JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド
JP1/AJS2 - Managerホストのイベントジョブ起動に関する環境設定項目について説明します。
Windowsの場合,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスで値を設定します。UNIXの場合,EVAction.conf(イベント・アクション定義ファイル)に値を設定してから,jbssetcnfコマンドで設定を反映してください。
なお,Windowsの場合でダイアログボックスの表示項目にないパラメーターについては,任意のファイル名の構成定義ファイルに環境設定情報を記述し,jbssetcnfコマンドを実行してシステムに反映します。
設定方法の手順については,次に示す個所を必要に応じて参照してください。
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.3.1 イベントジョブ起動に関する環境の設定手順」
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 連携ガイド 2.3.2 メール受信監視ジョブのための環境設定をする」
イベントジョブを使用する場合,以降の表に示す,設定値を決定する理由や推奨値を参考にして,設定値を検討してください。
- <この項の構成>
- (1) [イベント起動]タブの設定項目(EVAction.conf)
- (2) [メール連携]タブの設定項目(EVAction.conf)
- (3) メール連携のその他の設定を定義する(UNIX限定)
- (4) [MSMQ連携]タブの設定項目(EVAction.conf)
(1) [イベント起動]タブの設定項目(EVAction.conf)
表5-16 [イベント起動]タブの設定項目(EVAction.conf)
設定内容とパラメーター(表示項目) 設定値を決定する理由
(設定を変更する
必要がある場合)推奨値 設定が有効
になる時期マネージャープロセスの待機情報ファイル出力ディレクトリ名
- Windows
- [マネージャープロセスの設定]の[待機情報ファイル出力ディレクトリ名]
- UNIX
- WaitInfFileOutDir
イベントジョブの詳細情報や,起動条件で監視しているイベントの受信状態などの情報(待機情報)を,デフォルト以外のフォルダに出力したい場合に設定します。また,クラスタ対応する場合に設定します。 物理ホストの場合,「空白」
論理ホストの場合は共有ディスクのディレクトリ名次回JP1/AJS2サービス起動時 マネージャープロセスのファイル更新モード
- Windows
- [マネージャープロセスの設定]の[ファイル更新モード]
- UNIX
- FileWriteMode
待機情報ファイルの更新時に,常に同期書き込みを実行したい場合は「同期(sync)」を設定します。「同期」を設定した場合,信頼性は向上しますが,性能は低下します。クラスタ対応など信頼性を優先する場合は,「同期」を選択してください。
待機情報ファイルの更新時に,JP1/AJS2 の処理とは同期を取らないで,OS のバッファーリングによってディスクに書き込みたい場合は「非同期(nosync)」を設定します。「非同期」を設定した場合,「同期」に比べて性能は向上しますが,システムダウンなどが発生した場合,情報の不整合が発生しイベントが消失するおそれがあります。性能・信頼性・運用方法によって,適切な書き込み方法を選択してください。物理ホストの場合「非同期(nosync)」
クラスタの場合「同期(sync)」次回JP1/AJS2サービス起動時 イベントジョブ情報引き継ぎディレクトリ名
- Windows
- [イベント・ジョブ情報引継ぎディレクトリ名]
- UNIX
- EvjobInfFile
メール受信監視ジョブやメッセージキュー受信監視ジョブで受信した情報をファイルで引き継ぐ場合に,そのファイルをデフォルト以外のフォルダに出力したい場合に設定します。また,クラスタ対応する場合に設定します。 物理ホストの場合,「空白」
論理ホストの場合は共有ディスクのディレクトリ名次回JP1/AJS2サービス起動時 エージェントプロセスの待機情報ファイル出力ディレクトリ名
- Windows
- [エージェントプロセスの設定]の[待機情報ファイル出力ディレクトリ名]
- UNIX
- 定義キー[JP1AOMAGENT]のWaitInfFileOutDir
イベントジョブでのイベント発生状態や,起動条件で監視しているイベントの発生状態などの情報(待機情報)を,デフォルト以外のフォルダに出力したい場合に設定します。また,クラスタ対応する場合に設定します。 物理ホストの場合,「空白」
論理ホストの場合は共有ディスクのディレクトリ名次回JP1/AJS2サービス起動時 フェールオーバー時の情報引き継ぎ
- Windows
