Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(VMware®用)

[目次][索引][前へ][次へ]


3.7.2 機能の設定

HDLMで設定できる各機能について次の表にまとめています。各機能の詳細は「(1) ロードバランスの設定」以降を参照してください。

各機能の設定値には,デフォルト値と推奨値があります。HDLMコマンドのsetオペレーションで機能を設定しない場合,機能の設定値にはデフォルト値が適用されます。推奨値は,機能を設定する場合の目安となる値です。

表3-4 各機能のデフォルト値と推奨値

機能 デフォルト値 推奨値
ロードバランス アルゴリズムは拡張最少I/O数 アルゴリズムの推奨値は運用環境によって異なります。
間欠障害監視 off on
ダイナミックI/Oパスコントロール off
チェック間隔10(分)
off
チェック間隔の推奨値は運用環境によって異なります。
監査ログ採取 off 推奨値は運用環境によって異なります。
監査ログを採取したい場合「on」を設定してください。

注※
ストレージシステムがHitachi AMS2000シリーズ,Hitachi SMSシリーズ,またはHUS100シリーズを使用している場合にだけ適用されます。
この項の構成
(1) ロードバランスの設定
(2) 間欠障害監視の設定
(3) ダイナミックI/Oパスコントロールの設定
(4) 監査ログ採取の設定

(1) ロードバランスの設定

ロードバランス機能を使用するかどうかを設定します。

ロードバランスを設定する例を,次に示します。

 
dlnkmgr -s ホスト名 -u ユーザ名 -p パスワード set -lb on -lbtype exlio
 

ロードバランスのアルゴリズムを変更する場合は,-lbtypeオプションのあとに,次に示すアルゴリズムを指定します。

(2) 間欠障害監視の設定

間欠障害が発生したときのI/O性能の低下を防ぐため,間欠障害監視を有効にすることをお勧めします。

間欠障害監視を有効にした場合,「障害監視時間」および「障害発生回数」で,間欠障害と見なす条件を指定できます。障害監視時間のデフォルト値は「30」,障害発生回数のデフォルト値は「3」です。

間欠障害監視を有効にした場合,指定した監視時間(分)内に指定した回数の障害が発生すると,HDLMはそのパスに間欠障害が発生していると見なします。間欠障害が発生していると見なされたパスは,自動フェイルバック対象外になります。なお,間欠障害監視は,パスごとに実施されます。

パスが間欠障害と見なされているかどうかは,HDLMコマンドのviewオペレーションの実行結果で確認できます。

間欠障害監視を設定する例を,次に示します。

 
dlnkmgr -s ホスト名 -u ユーザ名 -p パスワード set -iem on -intvl 20 -iemnum 2
 

間欠障害を監視する場合は「on」を,監視しない場合は「off」を指定します。「on」を指定した場合,-intvlパラメタおよび-iemnumパラメタで,間欠障害と見なす条件を指定できます。-intvlパラメタでは障害監視時間を,-iemnumパラメタでは障害発生回数を指定します。条件の指定を省略すると,30分以内に3回障害が発生した場合に間欠障害と見なします。

(3) ダイナミックI/Oパスコントロールの設定

I/O性能の低下を防ぐため,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替えに追従して,HDLMの出力先コントローラを動的に切り替えます。

ダイナミックI/Oパスコントロール機能はストレージシステム単位またはLU単位に設定できます。また,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替えを追従するに当たり,切り替え情報を見直しするチェック間隔も設定できます。

ダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定する例を,次に示します。

dlnkmgr -s ホスト名 -u ユーザ名 -p パスワード set -dpc on -pathid 000001 -lu
dlnkmgr -s ホスト名 -u ユーザ名 -p パスワード set -dpcintvl 10

ダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効にする場合は「on」を,無効にする場合は「off」を指定します。-pathidパラメタではLUまたは,ストレージシステムに接続されているパスIDを指定します。-dpcintvlパラメタでは,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報を見直すチェック間隔を,分単位で指定します。

(4) 監査ログ採取の設定

監査ログを採取するかどうか設定します。

監査ログを採取する場合には,監査ログ採取レベルおよび監査ログ種別を設定します。

監査ログの採取レベルの設定値とその説明を次の表に示します。監査ログ採取レベルは重要度(Severity)で設定します。デフォルトの設定値は「6」です。

表3-5 監査ログ採取レベルの設定値

設定値(重要度) 説明
0 Errorレベルの監査ログを採取します。
1
2
3
4 Error,およびWarningレベルの監査ログを採取します。
5
6 Error,Warning ,およびInformationレベルの監査ログを採取します。
7

監査ログ種別の設定値とその説明を次の表に示します。デフォルトの設定値は「all」です。

表3-6 監査ログ種別の設定値

設定値 説明
ss StartStopの監査ログ事象を採取します。
a Authenticationの監査ログ事象を採取します。
ca ConfigurationAccessの監査ログ事象を採取します。
all StartStop,Authentication,およびConfigurationAccessの監査ログ事象を採取します。

監査ログ採取を設定する例を,次に示します。

 
dlnkmgr -l set -audlog on -audlv 6 -category all
 

監査ログを採取する場合は「on」を,採取しない場合は「off」を指定します。「on」を指定した場合,-audlvパラメタで監査ログ採取レベルを,-categoryパラメタで監査ログ種別を指定できます。

[目次] [前へ] [次へ]


All Rights Reserved. Copyright© 2011, 2013, Hitachi, Ltd.