JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド
- <この項の構成>
- (1) 資料採取ツールを実行する
- (2) ダンプファイルを採取する
- (3) ユーザーダンプを採取する(Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合)
- (4) 問題レポートを採取する(Windows VistaおよびWindows Server 2008限定)
- (5) プロセスの状態を確認する
- (6) オペレーション内容を確認する
- (7) 画面上のエラー情報を採取する
- (8) 採取資料一覧
(1) 資料採取ツールを実行する
資料採取ツールを実行します。資料採取ツールのセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 8. ログ情報の採取」を参照してください。
資料採取ツールの実行例を次に示します。
c:\>c:\usertools\_04.bat資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「%TEMP%\jp1ajs2\backlog」下の次のフォルダに出力されます。これらのフォルダをバックアップしてください。
- 物理ホストの場合
- JP1_DEFAULT\JP1_DEFAULT_1st
第一報用資料が出力されます。
- JP1_DEFAULT\JP1_DEFAULT_2nd
その他全資料が出力されます。
- 論理ホストの場合
- 論理ホスト名\論理ホスト名_1st
第一報用資料が出力されます。
- 論理ホスト名\論理ホスト名_2nd
その他全資料が出力されます。
資料採取ツールは,クラスタシステム運用時,論理ホスト名を指定して資料を採取できます。また,採取する資料を限定するオプションも提供しています。次に資料採取ツールの文法について説明します。
- 形式
_04.bat [-h 論理ホスト名] [-s] [-t] [-u]
- 機能
- JP1/AJS2の各種ログ,OS情報などの保守情報を取得します。
- 実行権限
- Administrators権限
- 引数
- -h 論理ホスト名
- 処理対象とする,論理ホスト名を指定します。
- 指定した論理ホストのほかに物理ホストの資料も採取します。
- 省略した場合,物理ホストのログを採取します。
- -s
- JP1/AJS2で使用しているデータベースの情報,およびJP1/AJS2 Consoleで使用しているデータベースの情報を採取しないときに指定します。
- 省略した場合,データベースの情報を採取します。
- -t
- hosts,servicesファイルを取得しないときに指定します。
- -u
- ユーザーダンプを取得しないときに指定します。
- Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合は取得できません。
- 注意事項
- JP1/AJS2のサービスの起動中に,-sオプションを省略して実行した場合,ジョブが異常終了するおそれがあるため,ISAMデータベースの情報は採取しません。
- クラスタ構成の論理ホストの資料を採取する場合,論理ホストが動作しているホスト上で実行してください。
- 採取した資料はこのツールでは圧縮しません。別途圧縮ツールなどで圧縮してください。
- バッチファイルの実行結果を出力したファイルが作成済みの場合,情報の上書きを確認するメッセージが出力されるので,上書きする場合は「y」を,中止する場合は「n」を応答してください。
- バッチファイル実行時に,「JP1/AJS2 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Agentのインストール先フォルダ\sys」フォルダ中のファイルに対して「共有違反です」というエラーメッセージが表示されることがありますが,問題はありません。
- 資料採取ツールの実行が終了した直後に,採取した資料を移動,削除などの操作を行うと「プロセスはファイルにアクセスできません。別のプロセスが使用中です。」のメッセージが出力される場合があります。これは,資料採取ツールの実行が終了しても,内部的にOSの情報を採取するためのプロセスが実行中のために出力されます。このメッセージが出力された場合は,しばらく待ってから採取した資料を操作してください。
- Outlookを使用している場合,資料採取ツールを実行すると,次に示すメッセージボックスが表示される場合があります。
プログラムが,Outlook内に保存されている電子メールアドレスにアクセスしようとしています。よろしいですか?
