JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
データベースに記録するパフォーマンスデータの保存条件として,レコードの保存期間またはレコード数の上限の設定を変更できます。パフォーマンスデータの保存条件は,レコードの種類によって異なります。
各レコードタイプと設定できる保存条件の対応を次の表に示します。
表10-12 レコードタイプと設定できる保存条件
レコードタイプ 設定できる保存条件 PIレコードタイプ レコードの保存期間 PDレコードタイプ レコード数の上限 PLレコードタイプ パフォーマンスデータの保存条件を変更するには,次の二つの方法があります。
- 監視コンソールで変更する
- コマンドで変更する
それぞれについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する
- (2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する
(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する
監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する場合は,PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面で行います。
手順を次に示します。
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでログインします。[サービス階層]画面での操作には,管理ユーザー権限が必要です。
PFM - Web Consoleの[メイン]画面が表示されます。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
- [サービス階層]画面のナビゲーションフレームで,「Machines」フォルダの下位の階層を展開する。
Performance Managementのサービスがインストールされているホストの名前が付いたフォルダが表示されます。また,ホスト名が付いたフォルダを展開すると,そのホストにインストールされているサービスが表示されます。各サービスの名前は,サービスIDで表示されます。
- パフォーマンスデータの保存条件を変更するホストの名前が付いたフォルダの下位の階層を展開し,Agent Storeサービスを選択する。
Agent Storeサービスは,先頭文字が「P」以外で2文字目が「S」であるサービスを選択します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。
サービスIDの詳細については,「付録B.1 (1) サービスID」および各PFM - Agentのマニュアルに記載されている識別子一覧を参照してください。
選択したAgent Storeサービスにチェックマークが表示されます。
- メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択する。
Agent Storeサービスのプロパティ画面に遷移し,プロパティが階層表示されます。
- 「Retention」ノードを選択する。
インフォメーションフレームの下部に「Retention」ノードのプロパティが表示されます。
図10-4 保存条件の設定例
プロパティの設定内容を変更します。各プロパティの説明および設定値を次の表に示します。
表10-13 各プロパティの説明および設定値
レコードタイプ プロパティ名 設定値 PIレコードタイプ Product Interval - Minute Drawer 分ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
ドロップダウンリストから次の項目を選択できます。
- Minute
- Hour
- Day
- 2 Days
- 3 Days
- 4 Days
- 5 Days
- 6 Days
- Week
- Month
- Year
Product Interval - Hour Drawer 時間ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
ドロップダウンリストから次の項目を選択できます。
- Hour
- Day
- 2 Days
- 3 Days
- 4 Days
- 5 Days
- 6 Days
- Week
- Month
- Year
Product Interval - Day Drawer 日ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
ドロップダウンリストから次の項目を選択できます。
- Day
- 2 Days
- 3 Days
- 4 Days
- 5 Days
- 6 Days
- Week
- Month
- Year
Product Interval - Week Drawer 週ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
ドロップダウンリストから次の項目を選択できます。
- Week
- Month
- Year
Product Interval - Month Drawer 月ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
ドロップダウンリストから次の項目を選択できます。
- Month
- Year
Product Interval - Year Drawer 年ごとのパフォーマンスデータの保存期間です。「Year」が固定で設定されています。 PDレコードタイプ Product Detail - PDレコードタイプのレコードID PDレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
- 単数インスタンスの場合
- 保存レコード数の上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
- 複数インスタンスの場合
- 保存レコード行数の総計としての上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
PLレコードタイプ Product Log - PLレコードタイプのレコードID PLレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
- 単数インスタンスの場合
- 保存レコード数の上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
- 複数インスタンスの場合
- 保存レコード行数の総計としての上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
- [OK]ボタンをクリックする。
設定が有効になります。
(2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する
データベースに記録するパフォーマンスデータの保存条件は,次の流れで変更します。
- jpcaspsv outputコマンドで,現在の保存条件に関する定義内容をXML形式のファイルに出力する
- 出力したXML形式のファイルを基に,保存条件に関する定義内容を変更する
- jpcaspsv updateコマンドで,保存条件の定義内容を,変更したXML形式のファイルの内容に更新する
それぞれの操作について説明します。
