JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド
[詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)では,ルートジョブネットの詳細を定義します。
このダイアログボックスには,共通する表示項目と次のタブがあります。
- [定義]タブ
- [属性]タブ
- <この項の構成>
- (1) 共通する表示項目
- (2) [定義]タブ
- (3) [属性]タブ
(1) 共通する表示項目
共通する表示項目を次の図に示します。
図13-12 [詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)の共通の表示項目
共通する表示項目について説明します。
- [ユニット名]
- ユニット名を30バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。
- [コメント]
- ユニットのコメントを80バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。
- [実行ホスト]
- ジョブを実行させたいJP1/AJS2 - Manager,またはJP1/AJS2 - Agentのホスト名を255バイト以内の文字列で指定します。ジョブネット中のジョブの実行ホスト名を省略した場合,この値が使用されます。さらに,この値も省略した場合は,自ホスト名が仮定されます。
(2) [定義]タブ
[詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)の[定義]タブを次の図に示します。
図13-13 [詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)の[定義]タブ
表示項目について説明します。
- [多重起動]
- 複数のジョブネットを同時に実行するかどうかを選択します。指定できる種類は,[不可能]と[可能]です。デフォルトは[不可能]です。[可能]を選択した場合,[属性]タブの[保留]で,[前回異常時だけ保留],および[前回異常警告時だけ保留]を指定できません。
- [保存世代数]
- 何回分の実行結果ログを保存するか指定します。指定できる値は,1〜99です。デフォルトは1です。ただし,環境設定パラメーターで最大保存世代数を設定すると,最大999まで拡張できます。環境設定パラメーター"MAXSAVEGEN"の設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.1.3 スケジューラーサービス環境設定パラメーターの定義内容」を参照してください。
- [優先順位]
- ジョブの優先順位を指定します。指定できる値は,[なし],および[1]〜[5]です。優先度が最も高いのは,[5]です。デフォルトは[なし]です。ジョブの優先順位を[なし]に設定して,そのジョブの上位ネストジョブネットの優先順位を[なし]に設定した場合に,この指定が使用されます。ジョブおよびすべての上位ジョブネットの優先順位を[なし]に設定すると,ジョブの優先順位は[1]として扱われます。
- ただし,UNIXの場合,マッピングした結果のジョブの実行ユーザーがroot以外の場合,[4]または[5]を指定すると,ジョブ実行時に権限エラーになります。
- [打ち切り時間]
- 実行登録したルートジョブネットが実行開始予定日時を過ぎても実行されなかった場合,どのくらいの時間が経過したときに,繰り越し未実行状態にするかを選択します。打ち切り時間の指定は,実行登録の方法にかかわらず有効です。即時実行登録の場合は,登録をした日時を実行開始予定日時として扱います。デフォルトは[システム設定に従う]です。
- 指定できる方法を次に示します。
- [システム設定に従う]
Windowsの場合はJP1/AJS2 - Managerの環境設定で指定したスケジューラーオプション「繰り越し方法」,UNIXの場合は構成定義ファイルの環境設定パラメーター"EXECDEFER"の設定どおりにジョブネットを実行します。
- [1日]
実行開始予定日時を1日過ぎた場合,ジョブネットを繰り越し未実行状態にします。
- [2日]
実行開始予定日時を2日過ぎた場合,ジョブネットを繰り越し未実行状態にします。
- [無制限]
保留解除待ち,イベント待ち,または実行待ち状態を無制限に続けます。
- [スケジューリング方式]
- [スケジュールルール]ダイアログボックスで[処理サイクル]を定義しているジョブネットを実行したときに,終了時刻が次の世代の開始予定時刻を過ぎてしまった場合の処理方法を指定します。デフォルトは[スケジュールスキップ]です。指定できる方法を次に示します。
- [スケジュールスキップ]
開始予定時刻が重なってしまったジョブネットの実行予定をスキップし,開始予定時刻が重ならない次の世代のジョブネットを実行します。
- [多重スケジュール]
前の世代のジョブネットが終了するのを待ち,終了と同時に次の世代のジョブネットを実行します。[多重起動]で[可能]を選択している場合は,前の世代のジョブネットが終了するのを待たないで,次の世代の開始予定時刻になったらジョブネットを実行します。
- [ジョブネット監視]
- ジョブネットの終了遅延監視をジョブネットの実行時間で行う場合,[実行所要時間]にチェックをして,ジョブネットの実行所要時間を分単位で指定します。設定できる値は,1〜2879です。デフォルトでは[実行所要時間]にチェックはありません。
- [実行順序制御]
- ルートジョブネットの実行順序を制御するかどうかを選択します。
- [する]
ルートジョブネットの実行順序を制御するためにジョブネットコネクタと接続します。
[する]を選択すると,[ジョブネットコネクタ名]および[実行順序制御方式]が活性化されます。
