JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド
マクロ変数の引き継ぎ情報は,イベントジョブで受信したイベント情報やJP1/AJS2 - Scenario Operationとの連携機能を使用している場合の定義情報として使用します。マクロ変数の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 解説 4.1.2 実行登録時のマクロ変数値の指定」を参照してください。また,イベントジョブでのマクロ変数の定義例については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 解説 3.2.4(6) イベントジョブの受信情報の引き継ぎ」を参照してください。
イベントジョブで受信したイベント情報をマクロ変数として定義しておき,後続ジョブまたは後続ジョブネットに引き継ぐことができます。後続ジョブに引き継ぐ情報を引き継ぎ情報といいます。マクロ変数の定義例については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 解説 3.2.4(6) イベントジョブの受信情報の引き継ぎ」を参照してください。
マクロ変数として引き継いだ情報がNULL文字列のときに,マクロ変数の前後に文字列がなくマクロ変数だけを指定している場合,次に示す2種類の動作が選択できます。
- マクロ変数名をそのまま文字列として扱う(デフォルトの動作)
- NULL文字列に置き換える
それぞれの動作を次に示します。
- マクロ変数名を文字列として扱う場合
- 引き継ぎ情報がNULL文字列でマクロ変数の前後に文字列がない場合
[?AJS2(マクロ変数名)?]→[?AJS2(マクロ変数名)?]
- 引き継ぎ情報がNULL文字列でマクロ変数の前後に文字列がある場合
[aaa?AJS2(マクロ変数名)?bbb]→[aaabbb]
[ccc?AJS2(マクロ変数名)?]→[ccc]
[?AJS2(マクロ変数名)?ddd]→[ddd]
- NULL文字列に置き換える場合
- 引き継ぎ情報がNULL文字列でマクロ変数の前後に文字列がない場合
[?AJS2(マクロ変数名)?]→[]
- 引き継ぎ情報がNULL文字列でマクロ変数の前後に文字列がある場合
[aaa?AJS2(マクロ変数名)?bbb]→[aaabbb]
[ccc?AJS2(マクロ変数名)?]→[ccc]
[?AJS2(マクロ変数名)?ddd]→[ddd]
この設定は,実行先サービスに「JP1/AJS2」を指定したジョブが対象です。実行先サービスに「JP1/AJS2 Queueless Agent」を指定した場合,オプションの設定とは関係なくマクロ変数名をNULL文字列に置き換えます。また,この設定は,JP1/AJS2 07-11以前からマクロ変数を指定できる次の定義項目にだけ有効です。
- UNIXジョブ
- コマンド文
- スクリプトファイル名
- パラメーター
- 環境変数
- PCジョブ
- 実行ファイル名
- パラメーター
- 環境変数
JP1/AJS2 07-50以降で,JP1/AJS2 - Scenario Operationと連携するために新たに指定できる項目となった定義項目では,オプションの設定とは関係なくマクロ変数名をNULL文字列に置き換えます。マクロ変数名を文字列として扱う設定(デフォルトの動作)の場合,07-11以前からの定義項目と07-50以降で追加された定義項目とでは,置き換えたあとの結果が異なります。
- 文字列として扱う指定(デフォルトの動作)の場合の例
- 07-11以前からの定義項目:[?AJS2AAA?]→[?AJS2AAA?]
- 07-50以降で追加された定義項目:[?AJS2AAA?]→[]
JP1/AJS2 - Scenario Operationとの連携機能を使用している場合に,07-11以前からの定義項目と,07-50以降で追加された定義項目の動作を合わせる必要がある場合は,マクロ変数名をNULL文字列に置き換えるように設定してください。
なお,マクロ変数の前後に必ず文字列を指定する運用の場合,またマクロ変数名がそのまま文字列に置き換わることを期待する運用の場合,この設定を行う必要はありません。
マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定手順を次に示します。
- <この節の構成>
- (1) 定義手順
- (2) 定義パラメーター一覧
- (3) 定義内容
(1) 定義手順
- JP1/AJS2のサービスを停止する。
次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※ # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
- 注※
- 自動停止の設定が行われていることを確認してください。
- viなどのテキストエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
設定ファイルのファイル名は任意です。
- ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
jbssetcnf 設定ファイル名
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- JP1/AJS2を再起動する。
設定ファイルに記述した内容が反映されます。
(2) 定義パラメーター一覧
表16-23 マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の定義パラメーター
定義キー 環境設定パラメーター 定義内容 [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQCLIENT\Process]※ "MacroOptionReplaceMode"= マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定
- 注※
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
(3) 定義内容
- "MacroOptionReplaceMode"=dword:0|1
- 前後に文字列がないマクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合に,マクロ変数名をNULL文字列に置き換えるかどうかを指定します。
- 0
- マクロ変数名をNULL文字列に置き換えず,指定されたマクロ変数名をそのままの文字列として使用する場合に指定します。JP1/AJS2 07-11以前からの動作と同じです。
- 1
- マクロ変数名をNULL文字列に置き換える場合に指定します。
- デフォルトは「0」です。
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