(a) jpcaspsv outputコマンドで保存条件の定義内容を出力する
PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv outputコマンドを実行します。jpcaspsv outputコマンドは,エージェントに接続して取得したStoreデータベースの保存条件に関する定義情報をXML形式のファイルに出力します。
手順を次に示します。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。
次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。
- Windowsの場合
Administrators権限
- UNIXの場合
rootユーザー権限
- jpcaspsv outputコマンドを実行する。
例えば,サービスIDが「TS1host1」というPFM - AgentのStoreデータベースの保存条件に関する定義情報を「aspsv.xml」というパラメーターファイルに出力する場合は,次のように指定します。
コマンドを実行すると,指定した出力ファイル(XML形式のファイル)に保存条件に関する定義内容が出力されます。
jpcaspsv output -o aspsv.xml TS1host1
出力例を次に示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd"> <pr-cli-parameters ver="0110"> <agent-store-db-preserve-definition> <service id="TS1host1"> <product-interval> <minute-drawer>Day</minute-drawer> <hour-drawer>Week</hour-drawer> <day-drawer>Year</day-drawer> <week-drawer>Year</week-drawer> <month-drawer>Year</month-drawer> <!-- year-drawer : Year --> </product-interval> <product-detail> <detail-record id="PD" max-rec="10000"/> <detail-record id="PD_PDI" max-rec="100000"/> <detail-record id="PD_PEND" max-rec="10000"/> <detail-record id="PD_PAGF" max-rec="10000"/> <detail-record id="PD_GEND" max-rec="10000"/> <detail-record id="PD_SVC" max-rec="10000"/> <detail-record id="PD_DEV" max-rec="10000"/> <detail-record id="PD_ELOG" max-rec="10000"/> </product-detail> </service> </agent-store-db-preserve-definition> </pr-cli-parameters>(b) jpcaspsv outputコマンドで出力した定義内容を変更する
jpcaspsv outputコマンドで出力したXMLファイルの,記録方法に関する定義内容を変更します。XMLファイルの内容は,テキストエディターやXMLエディターなどで編集できます。
ファイルの書式および各タグの設定内容について次に示します。必要に応じて編集してください。
- 書式
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd"> <pr-cli-parameters ver="0110"> <agent-store-db-preserve-definition> <service id="サービスID"> <product-interval> <minute-drawer>分ごとの保存期間</minute-drawer> <hour-drawer>時間ごとの保存期間</hour-drawer> <day-drawer>日ごとの保存期間</day-drawer> <week-drawer>週ごとの保存期間</week-drawer> <month-drawer>月ごとの保存期間</month-drawer> <!-- year-drawer : Year -->※ </product-interval> <product-detail> <detail-record id="レコードID" max-rec="レコード数の上限"/> : : </product-detail> <product-log> <log-record id="レコードID" max-rec="レコード数の上限"/> : </product-log> </service> </agent-store-db-preserve-definition> </pr-cli-parameters> 注※ 年ごとの保存期間の設定内容です。年ごとの保存期間は「Year」で固定です。- 定義内容
1行目にはXML宣言を,2〜3行目には文書型宣言を記述します。次に示すとおりに記述してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd"> <pr-cli-parameters ver="0110">4行目以降に定義するタグについて次の表に示します。各タグの定義は,表の記載順に指定してください。
表10-14 XML定義内容
タグ名 必須 説明および設定値 <agent-store-db-preserve-definition>・・・</agent-store-db-preserve-definition> ○ Storeデータベース保存条件定義情報のルートのタグです。 <service id="サービスID">・・・</service> ○ PFM - Agentを特定するサービスIDを指定します。
先頭文字が「P」以外で,2文字目が「S」であるサービスを指定します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。
サービスIDの詳細については,「付録B.1 (1) サービスID」を参照してください。
<service>タグは,<product-interval>タグ,<product-detail>タグ,および<product-log>タグを含みます。
<service>タグは,複数指定できます。<product-interval>・・・</product-interval> − PIレコードタイプのレコードの保存期間を指定するタグです。
<minute-drawer>タグ,<hour-drawer>タグ,<day-drawer>タグ,<week-drawer>タグ,および<month-drawer>タグを含みます。詳細については,「表10-15 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<product-interval>タグ)」を参照してください。
<product-interval>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。<product-detail>・・・</product-detail> − PDレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。
<detail-record>タグを含みます。