- [系切り替え時の情報引き継ぎ]
- UNIX
- HowUseInfWhenHA
JP1/AJS2 - Managerへ通知できなかったイベントがある状態でシャットダウンを伴わないフェールオーバーが発生したとき,フェールオーバー前に発生していたイベントを破棄したい場合に変更します。 Y(使用する) 次回JP1/AJS2サービス起動時 シャットダウン時の情報引き継ぎ方法
- Windows
- [シャットダウン時の情報引継ぎ方法]
- UNIX
- InformationWhenShutDown
JP1/AJS2 - Managerへ通知できなかったイベントがある状態でシャットダウン後に起動した場合,シャットダウン前に発生していたイベントを破棄したいときに変更します。 K(保持する) 次回JP1/AJS2サービス起動時 ファイル監視ジョブの情報の引き継ぎ
- Windows
- [ファイル監視ジョブの情報の引き継ぎ]
- UNIX
- FilewatchinfContinue
起動条件に定義されたファイル監視ジョブが実行中にシャットダウンし,その後起動した場合で,シャットダウン前のファイル監視ジョブの監視状態を引き継がないで監視したいときに変更します。 運用によって決定してください。 次回JP1/AJS2サービス起動時 エージェントプロセスのファイル更新モード
- Windows
- [エージェントプロセスの設定]の[ファイル更新モード]
- UNIX
- FileWriteMode
イベントジョブ情報,待機情報ファイルの更新時に,常に同期書き込みを実行したい場合には「同期(sync)」を設定します。「同期」を設定した場合,信頼性は向上しますが,性能は低下します。クラスタ対応など信頼性を優先する場合は,「同期」を選択してください。
イベントジョブ情報,待機情報ファイルの更新時に,JP1/AJS2の処理とは同期を取らないで,OSのバッファーリングによってディスクに書き込みたい場合は「非同期(nosync)」を設定します。「非同期」を設定した場合,「同期」に比べて性能は向上しますが,システムダウンなどが発生した場合,情報の不整合が発生しイベントが消失するおそれがあります。性能・信頼性・運用方法によって,適切な書き込み方法を選択してください。物理ホストの場合「非同期(nosync)」
クラスタの場合「同期(sync)」次回JP1/AJS2サービス起動時 詳細プロセス終了時の処理
- Windows
- [詳細プロセス終了時の処理]
- UNIX
- EVProcessHA
イベント・アクション制御の詳細プロセスがシグナル終了した場合,イベント・アクション制御エージェントプロセスを終了しないで縮退運転させたいときに変更します。 運用によって決定してください。 次回JP1/AJS2サービス起動時 イベントジョブの実行を継続するかどうかの設定
- Windows/UNIX共通
- EvJobExecContinue
イベントジョブの実行中に実行ホストのJP1/AJS2のサービスが停止した場合,再起動後にイベントジョブの実行を継続させたいときに変更します。 N(継続しない) 次回JP1/AJS2サービス起動時
(2) [メール連携]タブの設定項目(EVAction.conf)
表5-17 [メール連携]タブの設定項目(EVAction.conf)
設定内容とパラメーター(表示項目) 設定値を決定する理由
(設定を変更する
必要がある場合)推奨値 設定が有効
になる時期メール連携機能
- Windows
- [メール連携機能]
メールシステム連携機能を使うかどうかを指定します。[設定]ボタンをクリックすると,[メール連携機能の選択]ダイアログボックスが表示されるので,次の中から連携機能を選択します。
- [使用しない]
メールシステム連携を使用しません。
- [デスクトップ上で使用する]
JP1/AJS2メール監視プロセスが登録されます。
- [サービス上で使用する]
JP1/AJS2 Mailサービスが登録されます。デフォルトは[使用しない]です。
ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 メールプロファイル名
- Windows
- [メールプロファイル名]
メールサービスへのログインで使用するプロファイルの名称を256バイト以内で指定します。全角文字も使用できます。メールシステム連携機能をサービス上で動作させる場合,ローカルユーザーが作成したプロファイルを指定してください。メールシステム連携を複数のユーザーがデスクトップ上で使用する場合は,同じ内容で同じ名称のプロファイルを,ユーザーごとに作成してください。プロファイル名を入力し,[追加]ボタンをクリックすると,一覧にプロファイル名が表示されます。プロファイル名は4件まで設定できます。一覧からプロファイル名を選択し,[削除]ボタンをクリックすると,プロファイル名が削除されます。 ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 メール連携時に使用するメールソフトの選択
