Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド
オペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを使用するシステムの構成に合わせて作成します。作成したオペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを実行する各サーバの次のディレクトリに格納します。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\
オペレーション定義ファイルを所定のディレクトリに格納したあとは,オペレーション定義ファイルチェックツールを実行して,オペレーション定義ファイルの内容のチェックと,拡張コマンド用一時ディレクトリの自動生成をします。
- この項の構成
- (1) オペレーション定義ファイルの配置
- (2) オペレーション定義ファイルの形式
- (3) オペレーション定義ファイルの作成例
オペレーション定義ファイルは,処理の対象となるマウントポイント,ファイル,インスタンス,ストレージグループ,またはインフォメーションストアに対して,同一のファイルを2つ作成します。1つのオペレーション定義ファイルをファイルサーバまたはデータベースサーバに配置し,もう1つをバックアップサーバに配置します。ファイルサーバまたはデータベースサーバがクラスタ構成の場合は,バックアップ対象となるクラスタリソース(マウントポイントまたはファイル)が定義されているすべてのサーバに,同一のオペレーション定義ファイルを配置します。
オペレーション定義ファイルの配置例を次の図に示します。
図3-13 オペレーション定義ファイルの配置例(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
この例では,クラスタを構成するデータベースサーバA(サーバ名:DBServer_A)およびデータベースサーバB(サーバ名:DBServer_B)で,仮想サーバC(サーバ名:VServer_C)が動作しています。
データベースサーバAおよびデータベースサーバB上にはストレージグループ「STORAGE_1」が在り,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されています。
この場合,データベースサーバA,データベースサーバBおよびバックアップサーバ(サーバ名:BKServer)には,「STORAGE_1」に関するオペレーション定義ファイルを配置します。
オペレーション定義ファイルは,処理の対象を一意に特定するオペレーションIDに対応して,次のような名称で作成します。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_<オペレーションID>.dat
オペレーション定義ファイルのサンプルは,次の場所にあります。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\sample
オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数を次の表に示します。これらの項目の指定は省略できません。
表3-55 オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
指定項目 指定内容 最大文字数 BACKUP_OBJECT バックアップ対象の種別を示す文字列を指定します。
「MSEXCHANGE」と指定します。32 DB_SERVER_NAME データベースサーバ名を指定します。
クラスタ構成の場合は,クラスタリソースに対応する仮想サーバ名を指定します。この仮想サーバ名は,Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)の「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ>;<仮想サーバ名>」に定義されている必要があります。※163 INSTANCE_NAME 「-」を指定します。 1 TARGET_NAME※2 Exchange Server 2003およびExchange Server 2007の場合
バックアップするストレージグループ名を指定します。※3
コンマで区切って複数指定できます。空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。値を省略すると,サーバにあるすべてのストレージグループがバックアップの対象となります。
Exchange Server 2010およびExchange Server 2013の場合
バックアップするインフォメーションストア名を指定します。※4
コンマで区切って複数指定できます。値の指定を省略すると,Exchange Serverにあるすべてのインフォメーションストア名がバックアップ対象となります。1,024※5 FTP_HOME_DIR FTPサービスのルートディレクトリを指定します。この値はバックアップサーバのIISで指定したFTPサービスのホームディレクトリ名と一致している必要があります。
この値を省略することはできません。128 FTP_SUB_DIR FTPサービスのルートディレクトリの下に作成されるサブディレクトリ名を指定します。※6
ここで指定したサブディレクトリの下に一時ディレクトリが作成されます。拡張コマンドは,この一時ディレクトリにファイルをFTP転送します。この値を省略した場合「HPtM」というサブディレクトリが自動生成されます。128 SET_DRM_HOSTNAME データベースサーバの構成を指定します。クラスタ構成の場合は「1」,クラスタ構成でない場合は「0」を指定します。 1
- 注※1
- バックアップ対象がExchangeデータベースの場合,仮想サーバ名は,拡張コマンドEX_DRM_EXG_BACKUPの-hostnameオプションでも指定できます。オペレーション定義ファイルの「DB_SERVER_NAME」と-hostnameオプションの両方で仮想サーバ名を指定した場合,-hostnameオプションの指定が優先されます。
- 注※2
- バックアップ対象がExchange Server 2003のStandard Editionの場合,この項目で指定した内容は無効になります。
- 注※3
- この項目を指定する場合,回復用ストレージグループは指定しないでください。
- 注※4
- この項目を指定する場合,回復用データベースは指定しないでください。