これは,資料採取ツール内で実行するマシン構成情報採取プログラム(msinfo32)の動作によるものです。資料採取ツールおよびOutlookの動作には問題ありません。
資料採取ツールでは,電子メールアドレスは採取されません。メッセージボックスの[いいえ]ボタンをクリックしてください。
- Windows VistaおよびWindows Server 2008で資料採取ツールを実行する場合,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを起動する際は,Windowsの[スタート]メニューの[コマンドプロンプト]を右クリックし,ショートカットメニューから[管理者として実行]を選択してください。
Administrators権限がない状態で資料採取ツールを実行した場合,Windows VistaおよびWindows Server 2008では資料採取ツール実行中にUAC機能による確認ダイアログボックスが何度も表示されます。
UAC機能が無効の場合は,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要はありません。
- 戻り値
0 正常終了。 0以外の値 異常終了。
- 出力先
- %TEMP%\jp1ajs2\backlog
- 出力先は,資料採取ツールのセットアップで変更できます。
- メッセージ
メッセージ 説明 動作 Finished. Press any key. 処理が正常に終了しました。何かキーを押してください。 ユーザーの応答を待ちます。 Failed. Press any key. 処理が正常に終了しませんでした。何かキーを押してください。
出力されたOSのメッセージなどを参照してエラー要因を取り除いたあとに,再度実行してください。ユーザーの応答を待ちます。 File ファイル名 is exist. Delete to continue? (y/n) 前回実行したときに作成されたファイルが存在します。削除して処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。 ユーザーの応答を待ちます。 Directory ディレクトリ名 is exist. Delete to continue? (y/n) 前回実行したときに作成されたディレクトリが存在します。削除して処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。 ユーザーの応答を待ちます。 Error exist in option. オプションの指定に誤りがあります。正しいオプションを指定して再度実行してください。 処理を終了します。 The following logical hosts exist, other than the specified logical host. : 論理ホスト名 -hオプションに指定した論理ホストのほかに,論理ホスト環境があります。必要に応じて再度実行してください。 このあと,メッセージ「Finished. Press any key.」を出力します。
- 使用例1
- 物理ホストの資料を採取します。
_04.bat
- 使用例2
- JP1/AJS2のサービスを起動したまま,物理ホストの資料を採取します。
_04.bat -s
- 使用例3
- 論理ホスト(cluster)の資料を採取します。
_04.bat -h cluster
(2) ダンプファイルを採取する
WindowsでSTOPエラーが発生すると,メモリーダンプが出力されます。このダンプファイルを採取してください。
また,トラブル発生時には,クラッシュダンプが出力されます。このダンプファイルは資料採取ツールで採取できます。
トラブル発生時にメモリーダンプおよびクラッシュダンプが出力されるようにするには,それぞれ設定が必要です。ログ情報を採取するための設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 8. ログ情報の採取」を参照してください。設定すると,指定したパスにこれらのダンプファイルが出力されます。
(3) ユーザーダンプを採取する(Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合)
Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合,資料採取ツールでダンプファイルを取得できないため,JP1/AJS2のプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合は,エラーダイアログボックスが表示されている状態で,次の操作を行ってください。
- 注意事項
- エラーダイアログボックスを消すと正しくダンプが取得できないため,ユーザーダンプを採取できなくなります。ダンプの取得前に誤ってエラーダイアログボックスを消した([OK]ボタンをクリックするなど)場合は,現象を再現させてエラーダイアログボックスが表示されている状態で操作してください。
- タスクマネージャを起動する。
タスクマネージャは次のどちらかの手順で起動できます。
- タスクバーの空いている場所を右クリックして[タスクマネージャ]を選択する。
- [CTRL]+[SHIFT]+[ESC]キーを押してタスクマネージャを起動する。
- [タスクマネージャ]ダイアログボックスの[プロセス]タブをクリックする。
- アプリケーションエラーで停止したJP1/AJS2のプロセス名を右クリックし,[ダンプファイルの作成]を選択する。
- ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。
(4) 問題レポートを採取する(Windows VistaおよびWindows Server 2008限定)
ホスト上の問題点を検出し,それぞれの問題に対する解決策を調査できます。Windows VistaおよびWindows Server 2008でJP1/AJS2のプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。