- [しない]
ルートジョブネットの実行順序を制御しません。
- デフォルトは[しない]です。
- [接続範囲]
- ジョブネットコネクタとの接続範囲を指定します。デフォルトは[同一サービス]です。
- [同一サービス]
同一スケジューラーサービス内のジョブネットコネクタと接続する場合に指定します。
- [別サービス]
異なるスケジューラーサービスのジョブネットコネクタと接続する場合に指定します。この項目を指定すると,[接続ホスト名]および[接続サービス名]を入力できるようになります。
- この項目は,JP1/AJS2 - View 08-50以降の場合に表示されます。
- [接続ホスト名]
- 接続するジョブネットコネクタが定義されているホストのホスト名を255バイト以内の文字列で指定します。
- [実行順序制御]で[する]を選択し,かつ[接続範囲]で[別サービス]を選択した場合に指定できます。
- [実行順序制御]で[しない]を選択した場合,または[接続範囲]で[同一サービス]を選択した場合は指定できません。
- デフォルトは空白です。
- 半角スペース,タブ,および改行文字は指定できません。
- なお,ジョブネットコネクタが別スケジューラーサービスでも,同一ホストの場合は省略できます。
- この項目は,JP1/AJS2 - View 08-50以降の場合に表示されます。
- [接続サービス名]
- 接続するジョブネットコネクタが定義されているスケジューラーサービスのスケジューラーサービス名を30バイト以内の文字列で指定します。
- [実行順序制御]で[する]を選択し,かつ[接続範囲]で[別サービス]を選択した場合は必ず指定します。
- [実行順序制御]で[しない]を選択した場合,または[接続範囲]で[同一サービス]を選択した場合は指定できません。
- デフォルトは空白です。
- 指定できる文字は,半角英数字,および記号(! # $ % + @ - . _)です。
- この項目は,JP1/AJS2 - View 08-50以降の場合に表示されます。
- [ジョブネットコネクタ名]
- 接続するジョブネットコネクタのユニット完全名を930バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。
- なお,次のようなユニット名を指定した場合はエラーになります。
- 「/(スラント)」で始まっていない
- 「/」と「/」の間が30バイトを超えている個所がある※
- 「/」で終了している
- 注※
- [接続範囲]に[別サービス]を指定している場合はエラーになりません。
- この項目は,[実行順序制御]で[する]を選択すると活性化されます。
- [実行順序制御方式]
- このジョブネットを実行する際に,ジョブネットコネクタと開始時刻の同期を取るかどうかを選択します。
- [同期]
ジョブネットコネクタと開始時刻の同期を取り,ジョブネットコネクタが実行されるまでこのルートジョブネットの実行開始を待ちます。
- [非同期]
ジョブネットコネクタの実行を待たないで,このルートジョブネットの実行を開始します。
- デフォルトは[非同期]です。
- この項目は,[実行順序制御]で[する]を選択すると活性化されます。
(3) [属性]タブ
[詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)の[属性]タブを次の図に示します。
図13-14 [詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)の[属性]タブ
表示項目について説明します。
- [保留]
- ユニットの状態をあらかじめ保留状態にするかどうかを指定します。デフォルトは[しない]です。指定できる保留方法を次に示します。
- [しない]
ルートジョブネットを保留状態にしません。
- [前回異常時だけ保留]
ルートジョブネットの前回終了結果が「異常検出終了」,「繰り越し未実行」,「順序不正」,「中断」,または「強制終了」のときに保留状態にします。[定義]タブの[多重起動]で[可能]を選択している場合は指定できません。
- [前回異常警告時だけ保留]
ルートジョブネットの前回終了結果が「異常検出終了」,「警告検出終了」,「繰り越し未実行」,「順序不正」,「中断」,または「強制終了」のときに保留状態にします。[定義]タブの[多重起動]で[可能]を選択している場合は指定できません。
- [する]
ルートジョブネットを保留状態にします。
- [種別]
- ユニットの種別をリカバリーにするかどうかを指定します。指定できる種類は,[通常]と[リカバリ]です。デフォルトは[通常]です。ルートジョブネットでは[通常]を指定してください。
- [所有者]
- ユニットの所有者を31バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは,ログインしているJP1ユーザー名です。
- [JP1資源グループ]
- JP1資源グループ名を63バイト以内の文字列で指定します。指定できる文字は,英数字,および「_(アンダーバー)」です。デフォルトは,上位ユニットのJP1資源グループ名です。空白の場合は,アクセス権限の対象になりません。
- 補足事項
- JP1/AJS2 - Scenario Operationから登録されたシナリオの場合,上記の項目に加え,次の図に示す項目が表示されます。
図13-15 [詳細定義−[ジョブネット]]ダイアログボックス(ルートジョブネット用)の[属性]タブ(シナリオの場合)
- 項目の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 - Scenario Operation」を参照してください。
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