<product-detail>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
詳細については,「表10-16 PDレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-detail>タグ)」を参照してください。<product-log>・・・</product-log> − PLレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。
<log-record>タグを含みます。詳細については,「表10-17 PLレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-log>タグ)」を参照してください。
<product-log>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
- (凡例)
- ○:省略できない
- −:省略できる
- 注 省略した項目の値は更新されません。
<product-interval>タグ(PIレコードタイプのレコードの保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。<product-interval>タグに含まれるタグの定義は,表の記載順に指定してください。
表10-15 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<product-interval>タグ)
タグ名 必須 設定値 <minute-drawer>・・・</minute-drawer> − 分ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
<minute-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
- Minute:1分
- Hour:1時間
- Day:1日
- n Days:n日(n = 2〜6)
- Week:1週間
- Month:1か月
- Year:1年
<hour-drawer>・・・</hour-drawer> − 時間ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
<hour-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
- Hour:1時間
- Day:1日
- n Days:n日(n = 2〜6)
- Week:1週間
- Month:1か月
- Year:1年
<day-drawer>・・・</day-drawer> − 日ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
<day-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
- Day:1日
- n Days:n日(n = 2〜6)
- Week:1週間
- Month:1か月
- Year:1年
<week-drawer>・・・</week-drawer> − 週ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
<week-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
- Week:1週間
- Month:1か月
- Year:1年
<month-drawer>・・・</month-drawer> − 月ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
<month-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
- Month:1か月
- Year:1年
- (凡例)
- −:省略できる
- 注 省略した項目の値は更新されません。
<product-detail>タグ(PDレコードタイプの保存レコード数の上限値)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。
表10-16 PDレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-detail>タグ)
タグ名 必須 設定値 <detail-record id="レコードID" max-rec="レコード数の上限"/> − PDレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
- 単数インスタンスの場合
- 保存レコード数の上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
<detail-record>タグは,一つのPDレコードに対して一つだけ指定できます。
- 複数インスタンスの場合
- 保存レコード行数の総計としての上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
- (凡例)
- −:省略できる
- 注 省略した項目の値は更新されません。
<product-log>タグ(PLレコードタイプの保存レコード数の上限値)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。
表10-17 PLレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-log>タグ)
タグ名 必須 設定値 <log-record id="レコードID" max-rec="レコード数の上限"/> − PLレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
- 単数インスタンスの場合
- 保存レコード数の上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
<log-record>タグは,一つのPLレコードに対して一つだけ指定できます。
- 複数インスタンスの場合
- 保存レコード行数の総計としての上限値を0〜2147483647の整数で指定します。
- (凡例)
- −:省略できる
- 注 省略した項目の値は更新されません。
(c) jpcaspsv updateコマンドで保存条件の定義内容を更新する
PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv updateコマンドを実行します。jpcaspsv updateコマンドは,Storeデータベースの保存条件に関する定義情報を,XML形式のファイルに指定した内容に更新します。
手順を次に示します。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。
次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。
- Windowsの場合
Administrators権限
- UNIXの場合
rootユーザー権限
- jpcaspsv updateコマンドを実行する。
例えば,「aspsv.xml」というファイルに記述した保存条件の内容に定義情報を更新する場合は,次のように指定します。
jpcaspsv update aspsv.xml
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