- Windowsの[ファイル名を指定して実行]でテキストボックスに「wercon」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[問題のレポートと解決策]ダイアログボックスが表示されます。
- 左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
問題の履歴が一覧で表示されます。
- 該当する問題をダブルクリックする。
問題レポートの詳細が表示されます。
- [クリップボードにコピー]を選択する。
- テキストエディターなどにコピーし,保存する。
テキストファイルに保存した問題レポートを,障害調査用の資料として利用してください。
(5) プロセスの状態を確認する
Windowsの[タスクマネージャ]ウィンドウの[プロセス]タブで,プロセスの動作状態を確認してください。
JP1/AJS2のプロセスの情報については,「付録B.2 プロセス一覧(Windowsの場合)」を参照してください。
(6) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
- オペレーション内容の詳細
- トラブル発生時刻
- マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJS2 - ManagerとJP1/AJS2 - Agentの構成,JP1/AJS2 Console ManagerとJP1/AJS2 Console Agentの構成など)
Windows 2000およびWindows server 2003の場合,マシン構成は[システム情報管理ツール]を使って調査できます。
Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合,マシン構成は資料採取ツールで採取できます。
- 再現性の有無
- JP1/AJS2 - ViewまたはJP1/AJS2 Console Viewからログインしている場合は,ログインユーザー名
(7) 画面上のエラー情報を採取する
次に示すハードコピーを採取してください。
- アプリケーションエラーが発生した場合は,操作画面のハードコピー
- エラーメッセージダイアログボックスのハードコピー
詳細ボタンがある場合はその内容をコピーしてください。
- コマンド実行時にトラブルが発生した場合は,[コマンドプロンプト]ウィンドウのハードコピー
[コマンドプロンプト]ウィンドウのハードコピーを採取する際は,[コントロールパネル]の[コンソール]で,[コマンドプロンプト]ウィンドウについて次のように設定しておいてください。
- [オプション]タブ
- [簡易編集モード]がチェックされた状態にする。
- [レイアウト]タブ
- [画面バッファのサイズ]の[高さ]に「500」を設定する。
(8) 採取資料一覧
資料採取ツール(_04.bat)では次の資料が採取できます。
- 物理ホストの場合
- 第一報用資料(%TEMP%\jp1ajs2\backlog\JP1_DEFAULT\JP1_DEFAULT_1st)
採取された資料のフォルダ名・ファイル名 内容 \FILELIST.txt JP1/AJS2のインストール先フォルダ以下のファイルリスト \GETERROR.log 資料採取ツール(_04.bat)が出力するログ \HOSTS hostsファイル \services servicesファイル
- \JP1AJS2.DAT
- \JP1AJS2C.DAT
- \JP1AJS2CONSOLE.DAT
- \JP1AJS2DA.DAT
- \JP1AJS2SE.DAT
- \JP1AJS2V.DAT
- \JP1AJS2WOA.DAT
- \JP1AJS2CFM.DAT
- \JP1AJS2RP.DAT
- \JP1BASE.DAT
各製品のレジストリ情報 \REGDATA.DAT JP1レジストリ情報 \WIN.DAT Windowsレジストリ情報 \jpomanevshow.txt jpomanevshow.exeの実行結果 \ajsqlstatus.txt ajsqlstatus.exeの実行結果 \OSINFO.txt OSバージョン,Windowsの環境変数情報,IPコンフィギュレーション情報,Network構成情報,統計情報 \PERMISSIONINFO.TXT JP1/AJS2のフォルダのアクセス権限情報 \WINMSD.TXT msinfo32コマンドで採取する,システムの概要,実行中のタスク,サービスの情報などの情報
Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合は,msinfo32コマンドで採取するすべてのシステム情報
- \conf\JP1AJS2
- \conf\jp1ajs2cm
- \conf\JP1AJS2DA
- \conf\JP1AJS2V(Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合)
- \ALLUSERSPROFILE\conf\JP1AJS2V(Windows VistaおよびWindows Server2008の場合)
- \conf\JP1AJS2WOA
- \conf\JP1AJS2CFM
- \conf\JP1AJS2RP
環境設定ファイル格納フォルダ
- \drwtsn\Windows2000\drwtsn32.log(Windows 2000の場合)
- \drwtsn\Windows2003\drwtsn32.log(Windows Server 2003の場合)
ワトソンログ※1 \EMBDB\_JA*※2\conf 組み込みDB定義ファイル \EMBDB\_JA*※2\spool 組み込みDB障害調査ファイル \EMBDB\_JA*※2\etc その他調査に必要な組み込みDB情報 \HNTRLib2\spool 統合トレースログ \jobinf ジョブ情報格納フォルダ
- \JP1AJS2
- \JP1AJS2C
- \jp1ajs2cm
- \JP1AJS2DA(Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合)
