Replication Manager Software システム構成ガイド

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2.1.6 コピーペアを管理するためのシステム構成(メインフレーム系システム)

ホストがメインフレーム系ホストの場合の基本的なシステム構成を説明します。メインフレーム系のシステム構成ではBusiness Continuity ManagerまたはMainframe Agentのどちらかを使用します。

参考
RAID Managerを使用してメインフレーム系システムのコピーペアを管理することもできます。RAID Managerを使用してメインフレーム系システムのコピーペアを管理する場合の要件は,「2.1.1 コピーペアを管理する場合のシステム構成(オープン系システム)」の「(5) RAID Managerを使用してメインフレーム系システムのコピーペアを管理する場合の要件」を参照してください。
この項の構成
(1) 基本的なシステム構成
(2) システムの構成要素
(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア
(4) Mainframe AgentとBusiness Continuity Managerエージェントの比較

(1) 基本的なシステム構成

Business Continuity ManagerまたはMainframe Agentを使用した構成例を次の図に示します。

図2-13 Business Continuity Managerを使用したメインフレーム系システムの構成

[図]

図2-14 Mainframe Agentを使用したメインフレーム系システムの構成

[図]

(2) システムの構成要素

システムの構成要素を次の表に示します。

表2-9 システムの構成要素(メインフレーム系システム)

システムの構成要素 システムの構成要素に含まれるソフトウェア 説明
管理クライアント Webブラウザー 管理クライアントは,ユーザーがWebブラウザーを使って,管理サーバ上で稼働するReplication ManagerのGUIを操作するコンピュータです。
管理サーバ Replication Manager
Device Managerサーバ
管理サーバは,管理クライアントからの要求に対して管理情報を提供します。Replication Managerとその前提プログラムであるDevice Managerサーバは,管理サーバにインストールします。
複数のサイトを使用する場合は,ローカルサイトに管理サーバが必要です。ローカルサイトの管理サーバにはReplication ManagerとDevice Managerサーバをインストールします。
Device Manager 6.3以降を使用する場合,ホストにBusiness Continuity ManagerまたはMainframe Agentがインストールされていなくても,コピーペアを監視できます。また,メインフレーム系システムのOSに依存しないで,コピーペアを監視できます。
ホスト(ペア管理サーバ) Business Continuity ManagerまたはMainframe Agent 通常,ホストとはアプリケーションプログラムがインストールされるコンピュータです。Business Continuity ManagerまたはMainframe Agentをホストにインストールします。
コピーペアを管理する場合,ホストから正ボリュームおよび副ボリュームがそれぞれ認識されている必要があります。正ボリュームと副ボリュームは,別々のホストに割り当てることをお勧めします。
Device Managerサーバが情報取得元として登録されていない場合,またはMainframe Agentを使用する場合は,GUIに表示される情報が制限されます。システム構成による表示情報の制限については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software ユーザーズガイド」またはオンラインヘルプのGUIを使用する上での注意事項の説明を参照してください。
Business Continuity Manager(バージョン6.2以降)をインストールすると,Replication Managerからコピーペアを操作できるようになります。Business Continuity Managerの一部としてインストールされるBusiness Continuity Managerエージェントは,Replication Managerからの要求を処理します。詳細については,「(4) Mainframe AgentとBusiness Continuity Managerエージェントの比較」を参照してください。
Business Continuity Managerのリモートスキャン機能を使用する場合は,リモートサイトへのホスト(ペア管理サーバ)へのインストールは不要です。
リモートスキャンまたはペア管理機能を実行するには,事前に環境設定が必要です。詳細については,マニュアル「Hitachi Business Continuity Manager ユーザーズガイド」を参照してください。
オープン系システムのペア管理サーバと同様,メインフレーム系ホストはコピーペアの状態やリモートコピーの性能情報などの管理情報を収集するので,メインフレーム系ホストをペア管理サーバと呼ぶことがあります。
ストレージシステム マイクロコード
必要に応じて,製品(TrueCopy SyncまたはUniversal Replicatorなど)のライセンスを登録してください。
ストレージシステムは,ホストに接続された外部記憶装置です。

(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア

システムの構成要素に含まれるソフトウェアを次の表に示します。

表2-10 コピーペアの管理に必要なソフトウェアの概要(メインフレーム系システム)

ソフトウェア 説明
Replication Manager 大規模なシステム構成でストレージシステムのボリュームの複製を一元管理するために使用します。
Replication Managerには,Hitachi Command Suite製品で共用する機能を集めたHitachi Command Suite共通コンポーネントが含まれています。共通コンポーネントはHitachi Command Suite製品の構成要素としてインストールされ,インストール中に最新バージョンにアップグレードされます。
Device Managerサーバ ストレージシステムのリソースおよびハードウェア構成の統合管理に使用します。複数のストレージシステムで構成されたシステムの運用と管理ができます。
Replication Managerが稼働している管理サーバ上にあるDevice ManagerサーバをローカルDevice Managerと呼びます。Replication Managerが稼働している管理サーバ以外で動作しているDevice ManagerサーバをリモートDevice Managerと呼びます。プライマリーサイトで稼働しているDevice Managerサーバでも,運用している Replication Managerと同じ管理サーバ上になければリモートDevice Managerとなります。
Device Managerサーバについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。
Business Continuity Manager(およびBusiness Continuity Managerエージェント) ストレージシステム上のコピーグループ構成をホストから制御するために使用します。
Business Continuity Managerエージェントを経由して,Replication ManagerはBusiness Continuity Managerが管理するストレージシステム上で,コピーペアの操作を監視したり実行したりします。Business Continuity Managerについては,マニュアル「Hitachi Business Continuity Manager ユーザーズガイド」を参照してください。
Replication Managerを使ってコピーペアを管理するには,バージョン6.2以降のBusiness Continuity Managerが必要です。それより前のバージョンでサポートしているのは監視だけです。
HyperSwap機能を使用してコピーペアを管理する場合,次に示すバージョンのBusiness Continuity Managerが必要です。
  • Virtual Storage Platformを使用するとき:バージョン6.6以降
  • Universal Storage Platform V/VMを使用するとき:バージョン6.3以降
RAID Managerで作成した異なるコピーグループとコンシステンシーグループIDを合わせてコンシステンシーグループとして定義する場合,次に示すバージョンのBusiness Continuity Managerが必要です。
  • Virtual Storage Platformを使用するとき:バージョン6.6.1以降
  • Universal Storage Platform V/VMを使用するとき:バージョン6.3以降
Mainframe Agent ホストおよびストレージシステムに関する情報の収集に使用します。
Replication ManagerはMainframe Agentと連携して,PPRC(Peer to Peer Remote Copy)が作成したコピーペアの構成と状態に関する情報を監視します。Mainframe Agentについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software Mainframe Agent ユーザーズガイド」を参照してください。
重要
実行中(またはスケジュールされた)タスクの対象となっているボリューム,コピーグループ,またはコピーペアに対して,ほかのアプリケーション(Business Continuity Managerを含む)から同時に操作を行わないでください。エラーが発生するおそれがあります。

(4) Mainframe AgentとBusiness Continuity Managerエージェントの比較

Mainframe Agentをペア管理サーバにインストールすることによって,Replication Managerはメインフレーム系システムのコピーペアを監視できます。Business Continuity Managerエージェントを使用すると,Replication Managerはメインフレーム系システムのコピーペアを監視するだけでなく,管理することもできます。Business Continuity Managerは,Mainframe Agentの代わりにBusiness Continuity Managerエージェントを使用してReplication Managerと接続できます。Business Continuity ManagerエージェントはBusiness Continuity Managerの一部としてインストールされます。

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