- 注※5
- 文字として1,024文字ということであり,全角文字,半角文字は区別しません。
- ヘッダ部分「TARGET_NAME=」は1,024文字に含みません。
- 区切りのコンマも1文字とします。
- 注※6
- 指定するサブディレクトリは,次の条件を満たす必要があります。
- ディレクトリ名の文字列の中にディレクトリ区切り文字(\)を含まないこと
- ディレクトリ名がピリオド1つ(.)または2つ(..)だけでないこと
- ルートディレクトリでないこと
クラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成する例について説明します。
この例の前提条件は次のとおりです。
- システムで使用しているExchange ServerがExchange Server 2007のEnterprise Editionである。
- クラスタを構成するデータベースサーバA(サーバ名:DBServer_A)およびデータベースサーバB(サーバ名:DBServer_B)で,仮想サーバC(サーバ名:VServer_C)が動作している。
- データベースサーバAおよびデータベースサーバB上にはストレージグループ「STORAGE_1」があり,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されている。
- データベースサーバAおよびデータベースサーバBに,クラスタグループ「EXGCG_1」がある。
- クラスタグループ「EXGCG_1」に,次の表に示したクラスタリソースが登録されている。
表3-56 クラスタリソースの例(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
クラスタグループ名 仮想サーバ ストレージグループ名 EXGCG_1 VServer_C STORAGE_1 - バックアップサーバ(サーバ名:BKServer)上でIISのFTPサービスが設定され,FTPサービスが起動されている。FTPサイトのホームディレクトリは「C:\FTP_ROOT」とする。
- FTPサブディレクトリは「script」とする。
- データベースサーバAが現用サーバ,データベースサーバBが待機サーバとして設定されていて,共有ディスクとして「G:」を使用している。
- 環境設定ファイル「init.conf」に「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ名>;<仮想サーバ名>」が設定されている。
- ディクショナリマップファイル格納ディレクトリにApplication Agentが拡張コマンド用一時ディレクトリを自動作成できる権限がある。
- 拡張コマンド用一時ディレクトリが自動作成されるディスクに,次の一時ファイルが格納できる十分な空き容量がある。
- バックアップID記録ファイル
- バックアップ情報のファイル
- 拡張コマンド用一時ディレクトリの命名規則に従ってディレクトリが自動生成されたときに,ディレクトリの長さがOSの制限を超えない。
この例では,次の表に示すオペレーションIDに対応するオペレーション定義ファイルを作成します。
表3-57 オペレーション定義ファイルを作成するオペレーションID(バックアップ対象がExchangeデータベースでクラスタ構成の場合)
オペレーションID 仮想サーバ 対象ストレージグループ Operation_A VServer_C STORAGE_1 クラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成するには:
- 現用サーバ(データベースサーバA)にオペレーション定義ファイルを作成し,必要な項目を設定します。
次のファイルを作成します。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat
「<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat」の記述例を次に示します。
BACKUP_OBJECT=MSEXCHANGE DB_SERVER_NAME=VServer_C INSTANCE_NAME=- TARGET_NAME= FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT FTP_SUB_DIR=script SET_DRM_HOSTNAME=1- 現用サーバ(データベースサーバA)でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_EXG_DEF_CHECK」を実行します。
EX_DRM_EXG_DEF_CHECK <オペレーションID> -dbオペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
エラーがあった場合はファイルの指定内容を修正し,チェックツールを再度実行します。- 現用サーバ(データベースサーバA)で作成したオペレーション定義ファイルをバックアップサーバにコピーします。
次のフォルダにコピーします。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\- バックアップサーバでオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_EXG_DEF_CHECK」を実行します。
EX_DRM_EXG_DEF_CHECK <オペレーションID> -bkオペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
エラーがあった場合は,バックアップサーバの構成をオペレーション定義ファイルの内容に合わせて変更するか,オペレーション定義ファイルの内容をバックアップサーバの構成に合わせて変更してください。バックアップサーバの構成を変更する場合は,チェックツールを再度実行します。オペレーション定義ファイルの内容を変更する場合は,データベースサーバにも同一のファイルを格納し,チェックツールを再度実行します。- 現用サーバ(データベースサーバA)で作成したオペレーション定義ファイルを待機サーバ(データベースサーバB)にコピーします。
次のディレクトリにコピーします。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\
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