Replication Manager Software Application Agent CLI リファレンスガイド

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1.1 拡張コマンドの概要

拡張コマンドは,バックアップやリストアなどのデータ保護運用の負荷を軽減するためのコマンドです。拡張コマンドを使用することで,複雑な処理を構築することなく,バックアップやリストアを自動的に実行できます。

例えば,Application Agentのコマンドを使用してデータをテープにバックアップするとします。この場合,次のような機能を持つコマンドを対話的に実行していく必要があります。

  1. 副ボリュームのロック解除
  2. 副ボリュームのマウント
  3. 副ボリュームのアンマウント
  4. 副ボリュームのロック
  5. データの副ボリュームへのバックアップ
  6. バックアップ実行結果の確認
  7. バックアップ情報の一時ファイルへのエクスポート
  8. 正ボリュームのロック
  9. 一時ファイル,メタファイルまたは制御ファイルのバックアップサーバへの転送
  10. 一時ファイルのバックアップ情報のインポート
  11. インポート実行結果の確認
  12. 副ボリュームのデータのテープバックアップ
  13. テープバックアップ実行結果の確認
  14. 正ボリュームのロック解除

これらのコマンドすべてについて,処理の対象となるリソース情報やバックアップに関連する情報を指定するのは煩雑です。拡張コマンドには,このような情報があらかじめ定義されています。拡張コマンドは,運用管理ソフトウェアなどを使用して自動的に実行できるため,複雑な処理を構築することなくバックアップが実行できます。拡張コマンドを使用することで,データ保護運用の負荷を軽減できます。

また,運用管理ソフトウェアとしてJP1/AJS2 - Scenario Operationを使用すると,シナリオに沿った運用を自動化できます。シナリオとは,システム全体を効率良く運用するための手順を表現したものです。コマンド実行時の環境に依存する情報を変数として設計した運用手順を,シナリオテンプレートと呼びます。運用環境に依存する情報をシナリオテンプレートの変数に設定してシナリオを作成することで,運用手順を効率良く自動化できます。JP1/AJS2 - Scenario Operationでは,Application Agentのコマンドを使用した幾つかの運用手順をシナリオテンプレート(シナリオのひな形)として提供しています。JP1/AJS2 - Scenario Operationを使用した運用手順の自動化やシナリオテンプレートの組み込み方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 - Scenario Operation」を参照してください。

この節の構成
1.1.1 拡張コマンド一覧

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