- Windows
- [メールクライアントソフト]
メールクライアントに使用する関連プログラムを選択します。
- [Outlook 2000以前]
メールシステム連携時に使用する関連プログラムが,次に示すプログラムの場合に選択します。
・Outlook 2000
- [Outlook 2002以降]
メールシステム連携時に使用する関連プログラムが,次に示すプログラムの場合に選択します。
・Outlook 2002
・Outlook 2003
・Outlook 2007
使用する関連プログラムに応じて,選択する値を決定してください。 次回JP1/AJS2サービス起動時 メール受信後の処理
- Windows
- [メール受信後の処理]
受信後のメールの扱いを次のどちらかから選択します。デフォルトは[開封済]です。
- [開封済]
メール受信監視ジョブが終了したあと,受信したメールを開封済にします。
- [削除]
メール受信監視ジョブが終了したあと,受信したメールを削除します。
「開封済」 次回JP1/AJS2サービス起動時 差出人アドレスの引き継ぎ
- Windows
- [差出人アドレスの引き継ぎ]
メール受信監視ジョブの引き継ぎ情報「MLRCVADDRESS」に設定する情報の種類を次のどちらかから選択します。デフォルトは[メールアドレス]です。この設定は,設定したホスト上で動作する,すべてのメール受信監視ジョブに影響します。
- [メールアドレス]
メールアドレスが引き継ぎ情報として設定されます。インターネットメールのメールプロファイルを使用している場合は,後続のメール送信ジョブの宛先として利用できます。
- [表示名]
表示名(ニックネーム)が引き継ぎ情報として設定されます。Exchange Server,Microsoft Mail,またはGroupmaxのメールプロファイルを使用している場合に,後続のメール送信ジョブの宛先として利用できます。
[メールアドレス] 次回JP1/AJS2サービス起動時 監視間隔
- Windows
- [監視間隔]
メールの受信監視間隔と,メール送信時間の間隔を1〜1,440(単位:分)の間で指定します。デフォルトは「10」です。 10 次回JP1/AJS2サービス起動時 Windows 自動ログオンの設定
- Windows
- [Windows 自動ログオンの設定]
Windowsへ自動的にログオンするかどうかを次のどちらかから選択します。
- [設定]
ホストの起動と同時に,Windowsへ自動的にログオンします。合わせて[ユーザー名],[ドメイン名]および[パスワード]を指定する必要があります。
- [解除]
Windowsへログオンするときに,ユーザー名,ドメイン名(またはログオン先),およびパスワードを入力するダイアログボックスが表示されます。[解除]を選択した場合,このダイアログボックスの[ユーザー名],[ドメイン名]および[パスワード]に指定した内容は無視されます。
ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 ユーザー名
- Windows
- [ユーザー名]
Windowsへログオンするユーザーの名称を513バイト以内で,かつWindowsのログオン画面で入力するユーザー名と同じ名称になるように指定します。「ユーザー名@ドメイン名」の形式でも指定できます。この形式で指定した場合,[ドメイン名]の指定を省略できます。「ドメイン名\ユーザー名」の形式では指定できません。この形式では,Windowsへのログオンに失敗してしまいます。なお,指定したユーザー名が存在しない場合は,ログオン時にユーザー名を入力するダイアログボックスが表示されます。 ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 ドメイン名
- Windows
- [ドメイン名]
Windowsへログオンするユーザーが属するドメインの名称を256バイト以内で,かつ,ログオン先と同じ名称になるように指定します。[ユーザー名]を「ユーザー名@ドメイン名」の形式で指定した場合,[ドメイン名]の指定は不要です([ドメイン名]を指定しても,無視されます。[ユーザー名]に指定した「@」より後ろの文字列がドメイン名として扱われます)。なお,指定したドメイン名が存在しない場合は,ログオン時にドメイン名,またはログオン先を選択するダイアログボックスが表示されます。 ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 パスワード
- Windows
- [パスワード]
Windowsへログオンするためのパスワードを127バイト以内で指定します。指定したパスワードが存在しない場合は,ログオン時にパスワードを入力するダイアログボックスが表示されます。 ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時
