコードを指定
Hour 時レコードを指定
Day 日レコードを指定
Week 週レコードを指定
Month 月レコードを指定
Year 年レコードを指定

-partialオプションの指定例を次に示します。

(例1)3日前から1日前の全レコードタイプのレコードを部分バックアップする場合

-partial 3,1,

(例2)3日前から1日前のPDデータベースのPD_PDIレコードを部分バックアップする場合

-partial 3,1,PD,PDI

(例3)3日前から1日前のPIデータベースの月レコードを部分バックアップする場合

-partial 3,1,PI,,Month

-direct

Master Managerサービスを経由しないで,Master StoreサービスのデータベースまたはAgent Storeサービスのデータベースに対してバックアップ処理を実行します。このオプションを指定した場合,PFM - Agentホスト(PFM - Managerホスト以外)で実行できますが,Name ServerサービスおよびMaster Managerサービスが起動している必要があります。また,コマンドを実行するホストと対象となるStoreサービスとの間で直接通信できる必要があります。

-aloneオプションと同時に指定できません。

-alone

ローカルホスト上のMaster StoreサービスのデータベースまたはAgent Storeサービスのデータベースに対してバックアップ処理を実行します。別ホスト上のMaster StoreサービスのデータベースまたはAgent Storeサービスのデータベースに対してはバックアップ処理を実行できません。このオプションを指定した場合,PFM - Managerが動作していなくてもバックアップ処理が実行できます。また,PFM - Agentホスト(PFM - Managerホスト以外)で実行できます。

hostオプションまたは-directオプションと同時に指定できません。

注意事項

戻り値

0 正常終了した。
1 引数の指定に誤りがある。
2 コマンドの実行権限がない。
3 指定されたサービスのうち,一つ以上が起動していない。
5 PFM - Managerがインストールされていない。
7 指定されたサービスIDがAgent StoreサービスまたはMaster Storeサービスのものではない。
12 指定されたサービスのうち,一つ以上のサービスが機能をサポートしていない。
100 Performance Managementの環境が不正である。
101 Name Serverサービス,Master Managerサービス,Master Storeサービス,または操作対象サービスのどれかが起動していない。
102 指定された論理ホスト名はセットアップされていない。
104 指定されたMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスは,バックアップ中またはエクスポート中である。
200 メモリーが不足している。
210 ディスク容量が不足している。
211 バックアップファイルまたはディレクトリにアクセスできない。
220 サービス構成情報ファイルに指定しているホスト名が不正である。
222 通信処理でエラーが発生した。
223 通信処理でタイムアウトが発生した。
255 予期しないエラーが発生した。

使用例1

ホストhost02にあるすべてのデータをバックアップする場合のコマンド実行例を次に示します。

 
jpcctrl backup ?S* host=host02

使用例2

論理ホスト(ホスト名:jp1-ha1)環境で,ホストagt01にあるすべてのデータをバックアップする場合のコマンド実行例を次に示します。

 
jpcctrl backup ?S* host=agt01 lhost=jp1-ha1

使用例3

論理環境を構築しているPFM - Agent for Oracle(Windows)のホストlhost02上で-aloneおよび-directコマンド実行例を次に示します。

 
jpcctrl backup OS* lhost=lhost02  -alone
 
jpcctrl backup OS* lhost=lhost02  -direct

使用例4

PFM - Agentが論理ホスト(ホスト名:jp1-ha1)環境で,PFM - Managerが物理ホストにある場合に論理ホストjp1-ha1上のすべてのAgent Storeサービスのデータをバックアップする場合のコマンド実行例を次に示します。

 
jpcctrl backup "?S*" host=jp1-ha1

使用例5

PFM - Agentが論理ホスト(ホスト名:jp1-ha1),PFM - Managerが論理ホスト(ホスト名:jp1-ha2)にある場合に論理ホストjp1-ha1上のすべてのAgent Storeサービスのデータをバックアップする場合のコマンド実行例を次に示します。

 
jpcctrl backup "?S*" host=jp1-ha1 lhost=jp1-ha2

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