- \ALLUSERSPROFILE\JP1AJS2DA(Windows VistaおよびWindows Server2008の場合)
- \JP1AJS2HC
- \JP1AJS2V(Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合)
- \ALLUSERSPROFILE\JP1AJS2V(Windows VistaおよびWindows Server2008の場合)
- \JP1BASE
- \JP1AJS2CFM
- \JP1AJS2RP
ログファイル格納フォルダ
- \PATCHLOG\JP1JAJS2\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2C\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2console\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2DA\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2V\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2WOA\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2CFM\PATCHLOG.txt
- \PATCHLOG\JP1JAJS2RP\PATCHLOG.txt
パッチログファイル \resource\JP1AJS2V リソースファイル格納フォルダ
- \sys\JP1AJS2
- \sys\JP1AJS2WOA
- \sys\JP1AJS2CFM
システムファイル格納フォルダ
- \tmp\JP1AJS2DA(Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合)
- \ALLUSERSPROFILE\tmp\JP1AJS2DA(Windows VistaおよびWindows Server2008の場合)
実行用一時ファイル格納フォルダ \tmp\schedule\pd*.trc 組み込みDBトレースログ \user_acl ユーザーマッピング・認証設定ファイル格納フォルダ
- 注※1
- Windows VistaおよびWindows Server 2008では取得できません。
- 注※2
- 「_JA*」は組み込みDBの識別子(_JA0, _JA1, _JA2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
- 第二報用資料(%TEMP%\jp1ajs2\backlog\JP1_DEFAULT\JP1_DEFAULT_2nd)
採取された資料のフォルダ名・ファイル名 内容 \ADD 追加取得フォルダ
- \cmdatabase
- \database
- \cfmdatabase
- \replidatabase
- \embdatabase\_JA*※1
データベース格納フォルダ \eventlog\AppEvent(Backup).env アプリケーションイベントログ \eventlog\SysEvent(Backup).env システムイベントログ
- \SHMDUMP\coreinfo-ISAM.shmdump
- \SHMDUMP\coreinfo-Scheduler.shmdump
- \SHMDUMP\ProgMon.shmdump
共有メモリー情報
- \USERDUMP\*.dmp
- \WTSNDUMP\*.dmp
ユーザーダンプ※2
- 注※1
- 「_JA*」は組み込みDBの識別子(_JA0, _JA1, _JA2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
- 注※2
- Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合,資料採取ツールでは取得できません。
- 論理ホストの場合
- 第一報用資料(%TEMP%\jp1ajs2\backlog\論理ホスト名\論理ホスト名_1st)
採取された資料のフォルダ名・ファイル名 内容 \jpomanevshow.txt jpomanevshow.exeの実行結果 \ajsqlstatus.txt ajsqlstatus.exeの実行結果 \jobinf ジョブ情報格納フォルダ
- \JP1AJS2_LOGICAL
- \JP1AJS2CFM_LOGICAL
ログファイル格納フォルダ \JP1BASE JP1/BASEのログファイル格納フォルダ \EMBDB\_JA*※\conf 組み込みDB定義ファイル \EMBDB\_JA*※\spool 組み込みDB障害調査ファイル \EMBDB\_JA*※\etc その他調査に必要な組み込みDB情報
- \sys\JP1AJS2
- \sys\JP1AJS2CFM
システムフォルダ \tmp\schedule\pd*.trc 組み込みDBトレースログ \user_acl ユーザーマッピング・認証設定ファイル格納フォルダ \conf\JP1AJS2CFM 環境設定ファイル格納フォルダ
- 注※
- 「_JA*」は組み込みDBの識別子(_JA0, _JA1, _JA2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
- 第二報用資料(%TEMP%\jp1ajs2\backlog\論理ホスト名\論理ホスト名_2nd)
採取された資料のフォルダ名・ファイル名 内容
- \cmdatabase
- \database
- \cfmdatabase
- \replidatabase
- \embdatabase\_JA*※
データベース格納フォルダ \SHMDUMP\ProgMon.shmdump 処理状態監視の共有メモリー情報
- 注※
- 「_JA*」は組み込みDBの識別子(_JA0, _JA1, _JA2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
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