(3) メール連携のその他の設定を定義する(UNIX限定)
表5-18 メール連携のその他の設定を定義する(UNIX限定)
設定内容とパラメーター(表示項目) 設定値を決定する理由
(設定を変更する
必要がある場合)推奨値 設定が有効
になる時期監視時間間隔
- UNIX
- ReceiveIntervalC
メールの受信を監視する時間間隔を指定します。指定できる値は,1〜1,440(単位:分)です。省略した場合,10が仮定されます。 10 次回JP1/AJS2サービス起動時 ユーザー名
- UNIX
- UserName
ここで指定したユーザーのメールの受信を監視する場合に,ユーザー名を指定します。指定できる文字数は,1〜256(単位:バイト)です。
なお,受信を監視するメールは,ここで指定したユーザー名と同じファイル名で,環境設定パラメーターMailFileDirで指定するディレクトリに格納されます。ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 メールファイルディレクトリ名
- UNIX
- MailFileDir
環境設定パラメーターUserNameで指定したユーザーのメールが格納される,メールファイル用のディレクトリ名を指定します。指定できる文字数は,1〜180(単位:バイト)です。JP1/AJS2では,メール配信機能を使ってメールを受信するため,必ず「/var/opt/jp1ajs2/tmp/mailbox」を指定するようにしてください。省略した場合は「/var/opt/jp1ajs2/tmp/mailbox」が仮定されます。
メール配信機能の設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 連携ガイド 2.3.3 メール配信機能をセットアップする」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 20. セットアップ時に使用するコマンド jpomailrecv(UNIX限定)」を参照してください。ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 監視条件一致メールの保存先ファイル名
- UNIX
- MailFileName
監視条件に一致したメールを保存するメールファイル名をフルパスで指定します。指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。このパラメーターには,環境設定パラメーターMailFileDirおよびUserNameで指定したメールファイルと同じファイル名ではなく,別のファイル名を指定してください。 ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 監視条件不一致メールの保存先ディレクトリ名
- UNIX
- NotMatchMailDir
監視条件に一致しなかったメールを保存する,監視条件不一致メール退避先ファイルのディレクトリ名をフルパスで指定します。指定できる文字数は,1〜180(単位:バイト)です。ただし,環境設定パラメーターMailFileDirに指定するディレクトリと同じディレクトリではなく,別のディレクトリを指定してください。省略した場合,監視条件に一致しないメールは破棄されます。 ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 {U|N}
- UNIX
- ExecMode
メール連携機能を使用するかどうかを指定します。
- U
メール連携機能を使用します。
- N
メール連携機能を使用しません。
ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時
(4) [MSMQ連携]タブの設定項目(EVAction.conf)
表5-19 [MSMQ連携]タブの設定項目(EVAction.conf)
設定内容とパラメーター(表示項目) 設定値を決定する理由
(設定を変更する
必要がある場合)推奨値 設定が有効
になる時期MSMQ連携機能
- Windows
- [MSMQ連携機能]
メッセージキューシステム連携機能を使うかどうかを指定します。デフォルトは[使用しない]です。
- [使用する]
メッセージキューシステム連携機能を使用します。
- [使用しない]
メッセージキューシステム連携機能を使用しません。
ユーザー環境に依存 次回JP1/AJS2サービス起動時 監視時間間隔
- Windows
- [監視間隔]
メッセージキューを監視する間隔を1〜1,440(単位:分)の間で指定します。デフォルトは「10」です。 10 次回JP1/AJS2サービス起動時
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