JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
- <この項の構成>
- (1) システムを構成するすべてのPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合
- (2) システムを構成する一部のPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしていない場合
- (3) JP1/IMと連携して稼働状態を監視する場合
- (4) Firewall(NAT)環境で運用する場合
- (5) クラスタシステムでヘルスチェック機能を利用する場合
(1) システムを構成するすべてのPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合
システムを構成するすべてのPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合,監視レベルをサービス稼働状態監視にして運用することで,ヘルスチェック機能を最大限に活用できます。システムを構成するすべてのPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合の例を次の図に示します。
図19-2 システムを構成するすべてのPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合の例
監視レベルをサービス稼働状態監視にして運用する場合の手順を次に示します。
- ヘルスチェック機能を有効にする。
PFM - Managerホストでjpcstsetup hcenableコマンドを実行します。
- ヘルスチェック機能の設定をする。
PFM - Managerを起動し,PFM - Web Consoleからヘルスチェックエージェントのプロパティを表示し,監視レベルを「Service」に設定します。必要に応じてほかのプロパティも設定します。
- ヘルスチェック機能による運用を開始する。
PFM - Web Consoleのエージェント階層で,各エージェントのサービスの稼働状態を確認できます。また,[イベントモニター]画面,[イベント履歴]画面でヘルスチェック状態の変化を確認できます。エージェントを構成する各サービスの稼働状態がヘルスチェック結果としてエージェント状態に反映されます。また,さらに詳細な情報を知りたい場合,レポートとして詳細情報を確認できます。ヘルスチェック機能のレポートのテンプレートは,ソリューションセットとして用意されています。ヘルスチェック機能のソリューションセットについては,「付録I.2 ソリューションセットの概要」を参照してください。
なお,ヘルスチェック状態に異常があった場合,該当するエージェントを再起動するなどの対処をしてください。
(2) システムを構成する一部のPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしていない場合
システムを構成するPFM - Agentに,サービス稼働状態監視の前提条件を満たしていないPFM - Agentが含まれている場合,監視レベルをホスト稼働状態監視にして運用することで,ホストの死活監視ができます。監視レベルをサービス稼働状態監視で運用した場合,前提条件を満たしていないPFM - Agentの稼働状態が正確に表示されません。また,通常に比べてポーリングに時間が掛かります。システムを構成する一部のPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしていない場合の例を次の図に示します。
図19-3 システムを構成する一部のPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしていない場合の例
監視レベルをホスト稼働状態監視にして運用する場合の手順を次に示します。
- ヘルスチェック機能を有効にする。
PFM - Managerホストでjpcstsetup hcenableコマンドを実行します。
- ヘルスチェック機能の設定をする。
PFM - Managerを起動し,PFM - Web Consoleからヘルスチェックエージェントのプロパティを表示し,必要に応じてプロパティを設定します。
- ヘルスチェック機能による運用を開始する。
PFM - Web Consoleのエージェント階層で,各エージェントが稼働するホストの稼働状態を確認できます。また,[イベントモニター]画面,[イベント履歴]画面でヘルスチェック状態の変化を確認できます。ホストの死活状態がヘルスチェック結果としてエージェント状態に反映されます。また,さらに詳細な情報を知りたい場合,レポートとして詳細情報を確認できます。ヘルスチェック機能のレポートのテンプレートは,ソリューションセットとして用意されています。ヘルスチェック機能のソリューションセットについては,「付録I.2 ソリューションセットの概要」を参照してください。
なお,ヘルスチェック状態に異常があった場合,該当するホストを再起動するなどの対処をしてください。
すべてのPFM - Agentがサービス稼働状態監視の前提条件を満たした段階でサービス稼働状態監視に切り替えられます。ホスト稼働状態監視からサービス稼働状態監視に切り替える場合の例を次の図に示します。
図19-4 ホスト稼働状態監視からサービス稼働状態監視に切り替える場合の例
(3) JP1/IMと連携して稼働状態を監視する場合
JP1/IMと連携することで,JP1/IMの画面上でPerformance Managementの稼働状態に関する問題の発生を知ることができます。また,アラームに関連づけられたレポートを表示することで,Performance Managementの稼働状態の分析や,詳細情報を確認できます。
ヘルスチェック状態の変化をJP1/IMに通知したい場合,アラームを利用できます。ソリューションセットでは,ヘルスチェック状態の変化を通知するためのアラームが,通知する情報の粒度に応じて3種類用意されているため,目的に応じて使い分けてください。JP1/IMと連携する場合,ソリューションセットのアラームをコピーして,アクションとしてJP1イベントを発行するように設定する必要があります。設定方法については,「16. 統合管理製品(JP1/IM)と連携した稼働監視」を参照してください。
(4) Firewall(NAT)環境で運用する場合
Firewall(NAT)環境でヘルスチェック機能を利用する場合,ヘルスチェックエージェントが,各PFM - Agentが稼働するホストのStatus Serverと通信できる必要があるため,ファイアウォールやNATを通過させるための設定が必要です。ただし,すでにPFM - Manager,PFM - Agentの各サービスに対して設定されていれば,追加で設定する必要はありません。設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録に記載されているPFM - ManagerとPFM - Agent間のファイアウォールについて説明している個所を参照してください。
なお,ヘルスチェックエージェントは必ずPFM - Managerがあるホストで稼働するため,ヘルスチェックエージェントのAgent Collector,Agent Storeに関してファイアウォール通過について考慮する必要はありません。ヘルスチェックエージェントで使用するポート番号を次の表に示します。
表19-5 ヘルスチェックエージェントで使用するポート番号
サービス名 パラメーター ポート番号 用途 Agent Collector(ヘルスチェックエージェント) jp1pcagt0 自動※ アラームをバインドしたり,リアルタイムレポートを取得したりするときに使用する。 Agent Store(ヘルスチェックエージェント) jp1pcsto0 自動※ パフォーマンスデータを記録したり,履歴レポートを取得したりするときに使用する。
- 注※ サービスが再起動されるたびにシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。
(5) クラスタシステムでヘルスチェック機能を利用する場合
非クラスタシステム運用時と同様にヘルスチェック機能を利用できます。ヘルスチェック機能の設定は,PFM - Managerがあるホストで行う必要があります。物理ホストでヘルスチェック機能を設定したあと,論理ホストをセットアップした場合,物理ホストでの設定はクラスタ環境には引き継がれません。このため,論理ホストでヘルスチェック機能を設定する必要があります。クラスタシステム運用時のヘルスチェック機能の設定方法については,Windowsの場合は「15.2.2 PFM - Managerのインストールとセットアップ」を,UNIXの場合は「15.4.2 PFM - Managerのインストールとセットアップ」を参照してください。
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